<新年に向けての準備>
一年の計は元旦にあり、という警句があります。
広辞苑によれば、一年中の計画はその年の初めに決めておくがよい、ということです。
私は、年末になるとこの言葉をよく思いだします。
なぜ、思い出すのかは私自身定かではないのですが、それは常日頃、計画立案をすることの大切さを考えているからなのかもしれません。
これに関連して、四計ということばがあります。広辞苑をそのまま引用します。
[月令広義]処世術における四つの計(はかりごと)。
1日の計は晨(あした)にあり、1年の計は春にあり、一生の計は勤にあり、一家の計は身にありという。
また、1年の計は春にあり、1日の計は寅にあり、一家の計は和にあり、一身の計は勤にありともいう。
元旦というのと春というのでは、時間の長さがまるで違います。
この場合の春とは1月から3月頃までの1年の四分の一の季節と考えると、1日に対して3か月です。
どちらの方針が良いかと比較する前に、考えておくべきなのは、それぞれの計が同じ内容を示しているかどうかです。
一年の計は元旦にあり、の場合は、文字通り元旦の一日にはその一年の見積もりをたてること、はかりごと、に相当します。つまり、計画立案です。
これに対して、一年の計は春にあり、の場合は、同じはかりごとでも、意味が違うのは明らかです。
新年を迎えてから、試行錯誤を繰り返しながら、ゆっくりと吟味して練り上げていくニュアンスが感じられます。
私自身は、それらのいずれかを択一するのではなく、併用すれば良いのではないかと考えています。
しかし、その場合、一年の計は元旦にあり、の解釈は一般のそれとは異なります。
私の解釈では、新年の幕開けの<元旦から年間計画に基づく行動を実践しよう>ということです。
つまり、計画的行動の実践のためには、年末までにプランは練り上げて準備を完了させておく、ということになります。
考え直すのは、実践してからのことです。
思った通りにならないことは世の常です。
だから、早めに実践することが得策だと思います。
計画が不備で、期待した結果が得られなくても、その状況判断が早期にできれば、1年の残りの計画修正も早い段階でできるからです。
つまり、一年の計は春にあり、の深い意味はここにあるのではないか、と思います。
英語では1月をJanuaryと言いますが、この語源はギリシャ神話のJanus(ヤーヌス)神だそうです。
ヤヌス神は二つの頭をもち、それぞれ西と東を向いているとされます。一説によると、それは去年と今年に相当するのだそうです。
1月は去年をふり返り、今年1年間の計画を立てる月、ということになるでしょうか。
自説を繰り返して恐縮ですが、1月を迎えてから考えるのでは遅いのではないかと思います。
とりわけ日本の正月は何やかやあわただしく、じっくりモノを考えてみようという企てさえ頓挫しかねないからです。
以上は、私のこれまでの経験を述べたに過ぎません。
そこで、私の立場では、という断りをつけてのお話になりますが、まず一年の計は元旦にあり、を活かすために、年末までに残された時間を有効に活用したいと思います。
一年の計画立案の第一歩は、この一年間の反省です。
現在の立場から冷静に過去を振り返って分析し、その結果得られた情報を、次の年の計画に繋げていきます。
立案する年間計画は、3つの運営計画です。
第一に診療所、第二に水氣道、第三に聖楽院です。
これら三つの事業は相互に関連しあっています。
もし、読者の皆様の中に、現在大きな問題を抱えていて、1年の計どころではない、という状況の方がいらっしゃるとしたら、僭越ながら、一つだけ提案があります。
今年のうちに、来年に向けての布石を一つ打っておきましょう。
ただし、その布石によってすべての問題が解決するなどとは思わないようにお願いします。
布石とは祈りのようなもので、だれも傷つけない者であってほしいものです。
まずは準備行動です。必要な行動を先延ばしにしていると、結果を吟味するのも遅れてしまい、すべてが後手に回り、チャンスを失うことになりかねないからです。
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