日々の臨床 ⑤:11月30日 木曜日<痛みの心理学的検査 >

総合リウマチ科(膠原病、腎臓、運動器の病気を含む)

 

< 痛みの心理学的検査 >

 

 

痛みは、身体の症状ですが、主観的な自覚症状であるため、本人にしか感受することができないため、客観的に把握することは必ずしも容易ではありません。

 

また、痛みを感じるのは脳であるため、気分、感情、情動それから思考などの影響を受けます。

 

そこで、役立つのは充実した問診票です。

 

 

高円寺南診療所では、特に治療が難しいとされている慢性疼痛の患者さんを多数例経験し、一定の成績を収めています。

 

その際に役立っているのは、充実した問診票です。

 

以下に示した1.が基本的な問診票ですが、これは心身両面にわたる全般的な気分・体調などを概観するのにとても有用です。

 

また体調痛みの原因によっては、他の問診票による査定を追加して、痛みの性質を特定し、より有効な治療へと繋げています。

 

 

1.CMI健康調査票

 

 

2.MMPI(ミネソタ多面人格テスト)

 

 

3.マギル痛み質問票(McGill pain questionnaire;MPQ)

 

皮膚や筋に広がる異常感覚、冷感、刺痛、圧痛、灼熱痛、鈍痛などについて、以下の4項目につき、その強度を問うものです。

 

①痛みの部位、②痛みの言語表現、③痛みの変化、④現在の痛み

 

(Web site:mpq mcgill pain questionnaire)

 

 

 

1.整形外科患者の精神医学的問題を評価するための簡易問診票

 

(brief scale for psychiatric problems in orthopaedic patients;BS-POP)

 

 

2.線維筋痛症質問票(fibromyalgia impact questionnaire;FIQ)日本語版J-FIQ

 

線維筋痛症の病態を心身両面から評価する質問紙で、以下の10項目の質問で構成されています。

 

①運動機能障害、②気分の良さ、③仕事・家事を休む日数、④仕事・家事への支障、⑤痛み、⑥疲労、⑦起床時の気分、⑧こわばり、⑨不安、⑩抑うつ