日々の臨床 ①:11月19日 日曜日<正食(マクロビオティック)につて>

統合医学(東西医学、代替・補完医療)

 

<正食(マクロビオティック)につて>

 

正食とは、1928年(昭和3年)に食養研究家の桜沢如一が考案した食生活法です。

 

そのモデルは石塚左玄の食養道にあるそうです。

 

桜沢如一は1929(昭和4年)に渡仏しパリで正食を広めました。

 

そして1960年代には渡米して、弟子の久司道夫らとともに「禅・マクロビオティック」を唱えて、独自の哲学を含む食生活運動を発展させました。

 

私は、開業医としての業務の傍ら、千葉県市川市の昭和学院短期大学ヘルスケア栄養学科の非常勤講師(後に客員教授)に招聘されたことをきっかけにAmerican College of Holistic Nutrition(米国綜合栄養大学、通信制)の博士課程に入学して自然療法や臨床栄養学を学びました。

 

多数の英文教材の中の一冊に久司道夫氏のMacrobioticがあって、興味深く勉強した記憶があります。

 

 

伝統的な和食への関心は欧米でも高いようです。

 

 

そこで正食の指導の特徴を列記してみます。

 

 

三大理念に、「一物全体」「身土不二」「陰陽調和」があります。

 

 

これらのうち「陰陽調和」が根本原理であり、「一物全体」も「身土不二」もこの原理から派生しているのではないかと考えます。

 

 

正食法の考え方は、現在においても概ね推奨できますが、余り実際的でない項目も含まれていると思います。

 

「陰陽調和」はとても大切な基本概念ですが、「一物全体」や「身土不二」に厳密にこだわりすぎることはあまりお勧めできません。

 

 

①玄米や雑穀、全粒粉の小麦製品などを主食とする

 

 

②野菜、穀物、豆類などの農産物、海草類を食べる

 

 

③「身土不二」(地産地消):近隣の地域で収穫された、旬の食べ物を食べる

 

有機農産物や自然農法による食品を摂取する。

 

 

④砂糖を使用しない

 

甘味は米飴・甘酒・甜菜類・メープルシロップなどで代用する。

 

 

⑤鰹節や煮干しなど魚の出汁、うま味調味料は使用しない。

 

出汁としては、主に昆布や椎茸を用いる

 

 

⑥天然由来の食品添加物を用いる

 

塩はにがりを含んだ自然塩を用いる

 

 

⑦肉類や卵、乳製品は用いない。

 

 

➇「一物全体」:皮や根も捨てずに用いて、一つの食品は丸ごと摂取する。

 

 

⑨食品の灰汁(アク)も取り除かない。

 

 

⑩コーヒーは身体を冷やすので避ける。

   

 

(参考:太字で下線を施した項目は、飯嶋正広自らが実行しているもの、下線を施した項目は、飯嶋正広が参考にしている項目です。)