》往く週《 10月18日:第29回聖楽院週例コンサート(90分プログラム)
担当ピアニスト 佐々木理之(第3週先任ピアニスト)
今回は、サックス冨士田紗季、フルート富永綾香、ソプラノ若月櫻子など、聖楽院で精力的に活躍しているメンバーが多数出演しました。
ソプラノ若月は、オープニングの聖歌であるカッチーニを華麗に歌い上げ、会場の雰囲気を一気に盛り上げてくれました。
そしてコンコーネ50番のNo31を小倉百人一首の中から女流歌人である右大将道綱母の和歌の歌詞で歌ってくれました。
この曲は、テーマの他に2つのバリエーションを持った曲で、しかも音の動きが、3連符から次第に16分音符と細かくなっていくというテクニカルな曲です。
やはり、女声、とりわけソプラノで歌うNo31は格別でした。
そしてドヴォルザークの歌曲集「愛の歌」から第1番〈私たちの愛に〉、
意味は不明であるににもかかわらず、チェコ語の美しい哀愁に満ちた響きは聴く者の心の琴線を震わせずにはおきませんでした。
フィナーレを飾るメノッティのオペラ「電話」から〈ちょっと失礼>の世界的水準でのはまり役の一人に、若月櫻子を加えても許されることでしょう。
何度聞いても飽きが来ない魅力を発散していました。
サックスの冨士田紗季は、今や聖楽院の顔の一人です。
週例コンサート出演に向けての精力的な取り組みは、他に抜きんでています。
ドビュッシーとボザは、サックスならではの組み合わせの妙味ということができましょう。
来年はソロ演奏、ピアノ伴奏の他、他の楽器とのアンサンブルによる多彩で豊かな表現への挑戦してくれるのではないでしょうか。
フルート富永も注目のアーティストです。
プログラムとは逆順で、バッハの2曲の格調高い演奏の後の日本の唱歌を2曲。
今回は、ソプラノ若月のコンコーネで声楽のヴァリエーションを味わったあとに、日本歌曲の変幻自在なヴァリエーションをフルートでも大いに楽しむことができました。
若きフルーティスト富永は、フルートという楽器のもつ魅力を上品に、端正にアピールすることに成功したといえます。
今後は、オペラ・アリアなどのフルートによる変奏曲を豊富に披露してくれることなど、大いに期待できそうです。
ピアノ佐々木理之は、永遠の音大生ともいうべき純粋な音楽家です。
難曲を前にしてひるむことなく果敢に挑戦を挑むピアノの戦士です。
それに加えて、彼は伴奏の依頼をいつも快く引き受けてくれる懐の深い慈父のような存在でもあります。
今回はロシアの作曲家である2人のセルゲイ(プロコフィエフ、ラフマニノフ)の大曲を披露してくれましたが、
佐々木のロシアに対する思い入れの深さが伝わってくるような演奏であったことを報告しておきます。
《 来る週 》10月25日:第30回聖楽院週例コンサート(90分プログラム)
(音海水曜コンサート発足、通算100回特別記念プログラム)
前半45分
担当ピアニスト 吉田 奈津子(第4週先任ピアニスト)
前半のプログラムは、聖楽院週例コンサートの根幹をなす基調プログラムです。
第29回コンサートの出演者でもあるソプラノ若月櫻子、サックス冨士田紗季が引き続き
この回も強力にバックアップしてくれます。
なおフルートの西巻有希子は、前半のプログラムと広汎のプログラムを繋ぐ演奏コーディネーターとして素敵な役割を演じてくれることでしょう。
後半45分
特別出演のイタリア人アコーディオン奏者Ezio Ghibaudo氏のプログラム
聖楽院協力アーティストであるフルート西巻有希子とのアンサンブルもお楽しみいただけます。
このコンサートは、予約チケット制です。
予約チケットは全て完了しました。
今回の予約ができなかった多数のお客様には、折角のご期待に応えることができず大変申し訳ございませんでした。
改めてお詫び申し上げます。
今後の特別コンサートについては、可能な限り、ご希望の皆様の御期待に応えられるよう、
区内小ホール等での開催を含めメンバー一同総力をもって精進いたしたいと存じます。
11月23日(勤労感謝の日)に開催予定の
第1回聖楽院レッスン生内部発表会のプログラムはほぼ完成しました。
第一部の発表会は無料、第二部の指導者コンサート(ソプラノ小松奈津子、テノール藤原拓海、フルート八木華沙璃)は、
お蔭様で、予約チケットは全て完了いたしました。ありがとうございます。
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