【心理】認知行動療法 HELP!力<36>(番外編) 山でのHELP!力

今回は「番外編 その6」です。

 

いろいろな「助け合い」について、引き続き北アルプス登山のエピソードから、お話しいたします。

 

 

これまで「声かけ」の助け合いや、「情報交換」の助け合いについてお話ししてきました。

 

いろいろな助け合いの中には、「物」による助け合いもあります。

 

 

私が助けられたり助けたりした、3つのエピソードをご紹介いたしましょう。

 

エピソード1

 

それは2,3年前、ガスバーナーを初めて持参したときのことでした。

 

山では火がつきにくいことを知っていたので、ライターも持参しました。

 

案の定、バーナーの着火が不調でした。

 

そこでさっそくライターを使うことにしました。

 

 

今度は当然着火するはずと期待して試すと…つかない!

 

友人のライターも私のライターも、いくらカチカチとやってもつかない。

 

 

さてはて、どうしよう…と困っていました。

 

途方に暮れていると、隣の女性が「つけましょうか?」とライターを差し出してくれました。

 

 

後で知ったことですが、私たちが持参していたものは「電子ライター」という種類でした。

 

このタイプのライターは気圧・気温が下がると、電圧が下がり着火しにくくなるとのことです。

 

これに対して女性が差し出したのは「ヤスリ式ライター」、

 

これのおかげでやっと着火に成功しました。

 

このライターの原理は、発火石を回転式のヤスリとこすり合わせることで火花を起こして着火する、 というものです。

 

マッチも同じ原理なので着火します。

 

 

火がつかないと自炊が全くできません。おいしいご飯にありつけません。

 

女性が差し出してくれた、たった一つの炎で、私たち全員が大変助かりました。

 

 

(次回へ続く)

 

 

ストレス対処 MIYAJI 心理相談室(高円寺南診療所内)

 

主任 臨床心理士 宮仕 聖子