内分泌・代謝・栄養の病気
<メタボリック症候群>
厚生労働省は、メタボリックシンドロームに着目した「特定健診」「特定保健指導」を市町村や企業の健保組合に義務付けています。対象は40歳から75歳未満の方です。
メタボリック症候群の診断基準でしばしば問題になるのが、<悪玉コレステロール>と呼ばれている従来のLDLコレステロールの扱いです。
LDLコレステロールは虚血性心疾患の最大のリスクファクターであるのにもかかわらずメタボリック症候群の診断基準に含まれていないからです。
その理由は、
1)LDLコレステロールは古典的リスクファクターであり、新規のリスクファクターであるメタボリック症候群とは独立して考えることが可能であるから、
2)生理学的にメタボリック症候群での内臓脂肪蓄積は直接LDLコレステロールを上昇させないから、
という点です。
メタボリック症候群の発症に深く関与するのが、内臓の肥大化した脂肪細胞から分泌される生理活性物質で、総称してアディポカイン(アディポサイトカイン)といいます。
内臓の脂肪細胞が肥大化すると、善玉アディポカインの分泌が減り、悪玉アディポカインの分泌が増えます。
○善玉アディポカイン
アディポネクチン(動脈硬化を予防)、レプチン(食欲を抑制)
〇悪玉アディポカイン
PAI-1(血栓形成を促進し、動脈硬化を進展)、
TNF-α、レジスチン、Il-6(インスリンの働きを低下させ、血糖を上昇)
アンジオテンシノーゲン(血管を収縮させて血圧上昇)
このように、内臓脂肪細胞は、ただの脂肪の塊ではなくアディポカイン(アディポサイトカイン)と総称される様々な生理活性物質の分泌組織であることが注目されています。
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