呼吸器 / 感染症 / 免疫・アレルギー・膠原病
<鑑別困難な膠原病類似疾患>IgG4関連疾患
IgG4関連疾患は、日本が世界に向けて発信してきた新しい疾患概念です。
全身性の自己免疫疾患としての考え方が国際的にも確立されつつあり、注目されています。
まずこのような疾患群が高円寺南診療所の日常診療に重要な意味を持つのかについてですが、
この疾患群が各臓器の悪性腫瘍や類似疾患である膠原病類縁疾患群
(シェーグレン症候群、原発性硬化性胆管炎、血管炎、サルコイドーシス)との鑑別が重要になってくる疾患である以上、
アレルギー・リウマチ科を専門標榜し、膠原病類縁疾患を多数例診療している高円寺南診療所 としては
一定の心構えをもって認識しておかなければならないと考えています。
IgG4関連疾患は、リンパ球やIgG4陽性形質細胞の著しい浸潤(IgG4/IgG陽性細胞比≧40%、かつIgG4陽性形質細胞>10/HPF)と線維化により、
全身諸臓器の腫大や結節・肥厚性病変などを認める慢性炎症性疾患です。
IgG4関連疾患は、たしかに高ɤ-グロブリン血症、高IgG血症(135mg/dl以上)、
ステロイド治療が有効であることなど自己免疫性疾患の特徴を備えているものが多いです。
しかしながら自己抗体陰性例も多いため標的抗原も不明であり、ターゲットを絞った治療ができないという課題を抱えています。
無治療でも自然軽快することがあることが知られています。
そのため病変が涙腺や唾液腺などに限局して自覚症状も乏しい場合に限り、
経過観察することが許される可能性があります。
治療を開始する場合は、原則として副腎皮質ステロイド剤が有効であるとされます。
ステロイド治療の効果が認められない場合は、
①診断の誤り、②他の病変の混在、などが考えられます。
ここで注意すべきなのは、悪性腫瘍もステロイド投与により一過性に改善する可能性があるため、
予め悪性腫瘍の除外を行わない段階で診断的に治療を開始することは推奨されていません。
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