神経・精神・運動器
<突然、顔面に生じる耐え難い痛みの正体は?>
4回シリーズ(第三話)
50代半ばの主婦。主訴は顔面痛発作、初回発作は1週間前。
痛みの部位は右中顔面、持続時間は1分程度、
右中顔面を洗顔時に刺激したり、右上の歯を磨いたり、などの動作に伴い痛みが誘発。
三叉神経痛:右第Ⅱ枝(上顎神経)という見立て。
<振り返り>
三叉神経痛は、一側三叉神経領域の強い痛みを来す疾患です。
40歳以降の女性に多発し、多くは片側性で第2枝・第3枝に多いです。
発作的な激痛が数秒から数分間続き、発作間歇期には感覚異常を認めず無症状です。
痛みは神経の走行に沿い、多くの場合痛みの誘発点が存在します。
洗顔、歯磨きなどの動作で疼痛発作が誘発されます。
以上より、この女性の症状は典型的な三叉神経痛の特徴を備えているといえそうです。
<検討課題>
三叉神経痛の診断には病歴聴取が重要であることは、しばしば強調されています。
それでは、病歴聴取だけで診断は確定し、有効な治療に結びつくのでしょうか?
病歴聴取を補う検査としてはMRI検査があります。
その理由は、近年特発性(典型的)三叉神経の多くが、
血管による三叉神経の圧迫により生じていることが明らかになったからです。
MRI検査は血管や神経の位置関係より、神経圧迫部位を確認することができるからです。
高円寺南診療所にはMRI検査設備はないので、
紹介により検査を受けていただくことになりますが、
MRI検査の結果が出るまでの間に、この患者さんにどのような対応が必要かが大切だと思います。
適切な治療のためには、適切な診断、適切な診断のためには、適切な原因究明が必要になります。
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