日々の臨床7月25日 火曜日<慢性リンパ性白血病>

血液・造血器の病気

 

テーマ:慢性リンパ性白血病

 

(発症まで放置されがちな白血病)

 

 

慢性リンパ性白血病(CLL)とは、リンパ球の中でも成熟B細胞の腫瘍です。

 

とりわけ単一のリンパ球が増殖(単クローン増殖)し、

 

末梢血、リンパ節、脾臓などに浸潤するリンパ系腫瘍です。

 

 

外来診療では、肝脾腫や全身のリンパ節腫大で発見できることがあります。

 

病状は慢性の経過をたどり、臨床病期とも良く相関します。

 

 

CLL症例の50%に染色体異常がみられ、その3分の1にトリソミー12が認められます

 

このような情報があると、小児科の病気であると考えがちですが、さにあらずです。

 

 

CLLは60歳以降の男性に多いです。

 

CLLは細胞性免疫の低下、無γグロブリン血症等の免疫不全状態にあります。

 

ALLやCMLより免疫不全を合併しやすく、

 

自己抗体(Coombs試験陽性)が出現することがあります。

 

 

診断は、末梢血駅塗抹標本の形態診断により行います。

 

他の疾患の鑑別のため、自然乾燥標本の作製が推奨されています。

 

フローサイトメトリー、FISH検査などを用います。

 

 

治療は病期が進行して、症状が現れるまでは経過観察です。

 

体重減少、盗汗、発熱、全身倦怠感などの症状、

 

著しい肝脾腫やリンパ節腫大、貧血や血小板減少が出現した場合に、

 

初めて治療適応になるとするのが、一般的な見解です。