日々の臨床 7月6日木曜日 <アナフィラキシー・ショック対策(その1)>

呼吸器 / 感染症 / 免疫・アレルギー・膠原病

 

テーマ:アナフィラキシー・ショック対策(その1)

 

<高円寺南診療所のアレルギー専門外来について>

 

 

アナフィラキシー・ショックの対処のために患者さんが自己注射する

 

エピペン®は、処方資格のある医師のみが処方可能な薬剤です。

 

 

処方医師はエピペンを患者の皆様に処方すること、

 

また緊急時の使用のためにエピペンを常備することが可能です。

 

 

高円寺南診療所は、アレルギー専門医として、アナフィラキシー対策を行っております。

 

当診療所公式ホームページのトップページをご覧ください。

 

以下の通り、ご紹介いたしております。

 

〇アレルギー科

ご存じですか? 気がつかないアレルギー!

アレルギー疾患は、国民の約5割が罹患する国民病です。

(厚生労働省:平成28年2月3日)

 

》基本は<環境調整><体質改善>

 

アレルギー科関連 追加処方資格

 

<アナフィラキシー補助療法><舌下免疫療法>

 

その他(アレルギー科の詳細はこちら

 

 

 ここで、<アナフィラキシー補助療法>をクリックしていただくと、

 

以下の記載をご確認いただけます。

 

 

○アレルギー科《アナフィラキシー補助治療剤の処方について》 

 

(アドレナリン自己注射薬エピペン®)処方医資格取得日

(2004年11月9日)

 

 

 

アナフィラキシーとは、アレルゲンなどの侵入により、

 

アレルギー症状が複数臓器に引き起こされ、

 

生命に危機を与えかねない過敏反応です。

 

 

とりわけ、血圧低下や意識障害を伴う場合を

 

アナフィラキシーショックといいます。

 

 

このアナフィラキシーショック(過敏症性ショック)は、

 

Ⅰ型アレルギーを主とする即時型過敏反応です。

 

ヒスタミンが遊離されることによって起こるショック状態をいい、

 

血液分布異常性ショックの一つに分類されます。

 

体内を含め全身に血管透過性亢進による浮腫が起きますが、

 

口腔内の粘膜の浮腫は患者さん自らも観察可能です。

 

アナフィラキシーショックの症状には悪心(おしん)と嘔吐(おうと)がみられます。

 

 

<原因> 抗菌薬などの薬剤、食物(そば)、虫刺症(ハチ毒)、物理的刺激など多岐にわたります。

 

たとえば、お好み焼き粉などの粉製品を開封後、

 

長期間室温保存することで混入したダニが繁殖し、

 

その製品を摂取したことによるアナフィラキシーが報告されています。

 

アナフィラキシーショックは、IgE抗体を介する免疫学的抗原・抗体反応であり、

 

2回目以降に強く起こることが重要です。

 

 

<症状> 起因物質投与後、数分で粘膜浮腫、気管支痙攣(けいれん)、

 

血圧低下などの広範な症状を呈します。

 

早期の対応のためには前駆症状についての知識が役に立ちます。

 

気分不快感、違和感、唇や手足のしびれ、心悸亢進(動悸)などから始まることが多いです。

 

症状は次第に、血圧低下、頻脈(脈拍数の増加)、皮膚紅潮、蕁麻疹(じんましん)、

 

顔面蒼白(顔が真っ青になる)、喘鳴(呼吸がゼイゼイする)、呼吸困難、下痢などが生じます。

 

違和感として、悪心・嘔吐があります。

 

胃内容物(ときに十二指腸・小腸内容物)が不随意に逆流し、

 

食道・口腔から体外に排泄されることを嘔吐といい、

 

嘔吐したくなる差し迫った感覚を悪心(嘔気、吐き気)といいます。

 

なお、重症になると意識が消失し、死に至ることがあるため緊急対応が必要です。

 

 

<治療>迅速な処置が決め手になります!

 

1)アドレナリン自己注射用キット(エピペン®を携帯していれば、それ使用します。

 

2)エピペン®をもってなければ、呼吸、循環(脈拍数など)の状態を直ちに把握して、

 

援助者(救急隊、可能であれば蘇生チーム)に連絡する。

 

3)医療機関でアドレナリンを大腿部(中央前外側)に筋注し、

 

患者を仰臥位(あおむけ)にして下肢を挙上する。

 

ここまでは、原理的には「1)」と同じです。

 

その後、必要に応じて酸素投与、静脈ルート確保、心肺蘇生を行います。

 

補足説明)専門的な話になりますが、アドレナリンを投与するのは、

 

血圧を回復させるだけでなく、c AMPを介してアナフィラキシー反応を

 

抑制に直接役立つことが知られています。

 

 

<検査>症状が落ち着き、投与薬剤の影響を受けなくなった時期に行います。

 

そこでアレルゲンの同定検査を行います。

 

1)血清特異的IgE抗体検査

 

2)プリックテスト、スクラッチテスト、皮内テスト

 

高円寺南診療所では「1)」のみを実施しています。

 

感度は低いもののアナフィラキシー反応を誘発するリスクがないからです。

 

「2)」は感度が高いのですが、アナフィラキシー反応を誘発するリスクがあります。