水氣道へのご招待 第15回【基本航法その3】

基本航法の実施要領(その3)

 

 

今回は、基本航法のまとめです。体験生や訓練生の方は、

 

太字のところだけ覚えていただければ十分です。

 

 

 

水氣道における身体の位置座標は、見えないが体感できる重力による鉛直軸と、

 

見えるけれども体感できない水平軸の2軸です。

 

水と大気の接点が水平面であり、これが水氣道の水平軸になります。

 

これに対して、水の浮力が重力と同じ鉛直軸において作用します。

 

第一航法の素歩きの「起(き)」の形は、水平軸と鉛直軸を感じ取りやすい体位になっています。

 

 

 

第一航法 素歩き

(水氣道の基本の形です)虚

 

下半身、とくに支持脚では重力を、遊脚では充分に浮力を感じるようにします。

 

 

第二航法 棒歩き

(ひじ関節、膝関節をまっすぐに棒のように伸ばします)実

 

腕、脚の開脚角度に意識して、脚はすり足歩行

 

 

第三航法 前蹴り歩き

(蹴るようには見えますが、膝を伸展させるのが目的です)虚

 

第一航法の型が基本になります:浮力を感じ、これに委ねて腿上げを楽に

 

 

第四航法 つま先浮かし

(脱力して浮かせるのであって、持ち上げるのではありません)実

 

遊脚全体に浮力を感じるようにします

 

 

第五航法 前後けり歩き

(蹴るようには見えますが、膝を伸展させるのが目的です)虚

 

第一航法の形が基本になります:膝の屈曲・伸展運動を緩・急のリズムに乗せて行います

 

 

 

註:水氣道には第六航法以下の発展航法があります。

 

第六航法は振り子航法という名称があります。偶数番目の航法なので、

 

第2航法の発展形で、やはり実に属します。

 

 

水氣道の本稽古は90分に及びますが、年配者や虚弱体質の方を含めて、

 

僅かな休憩を挟むのみで持続運動継続が可能な理由は、

 

こうした東洋医学的な虚・実の反復、

 

つまり、メリハリのバランスで成り立っているからなのです。