今回は「人が助けを求めるまでのプロセス」について考えていこうと思います。
<第1段階>
まずは、「自分の身の上に問題が起こった」、「自分は問題を抱えている」、と気づくことです。
目の前で問題が起これば、あるいは「しんどいな」と感じれば、「問題」に気づくはずだと思うかもしれません。
しかし、実はそう簡単な話ではありません。
人は自分を守るために、「否認」という防衛機制を用いることがあります。
「防衛機制」とはフロイトの精神分析の用語です。
簡単に言うと、「強い不安や受け入れがたい衝動が生じた時に、
不安定にならないよう、自分(自我)を守るために、無意識的に行われる心理的な働き」です。
また「否認」とは防衛機制の一つで、
「不安や苦痛を生み出すような問題から目をそらし、認めないこと」です。
問題が起こった時に、自分にとってあまりにも不安や脅威だったりすると、
その感情から自分を守ろうと、無意識的に問題自体を「否認」してしまうことがあるのです。
心の中で、問題がそもそも無かったことのように処理されてしまうと、
問題自体に気づくことができなくなってしまいます。
自分(自我)を守るためには、まず問題を意識的に受け止めることが大切です。
なぜなら、問題は取り残されたまま、原因がわからぬまま、
心身に変調をきたしてしまうからです。
そこで臨床心理士は、まずどんなにしんどいのか、ご本人の心身の変調を受け止めます。
そして、クライアントさんの自我を守りつつ、問題(困難)に気づけるようにサポートしていきます。
* 参考文献: 太田仁,2005,「たすけを求める心と行動」,金子書房
ストレス対処 MIYAJI 心理相談室 (高円寺南診療所内)
主任 臨床心理士 宮仕 聖子
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