呼吸器 / 感染症 / 免疫・アレルギー・膠原病
テーマ:マイコプラズマ感染症
<高熱が出て咳が止まらない>といって来院する、ふだんは健康な若者。
高円寺南診療所には、昔からこのタイプの患者さんが数多く来院されます。
咳が激しいのにも関わらず、胸を聴診しても呼吸器雑音が聴かれないことがあります。
その場合は、百日咳か、ニューモシスチス肺炎かマイコプラズマ肺炎かに、ほぼ限られてきます。
また専門医としてアレルギー体質の患者さんを毎日診ているためか、
湿疹は見落とさないように注意しています。
また、発熱と咳が数日続く場合は、胸部聴診上異常がなくても胸部レントゲンを撮ることにしています。
実際にレントゲンを撮ってみると、
全体が曇った感じのスリガラス状の陰がみられることがしばしばです。
ここまでの段階で、マイコプラズマ肺炎の診断はほぼ可能です。
なお、マイコプラズマには特有の発疹を観察することがあります。
確定診断のためには、ペア血清といって血液検査を2回にあたって行います。
ただし、日常の臨床では、検査結果を待たずに、すみやかにマクロライド系の抗生剤を投与します。
高円寺南診療所ではアジスロマイシンで良好な効果を得ています。
このマイコプラズマ肺炎自体の予後は一般に良好なのですが、合併症を伴うと重篤になります。
以下に列記します。
1)ギラン・バレ症候群・・・1例のみ経験
2)スティーブン・ジョンソン症候群・・・1例のみ経験
3)脳炎・無菌性髄膜炎等の中枢神経合併症・・・経験なし
4)胸膜炎、皮膚紅斑、発疹、溶血性貧血、肝機能異常・・・経験多数
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