【日曜コラム】聖楽の楽しみ 第3回

聖楽は、キリスト教以外では、ヒンズー教の音楽、イスラム教の音楽などがあります。

 

これに対して、日本固有の宗教曲といえば、神道の典礼音楽である神楽(Shinto music)があります。

 

また、仏教音楽(Buddhist music)は、仏教の儀式や瞑想のための音楽として永い伝統を誇っています。

 

 

私は、声楽とほぼ同時期に、家族からの勧めもあって、

 

能楽の稽古(観世流梅若会)を始め、近年まで稽古を続けていました。

 

現在は、多忙のため、もっぱら鑑賞者になっています。

 

この能楽の稽古には、謡(うたい)と仕舞(しまい)がセットになっているのですが、

 

いずれも仏教色、神道色が濃厚であることに気づかされます。

 

本格的な能舞台での番組には、お囃子(はやし)が付きます。能楽囃子に用いられる楽器は、

 

能管)、小鼓(こつづみ)、大鼓(おおつづみ、おおかわ、とも)、太鼓(たいこ、締太鼓)の4種があり、

 

「四拍子」(しびょうし)といいます。私は、能楽も聖楽であると受け止めています。

 

 

昨年末の仕事納め1228日の翌日に、思い立った作業は、

 

19世紀のイタリア声楽教本(歌詞のないソルフェージュ曲集)に日本古来の和歌を載せることでした。

 

この着想を得た背景も、私の聖楽遍歴に由来していた可能性があります。