「ストレス」は曲者!?(その2)
ストレスと言うと、ネガティブな気分にさせる出来事だけを思い浮かべがちです。
この場合のストレスは結果としての不愉快な気分という自覚症状ですから、
「ストレス反応」に相当します。
しかし、結婚や昇進など、喜ばしい出来事もストレスになります。
この場合のストレスは、因果関係でいえば原因となるイベントですから、
結婚や昇進などは「ストレッサー」ということになるでしょう。
常識的に考えると、結婚や昇進などのライフイベントは一般的に好ましいものとされます。
実は、その思い込みがあるためか、その場合の「ストレス反応」には気づけないことがあります。
なぜ、結婚や昇進などが「ストレッサー」になりうるのでしょうか。
なぜなら、結婚や昇進などは、日常生活に大きな変化をもたらしかねないからです。
そして、大きな変化に適応するためには、多くのエネルギーを必要とするからです。
ところで結婚や昇進などが「ストレッサー」になり得るからといって、
結婚や昇進を避けながら生きている方々も、実際にいらっしゃいます。
仮に「ストレス」という言葉が曲者だとしたら、
「ストレッサー」はすべて悪者なのでしょうか。
次回、ドクトル飯嶋と一緒に考えてみましょう。
臨床心理士 宮仕聖子