循環器・腎臓・血液内科 Vol1

今月のテーマ「血液透析」

 

 

不均衡症候群

 

 

血液透析は、尿毒症物質を多く含む血液を、半透膜による拡散現症により、

 

透析液側に移行させ、体液の恒常性を維持する方法です。

 

 

透析療法による効果は、

 

1)過剰水分の除水

 

2)体内電解質・代謝性アシドーシスの是正

 

3)尿毒症物質の除去

 

などです。

 

 

血液透析では、電解質など分子量が小さいものほど除去されやすいので、

 

もともと血中に一定程度の濃度が必要な物質に関しては、

 

その濃度を維持しておかなければなりません。

 

 

血中から尿毒症物質を除去するのが血液透析の目的ではありますが、

 

これを急激に行うと、血漿浸透圧が急低下することによって『不均衡症候群』が発生しやすくなります。

 

 

血漿浸透圧は脳脊髄液より早く低下するため、

 

血液から脳脊髄液に水分が移動し、脳浮腫がおきます。

 

 

『不均衡症候群』の症状は、頭痛、吐き気などです。