今月のテーマ<呼吸器の特定内科診療>
「気管支喘息重症発作」その3
救急外来でテオフィリンの急速静脈注射を受けて、気管挿管された例:
患者Cのメッセージ
『以前の主治医からアミノフェンを処方されしっかり内服をしていたのに、
喘息発作がでたので不信感を覚えました。
救急車を呼んで救急外来に到着後、
テオフィリンの急速静脈注射を受けました。
注射直後から、嘔吐、頭痛、めまい、手の震え、
けいれん、不安、興奮などとともに呼吸困難がさらにひどくなって気管挿管され、
ひどい目にあいました。もう、医者はまったく信じられません!』
Dr.飯嶋の見立て:気管支喘息+カフェイン中毒+ニコチン中毒
(気管支喘息の重症発作で気管挿管や人工呼吸管理が必要になる状態とは、
まず低酸素血症による意識消失や呼吸停止など
重篤な呼吸障害が起きていれば直ちに挿管します。
このケースでは、テオフィリンの急速静脈注射がきっかけになったものと推定されます。)
Dr.飯嶋のアドバイス:良い医療を受けるためには、確かな信頼関係を築くことが肝要です。
救急医療は患者さんばかりでなく、医療従事者も共に極度の緊張状態にあります。
普段内服しているお薬等は、きちんと相手方に伝える必要があります。
またコーヒー・日本茶・紅茶などのカフェインを含む飲料を多量に飲むと、
薬が効きすぎて副作用がおこりやすくなります。
カフェイン中毒やテオフィリン、アミノフィリンの内服療法者に、
テオフィリンの急速静脈注射をすることは禁忌とされます。
Dr.飯嶋の手当:禁煙指導、カフェイン摂取制限、吸入ステロイド剤開始
患者cの現状レポート
『ただでさえ医療不信、医者嫌いの私に、いきなり禁煙はないだろう』
と腹が立ったのを覚えています。
しかし、最愛の夫から、『その医者(Dr.飯嶋)はきっと本物だ。
お前の方が傲慢だ。俺も今日から禁煙する。』と一方的に宣言され、かなり焦りました。
『裏切り者』と思いましたが、以来、たばこは夫婦でキッパリやめました。
発作が出なくなって3か月ほどたった私の誕生日に、
夫が、『お前の喘息、半分は俺のせいだったんだな、許せ。』
といって結婚後はじめての誕生日プレゼント、感激しまくりでした。
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