(心理)認知行動療法  ストレスへの対処法-10

前回は「自動思考(認知のクセ)に気づくヒント」のお話でした。

 

カウンセリングでは、自動思考に気づくためのワークをくり返します。

 

すると、ご自身の思い込み・決めつけパターンが見えてきます。

 

そこで、「この考え方では辛いままだな」と問題意識が芽生えてきます。

 

これだけでもある程度の効果が期待できます。

 

 

ただし、自動思考の暴走にブレーキをかけるためには、

 

自動思考に代わる新たな思考を生み出す必要もあります。

 

 

認知行動療法の中には多くの手法があります。

 

今回はその一つである「認知再構成法」をご紹介いたします。

 

 

この方法は、自分を辛くしている元の自動思考をあらゆる角度から検討します。

 

そして、辛くない方へ向かえるよう、新たな思考を考え出します。

 

 

さらに、元の自動思考が出てくるたびに、新たな思考をくり返し思い浮かべます。

 

この手順に使い慣れていく=自然に新たな思考が思い浮かぶように練習を積み重ねます。

 

 

例えば、店員がそっけなかったときに

 

「私が何かしたのかな(自動思考)」

 

と悲しい思いをしたとしましょう。

 

 

元の自動思考を検討するには、

 

(※)「私が何かした」わけではない理由は?

 

    「私が何かしたのかな」を信じるメリットは? 

 

とご自身に聞いてみて下さい。

 

 

もし、この例のような反証やメリットを考えたこともない方は、

 

思考を広げるチャンスです。

 

 

ぜひ、この例を参考にされて上のような質問に答えてみて下さい。

 

 

物事のとらえ方は一つではなく、無数に存在します。

 

一人ではなかなか良いアイデアが浮かばないかもしれません。

 

 

カウンセリングでカウンセラーと一緒に取り組むことの長所。

 

それは、カウンセラーがその人に合わせたガイドができることです。

 

 

そうして、①『自動思考』に気づけたり、

 

②『より良い新たな思考』を生み出せたり、

 

つまり、新しい気づきや思考法を育むことができることだろうと思います。

 

 

※伊藤絵美先生の著書、

 

「ケアする人も楽になる認知行動療法入門」

 

を参考にさせていただきました。

 

 

 

臨床心理士 宮仕 聖子