消化器・代謝内分泌内科Vol.5

今月のテーマ<痛風・高尿酸血症>

 

 

「高尿酸血症・痛風の生活指導と合併症がある場合の治療」

 

 

1)高尿酸血症・痛風は代表的な生活習慣病です。

 

飲酒制限などの生活習慣是正はお薬の効果を高めます。

 

 

2)そこで生活習慣の是正を目的とした生活指導が基本となります。

 

 

3)高尿酸血症・痛風に対する生活指導は、食事療法、飲酒制限、

 

肥満者の場合は、肥満を解消することによって血清尿酸値を低下させる効果が期待されます。

 

 

4)運動の推奨が中心となります。

 

 

5)食事療法としては適正なエネルギー摂取、

 

プリン体・果糖の過剰摂取制限、十分な飲水を励行します。

 

 

6)身体活動(運動)は、メタボリック・シンドロームの種々の病態の改善に有効です。

 

メタボリック・シンドロームの改善は血清尿酸値を低下させる効果が期待されます。

 

 

7)高血圧・心疾患系の病気を合併する場合:

 

「総合的な臓器のリスク回避」を目指し、

 

同時に高尿酸血症の発症に関連する生活習慣を改善するための指導を受けましょう

 

 

8)脂質異常症を合併する場合:

 

動脈硬化性疾患の1因子となる脂質異常症を治療し、

 

動脈硬化性疾患の軽減を図ることを目標としつつ血清尿酸値のコントロールをします。

 

 

9)メタボリック・シンドロームを合併する場合:

 

食事療法や運動療法、また禁煙などの生活習慣をまず改善して

 

7%程度の体重の減量をはかることが基本です。

 

メタボリック・シンドロームの治療の最終目標は、

 

本症候群の帰結点である動脈硬化性疾患や2型糖尿病の

 

発症予防と進展を食い止めることにあります。

 

 

10)なお日本肥満学会は、

 

まず現在の体重ないしウエスト周囲径の5%程度の減少を目標とするよう勧告しています。