プライマリケア・救急・心療内科 Vol.1

今月のテーマ<予防接種>

 

 

「予防接種とは?」

 

 

予防接種に用いる薬液をワクチンといいます。

 

ワクチンは大別して3種類あります。

 

1)生ワクチン:

 

生きた病原体を用いますが、

 

弱毒化といって毒を弱めているので弱毒ワクチンともいいます。

 

 

 

2)不活化または死菌ワクチン:

 

病原体が生体内で不利益な働きをしないように

 

活動性を停止させたり、死滅させたりして用いるものです。

 

 

 

3)トキソイド:

 

細菌が作り出す毒素を無毒化したものを用いるものです。

 

毒をトキシンといいますが、トキソイドは「毒もどき」です。

 

 

このように、ワクチンは生体にとって本来は「毒」です。

 

 

「毒をもって毒を制する」という表現に出会うたびに、

 

私はワクチンを思い出します。

 

 

 

ワクチンを用いる予防接種という医療行為のリスクはゼロではありません。

 

 

一定の程度で副反応(副作用)が起こる可能性があります。

 

 

 

 

そこで、重要事項のアドヴァイスをします。

 

1)生ワクチン(弱毒ワクチン)は、妊娠可能な女性においは、

 

あらかじめ約1か月間避妊していただいてから接種します。

 

またワクチン接種後約2か月間は、妊娠しないように注意していただきます。

 

 

2)生ワクチン接種後に、別の生ワクチン

 

もしくは不活化ワクチンを接種する場合には、

 

通常27日以上の間隔をおきます。

 

 

3)不活化ワクチン接種後に、別の不活化ワクチン

 

もしくは生ワクチンを接種する場合には、

 

通常6日以上の間隔をおきます。

 

 

このように、ワクチンの中でも、

 

とりわけ生ワクチン(弱毒ワクチン)を摂取する場合には、

 

予め十分な準備と計画を立てておくことが必要となります。