血の分類と「調血航法」No.3

血病(血の失調)の分類別対処法

 

 

血虚(貧血を伴う栄養失調状態)に対して、

 

補血すなわち血を補い充実させます。

 

これが補血法(ホケツ法)です。

 

補血法は、食事療法や漢方薬による養生が基本です。

 

 

とくに、エネルギー不足が原因で貧血や低栄養がもたらされた状態(氣血両虚)では、

 

あらかじめ補氣法で準備したり、併用したりする必要があります。

 

 

これは、胃腸をはじめとする消化器を丈夫にして、

 

筋肉の量を増やすとともに、質の向上をはかります。

 

 

そのための養生と鍛錬をバランスよく併用することが大切です。

 

 

 また血虚にはを伴うことがあります。

 

これを虚熱(キョネツ)といいます。

 

虚熱は、陰虚(体液の消耗)による熱の症状です。

 

これは脱水や栄養不良の結果もたらされて発生する熱です。

 

この場合、本質的には身体が冷えているにもかかわらず生じる見かけ上の発熱です。

 

実際には体の深部に冷えがあり、

 

熱が体表に向かって逃げてくる身体反応で、

 

真寒仮熱(シンカンカネツ)という状態です。

 

 

これは冷やさず暖めることが必要であり、

 

その場合には温裏回陽法(オンリカイヨウ法)を用います。

 

 

 

瘀血に対して、淀んで停滞している血を駆出して、

 

血の流れをスムーズにします。

 

これが瘀血法(クオケツ法)です。

 

血熱に対して、熱をさまします。

 

血熱の熱は実熱といって、主に病邪が熱に変化した証です。

 

 

邪熱が体表にあるときは発汗により解消しますが、

 

これが解表法(カイヒョウ法)です。

 

身体の深部での熱(裏熱)が盛んになれば攻下します。

 

それでも結実しない場合は瀉下により熱をさます

 

清熱瀉下法(セイネツシャゲ法)という

 

清熱法(セイネツ法)を用います。 

 

 

 

調血航法」が水氣道による調血の方術です。

 

 

 

安神航法」(未公開)が水氣道による安神の方術です。

 

ただし、この方術を体得するためにはしっかりと

 

調血航法」の稽古を続けたうえで、

 

自律航法」を習得することが必要です。

 

根気を必要としますので、焦らないことが肝心です。

 

 

最初は、調血航法をしっかりと自分のものにすることを目標にしてください。

 

 

 

水氣道の稽古に参加したいのに、

 

参加できない方には「補氣法」を用います。

 

 

 

<3>水氣道の「理氣法」と「補氣法

 

たとえば胸焼け(逆流性食道炎)、げっぷなどの症状が出やすい方、

 

このような方は、

 

初期には過活動傾向になりエネルギー消費が過剰になります。

 

 

そこで氣力そのものが欠乏し不足している人、

 

つまり、気虚(キキョ)の人には、

 

理氣の前に「補氣」を行います。

 

 

ですから理氣航法の指導者は、

 

支援員のうちに、補氣の技を研修しておかなければなりません。

 

 

ただし、日頃の水氣道の稽古で補氣航法なるものを行わないのは、

 

親水三航法とイキイキ体操(準備体操)に補氣効果があるからです。

 

 

稽古に参加できるまでの人は、

 

稽古に必要なだけの最小限度の氣には満たされているはずだからです。

 

 

しかし、これが長期化するとエネルギーが消耗し、

 

枯渇して氣虚(キキョに陥るので、早い段階での見極めが肝心です。

 

 

パニック障害、広場恐怖の方、

 

不安に襲われやすく、いつも緊張し、睡眠の質が低下しているような方、

 

理氣法とは、一定の気力がある人で、

 

気鬱氣逆の傾向にある人向けの基本的な調整法です。

 

 

そのうち氣逆タイプの方には注意が必要です。