今月のテーマ:「水氣道の手引き」作成にあたって

 

水氣道は、毎月第一日曜日の午前8:30より、診療所にて運営会議を開いています。

 

今回のテーマは入門者用の「水氣道の手引き」作成です。

 

会議での合意内容は、初級者以上(中級者、上級者を含む)の手引きは、

 

この入門者用の手引きを完成させた後、段階的に着手する方針を固めました。

 

 

以下が水氣道の手引き(入門編)の内容です。

 

次回以降は、作業過程についてご報告します。

 

 

水氣道®の手引き(入門編)

 

目次

 

まえがき

 

序章 水氣道とは何か

水氣道の沿革

 

1.1 水氣道の誕生

1.2 水氣道の発展の歴史

1.3 現在の水氣道の活動状況

水氣道の特質

 

2.1 集団的健康活動の意義

2.2 有酸素運動とは

2.3 水中運動のメリット

2.4 集団的・水中・有酸素運動

水氣道の組織・階級・昇格審査

 

3.1 水氣道の会員区分

3.2 水氣道の階級

3.3 対番制度

3.4 定期フィットネス・チェック

3.5 昇格審査

3.5.1 昇級審査

3.5.2 昇段審査

稽古の実際と技法(航法)

 

4.1 稽古の分類と全体の流れ

4.2 本稽古の流れ

4.3 半稽古の流れ

4.4 水氣道の体操

4.4.1 いきいき体操(準備体操)

4.4.2 のびのび体操(整理体操)

4.5 水氣道の技法(航法)

4.5.1 親水航法

4.5.2 基本五航法

4.5.3 応用航法

 

第5章 稽古に参加するための心得

5-1 水氣道をはじめるための心構え

5-2 稽古前の準備

5-3 稽古後の心得

5-4 会費等

今月のテーマ:ロゴセラピーと水氣道®の接点

 

 

ベルリン自由大学で開催される2017年ドイツ心身医学および心理療法学会、

 

現地時間の9:00~10:30までの独・日シンポジウムで、

 

ドイツ語と英語を駆使してプレゼン

 

„ Suikido ® hat mich von Fibromyalgie gerettet“

<日本語訳演題『水氣道に救われた線維筋痛症の私』>は、

 

直前に映像の技術的トラブルが生じてしまいました。

 

そのため、手元のドイツ語原稿を読み上げる形での発表となりました。

 

幸いドイツ・オーストリア・スイス・ルクセンブルクの先生方は、いっそう熱心に聴いてくれました。

 

その原稿は、予備原稿3部すべて、ご希望により、差し上げてきました。

 

 

 

そのあと、約束をしていたベルリン市内にて新装オープンしたばかりの

 

森鴎外記念館<Mori-Ogai-Gedenkstätte>にタクシーを飛ばして、

 

じっくり見学することができました。(そのときの感想は、別の機会に報告します。)

 

それからタクシーで再び学会会場に戻り、

 

17:15~18:45まで独・日バリント・グループのセッションに参加しました。

 

 

 

これは予め選ばれたメンバーのみの参加が許される13人のみのセッションでしたが、

 

ドイツ心身医学会の大御所のシュッペル教授(Prof. Dr. med. Reinhart Schüppel)が特別に参加されました。

 

少人数のため、各自が簡単に自己紹介しました。

 

わたしは、日本心療内科学会とドイツ心身医学会の姉妹関係締結の批准書文案を英文で起草したこと、

 

その日本語版とドイツ語版が、それぞれの学会で正文として批准されたこと、

 

そのため、心身医学の日独交流プログラムの発展と充実に関して、今後も責任を感じていることを表明しました。

 

 

また、心身医学や心療内科の治療方法としては、精神療法・心理療法からの借り物ではなく、

 

まさに本格的な心身医学療法を独自に開発していくことが必要であると考えていることを強調しました。

 

 

具体的には、今回の学会で発表した水氣道や、

 

新たな音楽療法の試みとして「聖楽院」およびそのコンサート活動について紹介しました。

 

 

 

とくに、シュッペル教授からは、

 

<水氣道は、出生前の心身の記憶をよみがえらせることができる方法なのではないか>

 

との洞察に富む質問をいただきました。

 

シュッペル教授は心身医学を専門とする内科医であり、

 

とくに社会医学や自然療法、依存症医療、プライマリ・ケア

 

(Arzt, Facharzt für Psychosom. Medizin & Psychotherapie, Internist Weiterbildungen:

Sozialmedizin, Naturheilverfahren,Suchtmed.Grundversorgung)

 

に造詣が深く、私の専門領域とも重なるため、短時間ですが意義深く、内容の濃いやり取りができました。

 

 

また、わたくしの持論ですが、<人体(心身)は、まさに生きた楽器そのものであり、

 

心身医学は楽器としての人体(心身)の調律をはかることができる>と述べたところ、

 

複数の専門医から、<全くもって深く納得できるメッセージだ>とのコメントを得ました。

 

水氣道は現代の臓器別医療では到底達することができない可能性を秘めているばかりでなく、

 

実際に成果を挙げてきたことを紹介することができました。

 

 

バリント・グループのセッションの内容については、

 

残念ながら、医療情報の保護の見地から、外部には報告できません。

 

しかし、内容が濃く、質的にも得難い体験でした。

 

本日は、ベルリン自由大学で開催される

 

2017年ドイツ心身医学および心理療法学会に参加します。

 

 

現地時間の9:00~10:30までの独・日シンポジウムで、

 

ドイツ語と英語を駆使してプレゼンをする予定です。

 

演題は

<『水氣道に救われた線維筋痛症の私』„Suikido ® hat mich vor Fibromyalgie gerettet“ >

 

 

会場を14時頃に出て、ベルリン市内にて新装オープンしたばかりの森鴎外記念館<Mori-Ogai-Gedenkstätte>を訪問します。

 

それから学会会場に戻り、17:15~18:45まで独・日バリント・グループのセッションに参加、

 

20:00からは無料招待されている懇親会に出席し、この日のスケジュールを終える予定です。

 

 

詳細は、第8回:3月30日にご報告いたします。

明日、成田を発つため、本日は早めに就寝することにします。

 

昨年は同じ時期に、はじめてポツダム大学で開催されるドイツ心身医学会及び心理療法学会

<Deutscher Kongress fÜr Psychosomatische Medizin und Psychotherapie>

 

に初めて参加して、水氣道について主に英語でプレゼンしてきました。

 

学会期間中は主としてベルリンを拠点としてポツダム大学に通いました。

 

 

明日11:45にエール・フランスで成田を発ち、パリ経由でウィーン入りします。

 

現在、ウィーンやベルリンは、いずれも日本からの直行便がないのが残念です。

 

欧州滞在中はウィーンを主たる活動拠点として、学会発表等のため途中でベルリンに2泊します。

 

ウィーン⇔ベルリンは列車では10時間かかりますが、幸い飛行機だと80分です。

ロゴセラピーでは、人生の意味を何とかして見つけ出そうとするモチベーション

 

「意味への意志」は、人間にもともと備わっているとします。

 

そしてロゴセラピーは人間存在の意味と、人間による意味の探求に焦点を当て、

 

人生の意味を探している患者を対象として、患者自身の存在に隠れているロゴス

 

【意味】を意識させるという分析的なプロセスをとることを自らの課題とします。

 

 

ロゴセラピーの人間観では、人間を身体、心理、精神の三次元からなる存在とし、

 

身体と心理をまとめて「心身態」と呼び、これと精神を区別します。

 

 

一方、水氣道®は、外見的には運動療法ですが、

 

本質的には身体と心理はひとつながり(心身一如)であるとする心身医学療法です。

 

 

ただし、心身一如を通しての自己実現を次元にとどまらず、

 

自己超越にむけての精神の次元へのアプローチし、全人的療法を目的とすることから、

 

ロゴセラピーからの豊富なヒントを収穫することができるものと考えています。

ロゴセラピーと水氣道®の接点

 

今月は、ロゴセラピーという心理療法について紹介し、

 

心身医学療法としての水氣道®の接点という視点から、

 

話題を提供させていただきたくことにします。

 

 

そもそも、ロゴセラピーのロゴとは何か?ということですが、

 

精神科医であった創始者ヴィクトール・フランクルは、

 

「意味」を意味するギリシャ語「ロゴス」により命名しました。

 

ですから、ロゴセラピーとは「意味」による(心理)療法ということになります。

 

 

そして、フランクルの次の言葉は印象的でした。

 

「身体症状の背後にある心的原因を見るようになったとき、

 

すなわち心因的症状を発見したときに、心理療法は産声をあげた。」

 

 

フランクルの心理療法は、とても心身医学療法的だからです。

今月のテーマ:心身医学療法としての水氣道®

 

 

心身医学療法という言葉は、多くの皆様にとって、あまりなじみのない言葉だと思います。

 

この言葉は、1990年(平成2年)4月の健康保険点数改正の際に、厚生省(当時)によって作られた言葉です。

 

 

心身医学療法の対象は心身症の患者さんです。

 

 

また心身医学療法は、当該療法に習熟した医師

 

(現時点においては、心身医療専門医、心療内科専門医等)によって行われるべきもの、とされています。

 

 

心身医学療法の方法は、

 

1)一定の治療計画に基づいて、身体的傷病と心理・社会的要因との関連を明らかにするとともに、

 

2)患者さんに対して心理的影響を与えることです。

 

心身医学療法の目的は、心身症の患者さんの症状の改善または傷病からの回復を図ることです。

 

 

心身医学療法の種類は、

 

自律訓練法カウンセリング行動療法、催眠療法、バイオフィードバック療法

 

交流分析、ゲシュタルト療法、生体エネルギー療法、森田療法、

 

絶食療法、一般心理療法、および簡便型精神分析療法を含みます。

 

下線を施したものは、高円寺南診療所ですでに導入されている技法です。)

 

 

水氣道®は、第一に、生涯エクササイズによる健康法ですが、

 

心身症の治療技法としての発展をとげてきたために、

 

心身医学療法の一つとして位置付けられるべきものと考えています。

 

 

ここで、心身症とは、独立した疾患単位、

 

つまり特定の疾患を指すのではないことを指摘しておかなければなりません。

 

 

身体疾患の中で心身相関の病態が認められる場合には、

 

心身症としての視点をもってケアする必要性を考慮すべきものです。

 

 

心身相関とは、精神的葛藤や行動様式が体の状態に影響を与えて病気を作り、

 

逆に体の状態が心の働きに影響を及ぼすことです。

 

 

たとえば、精神的なストレス源(ストレッサー)や不適切な生活習慣により体調を損ねたり、

 

逆に、体調を損ねたりすることによって、

 

気分や感情あるいは思考に悪影響が及ぶことは、

 

誰しもが経験することではないでしょうか。

 

 

水氣道®は心身医学療法である』という創始者飯嶋正広の主張は、

 

水氣道®が心身症の治療に有効であるという宣言に他なりません。

 

 

そしてこの心身症とは、大多数の病気が心身相関に無関係ではないことに

 

気づくことができた人すべてにとって無関係な病態ではありません。

 

 

ですから、水氣道®は、そうした自覚を持つことのできるすべての人々、

 

すなわち、大多数の人々にとって、

 

極めて有益な生涯エクササイズとなりうる可能性を秘めているということが言えると思うのです。

 

今月のテーマ:心身医学療法としての水氣道®

 

水氣道®に対して活動中の会員の皆さんが共有している理解として、

 

生涯エクササイズによる健康法という見方があることを前回述べました。

 

 

その他には、どのような理解があるでしょうか。

 

第二は水氣道®には、組織編成した団体での水中の有酸素運動

 

という特徴についてです。

 

 

前回、水氣道®には、健康不安のある多くの皆様を支援する

 

豊富な手立てがあることに触れました。

 

水氣道®は、健康の課題に対して、いくつもの手立てを提供しています。

 

 

それは、

 

1) 生命の根源は何かということを知ること

 

 

2)健康とは何か、ということを正しく理解すること

 

 

3)頭の中だけの凝り固まった知識(意識レベル)のみを詰め込まず、

 

全身全霊を貫く生きた体験(潜在意識レベル)を通して生きた知恵を獲得すること

 

 

4)人間は社会的な存在であるということ、

 

環境と共に生かされている存在であることを素直に受け入れることができるようにすること

 

 

5)気持ちや考え方を自分だけで独占せずに仲間と共有すること

 

 

どうして、そんなことができるのか、という御質問があれば、それはすこぶるご尤もなことです。

 

 

その答えを一言でまとめると、水氣道®には心身医学療法としてのバックボーンがあるからです。

 

心身医学療法としての水氣道®については、次回で取り上げたいと思います。

 

この心身医学療法は、また全人的医療に通じるのですが、

 

全人的医療については、今月の火曜コラム<診察室から>でも取り上げていますので、

 

そちらも是非、お読みいただければと存じます。

心身医学療法としての水氣道®

 

水氣道®に対する、皆さんの思いは多様だと思います。

 

 

まず、一度も参加されたことのない方は、世間に浸透していないこの活動に対して、

 

怪訝な思いを抱いていらっしゃるかもしれません。

 

 

それは、あらゆる独創的な集団活動の草創期において、

 

避けることができない必然的な世間の心理的反応ですから、

 

それを受け入れざるを得ないと考えています。

 

ただし、多くの皆様に正しく理解していただき、きちんと認識していただき、

 

納得して目的をもって参加していただけるように努めることは大切なことだと思います。

 

また、すでに習慣的に稽古に参加されている皆さんの

 

水氣道®に対する想いも様々だと思います。

 

活動中の会員は目下69名です。

 

 

活動会員の皆さんが共有している理解があるとすれば、

 

それはどのような内容でしょうか。幾つか、想定してみました。

 

 

第一は生涯エクササイズによる健康法という理解です。

 

年明け早々に、厳寒の季節にもかかわらず、

 

いつものメンバーの顔を確認できたときの感動は新鮮でした。

 

<継続は力なり>と言いますが、メンバーの元気な笑顔に接するだけで、

 

私は大きなエネルギー(氣)をいただいております。

 

 

この氣というものは、見えないものなのですが、

 

動きがあり、変化があり、成長をもたらす根本の存在です。

 

また<病は氣から>といいますが、これは病気は気の持ちようによって、

 

良くも悪くもなるというふうに一般には理解されているようです。

 

たしかに心配事や不愉快なことがあったりすると、

 

病気になりやすかったり、病が重くなったりすることを経験している皆様も少なくないことでしょう。ただし、

 

気持ちを明るく持ち、無益な心配はしないほうが、

 

病気にかかりにくかったり、病気が治りやすかったりするということを知っていたとしても、

 

その知識を実際にどのように活用したらよいのかで迷っている人が何と多いことでしょうか。

 

 

水氣道®は、そうした多くの皆様に豊富なヒントを提供することができます。