<線維筋痛症 JFIQの経過報告>

 

(図1

 

スクリーンショット 2020-09-29 14.27.05

 

 

JFIQは線維筋痛症の経過観察に欠かせない指標です。

 

 

最高点が100点で、20点未満が正常値になります。

 

 

 (図1)は左側が初期時の点数、右側が現在の点数でその2点を結んだものです。

 

 

 

 図2)

スクリーンショット 2020-09-29 14.20.02

 

 

(図2)は線維筋痛症の治療効果の割合を表したものです。

 

 

 50以上点数が下がると「著効」です。

 

 

 20以上50未満点数が下がると「改善」です。

 

 

 20未満の点数の低下は「無効」の判定となります。

 

 

<今回の考察>

 

正規性の検定で初期値、現在値共に正規性がありました。

 

 

その後、関連2群の検定と推定を行いました。

 

 

1)統計的にみて、JFIQスコアが有意に改善したことが証明されました。P(危険率)=0.001%でした(図1)

 

 

pが0.05以下であれば統計学的優位である。

 

 

pが0.01以下であれば統計学的に極めて優位である。

 

 

 

2)JFIQスコアの判定基準として、20点以上改善されると治療が有効、50点以上改善されると著効となります。

 

 

  今回、 12名の平均で   32.9点改善していたため、全体として鍼治療は   有効であったと言えます。

 

 

個別でみると、著効2名(17%)、有効6名(50%)、無効4名(33%)でした。(図2)

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

<医療>Week Days(月~金)

 

10月のテーマ「その検査で何がわかるというのか?」

 

1週:呼吸器腎臓病      

 

101日(木)・2日(金)

 

 <尿検査>で何がわかるというのか?

 

 

 

 2週:感染症アレルギー・膠原病 

 

105日(月)~9日(金)

 

<自己抗体検査>で何がわかるというのか? 

 

 

 

 3週:消化器肝臓病腫瘍医学 

 

1012日(月)~16日(金) 

 

 <腹部超音波検査>で何がわかるというのか?

 

 

 

4週:神経病内分泌・代謝病 

 

1019日(月)~23日(金)  

 

 <糖負荷試験>で何がわかるというのか?

 

 

 

5週:血液病循環器      

 

1026日(月)~30日(金)

 

 ⇒ <心電図検査>で何がわかるというのか?

9月30日(水)

前回はこちら

 

 

私の誕生日に先立つことおよそ2年弱の昭和32年7月20日に刊行された「合氣道」の復刻版を読んでいて、内容の古さを少しも感じないことは驚くべきことでした。

 

序において「合気道」とは、天地を貫く真人の道である、と説かれても大方の読者は戸惑うことでしょう。そして第一章の総説では、それが天地の実相に即した永久性を持ったもの、・・・諸生活の一端に至るまで実現する時にこそ、人間性にとけ込んだ真の合気道を体得したものということができる、と続きます。この一文中の合気道を水氣道に置き換えて吟味することができる私にとっては、たとえ合気道そのものに馴染みが無くとも十分に実感をもって受け入れることができます。

 

さらに第二章の合氣道とは何か、を読み進めていくのですが、言葉や文章で「合氣道」をズバリ説明して、諸人に納得させることが容易でないことがわかります。このことは、水氣道を創始して20年を経た私にとっても同様な経験を繰り返しているところです。そのような中で、第四節の武道界における合気道、は教えを受ける人々にとってはイメージし易い内容になっていると思います。それは、比較やたとえを使って説明しているからです。これは、あたかも「愛」を説く聖書が「愛」そのものを哲学書や経典のように説くのではなく、物語や詩や、新約に至ってはキリスト・イエズスの言葉によって平易に、しかもたとえ話で語られているのと似ていることに気づきます。

 

「ここまで述べたところにより、合気道とは何かということが大体わかったと思う。」の一文で始まる第四節ですが、残念ながら私にはまだまだ分からないところだらけです。しかし、間もなくやっとわかりやすい説明展開に出会うことができます。

 

「合気道と柔道とどう違いますか? 空手道と比較してどうですか」

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

先ず技法において、柔道は必ず袖を持ち合い、襟を持ち合いその相対した動きの中で、互に機をうかがいながら変化の限りをつくし、技の精妙さをきそうのであるが、合気道は、一瞬ふれた時にはすでに勝敗決定の時であり、互に離れ、間合を取りながら、ありのままに何等動きの制限なく、自由自在に変化してその技をほどこすのであって、組み合いもみ合うということは絶対に見られないのである。

 

更に空手道と比較すれば、一層大きな相違を見出すのである。空手道は突きと蹴りとに帰一するようである。従って、その動きは円運動も多分に加味されているとはいうものの、えてして直線的なものが多いようである。

 

合気道においては、突きも蹴りもあるにはあるが、その動きは多彩であり、全くの円運動、球運動の捌きの中に技法の集約を見ることができるのである。故に全く直線的な動きというものは見出しがたいのである。

 

動きの点において柔道、空手道よりも剣道が最も合気道と共通したものを見出すことができる。剣道は一見合気とは本質的に異なる感じがするが、合気道の動きはすべて剣の動きになっており、合気道の技法を剣の理念から説明した方が、他によるよりも理解しやすい点が多々あるのである。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

「合気道には形も無ければ様式もない、自然の動き、これこそ合気道の動きであり、その奥は深遠にして極まりなし」

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

これを要するに、合気道の技は柔道、剣道、空手道等とは異なったものであるが、合気の技を生み出している精神は、その何れの道の奥義とも一致しているものであると言うべきである。

 

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以上が抜粋です。比較による説明は輪郭がはっきりしてくるのでイメージし易くなるのではないかと思います。

 

それでは、「水氣道と合気道とどう違いますか? 他の武道と比較してどうですか」

 

まず、水氣道は水中で稽古します。これは水氣道が合気道を含めた他の武道と比較した場合の最大の特徴です。それから、水氣道の技法においては、他者と接触することは少なく、例外的に相手に一瞬触れる技法があるだけです。さらに水氣道では試合というものがありません。合気道でも「試合は死合である」と言っていますが、水氣道は、これをさらに徹底させて、進級や昇段のための検定は行いますが、互いに競わせたり、試合に臨ませたりすることはありません。

 

水氣道の技でも、空手道のように突きや蹴りの動作を含んでいます。ただし、水氣道は陸上ではなく水中での運動であるがゆえに、その動きは一見直線的に見えるものであっても、必然的に円運動やらせん運動が加味されてきます。

 

合気道の動きはすべて剣の動きになっているとのことでしたが、水氣道の動きのすべてが剣の動きになっているかというと、そこまでは言いきれません。空手のような動きはもちろん、その他の武道の中では、たとえば弓道のような動きをするものも含んでいます。

 

また、合気道には「形(かた)」もなければ「様式」もない、とのことですが、水氣道には「形」や「様式」とは呼ばず「航法」という一連の稽古の流があります。この流れこそは、水中と水面上で連続展開していく「水気の技」を支えるものですが、この技は、あたかも母親の羊水の中で動く胎児のように、水中でのごく自然な動きによって育まれていくものです。それは、水氣道は、水に抗うのではなく、むしろ委ねることを大切にしていることによるものなのです。

 

合気道の技は柔道、剣道、空手道等とは異なったものであるように、水氣道も明らかにこれまでの武道とは異なっています。しかし、水気の技を生み出している精神は、その何れの道の奥義とも一致している、という主張に対して、水氣道の精神としては、合気道をはじめとする諸武道に対する敬意の念をもって尊重しつつ、独自の道の奥義を極めていきたいものです。

<はじめに>

 

前回は「緊張」に効果のあるツボを紹介しました。

 

 

「内関」は手の平側の手首から指3本分肘側にあり、

 

 

「大陵」は手の平側で手首の真ん中にあるというお話でした。

 

 

今回は「風邪」に効果のあるツボを紹介しましょう。

 

 

<風邪に効果のあるツボ>

2020-05-12 14-44

 

「風門(ふうもん)」首を前に曲げてできる出っ張りから指2本下、そこから左右指2本横にあります。

 

 

「風池(ふうち)」後頭部中央の窪みから左右それぞれ指2本分外側にあります。

 

 

「大椎(だいつい)」首を曲げてできる出っ張りの下にあります。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

9月23日(水)
水氣道
 

 

およそ二カ月の中断を余儀なくされていた水氣道も、新規の稽古場所が加わり、参加者の人心も改まり、「気・血の技」を中心に更なる技の発展を遂げています。


 

私は武道の中でも合気道に最大の敬意を払っています。

 

合気道二代目の植芝吉祥丸氏が執筆し、父である開祖の植芝盛平翁が自ら監修した
「合気道」の復刻版が手元にとどきました。

 

合気道は合気柔術から発展し、究極の日本の武道としての打ち立てられたもののようです。それは本部道場ができるまでの仮住まい(昭和四年頃か)をしていた目白に、講道館の嘉納治五郎師範が来訪した描写からもうかがい知ることができます。嘉納氏は道主の演ずる合気道を一見して、「これこそ自分が理想としていた武道、即ち柔道だ」と言われたというくだりです。

 

さて、合気道の本部道場の一隅に掲示されていたとされる「合気道練習上の心得」を現代仮名遣いに直し、わかりやすく書き直して紹介いたします。

 

一、 合気道は一撃よく死命を制するものなので、練習に際しては指導者の教示を守り徒(いたずら)に力を競ってはいけない

 

二、 合気道は一をもって万に当たる道なので、常に前方のみならず四方八方に対する心掛けで練磨する必要がある

 

三、 練習は常に愉快に実施する必要がある

 

四、 指導者の教導はわずかにその一端を教えるのに過ぎず、これの活用の妙は自己の不断の練習により始めて体得できるものである

 

五、 日々の練習に際しては、まず体の変化から始め、逐次強度を高め、身体に無理が生じないようにする必要がある。そのようにするならば、いかなる老人であっても身体に故障を生じることなく、愉快に練習を続け鍛錬の目的を達することができる

 

六、 合気道は心身を鍛錬し、至誠の人を作ることを目的とし、また技はことごとく秘伝とすることによって、徒(いたずら)に他人に公開し、あるいは市井の無頼の者が悪用することを避けるようにすべきでる

 

 

そこで、水氣道をこの合気道の心得と比較して解説することを試みます。

 

一、 合気道は「合気道は一撃よく死命を制するもの」であるのに対して、水氣道は、そもそも他者と接触しないので、命に関わることではありません。また水氣道は競技でもないため、相手と力や技を競う必要はありません。それでも、不慮の事故はどこでも起こりえます。そのため水氣道でも「練習に際しては指導者の教示を守」ることは大切です。

 

二、 合気道は「一をもって万に当たる道」であるのに対して、水氣道は「一をもって水氣と一体の生命を得る道」です。水氣に心身のすべてを委ねる者同士が、誠意をもって学び合い、導き合うことを心がけて稽古する必要があります。それによって「一を知って十を悟る」ことができるようになります。

 

三、 合気道は「練習は常に愉快に実施する必要がある」、水氣道もこれと同じです。

 

四、 合気道では、「指導者の教導はわずかにその一端を教えるのに過ぎず、これの活用の妙は自己の不断の練習により始めて体得できるものである」、水氣道もこれと同
じです。水氣道では、このことを特に「水に委ねて、水に学べ」と言っています。

 

五、 合気道の日々の練習は「まず体の変化から始め、逐次強度を高め、身体に無理が生じないように」します。水氣道もこれと同じです。その結果期待できることは、合気道では「いかなる老人であっても身体に故障を生じることなく、愉快に練習を続け鍛錬の目的を達することができる」とします。水氣道でも同様の目的を持っていて、水氣道を生涯エクササイズと位置付けています。

 

六、 合気道は「合気道は心身を鍛錬し、至誠の人を作ること」を目的とますが、水氣道もこれと同じです。また、合気道では「技はことごとく秘伝」としますが、これに対して「通常の技はことごとく公開」します。水氣道では悪用されることはないためです。ただし、水氣道でも稽古熱心で、かつ、階級資格と能力とに応じた役割を果たしている稽古者には、より多くの技の伝達が可能となります。

 

 

「道場を開けば、道場主はどうしても経営その他の事務や雑事に追われて武道に専念することができなくなり、その実力はぐんと低下するものである」というのが、道主日頃の持論であったそうです。私自身も、新型コロナ禍にあって、そのことを強く感じていました。ですから、連休等を活かして、郷里の水戸で、一人自主稽古に励むよう心がけています。
 

それは、水氣道が広く社会に知られて受け入れられるようになるまでは、私自身が、自分の実力を落とさず、さらに磨きをかけ続けていかなければならないと考えるからなのです。

<はじめに>

 

 

前回は「疲労感」に効果のあるツボを紹介しました。

 

 

「陽陵泉」は膝の外側のやや下方で飛び出している骨を見つけそこから指1本下にあり、

 

 

「命門」はおへその後ろ側の背骨のところにあるというお話でした。

 

 

今回は「緊張」効果のあるツボを紹介しましょう。

 

 

 

<緊張に効果のあるツボ>

2020-05-12 14-40

 

 

「内関(ないかん)」は手の平側の手首から指3本分肘側にあります。

 

 

「大陵(だいりょう)」は手の平側で手首の真ん中にあります。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

9月16日(水)

勇気ある命がけの2人の女性科学者の告発:
病原性のない自然ウイルスを人為的に操作して病原ウイルスに!

 

新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチンの開発といった根源的な解決のために、最も重要なのは新型ウイルスの発生源の追求にあることはいうまでもありません。しかし、たった1つのウイルスを作ったとは考えられず、複数の新しいウイルスを作ろうとするのは研究者の常であり、それ自体には必ずしも悪意はありません。

 

中国共産党政府は、2015年に武漢ウイルス研究所で新型コロナウイルスを生み出したことまでは認めています。しかし、残念ながら感染した動物から直接感染した最初の患者(0号患者)についての情報は秘匿したままです。新型コロナウイルスはヒトーヒト感染するという情報がもっと早く周知されていれば、世界中を巻き込むパンデミックには至らなかったはずです。つまり、今後も、別のウイルスが世界にばら撒かれる可能性は低くないということです。

 

昨日9月15日、生命の危機を感じて米国に亡命した元香港大教授の研究者・閻麗夢氏が、武漢ウイルスの発生源に関する医学論文を発表しました。閻麗夢氏は、武漢ウイルスは中国軍実験室のサンプルから生まれた人工ウイルスだと告発しました。

 

Covid-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2は、人民解放軍第三軍医大学と南京軍区軍医学研究所が共同で作った生物学的兵器である可能性が高い。
『両研究所が実際に保存しているこうもりのコロナウイルスサンプルであるZC45、ZXC21と全く同じもの。この2つのウイルスを使用して人為的に作られたのがSARS-CoV-2である』、という発表です。

 

中国共産党政府は、ウイルスの発生源を隠蔽し、研究者による調査を禁止しています。

しかし、それ以上にショッキングなのは、科学研究を阻んでいる超本人が著明なウイルス学の権威者であるということです。しかし、日本を含めて世界中の専門家が、このテーマの追求に積極的でないばかりではなく、あたかも回避しているように見えることには何らかの理由がありそうです。

 

元香港大教授の研究者・閻麗夢女史の他にも、もう1人のMIT(マサチューセッツ工科大学)のシンガポール出身の女性研究者(分子生物学)アリーナ・チァン女史も人為的に作られた可能性が高いことを発表しようとすると、あらゆる主流の医学誌に発表することを有力な医学研究者たちから猛非難を受け、何度も論文掲載を拒否されてきたため、先日Twitterで発表しました。発表を阻止しようとする有力研究者とは関連製薬会社から研究費を得ていることが問題です。

 

メインストリームジャーナルをはじめとするマスコミについては今や当然としても、WHOや世界の超一流医学雑誌までが中国共産党に汚染されているとしたら忌忌しき事態であると憂慮せざるを得ません。

新型コロナワクチン治験中断についてのまとめです。

 

第1報

安全性のデータを確認する間、投与を中止

 

第2報

ワクチン開発は、過去に例のないスピードで進められていて、専門家からは、安全性を十分検証するよう求める声が出ている

 

第3報

実は2例目の中枢神経障害であった!

9月12日(土)

 

前回はこちら



実は2例目の中枢神経障害であった!

 

治験中断は異例であるのか、普通に起こりえる事態なのか、いろいろな意見が表明されています。とりわけ、9月10日付けJAPAN TIMESのAPの記事は、私には納得のいかないものでありました。突然の中止に至ったわけについては、それなりの理由があるはずであるにもかかわらず、発表直後から少しずつ背景情報が集まってきました。

 

Top vaccine trial paused after patient’s illness
トップのワクチン治験は患者の病気で一時中断

 

‟Potentially unexplained illness”
『原因不明の病気の可能性』

 

Temporary holds of large medical studies aren't unusual, and investigating any serious or unexpected reaction is a mandatory part of safety testing.
大規模な医学研究の一時的な保留は珍しくなく、重篤な反応や予期せぬ反応を調査することは、安全性試験の必須項目である。

 

コメント:
そもそも最初から「原因不明の病気の可能性」(‟Potentially unexplained illness”)という表現を繰り返すべきではありません。後段「重篤な反応や予期せぬ反応を調査することは、安全性試験の必須項目である。」という結論部分には異議はありませんが、前段「大規模な医学研究の一時的な保留は珍しくなく」の部分には、違和感を覚えます。珍しいかどうか、というのは数量・頻度概念であるため、その根拠を明確にして論じることが行政・専門家・企業・メディアのすべてに通じる責務ではないかと思います。また、保留の仕方、報道への伝え方、今後の見通しについての見解において、疑問が残ります。

 

以下は、9月10日時点で私が確認できた関連情報のサマリーです。

 

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英オックスフォード大とワクチンを共同開発しているアストラゼネカ有害事象の発生を受けて新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を中断した。有害事象が確認された被験者は、横断性脊髄炎(TM)註1と呼ばれる稀な中枢神経炎症性疾患を発症したと報じられている。

 

註1:横断性脊髄炎(TM)

脊髄の一部分が横方向にわたって炎症を起こすことによって発生する神経障害です。「脊髄炎」は、脊髄の炎症を意味し、「横断」とは、単に炎症の発生する部位が脊髄の横断面であることを示します。炎症の発作によって、ミエリン(神経細胞繊維を覆っている脂肪性の絶縁物質)が損傷または破壊されます。これが破壊されることによって、神経系統に傷が付き、脊髄内の神経と身体の他の部分との交信が中断されます。


TMの症状には、数時間から数週間にわたる脊髄機能の喪失があります。これは、通常、腰部の痛みや筋肉衰弱やつま先や脚の異常な感覚などの症状が突然発症することで始まり、その後急速に、麻痺や閉尿や排便制御の喪失などの重度な症状へと進んでいきます。一部の患者は、まったくまたはほとんど障害を残さずに完治しますが、日常生活に支障をきたすほどの永続的障害が残る患者もいます。横断性脊髄炎は、老若男女、および人種を問わず起こる疾病です。遺伝的な要因も見られません。横断性脊髄炎の正確な原因はまだ判明していません。脊髄を損傷させる炎症は、ウイルス感染症、特異免疫反応、または脊髄にある血管への血液流不足によって起こることがあります。

 

横断性脊髄炎は、水痘帯状疱疹ウイルス(水疱瘡や帯状疱疹を引き起こすウイルス)、単純ヘルペス、サイトメガロウィルス、エプスタイン-バー・ウィルス、インフルエンザ、エコーウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A型肝炎、風疹などのウイルス感染後に発症することがあります。今回のワクチンとの関連については、これらの一連の知見は、「原因不明の病気の可能性」(‟Potentially unexplained illness”)ではなく、「ウイルスやワクチンが原因となっている病気の可能性」があることを示唆します。

 


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9月9日、独立委員会が安全性データをレビューするために臨床試験を一時的に中断したことを明らかにし、試験のタイムラインへの影響を最小限に抑えるよう取り組んでいるとの声明を発表した。
アストラゼネカのパスカル・ソリオ最高経営責任者(CEO)は9日午前に投資家に対し、英国の女性1人に横断性脊髄炎(TM)と呼ばれる神経系の疾患が発現し始めたため同社のワクチン試験は全世界で中断されたと説明した。
このワクチンは世界で最も開発が先行していたワクチンの一つ。アストラゼネカはすでに、世界各国に30億本近くのワクチンを供給することで合意している。これは、ほかのどのワクチンプロジェクトよりも多い。
米紙ニューヨーク・タイムズは関係者の話として、因果関係は明確ではないものの有害事象が確認された被験者は、英国でワクチン接種後に横断性脊髄炎(TM)と呼ばれる稀な炎症性疾患を発症したと報じられていた。アストラゼネカは、詳細は検証中で、最終的な診断は確定していないと報じている。

 

コメント:

横断性脊髄炎(TM)は、米国内だけでも毎年、約1400件の新規症例が報告されており、約33,000人の米国人が横断性脊髄炎による障害を持っています。欧米では、ある疾患が2000人に1人の割合で発生すれば、その疾患は希少とみなされます。つまり、0.2%です。米国の人口は約3憶2900万人(2019)であり、その2000分の1は164万5000人なので、明らかに希少疾患に該当します。それでは、日本における希少疾患はというと、人口は1億2593万人(2020・8・1)の2000分の1で62,965人未満であれば希少疾患になります。日本における新型コロナ感染症はどうでしょうか。9月10日現在の国内での新型コロナウイルス感染症者は73,221例であるため、辛うじて希少疾患から外れる計算になります。しかし、最近までは発症率は約0.2%とされ、希少疾患の水準でした。ですから、横断性脊髄炎(TM)は希少疾患とはいっても、それなりの患者数が存在するという理解が必要ではないかと考えます。ですから、希少疾患という言葉の一般的なイメージに惑わされてはならないと思います。

 

 

 

臨床試験登録ISRCTNに掲載された7月12日付の被験者情報によると、アストラゼネカの英試験で参加者1人が横断性脊髄炎(TM)の症状を示した。原因は調査中だとされていた。今回で中枢神経系の問題が生じたのは2件目となるが、神経障害の最初の症状は多発性硬化症(MS)註2が原因とみられ、医療関連ニュースを専門とするSTATの報道によると、女性は回復しつつあり、ワクチンとの関連はないと考えられたと伝えた。

 

同社はすでに被験者が神経系の症状を呈し、7月に臨床試験を一時的に停止したことも確認した。この被験者は多発性硬化症(MS)と診断されていた。なお、メイセル氏は「7月には、被験者1人が未診断の多発性硬化症であることが確認されたことで安全性を検証する間、試験が一時中断した」とした上で、独立した試験監視委員会は「この診断がワクチンと関連がないと結論付けたと説明した。しかし、7月に発表された論文では、治験の中間結果として、痛みや頭痛、発熱、悪寒などの副作用は確認されたが、深刻なものはなかったとしていた。

 

註2:多発性硬化症(MS)

多発性硬化症は中枢神経系の脱髄疾患の一つです。私達の神経活動は神経細胞から出る細い電線のような神経の線を伝わる電気活動によってすべて行われています。家庭の電線がショートしないようにビニールのカバーからなる絶縁体によって被われているように、神経の線も髄鞘というもので被われています。この髄鞘が壊れて中の電線がむき出しになる病気が脱髄疾患です。この脱髄が斑状にあちこちにでき(これを脱髄斑といいます)、病気が再発を繰り返すのが多発性硬化症(MS)です。MSになるはっきりした原因はまだ分かっていませんが、自己免疫説が有力です。私達の身体は細菌やウイルスなどの外敵から守られているのですが、その主役が白血球やリンパ球などですが、これらのリンパ球などが自分の脳や脊髄を攻撃するようになることがあり、それがMSの原因ではないかと考えられています。やはり、ウイルスやワクチンが原因となる可能性を残しているといえます。ただし、親から子に病気が遺伝することはありません。ただし、アレルギー体質が遺伝するように、MSになりやすさを決定する体質遺伝子が遺伝することはありえます。

 

 


アストラゼネカの広報担当者ミシェル・メイセル氏によると、ソリオCEOは今回の症例で最終的な診断は出ていないとした上で、より多くの検査が行われるまで診断は確定しないと述べた。メイセル氏は発表資料で「こうした検査が今後、独立した安全性委員会に提出され、有害事象が検証されて最終診断が下される」とした。アストラゼネカは来週、臨床試験を再開する可能性があると、英紙フィナンシャル・タイムズが事情に詳しい複数の関係者を引用して報じている。ただし、同社は試験の再開時期についてコメントしていない。

 

 

各国のアクション


新型コロナウイルスワクチンを開発している欧米の製薬企業は8日、科学的な安全性・有効性の基準を支持し、プロセスを急がせようとする政治的な圧力には屈しないと宣言した。

 

英国の規制当局は、試験の早期に再開できるかどうか判断するため、情報の収集と分析を急いでいる。英国のマット・ハンコック保健長官は、今回の試験中断が開発プロセスを後退させるかどうかについて「必ずしもそうではない。アストラゼネカによる検証を見極めたい」と語った。

 

英国免疫学会のダグ・ブラウン会長は「人が病気になる理由はさまざまだ。開発チームは今、有害事象の原因が何であり、それがワクチンと関連があるのかを詳細に検討している」と述べた。

 

英国での試験は、5歳から70歳以上の1万2000人以上を対象に5月から行われている。アストラゼネカのワクチンは、アデノウイルスを使って新型コロナウイルスの遺伝子(遺伝情報)の運び役にアデノウイルスを用いて送達し、免疫反応を促すウイルスベクターワクチン。同様のアプローチは、中国のカンシノやロシアのガマレヤ研究所、米ジョンソン・エンド・ジョンソンによっても追求されているが、それぞれ重要な相違点があり、しかも決定的な違いである可能性がある。

 

英国アストラゼネカはチンパンジーのアデノウイルスを使っていることに注目している。アストラゼネカがベクターとしてチンパンジーのアデノウイルスを選択しているのは、ヒトアデノウイルスへの過去の暴露によって、免疫がベクターを攻撃するリスクを回避するためだ。

 

 

ロシアでも試験が計画されていて、全世界で5万人の登録を目指している。ロシア初の新型コロナウイルスワクチンとして承認されたガマレヤ研究所のワクチンを支持する人からは、ガマレヤ研究所がヒトのアデノウイルスをベースにしている。ロシア政府系のロシア直接投資基金(RDIF)総裁のキリル・ドミトリエフ氏は「ヒトのアデノウイルスを使ったプラットフォームは、ほかの新しいプラットフォームと比べて安全性が高く、研究もなされている」とロイターに語った。 

 

 

米国での後期試験は、3万人の登録を目標に先週開始。米モデルナは電子メールで出した声明で、進行中のワクチンの試験に「何らかの影響があるとは認識していない」としている。しかし、米国立衛生研究所(NIH)のフランシスコ・コリンズ所長は9日、米上院委員会の公聴会で、ほかにも同様の事例がないか確認を進めていると語った。コリンズ所長は「まず安全性を重視しており妥協はしないとわれわれが語るのを聞けば、誰もが安心するはずだ」とした上で、「これは1件の有害事象に基づき、それがワクチンと関係があるかないか分からないが、何か懸念すべき証拠があれば直ちに中断し、確認するという慎重なアプローチの最善策だ」と述べた。

 

 

ドイツのルーコケアはアストラゼネカと同様のワクチンを開発しているが、まだ早期段階で、大規模試験に入れば安全性の問題が出る可能性が高いことに同意した。同社のミハエル・ショールCEOは「2万人に接種するとすれば、いずれかの時点で重篤は有害事象が発生するのは当然だ。ワクチンとの関連性が明確に否定されれば、試験は継続される」と指摘。「炎症などの免疫関連疾患は、特に精査の対象となるだろう」と付け加えた。

 

 

 

インド血清研究所は、アストラゼネカのワクチンの試験は進行中で、何ら問題に直面していないと述べた。

 

 

ブラジルと南アフリカでも臨床第3相(P3)試験が行われている。
韓国は、国内企業が参加する同ワクチンの供給について、詳細を把握した上で製造計画を検討するとしている。保健省のユン・テホ氏は、このような臨床試験の中断は「さまざまな要因が相互に影響し合うため」珍しいことではないと述べた。

 

 

 

日本でも初期の試験が始まった。第一三共の真鍋淳社長は14日までに共同通信のインタビューに応じ、英製薬大手アストラゼネカなどが開発中で自社も製品化に携わる新型コロナウイルスワクチンについて、日本国内への供給は「来年の東京五輪には間に合わせたい」と語った。第一三共はアストラゼネカのワクチン原液を容器に充填する製剤化を担う予定。

真鍋氏は「決定的な治療薬が見つからない中、一番期待が高まっているのがワクチン。スピード感が重要となる」と述べた。自社でもメッセンジャーRNAと呼ばれる人工遺伝子を用いたワクチンを開発中で、来年3月ごろの臨床試験開始を目指している。

真鍋氏は「ワクチンは100パーセント効くわけでなく、改良を進めれば抗体が長く続くなど改善の余地もある。いろんなワクチンが存在する方が良い」と話した。

安全保障上の観点から、医薬品が国にとって重要な基幹技術になるとして「(ワクチンや治療薬開発の)技術は持っておくべきだ」と自社開発の意義を強調した。

真鍋氏は、新型コロナは根絶が難しく、今後は季節性インフルエンザのようにウイルスとの共生を求められる可能性があると指摘。今後のワクチンや治療薬開発は「国で司令塔をつくり、産学官共同で整備を進め、海外との連携も深めなくてはならない」と述べた。

 

日本はすでにアストラゼネカ社から1億2千万回分の供給を受けることで合意している。

しかし、英製薬大手アストラゼネカなどが開発している新型コロナウイルスのワクチンで深刻な副作用が疑われる事例が発生し、米国での治験が一時中断された問題で、厚生労働省は9日、日本での治験も中断されたと同社から報告を受けたことを明らかにした。

副作用の内容や供給計画に影響が出ないかどうかなど、厚労省は同社から詳細な情報を収集している。

 

ワクチンと副作用に詳しい北里大の中山哲夫特任教授(臨床ウイルス学)は「詳しい情報が得られていないので評価はできない」とした上で、「中断ということは重大な副反応が出た可能性がある。開発は安全性の確認というステップをきちんと踏んで進めないといけない」と話している。

 

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会もワクチンは投与後に免疫が過剰に働く「抗体依存性増強(ADE)」などの重い副作用が起こりうると以前から指摘しており、国内でも慎重に安全性を確認していくことが求められる。

<はじめに>

 

前回は「気分がふさぐ」ときに効果のあるツボを紹介しました。

 

 

「膻中」乳頭を結ぶ線と胸骨の正中線と交わるところにあり、

 

 

「関元」おへそより指4本分下にあるというお話でした。

 

 

今回は「疲労感」に効果のあるツボを紹介しましょう。

 

 

 

<疲労感に効果のあるツボ>

2020-05-12 14-37

 

 

 

「陽陵泉(ようりょうせん)」は膝の外側のやや下方で飛び出している骨を見つけそこから指1本下にあります。

 

 

「命門(めいもん)」はおへその後ろ側の背骨のところにあります。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭