<線維筋痛症 JFIQの経過報告>

 

 

(図1)

スクリーンショット 2021-02-04 12.14.35

 

 

JFIQは線維筋痛症の経過観察に欠かせない指標です。

 

 

最高点が100点で、20点未満が正常値になります。

 

 

 (図1)は左側が初期時の点数、右側が現在の点数でその2点を結んだものです。

 

 

 

 図2)

スクリーンショット 2021-02-04 12.14.18

 

(図2)は線維筋痛症の治療効果の割合を表したものです。

 

 

 50以上点数が下がると「著効」です。

 

 

 20以上50未満点数が下がると「改善」です。

 

 

 20未満の点数の低下は「無効」の判定となります。

 

 

<今回の考察>

 

 

正規性の検定で初期値、現在値共に正規性がありました。

 

 

その後、関連2群の検定と推定を行いました。

 

 

1)統計的にみて、JFIQスコアが有意に改善したことが証明されました。P(危険率)0.002%でした(図1)

 

 

pが0.05以下であれば統計学的優位である。

 

 

pが0.01以下であれば統計学的に極めて優位である。

 

 

 

2)JFIQスコアの判定基準として、20点以上改善されると治療が有効、50点以上改善されると著効となります。

 

 

  今回、9の平均で    32.7点改善していたため、全体として鍼治療は   有効であったと言えます。

 

 

個別でみると、著効2名(22.2%%)、有効5名(55.6%)、無効2名(22.2%)でした。(図2)

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭



前回はこちら

 

 

水氣道稽古の12の原則(9)周期性の原則(その

 

周期性の原則は、反復性の原則と同時に説明され、「反復性・周期性の原則」というように一括りにされることが多いようです。運動プログラムは、ある程度の期間、規則的に繰り返すように計画されます。トレーニングにおいて、反復性、つまり繰り返して継続することは、テクニックを向上させるためには重要な要素だからです。

 

このように、反復性・周期性の原則とはある程度の期間を定期的にやることです。しかし、反復性の原則と周期性の原則とは区別して理解することも必要であると考えます。

 

トレーニングの効果を得るためには、一定期間、運動を規則的に繰り返す必要があります。それはスポーツに限らず、楽器の演奏や美術表現、その他、万事においてテクニックを習得するには、これが必須の条件になります。とくに筋トレ初心者の場合、一つの種目のフォームを習得するにはそれなりの時間と頻度が必要です。陸上の筋肉トレーニングであれば、通常、週に2~3回位を目安に1年計画でトレーニングしていくことが考えられます。

 

正しいフォームが再現できるようになるまで、念入りに集中的に反復することが必要です。しかし、人間が集中的に物事に取り組むことができる時間は限られています。つまり、単なる努力だけでは身体的にも精神的にも消耗を来し、その結果、疲労困憊に陥ったり、怪我に繋がったり、病気を招いてしまったりすることさえあります。

 

このように、より効果的な成果を期待するためには、漫然と稽古を繰り返すばかりでは限界があります。トレーニングを効果的に継続するためには稽古を計画的に行う必要があります。つまり、計画的訓練ですが、その基本となるのが周期性です。

 

周期性の原則を活かしたトレーニングとは、基本的には1年間を通したトレーニン グ計画を立てて実践することです。日本の一年には四季がありますが、その季節に応じて最も効果的な稽古プログラムを作成することから始まります。

 

そもそも筋力をはじめとする体力は、一気呵成に向上することはありません。これに対して技術を習得する場合は、コツをつかむことによって急速に向上することがあります。ただし、コツをつかむ体験も、一回限りの経験では確かなものとして定着することは難しいです。反復するばかりでなく、定期的に点検しておかなければ、一過性の効果に終わってしまいます。それでは、「まぐれ当たり」と大差ありません。

 

またコツをつかんだつもりでいても、その後の効果の再現が得られず、上達がみられないばかりでなく、かえって後退してしまうことがあります。そのような場合の原因の一つは、誤ったフォームが、悪い癖となって身についてしまったためかもしれません。ですから、フォーム習得後も、さらなる継続を行い、周期的にチェックする必要があります。せっかく掴んだコツだからこそ、いつでも再現できるように学習して身に着けておきたいものです。このようなことからも稽古に関しても計画性の原則に則った工夫と努力が必要になってきます。

 

さらに、疾病の改善や健康づくりのための運動プログラム作成に関しては、特別に運動処方という言い方をします。安全で効果的な運動処方を行うためには、運動前の問診やメディカルチェック・体力測定を実施し、個人の潜在的なリスクや体力水準、体組成などを評価する必要があります。また運動中は定期的(周期的)な強度の監視、運動後はトレーニング効果の再検査が重要です。特にプログラムの作成にあたっては個人の特性を考慮し、各国で定められている運動処方の指針に従い、科学的に裏付けられたプログラムの作成が望まれます。

 

 

前回はこちら

 

    • 水氣道稽古の12の原則(8)全面性の原則(その3

前回は、水氣道における「全面性の原則」は、筋力トレーニングをはじめとする各種体力要素を対象とするにとどまらず、メンタル面、社会面など、より広範な次元に根ざした原則としてとらえている、ということをご紹介しました。そして、この原則についての更なる意味、そしてこの原則に基づいて、水氣道では、どのような実践に役立て、何を目標にしているのか等について、今回解説いたします。

 

繰り返しになりますが、水氣道がトレーニングするのは体力のみならず気力にも及びます。体力と気力をトレーニングするのは水氣道に限らず、多くのスポーツや武道についてもいえることです。しかし、水氣道における体力と気力の訓練は、他の種目以上に相互の関連性を重視し、より深い洞察へ導くことができるように構成されています。それは、心身相関という心身医学理論に立脚して稽古プログラムが構成されているからです。体力は主に瞬発力(パワー)持続力(スタミナ)によって支えられますが、気力もまた瞬発力(決断力)持久力(忍耐力)によって支えられます。

 

また、体力は筋肉だけでなく運動器全体が関与しています。運動器というのは具体的には骨格、骨格筋や腱、関節および軟骨、骨格筋と脳を連結する神経系などのすべてを含みます。そして、骨格筋と脳を連結する神経系には運動神経系(脳から骨格筋へ)と感覚神経系(骨格筋から脳へ)の二方向性での密接な繋がりがあります。水氣道では、従来軽視されがちであった、骨格筋以外の運動器を構成する要素に対しても配慮の行き届いた稽古プログラムを構築しています。

 

まず、安全面で大切なのは関節の保護です。関節軟骨は不適切あるいは過剰なトレーニングによって傷つきやすく、しかも修復が難しい組織です。水氣道は、水中運動であるため骨格筋ばかりでなく関節の軟骨や腱にも優しい運動を継続することができる前提が事前に与えられています。したがって、水氣道では安全性においても「全面性の原則」が活かされていることになります。

 

また、水氣道が水中運動であるもう一つの利点は、日常の陸上生活とは違った環境に身を置くことによって、運動神経系のみならず、感覚神経を刺激し、訓練することができることです。身体と触れているのが空気だけでなく、水によって包まれているという環境は、その分だけ多くの環境情報を皮膚の感覚器や深部感覚器を通して脳に伝えることになります。つまり、日常生活ではあまり刺激を受けず、用いられていない心身の諸能力が水氣道の稽古によって覚醒し、活性化させることができます。水氣道における「全面性の原則」は、こうした領域にまで及ぶものであることを是非心に留めておいてください。

 

一般のトレーニング理論は、運動生理学にもとづいて構築されていますが、「全面性の原則とは、その一環としてのみ用いられてきたことは既に説明してきたとおりです。これに対して、水氣道におけるトレーニング理論は運動生理学のみならず運動心理学、さらにいえば両者を統合した運動心身医学(註)を基礎としています。

 

(註)運動心身医学:

水氣道における独自の稽古理論。心身医学とは、患者を身体面とともに心理面、社会面(生活環境面)をも含めて、総合的、統合的に見ていこうとする医学を言います。そして、現代の心身医学の分野は医療、保健、福祉など多方面にわたりますが、基本的には人間の身体面、心理面、社会面の相互作用に関する科学的な研究成果をもとに、患者中心の生活の質を重視した全人的な医学医療のありかたを目指しています。そこで、「水氣道」という画期的な健康法の実践方法を確立して、心身医学に基づいた健康づくりを目的とする独創的な考え方によって体系的に運動理論を構築していこうとするのが「運動心身医学」なのです。

 

 

こうした運動心身医学を背景とする新しい概念である「全面性の原則」も従来の概念と基本的には相互に矛盾することはありません。ただし、水氣道での「全面性の原則」は、筋肉トレーニングのみならずメンタルトレーニングや、さらに、それらの相互関係にも及ぶ原則ことになります。ですから、水氣道における「全面性の原則」の概念には、身体面のみならず、心身両面に及び、このことだけでも従来の概念の時限を超えた発展性や成長性の可能性が内在しているということができます。

 

 

 

「全面性とは、バランスのことである」

 

とはいっても、それは広範囲に均一ということではなく、目的に応じて、それぞれに比重が異なることがあるということになります。たとえば水氣道には様々な技法(航法)が準備されていますが、すべての技法は心身両面での訓練になっています。しかし、体力面のトレーニングとメンタル面でのトレーニングの比重は一定ではなく、航法の種類やトレーニングの目的によって多種多様です。

 

繰り返しになりますが、水氣道の「全面性の原則」が、従来の「全面性の原則」と異なるのは、この原則が、単に筋肉トレーニングに限った原則ではなく、筋肉以外の体力向上全般に加えて脳神経系に細やかな配慮と工夫が必要になるからです。逆に、筋肉や身体面ばかりに注目しているならば、それは本質的に「全面性の原則」に反して、これと矛盾することになるからです。ですから、筋肉トレーニングはバランスよく行うという狭い意味での解釈を超越して、少なくとも水氣道の稽古においては、心身の統合的トレーニングは、全体のバランスよく考慮して行うという法則に拡張して理解することが大切です。

 

そのためには心身医学的アプローチに適う「全面性の原則」の考え方を織り込んだ<準備体操><整理体操>を丁寧に実施することが有用だと思います。水氣道では20年の歳月をかけて独自の<準備体操(通称:イキイキ体操)><整理体操(通称:のびのび体操)>を独自に発展・展開させてきました。いずれの体操も心身医学的な「全面性の原則」に則って体系づけられていますが、それぞれの目的が違います。つまり、「全面性の原則」というのは、目的に応じて柔軟な多様性を示しうるものだということができます。そして、いずれの体操も各自の目的に応じた「全面性の原則」に則って組み立てられているのですが、可能な限り、一回の稽古の中で<準備体操(通称:イキイキ体操)><整理体操(通称:のびのび体操)>両方の体操を組み合わせることによって、相互の効用を補完し合い、より完成度の高い稽古の基礎ができあがるのです。つまり、稽古の流れ全体を通して「全面性の原則」がより高度に完成していくものであることを理会していただきたいと思います。

 

さて人間が心身共に成長していくためには体力と気力のいずれもが必要となりますが、それだけでは不足しています。なぜなら、人間は社会的な存在であり、社会的動物であるともいわれるからです。人間が心身共に成長していくためには、新たな「気付き」が必要なのですが、個々の人間が孤立していたのであれば、多くの「気付き」の機会は失われてしまうことでしょう。そのかわり、身近にいろいろな人々と交流し、同行の友や師を得ることができれば、「気付き」の機会は加速度的に増えていくことになるはずです。

 

水氣道の稽古が個人的な鍛錬でなく「集団」あるいは「団体」として組織だって活動するように構築されているのは、まさに集団力動(グループ・ダイナミクス)によるメリットを最大限に引き出すことの重要性に根ざしているからです。人間が心身共に成長していくためには行動変容が必要であることは前回説明しました。その行動変容のためには、決断力と瞬発力の助け以前に「気付き」が必要です。そのチャンスを与えてくれるのが自分以外の人々の存在です。

 

今まで経験したことのない活動を、今までお付き合いのなかった人々と共に開始し、少しずつ開拓していくためには多少の勇気と覚悟、それから最小限の体力が必要になります。それらが揃ってはじめて質の高い「気付き」と自信が与えられるきっかけが与えられることになります。

 

前回はこちら

 

 

水氣道稽古の12の原則(8)全面性の原則(その2)

 

運動生理学にもとづくトレーニング理論におけるいくつかの原則の一つに「全面性の原則」があります。多くの場合は、筋肉トレーニングに関するもので、筋肉トレーニングはバランスよく行うという法則であると理解されています。またバランスとは、「必要な要素を見落とさない」ということにもつながります。ですから、「全面性の原則」には、概念自体の発展性や成長性が内在しているということができます。

 

たとえば筋肉トレーニングをする場合には、特定の筋肉や特定の身体部分の筋肉に偏らずに、全身の筋肉のバランスを考えながらトレーニングする必要があります。ただし、筋力トレーニングについていえば、全身の筋をバランスよく鍛えることを前提としつつも、大筋群を優先してトレーニングを実施することは大切です。

 

つまり、全面性とは、バランスであるとはいっても、それは広範囲に均一ということではなく、目的に応じて、それぞれに比重が異なることがあるということになります。

 

それから、トレーニングのモードとして持久力(持久力)を高める有酸素運動や筋力強化(パワー)のための無酸素運動がありますが、いずれか一方ではなく、両方のモードでトレーニングを行うことも「全面性の原則」の本旨に適うことになります。

なぜなら「全面性の原則」とは、筋肉トレーニングとはに限った原則ではないからです。

 

また、筋肉をトレーニングするためには、筋肉以外の体力向上全般に細やかな配慮と工夫が必要になるからです。逆に、筋肉だけに注目しているならば、それは本質的に「全面性の原則」に反して、これと矛盾することになるからです。ですから、筋肉トレーニングはバランスよく行うという狭い意味での解釈ではなく、少なくとも体力トレーニングはバランスよく行うという法則に拡張して理解することが大切です。

 

ですから体力とは、当然ながら単に筋力を意味するものではありません。筋力の他に、有酸素能力・柔軟性などの体力要素をバランスよく高めることが必要です。それらを、更に具体的に列記するならば、持久力、瞬発力、敏捷性、平行性、柔軟性といったようにいろんな体力要素です。前回説明したことの繰り返しになりますが、これらの体力要素を偏りなくバランスよくトレーニングしていくことが、より本格的な意味での「全面性の原則」ということになります。

 

そのためには「全面性の原則」の考え方を織り込んだ<準備体操><整理体操>を丁寧に実施することが有用だと思います。

 

水氣道では20年の歳月をかけて独自の<準備体操(通称:イキイキ体操)><整理体操(通称:のびのび体操)>を独自に発展・展開させてきました。

 

いずれの体操も「全面性の原則」に則って体系づけられていますが、それぞれの目的が違います。つまり、「全面性の原則」というのは、目的に応じて柔軟な多様性を示しうるものだということができます。そして、いずれの体操も各自の目的に応じた「全面性の原則」に則って組み立てられているのですが、両方の体操を組み合わせることによって、相互の効用を補完し合い、より完成度の高い稽古の基礎ができあがるのです。つまり、稽古の流れ全体を通して「全面性の原則」がより高度に完成していくものであることを理会していただきたいと思います。

 

それから、前回は、トレーニングにおいては、トレーニング効果を阻んでいる好ましくない生活習慣や認知・思考や動作・行動などの『悪い癖』の発見と是正も大切だと説明しました。『悪い癖』は行動や運動の偏りをもたらすからです。

 

ですから、本来の目的を見失わず、正しい方向性をもった行動をとる能力を育む努力と工夫なしには「全面性の原則」に適ったトレーニングの目標を達することはできません。

つまり、「全面性の原則」に適ったトレーニングとともに、トレーニングの方向性の全体を見通す能力育成に心掛けていかなければならないということになります。

 

そこで水氣道における「全面性の原則」は、筋力トレーニングをはじめとする各種体力要素を対象とするにとどまらず、メンタル面、社会面など、より広範な次元に根ざした原則としてとらえています。

 

水氣道がトレーニングするのは体力のみならず気力にも及びます。体力と気力をトレーニングするのは水氣道に限らず、多くのスポーツや武道についてもいえることです。

しかし、水氣道における体力と気力の訓練は、他の種目以上に相互の関連性を重視し、より深い洞察へ導くことができるように構成されています。

それは、心身相関という心身医学理論に立脚して稽古プログラムが構成されているからです。体力は主に瞬発力(パワー)持続力(スタミナ)によって支えられますが、気力もまた瞬発力(決断力)持久力(忍耐力)によって支えられます。

 

さて人間が心身共に成長していくためには体力と気力のいずれもが必要となりますが、その鍵となり、明らかに観察できる兆しとなるものが行動変容です。

 

行動変容のためには、決断力と瞬発力の助けが必要です。今まで経験したことのない活動を開始するためには多少の勇気と覚悟、それから最小限の体力が必要になります。

それらが揃ってはじめて自信が与えられることになります。ですから、水氣道を始めることを勧められた人は、当然生まれて初めての体験をするわけですから、一定の覚悟が必要です。

 

実際に、それが一番高いハードルになっているようです。逆に言えば、どれだけ時間がかかっても、そのハードルを飛び越えることができた人は、大きな行動変容を遂げ、その結果、初めての体験を味わい、認知にも変容が及ぶことになり、自信が与えられることになります。

 

しかしながら、自信とは受動的に与えられるものではなく、能動的に獲得していくものです。このことを理解していただく上で有益な概念として「自己効力感」という言葉を紹介させていただくことにします。

 

 

自己効力感は、社会的認知理論の中で使用される心理学用語の一つで、スタンフォード大学教授のアルバート・バンデューラ博士によって提唱されました。

 

同博士がさまざまな恐怖症を克服した人たちにインタビューを行うことによって、恐怖症という極めて困難な病を克服することができた人たちの中に共通点を見出したことがきっかけだとされています。

 

その共通点とは、「自分は困難を克服できる」そして「自分は現状を変えることができる」と信じるようになれたという変化を体験できたということでした。その後の継続的な研究によって自己効力感を保持する人は、「失敗」、「壁」、「困難」、「難問」に遭遇しても、「チャレンジする」あるいは、失敗しても「比較的早く立ち直る」という傾向にあることが証明されました。

 

 

私は20年に及ぶ水氣道の実践の積み重ねによって確信できたことは、まったく想像もつかない水氣道の世界に飛び込んでくることができるくらいに心身の気が熟した方たちにとって、水氣道が提供するハードルは決して高いものではないということです。

 

水氣道での「失敗」はむしろ楽しいものでさえあります。そして、ことさらに「壁」を意識することなく「壁」を乗り越えることができます。なぜならば、水氣道の稽古で提示する課題の提示の仕方に独自の工夫が施されているからです。

つまり、「困難」な急こう配と思える課題も、小分割して、なるべくなだらかな階段の数を増やすことによって「平面」に見えてくるような道程が用意されています。「難問」ですら水氣道の稽古メソッドに従って実践すれば、「快刀乱麻を断つが如し」であるといえるといって良いでしょう。

 

このように、水氣道の稽古における「全面性の原則」とは、体力のみならず気力を養い、そこから自己効力感を高めることによって、より健康的な行動変容に繋げ、各人の成長と発展に資するための指針となるものであるということができるでしょう。

 

水氣道の稽古における「全面性の原則」は、ここまでのお話に留まるものではありません。この原則についての更なる意味、そしてこの原則に基づいて、水氣道では、どのような実践に役立て、何を目標にしているのか等については、次回のテーマにしたいと思います。

 

前回はこちら



・ 水氣道稽古の12の原則(8)全面性の原則(その1)

 

運動生理学にもとづくトレーニング理論で、通常5つないし6つの原則とされるものの一つに「全面性の原則」があります。これは、一言で言えば、トレーニングはバランスよく行うという法則です。

 

筋肉トレーニングをする場合は、全身の筋肉のバランスを考えてトレーニングをすべきであるという意味で理解されているようです。これは身体の特定の筋肉のトレーニングに偏らないことが大切だということです。

 

一部分の筋肉だけを鍛え続けているとケガのリスクを高めてしまうので「全面性の原則」はスポーツ選手にとって重要な心得といえるでしょう。

 

たとえば、上半身だけ、下半身だけの筋肉トレーニングの場合は、偏ったトレーニングであり「全面性の原則」に反することになります。なぜならば、上半身と下半身のバランスが不良になるからです。

 

また、主動筋ばかりを強化すると、相対的に拮抗筋が弱まり、運動力学的にバランスを損ねてしまうため、拮抗筋の傷害につながることになります。もっとわかりやすく言えば、屈筋のみを強化すると、それに拮抗する伸筋が弱まり、それらの双方の骨格筋のバランスを支える土台である関節の軟骨を痛めてしまうことがあります。


このように、筋肉トレーニングをする場合には、特定の筋肉や特定の身体部分の筋肉に偏らずに、全身の筋肉のバランスを考えながらトレーニングする必要があります。

 

ただし、文字通り「全面性の原則」とはいっても、毎回のトレーニングにおいて、全身の筋肉をすべて均等に動かすことを意味するものではありません。筋力トレーニングについていえば、全身の筋をバランスよく鍛えることを前提としつつも、大筋群を優先してトレーニングを実施することは大切です。

 

それから、トレーニングのモードとして持久力(持久力)を高める有酸素運動や筋力強化(パワー)のための無酸素運動がありますが、いずれか一方ではなく、両方のモードでトレーニングを行うことも「全面性の原則」の本旨に適うことになります。

 

そして「全面性の原則」とは、体力トレーニングはバランスよく行うという法則です。

ここで体力と一言でいっても、それは単に筋力だけではありません。筋力の他に、有酸素能力・柔軟性などの体力要素をバランスよく高めることが必要です。

 

それらを、更に具体的に列記するならば、持久力、瞬発力、敏捷性、平行性、柔軟性といったようにいろんな体力要素です。これからの要素を偏りなくバランスよくトレーニングしていくことが、より本格的な意味での「全面性の原則」ということになります。

 

そのためには「全面性の原則」の考え方を織り込んだ<準備体操>や<整理体操>を丁寧に実施することが有用だと思います。

すべてのスポーツや競技の基礎となるすべての体力要素を高めるトレーニングは、この準備体操と整理体操に組み入れ、体力的基礎をしっかりと確保することは可能です。

また、それ自体が「全面性の原則」に則ったトレーニングであるといえるでしょう。

 

このように、体力というのは色々な要素で構成されているので、できる限り全ての体力要素を鍛えていかなければならないということも「全面性の原則」によって維持されやすくなります。

逆に言えば、「全面性の原則」は、ある体力要素を向上させたいのであれば、トレーニングの基礎として他の体力要素も向上させなければならないという原則であるともいえます。

 

さらに、いくらトレーニングであるからといって、むやみに動いてばかりではトレーニング効果が得られません。インターバルを入れて、小休止することも大切です。

活動と休息のバランスを工夫することも「全面性の原則」に含めて理解しておくことが望まれます。

たとえば、短距離走でベストスコアを得たい場合であっても、ダッシュだけでなく、ゆっくりと動くことが大切です。

つまり、同じ部位や種目に偏ったものではなく、バランスよく強化しなければならないということを「全面性の原則」が教えてくれます。

 

競技選手の場合には、トレーニングを実施する際には、その競技種目をよく分析し、目的に適う専門的なトレーニングを積み重ねていくことになりますが、その場合でも、基礎のトレーニングとしては、ある部位に偏ることなく全面的に強化する必要があります。

なぜならば、全面的に能力を開発することで、 将来より高度なテクニックを習得する際にもさまざまな能力の幅があるため比較的早く習得できるからです。

 

 

それから、トレーニングにおいては、トレーニング効果を阻んでいる好ましくない生活習慣や認知・思考や動作・行動などの『悪い癖』の発見と是正も大切です。

 

『悪い癖』は行動や運動の偏りをもたらすからです。ですから、本来の目的を見失わず、正しい方向性をもった行動をとる能力を育む努力と工夫なしには「全面性の原則」に適ったトレーニングの目標を達することはできません。

つまり、「全面性の原則」に適ったトレーニングとともに、トレーニングの方向性の全体を見通す能力育成に心掛けていかなければならないということになります。

 

以上、「全面性の原則」について縷々説明しましたが、水氣道における「全面性の原則」は、筋力トレーニングをはじめとする各種体力要素を対象とするにとどまらず、メンタル面、社会面など、より広範な次元に根ざした原則としてとらえています。

 

それでは、水氣道における「全面性の原則」とはどのような考え方に基づいて、どのような実践に役立て、何を目標にしているのか等については、次回のテーマにしたいと思います。

<線維筋痛症 JFIQの経過報告>

 

(図1)

スクリーンショット 2021-01-05 12.44.51

 

 

JFIQは線維筋痛症の経過観察に欠かせない指標です。

 

 

最高点が100点で、20点未満が正常値になります。

 

 

 (図1)は左側が初期時の点数、右側が現在の点数でその2点を結んだものです。

 

 

 図2)

スクリーンショット 2021-01-05 12.44.38

 

 

(図2)は線維筋痛症の治療効果の割合を表したものです。

 

 

 50以上点数が下がると「著効」です。

 

 

 20以上50未満点数が下がると「改善」です。

 

 

 20未満の点数の低下は「無効」の判定となります。

 

 

 

 

 

<今回の考察>

 

正規性の検定で初期値、現在値共に正規性がありました。

 

 

その後、関連2群の検定と推定を行いました。

 

 

1)統計的にみて、JFIQスコアが有意に改善したことが証明されました。P(危険率)=0.0001%でした(図1)

 

 

pが0.05以下であれば統計学的優位である。

 

 

pが0.01以下であれば統計学的に極めて優位である。

 

 

 

2)JFIQスコアの判定基準として、20点以上改善されると治療が有効、50点以上改善されると著効となります。

 

 

  今回、 10名の平均で    31.9点改善していたため、全体として鍼治療は有効であったと言えます。

 

 

個別でみると、著効2名(20%)、有効5名(50%)、無効3名(30%)でした。(図2)

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

皆様、あけましておめでとうございます。

 

 

昨年はコロナウイルスで大変な中お世話になりました。

 

 

今年もコロナウイルスとの戦いは続きそうです。

 

 

そこで、昨年の6月11日に掲載した文章を新年の挨拶に変えさせていただきたいと思います。

 

 

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鍼治療をコロナ自粛のため中断されている皆様へ

 

 

東京都の緊急事態宣言が525日に解除されました。

 

 

緊急事態宣言中外出を控える等、色々と気を遣われてお過ごしだったことと思います。

 

 

幸い私の治療室は杉並国際クリニック内にあるため二重に守られています。

緊急宣言下においても*一人の感染者も出さずに安全に治療を継続できた実績があります。(*残念ながら1人感染者が出ました。詳しくはこちらをご覧ください。)

また私自身、免疫力を上げる漢方薬を服用しコロナの感染を防いでおります。

 

 

ところでコロナに感染するのではないかという心配で心身の緊張状態が続き、体中の筋肉の張りや食欲不振、便秘、下痢等の内臓の調子の悪い方も多いのではないでしょうか?

 

 

長引く抑制生活により自律神経のバランス調整が乱れていても何も不思議ではありません。

 

不活発で引きこもりがりな生活は心身のリラックスの障害をもたらします。

(ここで言う「リラックス」とは脱力緊張のバランスが取れた状態を意味します)

 

 

心身のリラックス調整が傷害されると疲労やストレスからの回復が阻まれて免疫力が低下することになり、コロナに感染するリスクが高まります。

 

 

長期に及ぶコロナ対策は戦略の転換が必要です。

 

 

これまでの単なる巣ごもり戦略は通用しなくなってきました。

 

 

鍼治療で健康的なリラックスを積極的に取り戻しましょう。

とはいっても、まだまだコロナウイルスのことが心配だと思います。

そこで次のことをお約束いたします。

 

1.手指消毒を更に徹底していきます。(今までも手指の消毒には気を配ってまいりましたが今後、 顔面部に触れる前にも手指消毒をしていきます)

 

2.患者様の皮膚消毒も更に徹底していきます。(消毒の範囲を広めにして手指に消毒面以外が触れな いようにしていきます)

 

3.換気をを治療前にきちんと行います。

 

.  *フェイスタオルを手ぬぐいから使い捨ての紙タオルに変更しました。

(不安な方は手ぬぐいかタオルをご持参いただけると幸いです。)

 (*更に、使い捨てのシーツに変更しました。)

 

 

5.治療前にフェイスマットの消毒をいたします。

 

6.  蒼朮燻蒸空気消毒を行います。

蒼朮燻蒸空気消毒とは蒼朮(そうじゅつ)という生薬を燻すことによりウイルスの蔓延を防ぐという方法です。2003年頃にSARSが流行したときに院内感染を防いだという実績があります。

 

 

以上のことを徹底しコロナ感染を防いでいきます。

 

 

コロナウイルスに対するワクチンが年内に準備できない見通しとなった今、自己の免疫力の正常化し更に強化することがコロナに打ち勝つ鍵になります。

 

 

それには、心身のリラックスによる免疫力の強化が必要です。

 

 

鍼治療でリラックスし免疫力を強化してコロナに負けない心身をつくることを心がけてまいりましょう。

 

 

ぜひ、安心して治療を再開してみてください。

 

 

お電話お待ちしております。

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コロナとの戦いはまだまだ続きます。

 

 

免疫力を上げてコロナに負けない体にしていきましょう。

 

 

今年もよろしくお願いします。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 


昨年は、新型コロナ禍によって水氣道の稽古中断が2カ月に及びました。

それにもかかわらず、再開後は年末にかけて意欲的な参加が増え、例年より多くの進級者および技能検定合格者を輩出することができたことは大きな喜びです。

 

本年も、各人にとって更に充実した稽古となるよう精進するとともに、水氣道機構の健全な発展を期したいと願うものであります。

 

 

 令和3年稽古開きについて

 

1月5日(火)中野支部鷺宮会場

 

1月8日(金)<鷺宮会場:金曜稽古開始>

 

1月9日(土)新宿支部ハイジア会場

 

1月18日(月)三鷹支部スバル会場

 

1月24日(日)<スバル会場:日曜稽古開始>

 

 

 

 進級検定合格者発表

 

 12月は進級検定(中審査および小審査)のみで、昇段試験(大審査)はありません。令和3年度の大審査は6月に実施、合格者発表は7月1日予定

 

 

中審査(合格者計4名)

 

水氣道准1級(高等修錬生候補)合格:細谷健太

 

水氣道准2級(中等修錬生候補)合格:高橋千晴、中西正子

 

水氣道3級(初等訓練生)合格:田辺幸子

 

 

 次回の中審査は、6月に実施、合格者発表は7月1日予定

 

なお、中審査検定料は3,000円、ただし、准3級への昇級検定料は2,000円とする。

 

 

小審査(合格者計13名)

 

水氣道4級(高等訓練生)合格:植田栄喜、大場康弘、野口将成

 

水氣道5級(中等訓練生)合格:西川みつ子、松田要

 

水氣道6級(初等訓練生)合格:石山雅代、漆弘雄、高見栄造、三上富三

 

水氣道7級(特別体験生)合格:漆正子、北岸亨、近藤正子、佐々木明彦

 

 

 次回の小審査は、3月に実施、合格者発表は4月1日予定

なお、小審査検定料は1,000円、ただし、次回検定より、6級への昇級検定料は500円、

7級入級は引き続き無料とする。

 

 

 技法検定資格取得者発表

 

インストラクター検定(合格者なし)

 

 インストラクター技法検定は中審査に併せて実施しています。
したがって、次回のインストラクター技法検定は6月、合格者発表は7月1日予定
インストラクター技法は、以下の3つの水準から成ります。

 

第一水準(I1)氣・血・水航法:理気航法、調血航法、活水航法

 

第二水準(I2)応用航法:三九航法、水拳航法、舞踊航法、モアイ水車航法

 

第三水準(I3)発展航法:卍字忍術航法、将棋航法、舞踏航法、経絡航法、太極航法

 

 

 

ファシリテーター検定(合格者計5名)

 

 ファシリテーター技法検定は小審査に併せて実施しています。
したがって、次回のファシリテーター技法検定は3月、合格者発表は4月1日予定

 

のびのび体操ファシリテーター(F4):鈴木けい子、濱屋幸一

 

五航法ファシリテーター(F3):阿部静子、足立博史

 

いきいき体操ファシリテーター(F2):林知子

 

親水航法ファシリテーター(F1):<該当者なし>

 

注意:1月6日(水)の記事をお読みください。

 

前回はこちら

 


水氣道稽古の12の原則(7)反復性の原則(3)

 

運動生理学やトレーニングの理論では、体力の向上には少なくとも週3回以上、規則的に、長期間行うこととされます。

 

技術面でも何度も繰り返し継続することで、神経系も強化され「自分のもの」とすることができます。1度や2度のトレーニングでは効果を得られにくく、習慣的に継続して行うことでより効果を上げられます。

 

それでは、水氣道の稽古も週3回以上行わなければ効果が得られないのでしょうか?

 

そのようなことはありません。

実際に週3回以上稽古に参加している会員は、それほど多くはありません。

 

週3回以上の参加が絶対条件になるのは、黄帽子組(支援員)以上で、今後も昇段を目指す会員のみです。

 

青帽子(指導員)など四段以上の職業水氣道家を志す方は、週4回以上の参加が求められます。

 

これに対して多くの会員は、せいぜい週2回もしくは1回という参加頻度です。週1回の参加でもエクササイズ効果はありますし、極端な話、月に1回しか参加できなくても継続して参加することには大きなメリットがあります。

 

その理由は、水氣道のエクササイズの内容がユニークであるからです。

日常の生活が陸上であるのに対して、水氣道のエクササイズは水中という、まったく異なる環境でのエクササイズだからです。

しかも、水泳とは異なり、基本的に起立二足歩行での運動を行います。

 

水には様々な物理的作用がありますが、とりわけ浮力による実質的体重の減少のために、抗重力筋が弛緩することにより、関節の可動域が拡大します。

そのため、日頃十分に使いこなせていない筋群を総動員させることができます。それは直ちに、より多くの神経系を賦活し、促通することにもなります。

 

このように、水氣道では、仮に月に1回程度の参加であっても周期的・計画的な参加により得られる健康上のメリットは少なくないといえるでしょう。そして、私は、反復性(継続性)の原則の概念の中に、周期性・計画性という要素を盛り込んでいます。

 

ですから白帽子組(体験生・訓練生)の皆さんには、まず稽古曜日を決めて、可能な限り毎週、よくを言えば週に2回参加していていただければと考えています。週1回程度の稽古でも4級程度、週2回程度の稽古では1級レベルに到達することも十分可能です。

 

 

水氣道における「反復性の原則」

 

水氣道での「反復性の原則」の特徴は、規則性を重視するところにあります。

 

つまり、トレーニングの効果を得るには、繰り返し行う必要がありますが、トレーニングの反復・継続をさらに規則的・計画的に行うことで、効果がより現れやすくなるというふうにこの原則を理解します。

 

この原則から形成されていくのがトレーニングの習慣化であり、トレーニングすることが生活の一部と化し、さらには生活そのものと一体化しつつあるならば、それをトレーニングの生活化と呼びます。

 

そして、水氣道は生涯を通して継続することを目標とする生涯エクササイズであるということも、この「反復性の原則」を基礎としています。
 

 

 

「反復性・周期性の原則」

 

このように水氣道の効果的な運動プログラムは、ある程度の期間、規則的・計画的に繰り返すようにしています。

 

繰り返し行うことは、テクニックを上げるための重要な要素です。

 

周期性の原則は、1年間を通したトレーニング計画を行うことです。

 

どの時期や季節が最も効果的かを考えてプログラムを作成します。

ただし、どんなトレーニングでも「繰り返し」を続けることが基本です。 特に身体の基本動作になると毎日の練習が必要です。効果を得るためには、継続することが何より大切です。運動は一生ものと考えて習慣にしましょう。
 

体力や気力を維持するにも、やはり継続が欠かせません。

トレーニングを始めたてのときは、自分が使いたい筋肉の感覚が明確にわからないことがあります。

しかし、何度も繰り返し反復することで神経系も強化され、神経や筋肉を快適に使っている感覚というものが育まれてきます。

 

ですから、初めてやってよくわからなくて興味が持てなくても諦めず反復して練習することで次第によくわかるようになり、楽しくなってくることを経験できるまで「反復・継続」することが大切なのです!

 

 

水中トレーニングとトレーニングの原理・原則

 

水中トレーニングでは、水中という陸上とは全く異なる環境に身を置くことだけで、体の内側から「過負荷の原理」が起きている状態となります。

 

より一層「トレーニングの原則」を留意しながらトレーニングを実施していくことが重要であることはいうまでもありません。また、健康づくりのためには水中環境で過ごしたり、いつもより軽い運動をしたりするだけでも効果が期待できます。

 

疾病の改善や健康づくりのための運動プログラム作成に関しては、特別に「運動処方」という言い方をします。

 

安全で効果的な運動処方を行うためには、運動前の問診やメディカルチェック・体力測定(フィットネスチェック)を実施し、個人の潜在的なリスクや体力水準、体組成などを評価する必要があります。

 

また運動中は定期的な強度の監視、運動後はトレーニング効果の再検査が重要です。

特にプログラムの作成にあたっては個人の特性を考慮し、各国で定められている運動処方の指針に従い、科学的に裏付けられたプログラムの作成が望まれます。

 

運動経験もないトレーニング初心者さん(水氣道の体験生)が、 いきなり上級者が行うようなハードな筋トレや複雑な航法をするのには無理がありますし、 高齢者が若い方と同じ方法で取り組む場合でも、怪我につながる可能性もあり危険です(個別性の原則)。

 

 

 

水氣道の原理・原則・法則の違いとは

 

◆ 原理とは

 

「自然科学においては,ある理論体系の基礎になっている法則および命題をさす。初めは仮定として導入されたものでも、それから出てくる結論が事実を正しく記述しているかどうかによって、その原理の正当性が判断される」

 

 

◆ 原則とは

 

「人間の社会的活動の中で、多くの場合にあてはまる基本的な規則や法則」
 トレーニングの<原理>は心身に起こる現象のことを指し、トレーニングの<原則>」は、効果を出すうえで守るべき法則(行動規則)のことを指しているのです。心身に起こる反応について知り、理解する。そして法則を守りながらトレーニングを行うことで、その効果をさらに高めることができるでしょう。

 

 

◆ 法則とは

 

「① 必ず守らなければならない規範。おきて。」

「② いつでも、またどこででも、一定の条件のもとに成立するところの普遍的・必然的関係。また、それを言い表したもの。」

 

上記の①、②のうち、トレーニング理論で用いられる<法則>にあたるのは②です。それは、具体的には「練習はただ何でもやれば効果が上がるというものではなく、基本原理・原則に基づいて計画的に行うことで大きな効果を得ることができる。」という体力トレーニングの根本とされる「ルーの法則」として知られています。

 

すなわち、

 

1) 体の機能は適切に使用すれば現状を維持でき、
さらに増強させることができる。

 

2) 体の機能は使用しなければ衰える。

 

3) 体の機能は過度に使用すれば障害をきたす。
これに対して、水氣道は、心身のトレーニングであることから、水氣道の法則は心身のトレーニングの法則ということになります。

 

すなわち、

1) 心身の機能は適切に使用すれば現状を改善できる。

 

2) 心身の機能は使用しなければ衰える。

 

3) 心身の機能は過度に使用すれば障害をきたす。

 

ただし、心身の機能を適切に使用して現状を改善すれば、
適切に負荷を強めていく限り障害を来さずに、現状をさらに改善できる。

 

 

 

今年の総括:

上達(昇段・昇級)している人の特徴

 

1. 水氣道の稽古の目的を理解し、人間性や人格を磨く

 

2. 自分の役割を意識して参加する(意識性の原則)

 

3. 反復・継続してトレーニングを行う(反復・継続性の原則)

 

4. 全身しっかりトレーニングを行う(全身性の原則)

 

5. 漸進的に負荷を上げる(漸進性の原則)