<第6ステップ> その1
あなたは、いま、すでに助けを求める人を、頭の中で特定できた段階にあるとしましょう。
その次の段階は、「助けの求め方を考え、実行する」ことです。
もし比較的軽い、小さな頼みごとといった助けが必要なら、実行しやすいかもしれません。
例えば、助けを求める人が親しい間柄であれば、
気軽に声をかけたり、電話やメールで尋ねたりすることができるでしょう。
また、例えば道に迷ってしまった時などは、
通りがかった見知らぬ人に声をかけてみたり、交番に行って聞いてみたりするでしょう。
これに対して、自分が抱えている問題が重大であれば、
行動に移す前に、予め助けの求め方を考えて、
綿密に計画を練っておかなければなりません。
たとえ親しい間柄であったとしても、まず声のかけ方・連絡の方法、
最初にかける言葉、タイミング、時間や場所などをよく考え吟味する必要があるでしょう。
それにはまず自分が何にどんなふうに困っているか、
相手にわかるように具体的に説明できることが必要です。
そのうえで、自分の苦しい胸の内が相手に伝わるように表現する能力も必要です。
このような能力、つまり、他者と良い信頼関係を築き、社会との望ましい適応をするために、
有効な行動を適切に実行する能力のことを「社会的スキル(social skill)」と呼びます。
* 参考文献: 太田仁,2005,「たすけを求める心と行動」,金子書房
ストレス対処 MIYAJI 心理相談室(高円寺南診療所内)
主任 臨床心理士 宮仕 聖子