もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は、至陰(しいん)です。

 

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場所は足の小指の外側で、爪の根元から2~3ミリのところにあります。

 

 

 

「難産」「月経痛」「頭痛」「めまい」「鼻づまり」「尿閉」等に効果があります。

 

 

 

三陰交と共に逆子を治すツボとして有名です。

 

 

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

テーマ:患者の皆様からのメッセージ・ボード創設(その2)

 

 

医療に必要不可欠なのは信頼関係であるといわれますが、まさにその通りだと思います。

 

その信頼関係を築くための要となるのがコミュニケーションです。

 

関係性も良好なコミュニケーションと同様に、一方通行のままでは実現不可能です。

 

双方向性であってこそ、コミュニケーションが促進され、

 

望ましい関係性、すなわち信頼関係が気づけることになります。

 

 

ここであらためて日常の診療を振り返ってみますと、

 

患者-医師関係は、最初から信頼関係が前提として存在していると考えてよいでしょうか。

 

皆様は、どのようにお考えでしょうか?

 

 

私自身は、近頃、とみに現実的になり、慎重になりつつあるせいか、

 

単純にYESとは言えなくなりつつあります。

 

 

初診の患者の皆様は、高円寺南診療所に、

 

きっと何か期待するところがあって来院されるはずではあるとは考えています。

 

 

ところで期待とは信頼でしょうか?

 

残念ながら期待の多くは一方向性のもののようであるようです。

 

たとえ一方向性の期待であっても、患者として当然の期待であれば、

 

それは、ごく当然に尊重されなければなりません。

 

 

期待があり、その期待を発信して表明する一方で、

 

その期待のもつ実質的な意味を十分に理解し、

 

それを再度、ご本人に向けて返信して確認する、

 

という双方向性のプロセスは、信頼関係の樹立にとって不可欠だと思います。

 

 

少数例ではありますが、中には理不尽で的外れな期待というものが混在しています。

 

第一の例は、

「家族のことで相談があります。本人は受診の意思がないので、代わりに来ました。

 

私はどうしたらよいでしょうか。」といって、家族の健康保険証を持参される方。

 

患者さんとは、自分の病気で困っている人です。

 

いくら困っていることがあるとはいっても、

 

自分ではなく他人の病気で困っている人は、来談者というお客様に過ぎません。

 

患者さんの代わりに診察するわけにもいきません。

 

また、病気に罹っていても、受診する意思のない方は

 

病人ではあっても患者ではないということになります。

 

受診する意思のない方の健康保険証を持参されても、保険医療は成立しません。

 

 

第二の例は、

「私はタバコの御蔭で何とか生きている。

 

だから、タバコを止めずに狭心症と喘息をすぐに治してほしい」というものです。

 

病気の原因である喫煙を放置して、症状のみを除去する治療をすることが、

 

どれだけ非効率的であり、危険を伴う考え方であるのかをきちんと理解していただく必要があります。

 

「患者のニーズに応えてこそ望ましい医療なのではないか」とすごまれても困惑せざるを得ません。

 

 

これらのケースではあっても、

 

双方向性であって生産的なコミュニケーションを育成していくことは絶対に不可能ということはありません。

 

 

第一のケースでは、健康管理士やカウンセラーに対応していただくことで、

 

問題点がより明確になることがあります。

 

家族の心配にかまけて、相談者自身の健康管理に様々な問題点が発見された、

 

などということも少なくありません。

 

悩める人は病める人、その病める人の悩みが、

 

自分以外の誰かに向けられていたとしても、

 

それを自分の問題として目をむけることができるようになると、

 

支援が容易になることがしばしばあります。

 

 

第二のケースでは、

 

そもそもなぜタバコが無ければ生きていけないと信じるに至ったかの歴史を知ること、

 

それが共感的で双方向的なコミュニケーション、

 

そして信頼関係の樹立に繋がるのではないか、

 

そう思えるような経験をしばしば繰り返しております。

 

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「血海(けっかい)」です。

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場所は膝の内側から少し上で筋肉の隆起したところにあります。

 

 

 

「月経不順」「月経痛」「機能性不正出血」「子宮内膜炎」「湿疹」「蕁麻疹」「皮膚掻痒症」「膝痛」に効果があります。

 

 

 

月経に問題がある方はこのツボに強い痛みがあります。

 

 

 

マッサージしてみてください。

 

 

 

<参考文献>

 

 

 

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

テーマ:患者の皆様からのメッセージ・ボード創設(その1)

 

<ピア・カウンセリングについて>

 

 

高円寺南診療所のオフィシャルホームページをご覧くださっている皆様に

 

お知らせがあります。

 

 

高円寺南診療所の最大の看板は、患者の皆様だという考えについては、先週ご紹介した通りです。

 

 

たとえば、根本的な解決に向けての医師としてのアドバイスに対して、

 

「はい。…でも」と乗り気でなく、

 

まるで他人事のような反応の患者さんとのやりとりで

 

手詰まりを感じることがたびたびありました。

 

そのような場合に、同性で同年齢層かつ同じ病気の方の成功例のお話をさせていただくと、

 

一転して熱心に耳を傾けてくださることがありました。

 

こうした数々の例を通して、患者さん同士のもつ影響力が大きいことを学びました。

 

それが、ピア・カウンセリングとの出会いの端緒となりました。

 

 

皆様は、ピア・カウンセラーとか、ファシリテーターいう言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

 

今回はまずピア・カウンセリングとはどういうものなのかご紹介します。

 

 

ピアカウンセリングの「ピア」とは「仲間」「対等な立場の人」という意味です。

 

 

ピアカウンセリングとは、同じような立場や悩みを抱えた人たちが集まって、

 

同じ仲間としておこなうカウンセリングのことです。

 

以前は医療や福祉の分野で、障害を持った人たちの間で実践されていました。

 

現在は思春期の悩みやこころのケアが必要な人たちの間でも行われています。

 

しかし、これからは、慢性的な病気から難病に至るまで、

 

多くのことで困っている多くの患者さんの間でも

 

有効な取り組みになるのではないかと思います。

 

 

なぜか、というと、高円寺南診療所の患者の皆様同志が、

 

すでに自然発生的な、初歩的ピア・カウンセリングをはじめていたからです。

 

高円寺南診療所では、体と心の症状ばかりでなく

 

家庭や職場での社会適応が困難で苦しんでおられる方が少なからず通院されております。

 

そうした方々が、待合室など、ふとした切っ掛けで、

 

互いに同じ立場や体験をした仲間であったことに気づくことがあります。

 

このように同じ立場だからこそ分かり合える、

 

あるいは、こころの支えになることができるという

 

ピア・カウンセリングの基本に添う形でのご縁が自然に形成されていっています。

 

 

しかしながら、外来での待ち時間が長くならないよう、

 

一層配慮するようになってきてからは、自然発生的ピア・カウンセリングの場は、

 

水氣道の稽古や聖楽院でのレッスンなどに移行しつつあるようです。

 

そこでは、待合室より、一層、仲間意識が育まれやすい環境にあります。

 

このように、「同じ仲間」という意識を持つだけで、

 

解決に向けて開かずの門であると思い込んでいた関所の門を

 

スムーズに開くことができます。

 

 

また、ピア・カウンセリングで私たちは、

 

「機会があれば自分の問題を解決できる能力を持っている」と考えます。

 

そのためその人が自分の力で問題を解決できるように、

 

グループを通してサポートしていくことが目的になります。

 

専門家であるカウンセラーでさえ、来談者に代わって問題を解決するのではなく、

 

その支援を行っているのです。

 

 

したがって、望ましいピア・カウンセリングとは、

 

共感はするけれど個人的なアドバイスを与えない、

 

自分の思い込みで解釈をしない、その人の問題の結果責任は取らない

 

(つまり、その人の問題はその人の個人的な責任)

 

などの基本ルールについて十分に理解して実践できることが大切です。

 

 

ピア・カウンセリングの担当者をピア・カウンセラーといいますが、

 

職業的カウンセラーではないので、

 

専門家であるカウンセラー等の指導を受けておく必要があります。

 

いずれ、そのための環境整備をしたいと考えております。

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「丘墟(きゅうきょ)」です。

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場所は外踝の前縁の直下線と下縁の水平線が交わるところの窪みにあります。

 

 

このツボを刺激すると胆嚢の断面積を大きくするそうです。

 

 

「胆嚢炎」「下肢の運動麻痺」「胸脇痛」「項頚部痛」に効果があります。

 

 

マッサージ、お灸をすると良いかもしれません。

 

 

<参考文献>

 

 

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

テーマ:診療所の看板

 

-何と!現職員すら理解していなかった高円寺南診療所の専門性-

 

 

皆様は、高円寺南診療所の看板をご覧になったことはあるでしょうか。

 

平成元年開設以来、駅や通りなどには、高円寺南診療所の看板は存在しません。

 

 

最近では、情報ツールの急速な発展と普及により、

 

インターネット、とりわけスマート・フォンによるアクセスが増えて参りました。

 

 

そこで、ホンネトークを耳にする機会も徐々に増えてきました。

 

 

「高円寺南診療所は、初めての受診の時、入り口の手前でたじろぎました。

 

こんなところが、本当に医学博士の飯嶋先生のクリニックなのだろうか。」

 

 

建物が古臭くて、少し難解で、ミステリアスな印象を受けるらしいです。

 

そこで、「踵(きびす)を返して、受診を断念してしまう方も少なくないだろう」

 

とのことです。

 

 

そうした中で、

 

 

「勇気をもって、入ってみて良かった。」

 

 

「初診で、診察室に入るまでは不安でいっぱいでした。

 

出るときは、何かホッとできました。」

 

 

「通い始めて、次第になじんできました。

 

他とはやっぱりどこか違っています。

 

私の頼りとするのはそこなので、違っているままでいてください。」

 

 

「今では、当たり前のように通院しています。

 

この診療所の専門性とその広がりの意味がやっとわかってきました。」

 

とおっしゃる方も少なくありません。

 

 

診療所入口右手の看板について、お気づきでしょうか。

 

お気づきの方も、お気づきでない方もいらっしゃるものと思います。

 

少しだけですが、看板に工夫を加えてみました。

 

これは通院患者の皆様と診療所職員のための看板です。

 

 

毎回、看板を見ていただくことによって、

 

高円寺南診療所の存在意義と役割を再発見していただければ、

 

何かしらお役に立てることが増えてくるのではないかと思います。

 

高円寺南診療所は、新しい時代の多忙な皆様のための総合クリニックです。

 

率直なご意見を期待いたしております。

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「隠白(いんぱく)」です。

 

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足の親指、爪の根元の内側の角から2ミリのところにあります。

 

 

 

「過多月経」「機能性不正出血」「鼻血」「不眠症」「消化器出血」「急性腸炎」等に効果があります。

 

 

 

専門学校時代にこのツボを使って「過多月経」の治療をしている先生の授業を受けたことを思い出します。

 

 

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「足の三里(あしのさんり)」です。

 

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場所は膝の骨と靭帯との間の外側の窪みを探しそこから指4本下にあります。

 

 

 

「胃腸炎」「胃下垂」「消化不良」「高血圧」「気管支炎」「気管支喘息」等に効果があります。

 

 

 

このツボを刺激すると胃の動きが確認できるそうです。

 

 

 

胃の調子が良くない人はこのツボを刺激してみてください。

 

 

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

第114回日本内科学会講演会に参加して(その4)

 

(4月14~16日:東京国際フォーラム)

 

テーマ:超世代の内科学-GeneraltyとSpecialtyの先へ-

 

招請講演<がん幹細胞研究の進歩と治療開発>

 

赤司浩一(九大研究院・病態修復内科)氏の公演を聴いて(その4)

 

 

がん組織(腫瘍)を構成する細胞は不均一です。

 

ことの原因は、<がん幹細胞>という概念により、遺伝子変異だけが原因ではなく、

 

後天的な環境要因も重要だということが説明しやすくなりました。

 

 

細胞が、がん化するためには、異なる遺伝子変異や

 

エピゲノム異常が集積することがきっかけとなり、クローン進化が生じます。

 

このエピゲノムとは DNAの塩基配列は変化せず、

 

DNAやヒストンへの化学修飾が規定する遺伝情報です。

 

後天的な環境要因によって遺伝子発現が制御されます。

 

 

生体内において、より異常なクローンが生存競争に勝ち抜き、

 

未分化で自己複製能力をもつがん細胞へと変化するものと考えられます。

 

がん幹細胞は自己複製によって、がん幹細胞を増やすだけでなく、

 

がん細胞でない細胞(非がん細胞)も生産します。

 

 

この過程で、酸化ストレス低酸素刺激などの微小環境<ニッチ>の変化が、

 

生物学的特性の異なる様々ながん細胞を出現させます。

 

しかも、非がん細胞集団の一部は、がん幹細胞になっていきます。

 

 

がんの治療が難しいのは、がん細胞集団が均一でないことも原因です。

 

治療効果を示すがん細胞集団と治療抵抗性を示すがん細胞集団が共存している場合に、

 

治療によって、治療抵抗性のがん細胞集団のみが残存し、

 

腫瘍の再発・転移の原因となることは、臨床的事実と一致します。

 

 

遺伝子を変えることはできませんが、生活習慣や環境の改善など、

 

後天的な工夫や努力によって、DNAの塩基配列は変化しなくても、

 

DNAやヒストンへの化学修飾が規定する遺伝情報の発現を制御することは可能だ、ということです。

 

 

高円寺南診療所での生活習慣指導外来栄養食事指導自律訓練法認知行動療法をはじめ、

 

水氣道聖楽院での諸活動は、すべて上記のがん予防の内容に通じるものであることは、

 

ご理解いただけるのではないでしょうか。

 

診察室から

もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「三陰交(さんいんこう)」です。IMG_1690

場所は内踝から指4本上です。

 

 

このツボの効果は、まず「足の冷え」が取れることでしょう。

 

 

また、「生理痛」、「生理不順」、「子宮内膜炎」、「更年期障害」等の婦人科疾患に効果があります。「逆子」を治すつぼとして有名です。

 

 

お灸がよく効きます。

 

 

女性のためのツボといえます。

 

 

その他に「前立腺炎」、「前立腺肥大症」にも効果があります。

 

 

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭