二週間に及ぶ欧州での医学研修を終えて、無事に帰国することができました。帰国の翌日から直ちに診療を再開しましたが、水氣道と聖楽院の活動にも助けられて、時差による心身の不調は許容範囲です。

 

なお4月は国内の関連医学会のシーズンです。週末の土・日に開催する学会は、日常診療のためには、有難いです。日本旅行医学会は4月6日(土)、7日(日)に都内で開催されるので、なお有難いです。来年の6月に日本旅行医学会認定医師認定試験を受験する予定です。

 

さて、国際クリニックは、単に外国人にも開かれ、英語などの外国語による診療を行うばかりでなく、海外へ渡航する邦人にとって必要な予防などの準備、移動や滞在中の健康管理に対するサポート、アフターケアとしての治療などの一定の対応が可能な医療機関ということになります。旅行や海外長期滞在が多様化する昨今、旅の安全をサポートできる医療機関が不足しています。

 

そこで、杉並国際クリニックは、来年の8月頃を目途に、渡航前の予防接種(トラベルワクチン)の他、マラリア予防薬、留学・駐在ビザ書類、海外での病院のかかり方のアドヴァイスや安全カルテの作成、帰国者の旅行医学(特に、発熱・下痢の対処)、一般ツアーの高山病、ダイビングの旅行医学、飛行機の中の旅行医学などについて対応可能な体制を確立していく予定です。

 

我が国で流行が懸念されている感染症対策なども、こうした旅行医学の知識と技術、そして日常での臨床実践の積み重ねによって的確な予測情報やより迅速な対応が可能に鳴ると考えております。

 

 

4月の学会は、14日(日)~17日(水)に京都で開催される日本リウマチ学会があります。リウマチ専門医資格更新のため参加が必須です。また、26日(金)~28日(日)に名古屋で開催される日本内科学会もあります。これも内科系専門医の基幹学会であるため最重要な学会です。

 

その他、臨床上の業績としては、一般社団法人日本痛風・尿酸核酸学会に『認定痛風医』申請書類を提出して受理されたことをご報告いたします。これは、学会での業績を積み、資格認定試験に合格した後、症例報告書が完成させることができたためです。ただし、『認定痛風医』資格取得のためには、資格制度委員会で審査の後、来年2月の理事会を経て決定されます。痛風は極めてありふれた病気なのですが、管轄医学会が認定する資格を有する医師は、現在全国で51名、東京都では13名にすぎません。東京都の『認定痛風医』の所属の内訳は、以下の通り、大学病院6(東京医科大学2、東京慈恵会医科大学、東京女子医科大学、帝京大学医学部、自治医科大学サクラビアクリニック)医療系大学2(東京薬科大学、帝京平成大学)基幹病院2(虎の門病院2)民間病院1(木場病院)診療所2(両国東口クリニック、長瀬クリニック)このように、東京都の『認定痛風医』は、診療所では2名のみ、という結果でした。 

<東洋医学の話をしよう3ー臓腑(4) ー 脾>

<はじめに>

 

 

前回は「」の働きを解説しました。

 

 

(1)「心」は血液を体全体に送り出す役割を担う

 

 

(2)「心」は「精神活動の源」

 

 

(3)「汗」、「舌」と関係が深い

 

 

というお話でした。

 

 

今回は「脾」の働きを見ていきましょう。

 

 

(「氣」についての記事はこちらにありますので目を通してみて下さい。)

 

 

(「肝」についての記事はこちらにありますので目を通してみて下さい。)

 

 

 

<西洋医学での脾臓の働き>

 

 

脾臓は腹部の左上で肋骨のすぐ下にある臓器です。

 

 

脾臓の働きは以下の3つあります。

 

 

(1)赤血球を破壊するー赤血球は酸素を体中に運ぶ働きをしています。寿命を迎えた赤血球をの破壊処理をします。

 

 

(2)免疫器官としての働きー脾臓には身体の4分の1程のリンパ球があり侵入してきた異物や細菌を処理します。

 

 

(3)血小板を貯蔵するー血小板は出血時に血液を凝固させ止血するときに働きます。脾臓には体内の血小板の3分の1ほどが蓄えられています。

 

 

<東洋医学での脾の働き>

 

 

(1)運化(うんか)ー食べ物を消化吸収し水穀の精微(すいこくのせいび)をつくる

 

 

(2)昇清(しょうせい)ー水穀の精微を心肺へと昇らせる

 

 

(3)統血(とうけつ)ー血の脈外への漏出(出血)を防ぎます

 

 

(4)生血(せいけつ)ー水穀の精微から血を生成する

 

 

西洋医学と比べると、ずいぶん働きが違います。

 

 

東洋医学では「胃」が食べ物の初歩的な消化を担当し「脾」が本格的な食べ物の消化を担当します。

 

 

また、「脾」は「肌肉(ひにく)」「唇」「涎(よだれ)」「思(し)」と関係があります。

 

 

「肌肉」は筋肉のことで「脾」の働きが良いと、食べ物の消化能力が良くなることから身体の栄養状態が良くなり「肌肉」の状態も良くなることから「脾」と関係があると考えたのでしょう。

 

 

「脾」の状態は「唇」に現れます。「唇」の色艶が良ければ「脾」の状態が良いと考えたようです。

 

 

「涎」と関係があると考えたのは、食べ物を食べる時、唾液が出ることから「脾」に関係あると考えたのでしょう。

 

 

「思」とは、「思考」、「思慮」のことです。思慮過度や思いが遂げられないと気の運動に悪影響を及ぼし、食欲不振、食欲亢進の症状が出ることから「脾」に関係があると考えたようです。

 

 

<まとめ>

 

 

「脾」の働きは

 

 

(1)運化(うんか)ー食べ物を消化吸収し水穀の精微(すいこくのせいび)をつくる

 

 

(2)昇清(しょうせい)ー水穀の精微を心肺へと昇らせる

 

 

(3)統血(とうけつ)ー血の脈外への漏出(出血)を防ぎます

 

 

(4)生血(せいけつ)ー水穀の精微から血を生成する

 

 

「脾」は「肌肉(ひにく)」「唇」「涎(よだれ)」「思(し)」と関係がある。

 

 次回は「肺」の話をします。お楽しみに。

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

<はじめに>

前回は「」の働きを解説しました。

 

 

体内の氣の運動を調節する働きのことを「疏泄(そせつ)」と言い、血液の貯蔵の働きのことを「蔵血」いいました。

 

 

また、「肝」には「怒」の感情、「筋」「目」に関係が深いことをお伝えしました。

 

 

今回は「心」の働きを見ていきましょう。

 

 

(氣についての記事はこちらにありますので目を通してみて下さい。)

 

 

 

<西洋医学での心臓の働き>

 

 

心臓は体全体に血液を送り出すためのポンプの役割を行います。

 

 

1分間に約60~80回、1日に10万回以上休むことなく拍動を繰り返して血液を全身に送り出します。

 

 

 

<東洋医学での心の働き>

 

 

東洋医学でも「心」は血液を体全体に送り出す役割を担うと考えています。

 

 

「肝」がどの組織にどれくらいの量の血液を送るか決めるのに対し、「心」は血液を循環させる働きを担います。

 

 

また、「心」は「精神活動の源」であり、「汗」、「舌」と関係があると言われています。

 

 

古代の人が「心」が「精神活動の源」と考えたのは、不安があると心臓の拍動が亢進し、リラックスしていると心臓の拍動がゆっくりになることから、精神状態を心臓の拍動で感じていたのだと思います。

 

 

「心」が「汗」と関係があると考えたのは、緊張すると心臓がドキドキし手に汗をかくことから、そのように考えたのかと思います。

 

 

また、「汗」が大量に出ると血液の粘稠性が高まり血液を巡らせるためにより心臓に負荷がかかることを先人たちは知っていたのかもしれません。

 

 

「心」が「舌」と関係があると考えたのは「舌」には血管が集中しているので、「舌」の色によって、血液循環がうまく働いているかがわかると考えたようです。

 

 

実際、手足が冷える人は、舌が紫っぽい色になることがあります。

 

 

現在のように身体状況を把握できる機器がない時代に、五感だけでこれだけのことを把握してきた古代の人の素晴らしさを感じずにはいられません。

 

 

<まとめ>

 

「心」は血液を体全体に送り出す役割を担う

 

 

・「心」は「精神活動の源」

 

 

「汗」、「舌」と関係が深い

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

<東洋医学の話をしよう3ー臓腑(2) ー 肝>

 

<はじめに>

 

 

今回から「五臓」について順番に解説していきましょう。

 

前回の記事はこちら

 

(氣についての記事はこちらにありますので目を通してみて下さい。)

 

 

今回は「肝」の働きを説明していきます。

 

 

まずは、西洋医学の肝臓の働きと比べてみましょう。

 

 

<西洋医学での肝臓の働き>

 

肝臓には主に4つの働きがあります。

 

 

(1)代謝ー食べ物から糖・たんぱく質・脂肪を体内で使える形に変えて貯蔵し、必要な時にエネルギーのもととして供給します。

 

 

(2)体を動かすエネルギーの元であるグリコーゲンやビタミンを蓄え、必要に応じて血液中に放出する。

 

 

(3)解毒ーアルコールや薬、老廃物などの有害な物質を分解し、無毒化します。

 

 

(4)胆汁の生成・分泌ー肝臓でつくられた老廃物を流す「胆汁」を生成・分泌します。胆汁は、脂肪、タンパク質の消化吸収を助ける消化液でもあります。

 

 

<東洋医学での肝の働きー疏泄(そせつ)、蔵血(ぞうけつ)>

 

肝の主な働きは「疏泄」、「蔵血」です。

 

 

体内の氣の運動を調節する働きのことを「疏泄」と言います。

 

 

それにより

 

 

(1)「脾胃(ひい)」による食べ物の消化の調節。

(「脾胃」については、後ほど解説していきます。西洋医学の「胃」とご理解ください。)

 

 

(2)「血」「津液」の運行

 

 

(3)月経の周期の調整を行います。

 

 

血液の貯蔵の働きのことを「蔵血」いいます。

 

 

(1)血液を貯蔵する。

 

 

(2)体に回る血液をどこに送るか決める。つまり体内に巡る血液量を調整します。

 

 

西洋医学の糖・たんぱく質・脂肪・グリコーゲン・ビタミンの貯蔵を東洋医学の「蔵血」、老廃物を流す働きを東洋医学の「疏泄」と見るならば、肝臓の機能に関しての認識に大きな差は無いように感じます。

 

 

しかし、東洋医学と西洋医学との違いは「五蔵六腑」は情緒や人体のその他の器官にも深い関係があると認識していることにあります。

 

 

肝の場合、「怒」の情緒と関係が深いです。

 

 

怒りで頭に血がのぼるって言いますよね、これは「怒り」によって肝の「疏泄」の働きが悪くなるからということが言われています。

 

 

また、「筋」、「目」にも関係が深いです。これも肝の「疏泄」の働きが悪くなると「血」が行き渡らなくなり「筋」がつり易くなったり、「目」の疲れがおきます。

 

 

怒ると血圧が上がります。それにより、血管が収縮します。それが長時間続くようになると「筋」や「目」に栄養の供給が滞ることになります。

 

 

それにより「疏泄」の働きに影響が出るので「筋」「目」にも影響がでるのではないかと思います。

 

 

「目」はビタミンA、B、Cを消費します。「目」の使いすぎは、肝臓に貯蔵されているビタミン類の消費を増大させ「肝」に影響を与えるのではないかと考えられます。

 

 

現在社会は、「目」を酷使するようになってきています。このことは「肝」の負担を増やし「血」を消耗させていると考えられます。

 

 

インターネット上のSNSでの炎上騒ぎは、目を酷使し、血を消耗させ、「肝」の「疏泄」「蔵血」作用に負担をかける生活と関係があるのかもしれません。

 

 

<まとめ>

 

・肝の主な働きは「疏泄(そせつ)」、「蔵血(ぞうけつ)」です。

 

 

・体内の氣の運動を調節する働きのことを「疏泄」と言います。

 

 

・血液の貯蔵の働きのことを「蔵血」いいます

 

 

・「肝」には「怒」の感情、「筋」「目」に関係が深い。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

<東洋医学の話をしよう3ー臓腑(1)>

 

 

<はじめに>

前回は今までの連載のまとめをしました。

 

氣の理解は、東洋医学の基本ですので繰り返し読んで見て下さい。

 

 

詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

今回からしばらく、「臓腑」についてお話していきましょう。

 

 

 

<臓腑とは>

 

 

五臓六腑」という言葉を聞いたことがあると思います。

 

 

「五臓六腑にしみわたる」なんていいますよね。

 

「五臓」とは「」「」「」「」「」のことを言います。

 

 

「六腑」とは「」「小腸」「」*「三焦(さんしょう)」「大腸」「膀胱」のことを言います。

(*「三焦」とは他の臓腑を助ける実態のない器官です。後日詳しく触れていきます。)

 

 

「五臓六腑」とは西洋医学の臓器そのものだけを指す言葉ではなく、からだ全体の働き、心の働きを表します。

 

 

「五臓六腑」の「」とは「氣」「血」「津液」を備蓄する臓器です。

 

 

」とは「氣」「血」「津液」を動かす中腔性の臓器です。「小腸」「胃」「大腸」は管になっていますよね。管の中を「氣」「血」「津液」が動くイメージです。

 

 

「臓腑」について理解すると「氣」「血」「津液」がどのようにして作られ、身体を循環していくかが深くイメージできるようになります。

 

 

今は何を言っているかわからないと思いますが、少しづつ解説していきますので、お楽しみに。

 

 

次回から「五臓」の一つである「肝」について解説していきます。

 

 

 

<まとめ>

 

・「五臓」とは肝」「心」「脾」「肺」「腎」のことを言う。

 

 

・「六腑」とは「胆」「小腸」「胃」「三焦」「大腸」「膀胱」のことを言う。

 

 

・「五臓六腑」の「臓」とは「氣」「血」「津液」を備蓄する臓器である。

 

 

・「腑」とは「氣」「血」「津液」を動かす中腔性の臓器である。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

ヴィリニウス

 

行動目的:

1)確実な移動Wien出発(10:00am)⇒Vilnius到着(00:45pm)

2)明日(第3日)の学会初日に備える

3)視力の補助手段の確保(オペラグラスの購入等)

 

 

第2日の行動目的は、本来であれば、

 

1)無事に欧州での拠点に到着する

 

2)明日(第3日)の学会初日に備えるのみ良いのですが、眼鏡の紛失という事故の経験をしたため、新たに

 

3)視力の補助手段の確保(オペラグラスの購入等)を追加しました。

 

 

行動計画:

①Wien国際空港へ

②Vilnius国際空港からバスにて市内のHotel へ(荷物預け)

③Vilnius市内でオペラグラスの購入

④学会会場へ(翌日以降の下見)

⑤★★★★Novotel Vilnius Centreチェック・イン(02:00~)

⑥人形劇場Vilnius Teatras Lèlèへ(開演06:30pm)

 

 

活動成果: 

ウィーンのホテルは私の欧州での活動の拠点に相応しい複数の条件を兼ね備えて居ます。

第一に空港からのアクセスの良さ、第二に市内での活動の場へのアクセスの良さ、第三に朝食サービスが6:00(日本時間では14:00)からであることなど、第四に手荷物預かりサービスの質です。Free LAN (Wi-Fi)設備については、今では当たり前になってきています。

極東の国から来た旅行者にとっては、時差の関係上、朝食サービスの開始時間は大きなポイントになると思います。

 

一回の旅行であまりにも移動が多くなることは、一般的にはお勧めできません。

しかし、私はこの移動日を無駄にせず、逆に有効活用することによって、限られた日数での経験を豊かにしたいと考えております。

 

わけても移動のたびに重くて嵩張るケースを引きずって歩くのはなるべく避けたいところです。ウィーンには3月3日(日)に戻るので、荷物はなるべくコンパクトにまとめ、その間ケースはウィーンの定宿で預かっておいてもらうのが便利です。

 

EU加盟国間の移動は、あっけないくらいスムーズでした。

第2日目の安心・確実な朝を迎えるため、寝坊の予防として、第1日目の夜は、あらかじめ徹夜の日と決めておりました。

 

①予定時刻より早めにVilniusのホテルに到着し、すぐにチェック・インを済ませることができました。12:00にはチェックイン可能とのことで、とても有難かったです。しかも受付の若手の男性職員は、いかにも誠実そうであり、実際に丁寧で洗練された聞き取り易い英語を話してくれました。

 

そこで、オペラ・グラスを売っていそうなお店の情報をマーキングした現地地図をいただき、さらに、72時間有効な市内交通プリペイドカード(ヴィリニチオ・コルテレの入手方法の情報も貰うことができました。

 

②部屋は、そのレセプショニストが、あらかじめ説明してくれた通り、最高の間取りでした。7階の東向きの窓からの眺めは絶景で、まるで中世のおとぎ話の世界が展開していました。これから、3日間、朝日とともにこの景色を楽しむことができるのであれば、最高です。

 

③出発の少し前にパソコンを新しくしたのと、インターネットの接続が容易になったことにより、ストレスは減りました。すると、野口さんから連絡が入っていて、私が落とししたメガネについて空港に問い合わせてくださいとメールがありました。その情報を受け、ホテルの近所でオペラ・グラスを探しに出かけることにしました。

 

そこで知ったことは、ヴィリニュスの中心街で働いている現地の人々は、ガイドブックに書いてあるほど英語には慣れていないことです。ガイドブックは簡単な英語しか使えない多くの読者を想定して書いているのでやむを得ないと思いました。コミュニケーションのリアクションは、欧米人というより日本人に近いような印象をもちました。

 

 

1件目の店頭の女性は、<I do not speak English.私は英語を話さないので>、ということで別の店員が対応してくれました。その女性も、ごくシンプルな定型文のような英語でないと通じにくいようで、困ったような顔をされてしまいました。ましてやオペラ・グラスなんて知らないという様子なので、早々に諦めて2件目に。そこでも、何とか英語で通しましたが、英語でなくてロシア語は通じないかと聞いてくる有様。年配の方はソ連支配下の時代が長かったことをいまさらながらに想起させられます。初歩的な英語を重ねていって意思疎通をはかろうと試みましたが、<オペラ・グラスは対応できません。メガネでよければお受けしますが、最低5日かかります>という話なので、ここもアウト。

 

そこで、発想を切り替えて、チケット販売所に行ってみました。そこで、72時間市内交通カードを購入した際に、二人の女性から、もう1件の眼鏡店を勧められました。<オペラ・グラスを探すのは難しいから、明日の仕事に間に合うように眼科医の処方であれば今日中にメガネを手にしてみては>というアドヴァイスでした。なるほど、ご尤も、ということで、お勧めの眼鏡店へ行きました。

 

この頃から天気が悪化して、小雨が降り始めていました。その眼鏡店では、受付の比較的若い女性が英語で対応してくれました。一時的な繋ぎでよいので、と申し出ましたが、どうしても、眼科医の処方が必要であること。眼科医の処方であれば1時間程度でメガネを用意することができることの説明を受けました。5日では諦めますが、1時間であれば日本並みです。そこで、明日に備えて新しい眼鏡を入手することにしました。

 

店員が、最初にフレームを選んで欲しいということなので、<私はファッショナブルな人間ではないので、あなたのセンスで選んでいただけないか>と持ち掛けたところ、たくさんの中から、瞬時に選んでくれました。それから、2回の眼科の女医さんのところで、検査を受けました。

<メガネなしでも近くはよく見えるが、学会の英文スライドや街中や空港での標識が読めないのは困る>旨を伝えたら、さっそくレンズ処方のための検査を始めてくれました。乱視の検査は省略されていましたが、その他は日本の標準的な眼科の水準と変わりがないような印象を受けました。

そういえば、旧ソ連時代からの眼科のレベルは比較的高かったような印象をもっていますが、おそらくそれは正しかったのではないか、と思います。視力に対する英語の会話は、さすがに高水準なやりとりまでできましたが、周辺の話になるとさすがの女医さんでも今一つのようでした。

 

支払いを済ませて、メガネの受け取りまでの1時間は、降雨から霰交じりになってきたため、カフェで過ごそうかとも考えましたが、ホテルの窓から見える教会の塔が目の前にあったので、そこを見学することにしました。

 

そこは、教会といっても司教座教会の大聖堂がギリシア神殿のような壮大さです。大聖堂の正面の大きな扉は開きそうもありません。そこで、大聖堂の右手前にがっちりと聳える鐘楼であるレンガ造りの塔の博物館に入ってみました。今日の報告のトップの横長の写真の左に赤い屋根の王宮の建物の背後にそびえているのがそれです。ちょうど私の部屋からとは逆の方角から撮った写真だと思われます。

 

出発前の徹夜続きで起こした右坐骨神経痛を引き起こしていました。それもあって高い塔に上るようなことは避けるべき、と考えていましたが、直前の火曜日の水気道が功を奏してか、体が前へ前へ、上へ上へと向かっていくのは不思議でした。レンガつくりの塔の壁から八方に窓があり、そこから周囲を展望しながら、らせん状に塔を上ることができます。オーディオ・ガイドが備えてあるので、時間潰しも兼ねてすべてのガイドの音声を聞きました。このガイドの音声はロシア語と英語です。英語よりロシア語に馴染みが深い市民や観光客が多いのだと思いました。英語のガイドはとても興味深いものでした。上の階は窓にガラスがなく吹き曝しの状態です。鐘がいくつもあって、現在でも使われているようです。

 

先ほどの眼鏡店では、すでにメガネが出来上がっていて、実際にかけてみて安心しました。レンズはSEIKO製で、女医さんから、<あなたの国から輸入した優秀な材料ですよ>と言われたので、<このメガネをかけたら急に世界が明るくクリアになりました。そして私のために親切にしてくれたあなた方が本当に素敵な女性たちだったこともわかりました>と返しました。いずれにしても有難かったです。明日以降の学会参加が台無しにならないで済むからです。

 

悪天ということもあって、あえて学会会場の下見や人形劇場へ行く予定は中止にして、ホテルの自室で明日の準備のための調べものをすることに変更しました。

 

窓から見える景色が刻々と変化し、日没になると、市内の主な建物がライトアップされて、とても感動的な時間が流れています。

 

 

 

国際学会のアナウンスについて

以下は、学会の内容を事前にアナウンスしているメッセージです。内容はとても平易であり、たいていの皆様に関係する日常的な内容であるため、翻訳してみました。

 

 

診療所で診察のたびに血圧を測定していただいていることの意味、高血圧の患者さんには血圧手帳を交付して自宅血圧を測定し、記録していただいていることの意味、水気道の稽古の前後で血圧測定をする意味、3か月ごとにフィットネス・チェックを推奨していることの意味、半年ごとに頸動脈超音波検査を実施していることの意味、これらのことがすべて明らかになっていくことでしょう。

 

 

About PreHT 2019

 

Dear Colleagues,

It is our pleasure to invite you to participate in the 6th International Conference on Prehypertension, Hypertension, Metabolic Disorders and Cardiovascular Disease, which will take place in Vilnius, Lithuania from 28 February – 3 March, 2019.

 

高血圧前症、高血圧症、代謝性疾患および心臓血管系疾患に関する第6回国際会議へようこそ

 

 

Prehypertension is a part of the continuum from normotension to hypertension it is a part of a dynamic process of stiffening and aging of the arteries and of the heart with its consequences. Patients in the prehypertensive range will become finally hypertensive. Diseased arteries will not only participate in propagation of end organ damage but will enhance the progression of additional damage in the arteries and the heart. Understanding the risk of borderline conditions in the metabolic syndrome will enable us to understand the nature of end organ damage and will create a possibility of better prevention of this continuous process.

 

高血圧前症とは正常血圧から高血圧症へと連続的に移行していく時期の状態です。それは動脈および心臓の硬化と加齢が次第に進行していく過程に相当します。高血圧前症の患者は最終的には高血圧症になります。動脈が病的になると、それが末梢へと進展して臓器障害を引き起こすばかりでなく、動脈や心臓の更なる障害の進展が加速されます。メタボリック・シンドロームの(健常者との)境界領域のリスクを理解すれば終末臓器の性状を理解することが可能になると同時に、このような連続的な病気の進行過程を予防するためのより優れた方略を見出せることでしょう。

 

 

Hypertension, Diabetes, Dyslipidemia and Obesity are considered as major risk factors for Atherosclerosis of cerebral, coronary and peripheral arteries. This process causes Development of Ischemic heart disease, obstruction to cerebral flow and PVD. Clustering of these risk factors is very common and their accumulation causes faster propagation of end organ damage and cerebrovascular events. The diagnosis of risk factors, especially when they are clustered, justify multidisciplinary aggressive therapeutic approach which should be started as soon as possible with the diagnosis.

 

高血圧症、糖尿病、脂質異常症および肥満症は、脳、冠状動脈および末梢動脈の動脈硬化の主たる危険因子であると考えられています。この過程で、虚血性心疾患、脳血流障害および末梢循環障害への進展がもたらされます。これらの危険因子が重なり合うことはとても多くみられることであり、これらの危険因子が集積すると、末梢臓器および脳血管障害の進展がより加速されます。危険因子の診断は、それらが複数重なる場合はとりわけ、集学的な治療アプローチを積極的に行うことが正当化され、それは診断とともに可及的に速やかに開始されなければなりません。

 

 

The association of multiple CV risk factors enhances rate of progression of end organ damage and affects morbidity and mortality. The presence of multiple risk factors changes the prognosis of the patients and should affect our therapeutic approach- an area with insufficient information and guidelines.

 

心臓血管系の危険因子が複数重なり合うと、終末臓器の障害の進展の度合いを増強することによって、疾病率や死亡率に影響を及ぼします。複数の危険因子が存在すると患者の予後を変化させるので、われわれ(=内科医)の治療の進め方‐情報やガイドラインが不十分な領域‐にもそれが反映されるべきです。

 

 

Systolic blood pressure (BP) of less than 140 mm Hg and diastolic BP of less than 90 mm Hg were for years considered as normal. Mounting evidence suggest that BP in the high reference range is associated with an increased risk of cardiovascular disease. The ESH report of 2006 defined it as “high normal” and the seventh report of the Joint National Committee on the Prevention, Detection, Evaluation and Treatment of High Blood Pressure defined a new BP category “Prehypertension” for systolic and diastolic BP: 120 to 139 mm Hg and 85 to 89 mm Hg, respectively. This new category is a continuum to hypertension and is a risk factor for cardiovascular disease.

 

収縮期血圧140㎜Hg未満かつ拡張期血圧90㎜Hgという状態は長い間正常血圧であるとされてきました。科学的裏付けが集積されることによって(正常血圧とされてきた領の中でも)高めの血圧は心臓血管系の疾患リスクの増加に結び付いていることが示唆されるようになってきました。環境・安全・健康活動2006は、この領域の血圧を<正常高値>と定義し、さらに高血圧の予防、検出、評価および治療に関する第7回連合国家委員会は、収縮期血圧120から139mmHgかつ拡張期血圧85から89㎜Hgを血圧の新しい領域として<高血圧前症>と定義しました。この新しい血圧領域は高血圧へと連続的に繋がっていくものであり心血管系疾患の危険因子の一つです。

 

 

In most developing countries and in the urban areas of many countries, one in five to one in three adults fall in the category of prehypertension. Recently published ACC/AHA guidelines (2017) suggested change in the threshold levels to much lower levels which were considered normal previously. This change caused again scientific discussion. Recommendation and guidelines in the field have substantial public health importance and enormous economic consequences.

 

大半の発展途上国や多くの国々の都市部では、成人5人当たりで1人が高血圧前症に相当します。近年出版されたACC/AHAガイドライン2017は、かつては正常血圧であるとされていた水準より、かなり低い血圧基準を推奨しました。この変化によって再び科学的議論が引き起こされました。この領域の推奨やガイドラインは公衆の健康にとって重要な意味をもち、膨大な経済的波及効果があります。

 

 

The Conference will aim to deal with all aspects related to early diagnosis, including innovative technologies and treatments as well as discussion of target organ damage, cardiac, renal, neurological and peripheral arteries. The conference will bring together professionals from the fields of Hypertension, Cardiology, Nephrology, Endocrinology, Internal Medicine and more.

 

本学会は、心臓、腎臓、神経および末梢動脈といった目標臓器の障害を議論するとともに、革新的技術や治療法を含め、早期発見に関するあらゆる視点を取り上げることを目的とします。

 

 

Wien到着(6:00am)

 

行動計画:

①Wien市内のHotel Ananasへ(荷物預け)

② 市内のWien国立音楽大学へ(11:00am~)

③★★★★Hotel Ananasチェック・イン(03:00pm~)

④フォルクス・オーパーへ(開演06:30pm)オペラ・ピノッキオ/PierangeloValtinoni

 

 

 

活動成果:

①Wien国際空港には、予定より15分早めに到着。

機中(ANA)は、比較的快適でした。

 

深夜(01:55)出発の便は、身動きの取れない状態での機内食の提供が1回なので消化管への負担が少ないうえに、到着後の1日がフルに活用できるメリットに気が付きました。ただし、欠点は初日のチェックイン(15:00)までの時間が長いことです。

            

空港から市内の交通の要衝であるウィーン・ミッテ駅に直結している列車(CAT)が速くて快適です。3月3日と4日に開催される国際線維筋痛症学会の会場は、この駅を出てすぐの通りに面しているヒルトン・ホテルです。

            

しかし、ここまでの間に、すでに大失敗をしてしまいました。それは、メガネの喪失です。これは、早急な対応を要します。

            

定宿のホテルの前の地下鉄U4路線のPilgramgasse駅が来年の1月まで改修工事で閉鎖されているため、一駅手前のKettenbrücken駅で下車して15分ほど歩きました。それでも07:35には、宿に到着することができました。さっそく、留守中の診療所を管理している野口氏、本日おせわになるピアニストの今泉弘江さん、去年、お世話になったピアニストでテノールPablo Cameselle先生の仕事仲間でもある由里Pranzlさんとネットで連絡を取りました。大きな荷物だけホテルに預かってもらい身軽になりました。

        

 

②Wien国立音楽大学は、U4路線のSchönbrunn駅から歩きました。

           

ホテルの最寄りの駅が使えないことで、外出のたびに必ず一駅は歩くことになりましたが、快適な天候であり、時差を積極的に解消するためにも役に立ったような気がしました。

 

伴奏ピアニストの今泉弘江さんには、ここ数年お世話になっています。

 

声楽レッスン指導者はソプラノのClaudia Visca教授、ピアノ伴奏者は今泉弘江さんで、このお二人には毎年お世話になっています。

 

声楽個人レッスン(於:ウィーン国立音楽大学)は予定通り、11:00から1時間。

(公用語表記: ドイツ語: Universität für Musik und darstellende Kunst Wien)

(英語表記: University of Music and Performing Arts Vienna)

 

これまではドイツ語でのレッスンでしたが、今年はレッスンの録音をすること、報告の便のために英語でのレッスンをお願いしました。Visca先生は67歳とのことで、ウィーン在住歴は長いのですが、米国人です。

 

 

レッスン曲目:

1)コンコーネ50番(イタリア語訳小倉百人一首歌詞付き)から5曲(No8,9,11,16,26)

 

2)モーツアルトのオペラ・アリアから・オペラ「ドン・ジョヴァンニ」第1幕から

Dalla sua pace la mia dipende(彼女こそ私の宝)

 

レッスン内容は、聖楽院所属の皆様には後日、音源付きでご報告いたします。

     

さて、レッスンの後は心地の良い公園の中を通り抜けて再びU4のSchönbrunn駅に戻りました。U4の路線は最も慣れ親しんだ路線で、丸ノ内線のミニチュア版のような感じです。ただし、ターミナルの駅名が、HütteldorfとHeiligenstadt、前者が荻窪駅だとすると後者は池袋駅ということになるでしょうか。頭文字がいずれもHなので、混同しがちです。チェックインの15:00までに時間があること、

    

乗り放題の1日券をもっていること、などもあるため両方の駅まで乗車してみました。まず、Schönbrunn駅から近いSchönbrunn駅、引き続き、逆方向のHeiligenstadtに向かいました。

 

Heiligenstadtはベートーベンゆかりの土地、近くにはホイリゲで有名なGrinzingがあります。Heiligenstadt駅前にはすでにバスが停車していたため、目的地も確認せずに乗り込んだところ、幸いGrinzing行きでした。下車してすぐに教会の尖塔を発見しました。このそばを通りかかったときに鐘の音が重厚に鳴りました。帰りには立ち寄るようにという神様のお告げのような気がしました。さて、ホイリゲといえば夕刻以降の酒場ですが、ランチタイムも営業しているZum Martin Seppというホイリゲをすぐ近くに見つけました。この店は、すでにお客で賑わっていました。平日の昼下がりということもあってか、ドイツ語の世界でした。

 

私は声楽レッスンを終えたあとの解放感も手伝ってか、ハウスワイン(白)を注文して堪能した後、Spezialitëtenのリストの中からThymianbuchteln mit Schwammelgulasch(vegetarisch)を選びました。

Thyme filled yeast dumplings with mushroom goulasch(vegetarian)という英語表記も書かれていたのでイメージしやすく助かりました。

二つ目はSuppennの中からAlt Wiener Suppenntopf mit Nudeln,Rindfleisch und Gemüseを選びました。昔のウィーン風のスープというのに惹かれたのと、内容がうどん、牛肉、野菜類というのが分かりやすかったからです。

スープの塩気はごく薄口で、セロリをはじめとする野菜の風味とサイコロ型の牛肉が程よく調和していて美味であると同時に、食後に疲れが癒された実感がありました。給仕人はやや年配の素朴で誠実な微笑を浮かべた現地の男性でした。彼は、私の希望や好みを上手に聞き取り、平易で聞き取り易いドイツ語の平易な言葉で物静かに丁寧に話す方なので、とても良い印象を持ちました。

 

     

食事の後に、先程目に留まった教会を訪れました。Pfarrkirche Grinzing十いう名のローマ・カトリック教会でした。聖堂ではすでに祈りを捧げている男性がいて、私もしばらく時間を過ごしましたが、教会の外に出るとまた鐘の音が響き渡りました。

     

ホテルに戻ったのはちょうど15時過ぎで、正式のチェックインを済ませて、部屋でインターネットを整備したところ、カトリック医師会から私指名でメールが届いていました。それは、筋痛性脳脊髄炎(慢性疲労症候群)についての講演の示唆です。この病気は、線維筋痛症との合併例も多く、両者の異同は必ずしも明らかではありません。

     

また、ピアニストのPranzlさんからもメールが届いており、17:30にVolks Operの前のカフェで会うことになりました。30分程度でいたが定評あるメランジェを飲みながら今後の音楽活動について語り合いました。

 

   

 

④オペラ観劇(於:国民歌劇場/Volks Oper)

 オペラ・ピノッキオ/PierangeloValtinoni

 

可愛くて元気な子供たちが多数出演していて、童心にかえることができました。家族連れが目立ち、出演している子供たちのフィナーレには盛んに」声援を送っていました。

       

ピエランジェロ・ヴァルティノーニのオペラ「ピノッキオ」は、子供たちにオペラのライブの魅力を知らせるのに理想的との定評があります。カルロ・コッローディの「ピノッキオの冒険」に基づいて、パオロ・マドロンが書いた「才能あふれる人形ピノッキオ」の台本に、ヴァルティノーニが曲をつけ、2001年、ヴィチェンツァのオリンピコ劇場で初演されました。ヴァルティノーニは、その後、タイトルを単に「ピノッキオ」と短くし、作品は1幕ものから2幕ものへと長くしました。この新しいバージョンは、2006年、ベルリンの コーミシェ・オーパーで初演され、3年間のロングランとなりました。評論家たちは、ヴァルティノーニの音楽について、プッチーニ、ラヴェル、バーンスタインの抒情性や響きを持つものだと絶賛しました。オペラ「ピノッキオ」は、物語性についても、さまざまな点から評価すべき点が多く、音楽性のみならずストーリーテリングの最高峰とも言えるでしょう。

 

ピノッキオは人形であるにも関わらず、他の少年たちと同じように、自分で歩いたり話したりできます。ピノッキオを作った大工のジェペットは、彼を学校に送りますが、ピノッキオは、マリオネット劇場に行ってしまいます。この劇場の親方マンジャフオコは、新しい演目のためのストーリーが見つからず、ピノッキオに託して旅立たせます。旅の途中、ピノキオは泥棒に遭い、お金も、食べ物も宿も失い瀕死の状態であったところ仙女に助けられ、息を吹きかえします。けれども、仙女に苦境のわけを尋ねられた時、彼女にバカだと思われることを恐れて嘘をついてします。すると彼の鼻はどんどん長くなってしまい、仙女は、本当のことを言わなければ、どのような結果になるかをピノッキオに忠告します。

 

ピノッキオは旅を続けます。途中で、誰も仕事も勉強もしなくていい、怠け者の国を知り、その魅力に勝つことができませんでした。それは実は意地悪な魔法使いの作り出した世界でした。その魔法使いは、囚われ人をロバに変えてしまいます。自分の姿の変化に驚いたピノッキオは、海に飛び込み、サメに飲み込まれてしまいます。そして、そのお腹の中で、ピノッキオを探して旅をしていたジェペットに出会います。

 

 

「安くて便利、良心的というキャッチは、多くの皆様方にとっては魅力的なようですが、多くの消費者にとっては落とし穴であることが多く私は常に警戒しています。」

 

 

なぜ、インフルエンザが流行するのかについての確かな情報は得られていません。多くは仮説の域を脱していないようです。そもそもインフルエンザは、どのようにして人から人へと感染していくのでしょうか。

 

インフルエンザは、安くて便利を志向し、公共心が乏しく、自己中心的で、目先の損得勘定に走りがちで、なおかつ無知に加えて傲慢、スマホ情報を盲信する横着な大衆が増加するほど流行する感染症です。

 

 

ゾフルーザ®の出現でインフルは減少するか?

 

 

たった1錠で治せる便利なインフルエンザ薬に対する懸念

 

塩野義製薬(大阪市)が開発、昨年発売したゾフルーザは、タミフルのように5日間連続でのみ続けたり、吸入が必要だったりする従来の薬と比べ、1回錠剤をのめば済み便利な夢の薬というイメージで24日TV東京の大衆番組の話題になったそうです。安くて便利を志向し、公共心が乏しく、自己中心的で、目先の損得勘定に走りがちで、なおかつ無知に加えて傲慢な大衆には受けが良いはずです。

 

このような人々の口から発せられる言葉を列挙してみます。

 

タイプ1:

「インフルエンザにかかるやつは気合が足りぬ!」

(どの時代の発想でしょうか?)

 

タイプ2:

「何もしなくてもインフルエンザに罹らないかもしれないのに、ワクチンするのはもったいない。」

(ワクチン接種で命拾いできるかもしれないのに?)

 

タイプ3:

「ワクチンを接種した翌日にインフルにかかった!」

(流行シーズンに入る前に早目に接種しましょう。すでに、予防接種なので、あなたのように、すでに罹っている人には効きません。)

ゾフルーザ®登場によって、新種のバカの増殖が懸念されます。

 

タイプ4(新型):

「インフルエンザに罹っても、たった一錠の薬で治るのだったら、便利で安くて、お得、合理的、手洗い面倒、マスク面倒、ワクチン料金もったいない。俺って超賢い!」

(そういうあなたは、大損するかもしれませんよ!!)

 

 

さて、ゾフルーザの番組放映があった同日の1月24日に、皮肉なことに、 国立感染症研究所は、新しいインフルエンザの治療薬「ゾフルーザ」を使った患者から、治療薬に耐性をもつ変異ウイルスが検出されたと発表しました。

 

この日は、くしくも国立感染症研究所での発表があった日ですが、こちらの情報にすぐにアクセスするのは限られたスペシャリストに過ぎません。

 

しかし、臨床試験の段階から、従来のインフルエンザ治療薬より耐性ウイルスが生まれやすいと指摘されていたため、当院では当初から処方を控えてきました。1日1回内服の翌日から通常通りに出勤してしまう人は、とても危険だと思います。自分が治っていないばかりでなく、周囲にうつしてしまう可能性が大です。

 

その理由を説明しましょう。ゾフルーザの臨床試験では、耐性変異ウイルスの検出率が12歳未満で23・3%、12歳以上で9・7%と高いため耐性ウイルスが広がると薬の効果が薄れることが懸念されます。これに対してタミフルの耐性変異ウイルスの検出率は0~2%程度です。註)

 

昨年12月に耐性変異ウイルスが発見されました。変異を持たないウイルスに比べて、ゾフルーザに対する感受性が約80~120倍低く、これは臨床的には、ほとんど無効であることを意味します。

 

タミフルのように5日間内服するのは厄介に感じる人がたくさんいるので、とても心配です。インフルでは最低でも5日程度は養生していただく必要がありますが、

 

タミフル服用者は、薬を服用することによって自覚が促されますが、ゾフルーザの処方を希望するようなタイプの方々には余り期待できそうにありません。ゾフルーザの処方数が延びるにつれて、インフル感染者は増えることでしょう。これは私共の大胆な予測ですが、来年から、厚労省の処理法が変更するに及んで、単純に比較検討できなくなることも懸念材料の一つです。

 

「薬の特徴を踏まえた上で適切で注意深い処方を」と呼びかける専門家もいるようですが、「ゾフルーザは使用すべきではない」と解り易く断言できないのは残念なことです。

 

 

今回のまとめ:

「第四のバカの壁」は、<しみったれ>のバカの壁、ということでした。賢い人ほど必要な努力や投資を惜しまず、誠実に社会貢献の務めを果たしています。

愚かな人ほど怠け者で<しみったれ>で丸損してしまい、周りにも不利益をもたらしてしまいます。この責任は、いったい誰が負えばよいのでしょうか?賢明な皆様、私共と一緒に対策をかんがえていただけませんか?

 

 

<お知らせ>

2月27日(水)から3月12日(火)までは、国際学会に出席します。

その間は昨年同様、国際学会や滞在中のエピソードをお伝えします。

最新の臨床医学は、2月は28日(木)までを通常通りの執筆とし、3月1日(金)から3月10日(日)までお休みさせていただき、3月12日(月)から再会します。

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液(7)ーまとめ >

 

<はじめに>

前回まで氣・血・津液・臓腑の触りの部分までお話しました。

たくさんの用語が出てきて、混乱された方もいらっしゃるかと思いますので、

ここで一旦、今までの話を復習しましょう。

 

 

 

 

<(鍼灸)東洋医学の話をしよう1ー人体を構成する3つの要素>

では、

 

東洋医学では人体が3つの要素で構成されていることをお伝えしました。

人体を構成する3つの要素とは

 

氣(き)」、「五臓(ごぞう)」、「経絡(けいらく)」であると言うお話でした。

 

 

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(1)>

では、

 

「氣」の作られ方について解説しました。

 

・「氣」は「精(せい)」が変化したもので、

 

・「精」は「先天の精(せんてんのせい)」「後天の精(こうてんのせい)」の2つの種類があり、

 

・「先天の精」は両親から受け継いだのもで「腎」に蓄えられ、

 

・「後天の精」は飲食物から消化器官である「脾・胃」で作られ「先天の精」を補充する

 

というお話でした。

 

 

 

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(2)>

では、

 

「氣」の身体内の働きによって4つに分類され、

 

・氣には働き方によって「元氣(げんき)」、「営氣(えいき)」、「衛氣(えき)」、「宗氣(そうき)」に分類され、

 

・「元氣」は生命活動の原動力であり

 

・「営氣」は全身を栄養を送り

 

・「衛氣」は身体を病原体などから防衛し

 

・「宗氣」は心肺機能を支えて氣や血(けつ)(血液)や津液(しんえき)(水)を循環させる

 

というお話をしました。

 

 

 

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(3)>

では、

 

氣の役割についてお話しました。

 

・氣には5つの役割があり

 

推動(すいどう)作用ー臓腑、経絡の活動、血液を巡らせ、

 

防御(ぼうぎょ)作用ー身体を病原体や外部の環境から守り、

 

固摂(こせつ)作用ー体液が無駄に出てしまうのを防ぎ、

 

気化(きか)作用ー氣が*血や*津液に変化させ、

 

温煦(おんく)作用ー全身を温める

 

というお話をしました。

 

 

 

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(4)>

では、

 

血(けつ)」と「津液(しんえき)」について説明しました。

 

・「血」は血管内の赤い液体で「営氣」とともに流れ、

 

・「津液」は体内の水分の総称で無色透明であり

 

・「血」「津液」は体内を循環して栄養を運び身体を潤す

 

というお話をしました。

 

 

 

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(5)>

では、

 

「五臓」と「血」(血液)の関係についてお話しました。

 

・「氣」から「血」が作られる(氣化(きか)作用)

 

・「氣」と「心」の働きによって「血」は身体を流れる(推動(すいどう)作用)

 

・「氣」と「脾」の働きによって「血」が体外に漏れない(固摂(こせつ)作用)

 

・「肝」は「血」を貯蔵する

 

というお話でした。

 

 

 

<東洋医学の話をしよう2ー氣・血・津液・精・神(6)>

では、

 

    「津液」と「氣」の関係についてお話しました。

 

・「氣」が変化して「津液」になる(気化作用)

 

・「氣」は「津液」を身体中に巡らせる(推動作用)

 

・「氣」は「津液」を身体から漏らさない(固摂作用)

 

    というお話でした。

 

     それぞれの表題をクリックすると、該当するページに飛びますので、読んでみて下さい。

 

      来週から、臓腑の話が始まります。よろしくお願いします。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

当クリニックは、新時代の要請にこたえることにとどまらず、その一歩先の未来を見据えたモデルクリニックを目指しています。

 

そして、この杉並国際クリニックのHPの新着情報は、当クリニックからの一方的なメッセージの発信ばかりであってはならないと考えています。

 

皆様の声をいただき、この<読者の声>を通して、私たち全員の共有財産にしていくことができればとても素晴らしい展開が期待できると思います。

 

 

そこで、杉並国際クリニックのHPの新着情報は、現在、当クリニックを継続受診されていない方にも開放させていただいております。

 

高円寺南診療所時代(平成元年7月~平成31年4月)の受診者の方で、

全快して無事卒業された方はもちろん、遠方に転居されて受診されていない方、

今後、当院の受診を検討されている方など、いずれの皆様も大切な存在です。

 

現代医療制度の問題、健康不安などについてのメッセージや、逆に、ご自分が励行している健康法や、生き甲斐論など、どのようなテーマでも歓迎します。

 

 

投稿先は、suikido@gmail.com です。

 

なるべく、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

 

収載については可能な限り反映させていただくつもりですが、公益性その他の観点から、当方で検討の後、1週間程で、掲載日程を通知させていただきます。

 

皆様の投稿をお待ちいたしております。