今月のテーマ<救急医学③…心肺蘇生における電気的治療>
電気的除細動は、心肺蘇生の基本手技になってきました。
電気的除細動は生命予後を左右します。
2005年のガイドライン(ILCOR)など複数の心肺蘇生ガイドラインで、
早期除細動の有効性は実証されています。
まず、正常の心電図の例をお示しします。
以前は医師・看護師・救急救命士のみに電気的除細動器を用いた
「除細動」「指同期性通電」の実施が認められていました。
しかし、2002年の高円宮憲仁親王の急逝が心室細動によるものであったことなどを受け、
2004年7月、厚生労働省から「緊急性があり医師がいないなどの条件を満たした場合は、
一般市民が除細動を実施しても医師法違反とはならない」旨の見解が出されました。
これは、心室細動では心停止から除細動を行うまでの時間が生命予後を決定する
という研究結果を踏まえたものであり、
事実上、一般市民へ除細動の実施が解禁されたことになります。