今月のテーマ<中毒の特定内科診療>

 

「環境薬物中毒」No.1

 

 

高円寺南診療所の施設内には、他に二つの事務所の拠点があります。

 

一つが『日本水氣道協会本部事務局』、

 

そして、もう一つが『高円寺南労働衛生コンサルタント事務所』です。

 

 

高円寺南診療所では、比較的若い世代の受診者が多く、彼らの相談内容は、

 

身体的問題をはじめ、メンタル的な不調のほか、

 

労働条件など社会的なストレッサーが関与することが少なくありません。

 

 

そこで、一般内科をベースに、心療内科専門医でもあるドクトル飯嶋は、

 

まず産業医としての勉強が必要であると考えて、産業医資格を取得しました。

 

 

ついで、医師免許とは独立した国家資格であり、

 

専門性のより高い労働衛生コンサルタントの資格を取得しました。

 

 

厚生労働大臣の行う試験に合格し、

 

労働衛生コンサルタント名簿に登録した労働衛生に関するスペシャリストです。

 

 

今回から5回にわたって私自身の実際の経験を報告、

 

そして、解説をさせていただくことにします。

 

 

 

テーマは 「疲労度分類」

 

反復性疲労から疲労困憊までのプロセスについてです。

 

 

 

さて私は以前、とある接骨院に勤めていました。

 

そもそもの事の発端は、突然に言い渡された解雇通告でした。

 

その接骨院の経営者の柔道整復師から1ヶ月後に解雇されました。

 

 

仕事が無いこと。定職に就けないこと。

 

自尊心が根底から傷つけられてしまうと、

 

たとえ資格や技能や経験があっても、

 

それをまったく活かせないとなると、

 

かえって孤独と絶望感にさい悩まされるものです。

 

 

つまり、失業状態は、底知れぬ不安、

 

尽きることのない苦しみの元凶となりました。

 

 

 気力が根こそぎ奪われている状態での不安には、焦燥感が付きまといます。

 

その不安は、様々な耐え難い身体症状を、次々と引き起こしました。

 

 

次回は、そのプロセスについて、振り返ってみたいと思います。

 

 

≪ドクトル飯嶋からのコメント≫

 

やあ、坂本先生。

 

随分思い切った記事を書きましたね。

 

こうした手記を公表するということは、

 

想像以上に、心身に負荷が掛るものですよ。

 

 

もっとも、坂本先生ご自身が、避けて通れない作業とお考えである以上、

 

私は敢えて反対せず、見守ることにします。

 

 

ただし、治療者として配慮しなくてはならないことは、

 

読者の皆様の魂への配慮です。

 

 

Mr.NoGucciの懺悔録でもコメントしましたが、

 

シリアス過ぎるのはあまり良くありません。

 

 

自他の魂を癒す目的のために、

 

心身栄養学的に説明するならば、

 

心のカロリーの他に

 

魂のビタミンやミネラルが不足してはなりません。

 

それは、エスプリとユーモア。

 

つまり、芸術性と人間性なのだと思います。

 

 

楽しくてためになるシリーズになるよう祈っております。

前回は「ご自身の考えのクセをチェックしてみては」と提案いたしました。

 

しかし、これが実は難儀なことだったりします。

 

 

以前にもお話ししましたように、

 

「考えのクセ」は本人にとっては当然の、半ば無意識的に生じる思考です。

 

 

ですから、考え方が偏っている=思い込み・決めつけである、

 

とは自力では気づきにくいものです。

 

 

そこから気づくためのカウンセラーによるお手伝いがはじまるわけです。

 

 

そこで、今回まで熱心に読んで下さった皆さまに、

 

「気づくヒント」の具体的例をお伝えしたいと思います。

 

 

 

まず、ネガティブな感情が湧きおこった出来事について紙に書いてみましょう。

 

 

1)いつ、どこで、誰が、どうした、という具合です。ここまでなら書きやすいと思います。

 

 

2)次に、「どんな感情が湧いて、私はどうなった・どうしたのか?」を書きます。

 

 

3)そして、「その感情にはどんな考えが込められているの?」とじっくり自分に聞いてみます。  

 

熱心な読者の皆様は既にお気づきかもしれませんが、これこそが「自動思考」なのです。

 

 

例を挙げて説明してみましょう。

 

1)店員がそっけなかった。

 

2)私は頭にきた、飲み物もまずく感じた。

 

3)頭にきたのは、店員がそっけなかったから…

 

 

ここでストップ! ちょっと立ち止まって下さい。

 

「店員がそっけなかったから=当然頭にくる状況」

 

「当然」でも「絶対」でも「ほらやっぱり」でもないのです。

 

この思い込みに飲み込まれないように!

 

 

そして、どうして「A:店員がそっけない」と「B:頭にくるのか」。

 

 

その理由を自分に聞いてみましょう。

 

 

AとBをつなぐものは何でしょうか。

 

 

そこに認知のクセが隠れているのです。

 

 

ここに気づくことが鍵です。

 

 

例えば、「そっけない態度」というのは…

 

 「私に向けられたものだから」、「私をバカにしている証拠だから」、

 

「店員がすべき態度ではないから」、などなど理由(クセ)は人それぞれ。

 

 

「だから私は頭にくる」、確かに、そういう理由なら頭にくるかも。

 

 

でもそれは、真実ではないかもしれません。

 

 

もしかしたら、「私に向けられたものではない」、

 

「私をバカにしているわけではない」、「店員も完璧ではない」から。

 

 

「絶対」と思う度合いが強いほど、ブレーキをかけるのは大変です。

 

 

そこで、大事故につながる前に早めに

 

「これは決めつけかも、思考の暴走をやめてみよう」

 

と思ってみましょう。

 

 

このように気づくだけでも、物事のとらえ方はずいぶん違ってくると思います。

 

 

思考が暴走して極論までいって、感情の嵐でくり返しヘトヘトになってはいませんか? 

 

ヘトヘトな時は一人で悩まずに、ぜひご相談にいらして下さい。

 

 

臨床心理士 宮仕 聖子

今月のテーマ<神経の特定内科診療>

 

 

仕事が残っていて、周りに迷惑をかけている。

 

どうしても入院したくない、とおっしゃるので、

 

最悪、明日以降も外来受診の可能性を考えながら血液検査をしました。

 

 

幸い、同居人の彼氏が同伴していたので、彼に十分説明したところ、

 

彼氏が、緊急入院を説得してくれました。

 

 

以下は、翌日に届いたデータです。

 

血液検査所見:赤血球370万、ヘモグロビン11.8g/dL、Ht36%、

 

白血球数15,800(桿状核好中球16%、分葉核好中球63%、単級4%、リンパ球17%)、

 

血小板16万。CRP30mg/dL

 

以上のデータを入院先の病院の担当医に送ったところ、

 

以下の返事をいただきました。

 

 

「緊急入院直後、ただちに頭部単純CTを撮り異常を認めませんでした。

 

そこで腰椎穿刺により脳脊髄液を採取し、

 

グラム染色をして鏡検(光学顕微鏡での検査)したところ、

 

グラム陽性双球菌を検出しました。

 

ご紹介ありがとうございました。」

 

 

この症例は、最終的に肺炎球菌による細菌性髄膜炎という診断でした。

 

髄膜炎を見逃すと、患者さんは不幸な転機をたどります。

 

 

しかし、髄膜炎と診断できても、原因はさまざまで、それによって対処法が異なります。

 

原因を突き止めずに、手当をすることは無謀です。

 

「解熱剤と痛み止めをください。」という患者さんの希望に添うだけで

 

帰宅していただいたら大変な事態を招いていたことでしょう。

 

 

髄膜炎の原因が細菌であることが早期に判明し、

 

適切な抗生物質が投与されたことによって無事に退院できたそうです。

今月のテーマ<神経の特定内科診療>

 

 

「髄膜炎」Vol.1

 

 

20代の女性。激しい頭痛のため来院。

 

「市販の薬が効かないので、良く効く解熱剤と痛み止めをください。」

 

とのご希望でした。

 

今朝は高熱とともに頭がぼんやりするんで会社を休んで受診することにしたとのことでした。

 

 

簡単にお話をうかがうと、

 

頭痛の部位は額(前頭部)で3日前の金曜日に発熱とともに出現し、

 

いずれの症状も次第に増強して、月曜の朝を迎えた模様でした。

 

 

診察中にすでにウトウトしだし、

 

普通にお名前を呼び掛けると容易に開眼するため、

 

JCSⅡ-10と評価しました。

 

 

その他のバイタルサイン:

 

脈拍140/分、脈不整なし。血圧128/76mmHg,

 

体温39.8℃(平熱36.2℃)

 

 

神経学的検査:

 

うなじが硬くなって動かない(項部硬直)

 

ケルニッヒ徴候(陽性)

 

対光反射、眼球運動、四肢運動および腱反射は異常なし。

 

バビンスキー反射、異常なし。

 

今後の対応のため採血を実施しました。

 

 

発熱、頭痛、意識障害、項部硬直、ケルニッヒ徴候陽性という所見から、

 

すぐに髄膜炎を疑い、緊急入院先を手配しました。

 

 

 

ドクトル飯嶋の「認定痛風医試験」受験顛末記 (その4)

 

 

<前号から、すでに一週間たっているので三行で要約します。>

 

受験者はドクトル飯嶋ただ一人・・・だけど

 

「認定痛風医試験」合格。正解率は全体の3分の2にも及びませんでした。

 

ただし、試験問題を詳細に検討する過程で、不適切問題を発見しました。

 

 

そこで、ドクトル飯嶋は学会事務局を通して試験委員長に報告をしました。

 

 

 

一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会事務局 三橋 操 様

 

いつもお世話になっております。高円寺南診療所の飯嶋正広です。

 

先日は受験の際に、御親切にガイダンスしてくださいましてありがとうございます。

 

細谷・藤森の両先生にもよろしくお伝えくださいますようお願い申し上げます。

 

 

解答を同封していただけたので、さっそく復習に取り掛かることができました。

 

 

貴学会の多くの皆様方のお世話になったことを踏まえ、

 

今回の認定痛風医試験での経験をご報告いたしたく、ご連絡申し上げた次第です。

 

 

添付文書で、藤森新先生はじめ関連の諸先生方へのご報告ということで

 

僭越ながらまとめさせていただきました。

 

 

よろしくご査収いただけましたら幸いに存じます。

 

 

今後とも、よろしくご指導ご鞭撻のほど お願い申し上げます。

 

 

 

閑話休題。そういえば、だいぶ以前の話ですが、日本に地ビールが普及し始めた頃、

 

ドクトル飯嶋は、日本地ビール協会認定の

 

ビア・ジャッジ(テイスター)の資格を得たところでした。

 

 

そこで、「一般の大手のラガービールと比べて地ビール中のプリン体濃度はどうなのか」

 

に興味をもち、分析を藤森教授に相談したことがあります。

 

 

そのときも、藤森先生は二つ返事でOKしてくださいました。

 

 

ドクトル飯嶋が代表的な地ビールを数種類選定し、

 

藤森先生の研究室で分析していただき、

 

あっというまにきちんとした論文ができあがったのを

 

懐かしく思い出しました。

今月のテーマ<神経の特定内科診療>

 

重症脳卒中(JSS30以上)」Vol.2

 

 

幸いこの男性は、一命を取り止め、少しずつ回復していきました。

 

しかし、1ヶ月後に、妻からの報告をうかがうと、

 

「食膳の左側にあるものをまったく食べようとしません。」

 

ということでした。

 

 

患者さんの嫌いな食べ物が左側に配置されているからではありません。

 

左側にあるものを認識できない状態で、半側空間無視といいます。

 

 

この症例の脳梗塞による脳障害が右の頭頂葉に及んでいたためだと判断することができました。

 

右の頭頂葉障害があると、反対側である左の空間半側無視が生じ、

 

左側にあるものを認識できなくなることがあります。

 

 

この患者さんを診察したところ、ゲルストマン症候群を認めました。

 

 

補足解説:大脳には左右一対の半球がありますが、

 

それぞれ役割分担をしていて、一方が優位半球、他方が劣位半球となります。

 

右利きの人のほぼ100%、左利きの人の50%では、左大脳半球が優位半球です。

 

 

優位半球の頭頂葉が障害されると、

 

左右失認(左右の区別がつかない)、手指失認(指定された指を示せない)、

 

失算(簡単な計算ができない)、失書(簡単な文書を読めない)

 

の4つを主徴とするゲルストマン症候群を来すことが知られています。

先週号で「わかりやすい臨床栄養学」第5版に

 

新たな章立てとして21章免疫アレルギー疾患

 

の執筆を担当するお話をいたしました。

 

そこで、今回は、ダイジェスト版をまとめてみました。

 

 

 

<予備知識>

 

体内に外部からの物質が侵入すると、体は抗体というたんぱく質をつくります。

 

この場合の外来物質を抗原と呼びます。

 

このように抗原の体内侵入により体内で抗体ができる生体反応を

 

抗原抗体反応と呼びます。

 

 

生体反応である抗原抗体反応が心身に有利な作用である場合、

 

たとえば生体を守る特異的な反応の場合は、免疫反応といいます。

 

これに対して体に不利に作用する場合には心身の変調をもたらします。

 

これをアレルギー反応といいます。

 

 

 

<アレルギー反応のメカニズム>

 

そもそも外来物質である抗原は、どこから侵入してくるのでしょうか?

 

生体が外界と接しているのは皮膚と粘膜です。

 

粘膜は呼吸器などの気道、消化器の内腔の表面を覆い、外界と接しています。

 

抗原が侵入してくるのは皮膚と粘膜からです。

 

抗原は、一般に抗体の産生をもたらす他、細胞による免疫反応を起こさせるものです。

 

 

病原体(ウイルス、細菌など)やアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)などです。

 

 

アレルギーの発症は遺伝子(アレルギー体質、アトピー素因など)と

 

環境因子が複雑に関与して生じると考えられています。

 

 

アレルギー反応は、そのメカニズムから4型(もしくは5型)に分類されます。

 

 

 

<アレルゲンの種類>

 

アレルゲンには大きく分けて吸入性アレルゲン食物アレルゲンとがあります。

 

吸入性アレルゲンは、皮膚や気道粘膜から侵入する

 

ダニ、ハウスダスト、花粉、動物の皮膚などです。

 

 

食物アレルゲンは、消化管粘膜から侵入する、牛乳、卵、大豆などが代表的です。

 

 

 

<アレルギー疾患>

 

 

主なものは、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギーなど。

 

 

<アレルギー疾患の特徴>

 

アレルギー疾患の原因となるアレルゲンによる陽性率は、

 

小児では加齢とともに変化し、

 

また発症の原因となるアレルギー疾患が変化する傾向があり、

 

これをアレルギーマーチといいます。

 

 

吸入性アレルゲンでは、小児では、成長とともに陽性率が上昇し、

 

また新たなアレルゲンが加わる傾向があります。

 

 

食物アレルゲンでは、小児では、成長とともに陽性率が低下する傾向があります。

 

 

<アレルギー疾患のケア>

 

アレルゲンが何かを調べる(アレルゲンの同定)。

 

そして、除去可能なアレルゲンは除去します。

 

疲労や心理社会的ストレッサーに対する対策

 

(ストレッサー軽減するための養生、ストレス耐性を増す鍛錬)を講じます。

 

 

気管支喘息では、アレルゲンの除去を基本とした環境のコントロールと、

 

喫煙者では禁煙を勧めることが不可欠です。

 

 

アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリアー機能が低下しているので、

 

皮膚の清潔保持の励行、皮膚保湿の徹底を図ります。

 

 

次回は、「食物アレルギー」をテーマとします。

今月のテーマ<神経の特定内科診療>

 

 

「重症脳卒中(JSS30以上)」Vo1.1

 

今回の症例は、平成元年に高円寺南診療所開設後も、

 

しばらくの間週末勤務をしていた救急病院での忘れられない経験例です。

 

 

70代の男性。急激な意識障害のために救急車で搬入されてきました。

 

付き添いの妻からのお話によると、

 

「今朝、食卓のテーブルの前で、椅子に座って食後のコーヒーを飲んでいたところ、

 

突然崩れ込むように椅子からずり落ちたので、大変だ、と思いながらも、

 

それまで、しばしば起こしていた低血糖発作かもしれないと考えて、ようやく救急車を呼びました。

 

持病に高血圧と不整脈がありますが、

 

大の病院嫌いのためこれまで治療を受けてくれませんでした。」

 

とのことでした。

 

 

意識障害の評価は、意識レベルJCSⅡ-10と判断しました。

 

 

JSCとはJapan Coma Scaleという意識障害の重症度分類です。

 

まず、JSCⅡというのは、刺激すると覚醒する状態です。

 

これに対してJSCⅠは、刺激しなくても覚醒している状態、

 

JSCⅢは、刺激しても覚醒しない状態です。

 

 

次に、JSCⅡをさらに細かく査定してみます。

 

JSCⅡには3水準あり、JSCⅡ⁻10、JSCⅡ⁻20およびJSCⅡ⁻30です。

 

JSCⅡ⁻10は、「普通の呼びかけで容易に開眼する」状態

 

JSCⅡ⁻20は、「大きな声または体を揺さぶることにより開眼する」状態

 

JSCⅡ⁻30は、「痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すと、辛うじて開眼する」状態です。

 

 

これは意識障害の分類であって、脳卒中の重症度の評価ではありませんが、

 

緊急を要する現場で時間と手間がかからない評価方法なのでとても有用です。

 

 

当然の意識障害であることから、脳卒中を疑いました。

 

そこで神経学的検査をすると、左片麻痺を認めました。

 

そこで右半球の脳卒中を疑いました。

 

ただし、脳卒中には、脳出血くも膜下出血脳梗塞があるので

 

鑑別が必要です。

 

 

不整脈を心電図で確認すると、心房細動と診断しました。

 

この慢性の心房細動を原因としてできた心臓内の血栓が、血流に乗って

 

脳へ向かう動脈を閉塞させたこと(心原性脳塞栓症)が推定されました。

 

脳卒中の中でも、脳梗塞、てんかん、低血糖発作などを疑いました。

 

ただちに頭部MRI検査を行いましたが、発症後3時間を経過していました。

 

 

頭部MRI検査では、拡散強調像(DWI)という撮影技法によるフィルムにて、

 

右大脳半球に高信号域を認めました。

 

これは脳の動脈血流が遮断された領域を表します。

 

右の中大脳動脈が血流を供給する領域(灌流域)に一致するものでした。

 

これは、急性期脳梗塞の所見です。

今回は自律神経と呼吸の関係について見ていきましょう。

 

 

自律神経の働きの表を見ながら読んでください。

 

自律神経表

 

 

 以前、自律神経のはたらきで「自律神経の要素は無意識にコントロールされているが、

 

意識的にコントロールできる要素もある」と書きました。

 

 

 

それは何でしょうか?

 

 

 

答えは「呼吸数」と「呼吸の深さ」になります。

 

 

 

緊張すると教えられたわけでもないのに、深呼吸しますよね。

 

 

それは深く大きく呼吸することにより、

 

自動的に呼吸数が減り、副交感神経が働きやすくなるのです。

 

 

これを意識的に訓練して、十分に利用することができるようになれば、

 

 

深呼吸によるリラクゼーションを導くことができるようになります

 

 

交感神経を過剰に働かせている現在、ヨガ、瞑想等の言葉が世間を賑わせています。

 

そのどれもが、深く大きく呼吸をすることを重要視しています。

 

 

皆、本能的に「副交感神経を働かせないとまずいな」と感じているのかもしれません。

 

 

 

ちなみに<水氣道>は水圧によって、無意識に呼吸が深くなり

 

過剰な交感神経の働きを、自然に抑えることができるのでおすすめします。

 

 

 

次回、私は幸か不幸か疲労度分類の「反復性過労」から

 

「疲労困憊」まで体験しましたので、

 

そのことを書きたいと思います。

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭