うつ病は、職場の心理社会的因子によって影響されます。

 

 

そこでレジリエンス(逆境に直面してストレスに対処する能力)

 

を高めることがうつ病予防に重要です。

 

 

これまで長鎖n-3系多価不飽和脂肪酸(LC n-3 PUFA)を多く含む魚の摂取が

 

うつ病を予防することが示唆されてきました。

 

 

日本医大の吉川栄省氏らは

 

魚の摂取がうつ病に対するレジリエンスと関連している可能性を明らかにしました。

 

 

 

本研究には、うつ症状をうつ病自己評価尺度(CES-D)

 

レジリエンスを14-item Resilience Scale(RS-14)にて評価するとともに、

 

魚の摂取頻度は自己記入式食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて調査しています。

 

 

 

高円寺南診療所のモットーの一つ

 

「食事療法は身体疾患ばかりでなく精神疾患においても不可欠」

 

であることの有力な例証であると考えます。

 

 

 

 

解説:長鎖n-3系多価不飽和脂肪酸(LC n-3 PUFA)とは、

 

エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などの

 

n-3系多価不飽和脂肪酸などを指します。

 

 

中性脂肪の低下やコレステロール降下作用、血小板凝集抑制作用、

 

抗炎症作用、抗潰瘍作用があります。

 

 

「わかりやすい臨床栄養学」<第四版>三共出版(飯嶋正広ら)30ページ参照

高円寺南診療所では永らく外来栄養食事指導を行っています。

 

外来栄養食事指導を行える保険医療機関は、

別に厚生労働大臣が定める基準を満たしていなければなりません。

 

 

その基準とは、何だと思いますか?

 

それはたった一点

「当該保険医療機関の屋内において喫煙が禁止されていること」です。

 

 

これはコストのかかる箱モノなどハード面での基準ではなく、

しっかりした医療マインドがあればすぐに実行できるソフト面の基準です。

 

 

 

医師(院長、飯嶋正広)の指示に基づいて管理栄養士(中田美砂恵)が

具体的な献立等によって指導を行っていますが、喫煙者には禁煙をお勧めしています。

 

 

 

喫煙者に対する効果的な医療の提供が難しいのは、

喫煙習慣が内的な生命リズムを乱し、薬物療法、心理療法、運動療法ばかりでなく

食事療法の効果を挙げることを大きく妨げてしまうからです。

 

つまり、喫煙は、すべての患者さんに本来備わっている自然治癒のプロセスを損ねてしまうのです。

 

だからといって、喫煙者に栄養食事指導が全く無意味であるということではありません。

 

「喫煙者には愛を!」これが高円寺南診療所の基本的コンセプトの一つです。

 

 

 

「禁煙したいがなかなか決断できない」という皆様を暖かく支援し多くの禁煙成功者を生み出してきました。

 

禁煙達成者は、栄養食事指導にも積極的に参加され、お薬や注射の種類や量を減らすことが容易になってきます。

 

定期的な健診やフィットネス・チェック(体組成・体力テスト)以外の高円寺南診療所の通院を卒業し、

水氣道一本という方までいらっしゃいます。

 

高円寺南診療所では、以下の疾患のうち太字のものに対する食事指導の実績が豊富です。

 

メタボリック症候群など過栄養が主で、これに対して鉄欠乏性貧血に該当しない低栄養状態や、

がんに対しての指導ができないのが悩みの種でした。

 

幸いなことに、この課題が解決しました。

 

 

 

<消化器>胃•十二指腸潰瘍、食道胃腸の切除術後、クローン病、潰瘍性大腸炎、急性•慢性肝炎、

肝硬変、ウィルソン病、閉塞性黄疸、急性•慢性膵炎

 

<循環器>心臓疾患(食塩6g/日未満)、高血圧症(食塩6g/日未満の指示がある場合)

 

<腎臓>急性•慢性腎炎、急性•慢性腎不全、ネフローゼ症候群

 

<代謝>高度肥満症(BMI≧30)、脂質異常症(LDL-cho:≧140mg/dL HDL-cho:<40mg/dL TG:≧150mg/dLのうちいずれか)、痛風糖尿病

 

<貧血>鉄欠乏性貧血(ヘモグロビン:≦10g/dL)

 

<妊娠>妊娠高血圧症候群(食塩6g/日未満)

 

<アレルギー>食事性アレルギー(9才未満)

 

 

 

 

平成28年度から以下の患者さんに対する指導が可能となりました。

 

がん患者

 

摂食機能又は嚥下機能が低下した患者

 

低栄養状態にある患者

 

低栄養状態にある患者とは、血中アルブミンが3.0g/dL以下である患者さん

または医師が栄養管理により低栄養状態の改善を要すると判断した患者さんです。

高円寺南診療所では、院長や管理栄養士(中田美砂恵)の他、二名の健康管理士一般指導員(林亮博、野口将成)が生活指導をはじめ栄養指導をチームで担当しております。

 

 

写真のピンク本が「わかりやすい臨床栄養学(第4版)」(三共出、版)2,900円+税

2007年初版で、順調に版を重ねてきました。昭和学院短期大学ヘルスケア栄養学科の授業で教科書として使用してきました。タイトルは「わかりやすい」とありますがこれは栄養士・管理栄養士をめざす学生にとって「わかりやすい」ことを心掛けたものです。

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写真のオレンジ本が「<第二版>臨床栄養学」(学文社)3,000円+税

2013年初版で、今年はじめての改訂です。この本は、実際に外来栄養指導を実践している

飯嶋正広(院長)が編著者である他、中田美砂恵(非常勤管理栄養士)も分担執筆しています。

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外来栄養指導を受けていらっしゃる方はもちろんのこと、ほとんどの皆様にとって有益なテキストになっています。一般書店でお求めになることもできますが、診療所窓口で購入していただくことも可能です。

 

読者の特典として、テキストの内容について随時質問を受け付けます。このホームページの

<お問い合わせ>からご質問をいただくことも可能です。