食物アレルギーの原因となるアレルゲンは、自然・加工を問わず、

 

また植物性・動物性を問わず、あらゆる食品に存在します。

 

 

発症は、圧倒的に乳幼児に多いですが、

 

小児に限られている訳ではありません。

 

 

成長と共に消化管の消化・吸収機能が向上して、あるいは治療により、

 

アレルギーを引き起こす食品に対する耐性が獲得されることがあります。

 

その場合は、原因食品を障害にわたり除去する必要はありません。

 

 

東京都の食品安全情報サイト、

 

東京都福祉保健局の「食品衛生の窓」をご紹介いたします。

 

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/hyouji/allergy_tokutei.html

 

 

そこで、次のクイズにチャレンジしてみてください。

 

 

問題:食物アレルギーに関する記述である。

 

正しいのはどれか。

 

1)発症は、小児に限られている。

 

2)原因となる食品は、生涯にわたり除去しなければならない。

 

3)原因となる食品は、動物性食品に限定されている。

 

4)鶏卵アレルギーの場合でも、卵白の加工食品は使用できる。

 

5)小麦は、「特定原材料名表示」の中でアレルゲン表示が義務化されている。

 

 

ヒントは、「特定原材料名表示」です。

 

正解は 5)です。

 

いかがでしたか、この問題の出典は、平成16年度の管理栄養士国家試験問題です。

 

先週号で「わかりやすい臨床栄養学」第5版に

 

新たな章立てとして21章免疫アレルギー疾患

 

の執筆を担当するお話をいたしました。

 

そこで、今回は、ダイジェスト版をまとめてみました。

 

 

 

<予備知識>

 

体内に外部からの物質が侵入すると、体は抗体というたんぱく質をつくります。

 

この場合の外来物質を抗原と呼びます。

 

このように抗原の体内侵入により体内で抗体ができる生体反応を

 

抗原抗体反応と呼びます。

 

 

生体反応である抗原抗体反応が心身に有利な作用である場合、

 

たとえば生体を守る特異的な反応の場合は、免疫反応といいます。

 

これに対して体に不利に作用する場合には心身の変調をもたらします。

 

これをアレルギー反応といいます。

 

 

 

<アレルギー反応のメカニズム>

 

そもそも外来物質である抗原は、どこから侵入してくるのでしょうか?

 

生体が外界と接しているのは皮膚と粘膜です。

 

粘膜は呼吸器などの気道、消化器の内腔の表面を覆い、外界と接しています。

 

抗原が侵入してくるのは皮膚と粘膜からです。

 

抗原は、一般に抗体の産生をもたらす他、細胞による免疫反応を起こさせるものです。

 

 

病原体(ウイルス、細菌など)やアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)などです。

 

 

アレルギーの発症は遺伝子(アレルギー体質、アトピー素因など)と

 

環境因子が複雑に関与して生じると考えられています。

 

 

アレルギー反応は、そのメカニズムから4型(もしくは5型)に分類されます。

 

 

 

<アレルゲンの種類>

 

アレルゲンには大きく分けて吸入性アレルゲン食物アレルゲンとがあります。

 

吸入性アレルゲンは、皮膚や気道粘膜から侵入する

 

ダニ、ハウスダスト、花粉、動物の皮膚などです。

 

 

食物アレルゲンは、消化管粘膜から侵入する、牛乳、卵、大豆などが代表的です。

 

 

 

<アレルギー疾患>

 

 

主なものは、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギーなど。

 

 

<アレルギー疾患の特徴>

 

アレルギー疾患の原因となるアレルゲンによる陽性率は、

 

小児では加齢とともに変化し、

 

また発症の原因となるアレルギー疾患が変化する傾向があり、

 

これをアレルギーマーチといいます。

 

 

吸入性アレルゲンでは、小児では、成長とともに陽性率が上昇し、

 

また新たなアレルゲンが加わる傾向があります。

 

 

食物アレルゲンでは、小児では、成長とともに陽性率が低下する傾向があります。

 

 

<アレルギー疾患のケア>

 

アレルゲンが何かを調べる(アレルゲンの同定)。

 

そして、除去可能なアレルゲンは除去します。

 

疲労や心理社会的ストレッサーに対する対策

 

(ストレッサー軽減するための養生、ストレス耐性を増す鍛錬)を講じます。

 

 

気管支喘息では、アレルゲンの除去を基本とした環境のコントロールと、

 

喫煙者では禁煙を勧めることが不可欠です。

 

 

アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリアー機能が低下しているので、

 

皮膚の清潔保持の励行、皮膚保湿の徹底を図ります。

 

 

次回は、「食物アレルギー」をテーマとします。

医学の進歩は日進月歩。

 

 

だから、それを受けて臨床栄養学(食事療法)もチョクチョク変わるのです。

 

 

2007年初版から10年足らずで4回目の改訂作業。

 

 

本は売れないと、改訂できません。

 

改訂できないと、内容が古くなって価値が下がります。

 

 

価値が下がると、売れません。

 

⇒悪循環のパターンに陥らぬための努力は半端ではありません。

 

 

 

今回、ドクトル飯嶋が依頼され、

 

相談を受けた担当部分のメールをご紹介いたします。

 

 

 

9章 腎・尿路疾患(腎臓病の食事交換表が新しくなったため、それに対応)

 

 

13章 がん 13章の3節(13‐3 ターミナルケア 追加)

 

 

18章 摂食障害 (タイトルは 摂食障害 となっていますがその中に身体障害・

 

知的障害も入っているのでガイドラインにあるように 

 

神経・精神系疾患 としてはいかがでしょうか?

 

 

21章 免疫アレルギー疾患(新規章)臨床栄養に関することを書いていただければと存じます。

 

 

9月ごろまでに頂ければと存じます。

 

お忙しいこととは存じますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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本日は、腎臓病の食事交換表(第8版)についての話題です。

 

 

第8回目の改訂の背景には、慢性腎臓病(CKD)と呼ばれる概念が台頭したからです。

 

CKDとは,慢性糸球体腎炎や糖尿病性腎症,腎硬化症,多発性嚢胞腎など,

 

すべての慢性の腎臓疾患を包含させて表現した呼び名です。

 

CKDに対して,現代の医学ではいまだ根治的治療法がないことが多いです。

 

CKDが進行して腎機能低下が顕著になるほど,

 

食事療法の占める役割と効果が大きくなります。

 

この意味から,腎臓病治療での食事療法の価値は変わりません。  

 

日本腎臓学会から,CKDの概念に合わせて

 

「慢性腎臓病に対する食事療法基準2007年版」が発表されました。

 

また近年,腎臓病のための治療用特殊食品が新しく多数開発されたことにともない,

 

今回の改訂でもこれら特殊食品を見直されています。

 

透析食では,血管石灰化の防止の観点より,

 

リン摂取制限がますます重要視されています。

 

リン摂取量はたんぱく質摂取量と相関するため、

 

たんぱく質の摂取過剰は避けるべきであることから、

 

今回の改訂では,健常人に対する

 

たんぱく質摂取推奨量を超えるようなたんぱく質70gの項目が削除されました。

 

 今回の改訂は,この食品交換表は,

 

栄養学的にほぼ等しい栄養価(たとえば,たんぱく質3gを含む食品を1単位とする)

 

の食品を相互に交換することによって,食事の変化と楽しみを与え,

 

それによって同等な治療効果を期待することを目的としたものです。これは食品成分表と大きく異なるところです。

 

利用にあたっては誤解や誤った方法で使用されないように指導する必要があります。

 

 

「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014」(日本腎臓学会編),

 

「日本人の食事摂取基準2015」(厚生労働省)に準拠して内容を一部訂生。

高円寺南診療所で永年の実績がある外来栄養食事指導。

 

それが、いったいどのようなものか、ご質問をうけることがございます。

 

指導員は高円寺南診療所の専任管理栄養士、中田美砂恵先生です。

 

指導時間帯は、火曜日・・・

 

患者さんは基本的に個人指導ですが、

 

食事の準備を担当されるご家族に同伴していただくこともあります。

 

そこで、今回は具体例を挙げて、ご紹介いたしたいと思います。

 

 

 

相談者:Mr.X。40代男性(毎月1回、継続的指導に参加)独身。

 

Xさんの指導を具体的に見ていきましょう。

 

 

 

データ

 

身長:171センチ

 

体重:98.8kg

 

BMI:33.7

 

脂質異常症、肥満

 

 

<前回からの振り返り>

 

タンパク質を減らした。

(肉、魚を減らし、豆腐に置き換えたが量が多かった)

 

間食はなし。

 

 

〈具体的に〉

 

朝・夕食のタンパク質減量:豆腐1丁を毎日→1/3丁に、

 

お腹が減るので野菜の量を増やす

 

ごはんはパック(200グラム/1回)

 

昼食は、月・火お弁当、水木金・サンドイッチ、牛乳、野菜パック

 

週1回外食、野菜が多い定食

 

 

<今回の指導>

 

ごはんの量が1回200グラムと少し増えた。

 

自炊で1合を半分にした量(180グラム)にできると良い。

 

それ以外は、このまま継続し、1か月1㎏減量、

 

マイペースで続けていきましょう。

 

実際の「栄養食事指導せん」です

(画像クリックで拡大、ブラウザの戻るボタンでもどります)

IMG_20160704_155205

食品のプリン体含量について

 

 

痛風の食事療法といえば、「プリン体の制限」です。

 

『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』の『生活指導』で示されている食事療法、

 

そこでは特に『1日400mgを目安にしたプリン体の摂取制限』とされています。

 

 

ところでプリン体とは何でしょうか?

 

それは、「プリン骨格を持つ物質の総称です。」

 

と答えるのは簡単ですが、それでは質問者には理解できないと思います。

 

 

プリン体は食品中では旨味の成分であり、核酸中に多く含まれます。

 

 

プリン塩基、プリンヌクレオシド、ATP などのプリンヌクレオチド、

 

さらに核酸に含まれます。

 

 

そのため、プリン体は細胞数の多いもの、

 

細胞分裂の盛んな組織に多く含まれています。

 

 

 

そこで、以下の2つのクイズに挑戦してみてください。

 

 

Q1.食品のプリン体含量について正しいのはどれか。

 

a、マイワシ1尾あたりのプリン体含量は生より干物の方が多い。

 

 

b、干しシイタケは単位重量当たりのプリン体含量が多いので

 

痛風患者には勧められない。

 

 

c、ほうれん草の葉と芽では単位重量当たりのプリン体含量は葉の方が多い。

 

 

d、プリン体含量の多い大豆が原料の豆腐は高プリン体食品である。

 

 

e、青魚はプリン体含量が多いが動脈硬化抑制作用を有する。

 

 

ヒント:選択肢 a ではマイワシ「1尾あたり」で生と干物を比較しています。

 

マイワシの単位重量当たりの比較ではありません。

 

因みに、ドクトル飯嶋は、選択肢 a で引っ掛り、このクイズでコケました。

 

 

 

Q2.次の食品の中で単位重量当たりのプリン体含量が最も多いのはどれか。

 

a、カズノコ

 

b、キャビア

 

c、コンビーフ

 

d、カキ(牡蛎)

 

e、魚肉ソーセージ

 

 

ヒント:

 

ちなみに大手製薬会社G・Sの超美人MRさんに、

 

このクイズのチャレンジをお願いしたところ、

 

最初「キャ・キャ・キャ」と可愛らしく口ずさんでおられましたが、

 

さいごに「カ・・」とズバリ正解を当てました。

 

ドクトル飯嶋は、「キャ」か「カ」で悩んだ挙句、

 

結局、間違えてしまいました。

 

患者の皆様、面目ございません!

 

 

正解は、来週のお楽しみ!

誰もが知っているのに、役に立っていない代表的標語を2つほどご紹介いたしましょう。

 

その1.「適切な栄養の摂取は健康の維持に重要である」

 

 その2.「予防に勝る治療なし」

 

 

こうした知識がなかなか役に立っていない理由をいろいろ考えてみました。

 

 

その結果、知識が知恵のレベルにまで高められていないからではないか、と考えました。

 

 

少し説明いたしましょう。

 

 

知恵を得るためには、

 

①情報を事実として受け入れる(認識する)、

 

②物事の本質を深く悟る(理解する)、

 

③その知識を適切に処理する能力(活用する)、

 

が必要です。

 

 

 

例1

 

①認識する:栄養不良患者は、細胞性免疫や液性免疫、

 

白血球・マクロファージ機能などの免疫機能全般に異常が生じます。

 

 

②理解する:その結果、感染症にかかりやすくなります。

 

 

③活用する:???

 

 

 

例2:

①認識する:栄養不良は外科手術後の傷の治りが悪く、

 

入院中の合併症も起こりやすいです。

 

 

②理解する:その結果、入院期間が延び、死亡率が増えます。

 

 

③活用する:???

 

 

以上のことから、患者の栄養状態を適切に評価して十分な栄養管理を行うことは、

 

とても大切であることを理解することはできるでしょう。

 

 

しかし、この知識をどのように活用したらよいのかがわからなければ、

 

所詮、単なる知識に過ぎません。

 

 

知恵には遥か遠く届きません。

 

 

 

知恵に至るためには、自分なりの問題意識をもつこと、

 

新たな問題点を抽出することで知識を役立てることにつながります。

 

 

これが知識を③活用するための第一歩です。

 

 

たとえば、「栄養状態はどうやって判断されるのでしょうか?」

 

といった質問がでてくるようであれば

 

あなたは十分な知恵者です。

 

 

それでは、端的にお答えいたしましょう。

 

 

「栄養状態は病歴・身体所見・血液生化学検査・免疫能などで

 

総合的に判断します。」

 

 

しかし、外来診療で栄養状態を

 

きちんと評価しようとしている医療機関はとても少ないのが現状です。

 

 

その理由の一つは、

 

患者の皆様がお持ちになっている『健康保険証』は、

 

実際には『疾病保険症』に過ぎないからです。

 

 

『健康保険証』は健康人の健康チェックの目的のためには使えません。

 

 

それでは病気になって初めて使える保険証だからです。

 

 

 

「予防に勝る治療なし」これも誰もが知っている常識です

 

しかし、ほとんどの医療機関では

 

この知識を知恵にまで高めることができないのが現実です。

 

 

 

医療行政にも医療機関にも決定的に不足しがちなのが、

 

知恵なのではないでしょうか。

 

 

解りやすく言い換えれば、

 

(フロンティア、ボランティア、チャレンジ)精神、

 

それから工夫と忍耐の欠如です。

 

 

そこで、高円寺南診療所では患者の皆様に

 

フィットネス検査(体組成・体力検査)を実施しています。

 

1年に4回、春・夏・秋・冬、季節の変化の節目ごと、

 

おおよそ3か月に1回をめどに

 

チェックを受けていただくことをお勧めしています。

 

 

 

栄養評価や体力評価なくして予防対策は取れないからです。

 

 

 

最も簡単な栄養評価方法は体重の変化です。

 

来週、そのお話をいたしましょう。

 

 

乞うご期待!

 

盲点その3:水氣道の稽古の直前のエナジー・ドリンクは健康的

 

 

水氣道の稽古の前の食事内容について

 

水氣道の稽古の前には十分な水分と適切な食事の摂取が必要です。

 

 

稽古の前の食事は、

 

野菜などの食物繊維の豊富な食事を事前にとっておきましょう。

 

 

そうすれば、小腸からの糖質吸収が緩やかになり悪影響が軽減できます。

 

 

 

要注意は加工食品です。

 

 

特に炭酸飲料の「ブドウ糖果糖液糖」は、

 

他の果糖ブドウ糖液糖や高果糖液糖などとともに

 

「異性化糖」と呼ばれます。

 

 

これを含む炭酸飲料を摂取していると、

 

肥満をはじめメタボリック症候群になりやすいです。

 

 

 

魔のソフトドリンクの正体:異性化糖についての復習

 

異性化糖とは、デンプンを酵素又は酸により加水分解して得られます。

 

 

実際には、トウモロコシやジャガイモ、

 

あるいはサツマイモなどのデンプンを、

 

酵素にて糖化させた後、

 

含まれるブドウ糖の一部を別の酵素にて果糖に異性化させたものです。

 

 

ブドウ糖を主成分とする糖、

 

あるいはブドウ糖を主とする糖液を

 

酵素やアルカリで異性化した果糖です。

 

 

デンプンはブドウ糖で構成されていますが、

 

ブドウ糖をより甘味の強い果糖に異性化させれば

 

甘味をより強めることができます。

 

 

しかも安価で大量に生産され魅力的なデザインとともに

 

自販機のショウウインドウに姿を現します。

 

 

消費者のほとんどが論理的に物を考えて判断し行動しない

 

大衆であるということを、生産者は良く見抜いています。

 

 

大量の果糖の摂取はピルビン酸の処理が追いつかず

 

多量の乳酸を生じ乳酸アシドーシスを発症する場合があります。

 

 

この場合ピルビン酸を脱炭酸して多量のアセチルCoAを生じ、

 

それが脂肪酸の合成に利用され、中性脂肪の生成を促進します。

 

 

慢性的な中性脂肪の生成は高トリグリセリド血症をきたし、

 

肥満や糖尿病など万病をもたらします。

 

 

 

盲点その2:果物は体に良いに決まっている!?

 

 

果糖(フルクトース)は、ハチミツ、木になる果実、

 

ベリー類、メロンなどの果物に多量に含まれます。

 

 

今回は、果糖とブドウ糖の違いについて理解しておきましょう!

 

 

 

ブドウ糖の二面性

 

人体内で主要なエネルギー源として使われているのはブドウ糖です。

 

 

ブドウ糖は肝臓に一時的に貯蔵する調節機構があるため、

 

通常は一気に処理されません。

 

 

デンプンは腸でブドウ糖に分解されてから

 

体内で使われるので人体にとって好ましいです。

 

 

血糖値は通常はインスリンなどによって一定の範囲に保たれます。

 

 

しかし、基本的にブドウ糖の過剰摂取は血糖値の上昇をもたらします。

 

 

ブドウ糖摂取過剰により血糖値の上昇が持続した場合には

 

肥満や糖尿病につながります。

 

 

果糖とは違いブドウ糖は肝臓で一時的に貯蔵されますが、

 

その貯蔵能力にも限界があります。

 

 

肥満になり、さらに脂肪肝を伴うと、

 

この仕組が働きにくくなります。

 

 

すると内臓脂肪がさらに増え、

 

インスリンの作用が効きにくくなり、

 

更なる血糖値上昇という悪循環に陥ります。

 

 

 

果糖の人体への悪影響

 

果糖にはブドウ糖とは異なり、貯蔵調節機構がありません。

 

 

ですから、大量に摂取すると体内では常に一気に処理されます。

 

 

ブドウ糖も果糖も処理される過程でピルビン酸を生じます。

 

 

大量の果糖を一度に摂取すると、

 

一気に処理されるため多量のピルビン酸が生じます。

 

 

この大量のピルビン酸は、

 

ATP等のエネルギー生産よりも中性脂肪の生成に向かってしまいます。

 

 

そのため、肥満、特に内臓脂肪の増加につながるのです。

 

 

このように果糖の大量摂取はブドウ糖よりも

 

肥満になりやすく、肝臓への負荷も高いです。

 

 

果糖とブドウ糖では末梢のみならず、

 

脳や食欲に対する影響も異なります。

 

 

果糖の甘さは蔗糖やデキストロースよりも早く知覚され、

 

味の感覚は蔗糖に比べより早くより強いピークに達します。

 

 

しかし、その反面、早く減衰してしまうので、

 

満足感が持続しません。

 

 

また果糖は満腹関連ホルモンのピークが低いので、

 

満腹感を与えにくくなります。

 

 

その結果、ダラダラ食いに繋がり易くなり、

 

肥満をもたらしてしまうのです。

 

 

 

炭酸飲料には食物繊維がほとんどない

 

果糖やブドウ糖が体内に一度に大量に入ると

 

いろいろ問題が生じます。

 

 

炭酸飲料には食物繊維がほとんどないため、

 

摂取している本人が無自覚のまま、

 

結果的に「一度に大量」と同様の現象が起きやすくなります。

 

 

果糖を多く含む異性化糖は、

 

炭酸飲料など食物繊維を含まない清涼飲料水では、

 

一気に吸収されるため悪影響が起こりやすいです。

 

これから3回シリーズで、糖質摂取の盲点についてお話いたします。

 

 

 

盲点その1:スポーツ飲料や炭酸飲料は体に良い?

 

 

炭酸飲料に含まれる糖分

 

炭酸飲料などの清涼飲料水は異性化糖の宝庫です。

 

 

異性化糖とはブドウ糖(グルコース)を酵素で反応させ、

 

ブドウ糖の一部を果糖(フルクトース)に変化(異性化)させたものです。

 

 

つまり異性化糖とはブドウ糖と果糖との混合物です。

 

 

 

異性化させてできた果糖の割合により名前が違います。

 

高果糖液糖:90%以上

 

果糖ブドウ糖液糖:50~90%未満

 

ブドウ糖果糖液糖:50%未満

 

 

なお砂糖の主成分はショ糖(シュークロース)です。

 

 

このショ糖はブドウ糖と果糖が1対1で結合したものであり、

 

この結合は小腸内で短時間に分解されるため、

 

砂糖は人体にとってブドウ糖果糖液糖同様の悪影響が生じます。

 

 

 

異性化糖を生産する背景

 

異性化糖の使用は企業の営利にとっては好都合です。

 

 

砂糖よりも原価が安い。

 

 

常温で液状、かつ粘性が少ないため、輸送や貯蔵がしやすい。

 

 

砂糖に比べて甘みが残りにくく、さっぱりしているので、消費を増やしやすい。

 

 

ブドウ糖はさつまいもやトウモロコシのデンプンを原料とするが

 

砂糖の代替として不向きである

 

 

デンプンを異性化糖に加工することで砂糖の代替品ができる。

 

 

 

異性化糖の特徴

 

砂糖は低温で甘みを感じにくい。

 

砂糖に比べて甘みが強い。

 

生成される果糖は他の風味を強める。

 

 

この異性化の特徴が貴方の健康を損ねるもとになります。

 

次回、その2をお楽しみに