When bad humours afflict an individual with a rash on his entire body, one should wait awhile until the abscesses mature and the humours are discharged. When the skin between the abscesses turns red and begins to dry out, a suitable salve should be applied without delay. In this way, the skin will not become more painful through the infection and will not relapse into sepsis. (CC154,33)

 

悪い体液をもつ人は全身性の発疹に苦しみますが、そのひとは膿瘍が熟してその悪い体液が排出するまでのしばらくの間待たなければなりません。膿瘍間の皮膚が赤くなって乾燥すると、遅滞なく適切な膏薬を塗布すべきでしょう。このように、皮膚は感染によって痛みが増すことはないであろうし、敗血症にまで陥ることにはならないでしょう。

 

 

<解説> 

聖ヒルデガルトの皮膚を通しての治療理論は、現代にも通用するとても傑出した役割をもっています。聖ヒルデガルトが考えていた悪い体液とは何か、ということはとても興味深い内容を含んでいるように思われます。

 

聖ヒルデガルドの時代にはウイルスはおろか細菌を直接調べる顕微鏡などは開発されていなかったにもかかわらず、感染症の概念をもっていたことには驚かされます。

 

一般的にいって、膿瘍を形成するような発疹は感染性のものが主ですが、栄養関連の代謝毒、皮膚アレルギーを引き起こすアレルゲンなども悪い体液に含まれている可能性があります。なお、敗血症とは、細菌等が血流に乗って全身性に散布されておこる重篤な病態です。

 

聖ヒルデガルトは、こうした悪い体液により全身に発疹が出現しても、膿瘍形成という自然治癒の過程を待つことが大切であり、そのうえでタイミングよく適切な軟膏処置をすれば、悪い体液が血液中に流れこむことが防げると考えていたようです。

聖ヒルデガルドの医学と漢方医学との接点(2)

 

Although the human brain is mostly healthy and pure, sometimes disturbances of the air and the other elements rise up to the brain and pull various humors(fluids)back and forth to the brain, causing a foggy smoke to appear in the passages of the nose and throat, so that a harmful slime collects there like the smoke of foggy water. This slime draws the diseased parts of the weak fluids together, so that they are painfully secreted out of nose and throat; similarly, ulcers break open when they are ripe and the slime in the drains; and no food can be cooked without ridding itself of impurities through the cleansing foam. In the same manner the soul works in the human body, when all the body fluids in the eyes, ears, nose, mouth, and digestive tract- each in their own way- are cooked through the fire of the soul, like a food is cooked over the fire, until it brings up foam. (CC134,19)

 

人間の脳は、いつもは健康で純正なものですが、ときとして空気やその他の元素が混乱して脳に達すると様々な体液が脳を去来するようになります。そうすると鼻や喉の通路に霧状の煙をもたらし、その結果、霧状の水煙のように有害な粘液をそこに集めます。この粘液は弱った体液の病んだ部分から寄せ集められてきて、それらは鼻や喉から激しく分泌されます。同様に、それらの分泌物が熟腐していて粘液を排出すれば潰瘍が発現します。不純物を洗浄泡で取り除かずに食物を調理することはできません。それと同様に、魂が人体内で働くのは、あたかも食物が火の上で調理されるように、目、耳、鼻、口、消化管にあるすべての体液がーそれぞれ独自の様式でーそれが泡を吐き出すまで調理されるからなのです。

 

<解説> 聖ヒルデガルトは「脳」をどのように考えていたのかは、「魂」との区別がわからないと難しそうです。それから、聖ヒルデガルトの医学用語には神経(自律神経、感覚神経、運動神経など)という言葉は登場しないので、「通路」とか「霧状の(煙)」などの比喩で表現されている箇所があるようです。

 

ところで聖ヒルデガルト鼻や喉で分泌物が排出される発端として、空気やその他の元素の混乱を考えていることがわかります。聖ヒルデガルト医学において元素というのは、空気、火、水、土の4元素なので、4元素の混乱が、鼻や喉に異常分泌液をもたらす、ということになります。これら4元素は体内にも体外にも存在しますが、病気の原因としてわかりやすいのは、体を取り巻く環境としての4元素の混乱です。端的な例を挙げるならば、4元素とは気象を構成する要素であり、4元素の混乱とは気象の変動ということになるでしょう。これらは現代医学でも中医学でも外因とよんで同様な認識をしています。

 

より具体的に言うならば、外気の寒熱・乾湿ということになります。

 

こうした元素の混乱が脳に達するというプロセスを聖ヒルデガルドは想定していますが、これはどういうことなのでしょうか。私たちは外気温や風の強さを感じることはできます。そのわけは、私たちの皮膚や粘膜には触覚,圧覚,温覚,冷覚, 痛覚という五種の感覚受容器があるからです。皮膚や粘膜は、感覚情報を受け取り、神経へ感覚情報を伝達する器官• 感覚受容器は,への情報伝達を可能にしていることは確かです。

 

ただし、ここで私はとても興味深いことに気づくことができました。以前「乾湿感」という言葉を耳にしたときには不覚にも疑問には思いませんでしたが、温度とは違って、私たちには湿度を直接感じることができるセンサーを持っていないということです。特に瞬時的な乾湿状態を私たちは把握することはできません。それでも私たちは皮膚の荒れや鼻腔内の乾燥具合でどうにか乾湿状態を把握することはできます。それは乾燥状態、湿潤状態は、一定の時間が経過してはじめて鼻や皮膚の状態の変化をようやく感知できるものだからです。乾湿の感覚は健康や生命維持にとって大切であり、とくに脱水状態に陥らないことは極めて重要なことです。ひとは視床下部にある渇中枢が刺激されて口渇を感じて、飲水行動を取るような仕組みをもっています。

 

聖ヒルデガルトは目、耳、鼻、口、消化管にあるすべての体液について言及していますが、たしかに皮膚の乾燥以上に問題なのは粘膜の乾燥です。粘膜の生理的な体液が欠乏してしまうと、粘膜は諸感覚を含め機能を失ってしまい、生命の維持すら危うくしてしまうからです。鼻や喉から粘液が激しく分泌する生体反応も、病的反応あるいは病気の兆候としてばかりではなく、粘膜の異常乾燥を防ぐための身体の防御反応と見ることも可能ではないかと思われます。

 

聖ヒルデガルトは「脳」を粘膜や皮膚の感覚受容体から感覚神経を経て文字通り中枢である脳に達するまでのすべての入力プロセスを意味しているように思われます。これに対して「魂」とは「脳」に発して運動神経や筋肉を介しての身体の諸々の反応や働き、さらには思考や決断・意思に基づく行動に至るまでのすべての出力プロセスを意味しているように思われます。

 

養生の基本は、外界の寒冷・暑熱という病気の外因に対して適切な対応をすることですが、乾燥や湿潤に対する備えは疎かになりがちです。それが証拠に、現代においてもインフルエンザの大流行があり、また、夏の脱水症・熱中症などが問題になっています。

 

Q3-実際 

花粉症で悩んでいます。漢方が効いたという友人がいますが、誰にでも効くのでしょうか?

 

A3-実際 

全く効かないという人はほとんど経験しません。そういう意味では、花粉症に対して漢方は良く効くといえるでしょう。花粉症というのは、西洋医学的な病名ですが、実際にはアレルギー性結膜炎とアレルギー性鼻炎が中核をなすことが多いです

 

漢方が得意とするのは、圧倒的にアレルギー性鼻炎です。アレルギー性鼻炎は、くしゃみ・鼻汁(鼻水)を主とするタイプと鼻閉(鼻づまり)を主とするタイプがあります。鼻閉があればアレルギー性鼻炎の重症度は重度に分類されます。実際には、両方のタイプが合併する例が少なくありません。

 

漢方薬は、それぞれのタイプで使い分けるとより効果的です。たとえば、くしゃみ・鼻汁タイプであれば、葛根湯、葛根湯加川芎辛夷、小青竜湯、荊芥連翹湯、辛夷清肺湯、麻黄附子細辛湯が標準です。これに対して、鼻閉タイプであれば、葛根湯加川芎辛夷、辛夷清肺湯が標準です。      

しかし、両方のタイプが合併する場合は、高円寺南診療所30年の経験を踏まえて、時間薬理学的処方を試みます。これは、時間帯によってもっとも適した漢方薬をチョイスする方法です。杉並国際クリニックでは、朝食前に出勤に備えてくしゃみや鼻汁をコントロールして眠気を醒ます小青竜湯、夕食前には就寝に備えて鼻閉を解消して熟睡を助ける越婢加朮湯を処方することで、花粉症の治療だけでなく、生活リズムの修正をはかることを試みて大多数で著効若しくは有効な成績をおさめています。

      

ただし、これもワンパターンではありません。朝用に処方している小青竜湯は比較的体力があって胃が丈夫で暑がりの方にはよく合うのですが、逆に、体力が十分でなく胃腸虚弱で冷え性の方には、かわりに苓甘姜味辛夏仁湯を処方します。

 

また、鼻閉型では口呼吸に伴い口腔・咽喉頭粘膜が乾燥して嗄声(かすれ声)になっていたり、いつも喉に痰が絡まっているような、つまったような、あるいはムズムズするような異常感覚に悩まされたり、扁桃の周囲に炎症を来しているケースも数多く見られます。

このような場合には、昼食前に、それぞれの徴候に対応した漢方薬を処方することで、更なる改善をはかることができます。

Q2-実際 

歯科医師も漢方薬を処方できるのですか?

 

 

A2-実際 

歯科領域でも漢方の適応が増え、現在は11処方が認められています。たとえば、抜歯後の疼痛には立効散、歯槽膿漏には排膿散及湯などが有名です。もちろん内科医はオールラウンドに処方することができます。たとえば、口内炎には、半夏瀉心湯、黄連解毒湯、黄連湯、茵蔯蒿湯、口渇には、五苓散、白虎加人参湯が保険適応です。

 

最近新たな適応として4処方があり、顎関節症に対して葛根湯や芍薬甘草湯、味覚障害に対しては補中益気湯や十全大補湯を挙げることができます。

 

漢方治療に関しては一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へ

のHPを検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

そのため、以下のQ&Aを採り上げ、解説を加えてきました。

 

慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&A

 

富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&A

 

 

三和生薬株式会社のHP「よくあるご質問」をご紹介しております。

 

 

 Q

漢方薬の効果を高める方法はありますか?

 

A

漢方薬はおだやかに効くというのが特徴ですが、少しでも早く症状が楽になると良いですね。効果的に効かせるためには『養生(ようじょう)』も必要です。

 

当たり前のようですが、食生活の見直し、規則正しい生活、腹八分目、体を冷やさない、運動をして血行を良くするなどを併せて行なえば体内が活性化して効果も一段と高まります。

 

その処方にあった具体的な養生法(ようじょうほう)はお買い求めの薬局・薬店にご相談ください。

 

 

<杉並国際クリニックからのメッセージ>

現在日本の東洋医学界では、古典医学書に基づく薬物療法を漢方医学、経穴などを鍼や灸で刺激する物理療法を鍼灸医学、両者をまとめて東洋医学と呼んでいます。

 

ところで<最近、漢方薬が効きにくくなってきた>、と嘆く漢方薬処方医同志の会話を学会の懇談会で耳にしたことがあります。さすが、漢方専門医だけあって、不適切な処方が原因ではなく、具体的な養生法を患者さんに説明しても、多忙、面倒などの言い訳ばかりが目立ち、一向に生活習慣を改めようとしない患者さんが増えてきたことを残念に感じているようでした。

 

杉並国際クリニックでは、漢方薬の効果を高めるために以下の工夫をしているのでご紹介いたします。

 

そもそも漢方医学または漢方は、狭義では漢方薬を投与する医学体系を指します。また漢方は、漢方薬そのものを意味する場合もあります。広義では、中国医学を基に日本で発展した伝統医学を指し、鍼、灸、指圧なども含んでいます。

 

そこで、漢方薬の処方単独でなく鍼灸療法を組み合わせることによって、治療上の相乗効果を期待することができます。これらの養生法に加えて鍛錬法も重要であり、バランスよく両者を取り入れることができるようにサポートすることが大切だと考えています。

 

 

以下のQ&Aを採り上げ、解説を加えてきました。

 

慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&A

 

富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&A

 

三和生薬株式会社のHP「よくあるご質問」をご紹介いたします。

 

 

 Q

家族(知人)と同じ症状(病気)なので貰って服用して良いですか?

 

A

「証(しょう)」(Q1を参照)の箇所で説明した様に、西洋医学の診断で同じ病名がついても、漢方医学的な診断が違う場合には使う薬も違います。自己判断で服用せずに必ず医師または薬局・薬店にご相談ください。

 

 

<杉並国際クリニックからのメッセージ>

「知人と同じ症状なので貰って服用」した経験のある方は結構いるようです。

 

一番問題なのは、自分に効果がある薬だからといって、他人に強く勧める方です。このような悪しき行為は、漢方薬に限らず、とくに睡眠薬などでもみられる現象です。幸い、このような理解のレベルの方は、杉並国際クリニックの診療レベルを知って積極的に選んで定期的に受診されている患者さんにはみられません。

 

なぜならば、同じ症状だからといって、同じ原因によるものとは限らないし、同じ病気であるかどうかの判断はできないはずだし、仮に同じ原因で同じ病気だったとしても、効果の現れ方や副作用の起こり方は、一人一人の体質やコンディションの違いによって異なることを学習されているからです。

 

漢方薬は副作用の無い安全な薬だという思い込みや、素人判断によって他人に害を及ぼしかねないことに対して鈍感な方も珍しくはない昨今です。杉並国際クリニックは、そうした誤りに対しても、懇切丁寧に訂正させていただき、皆様と同様に、皆様の周囲の人々にとって有益な結果が得られるよう支援させていただきたいと考えています。

 

一方で、中医学の伝統的な考え方の一つに、「母子同服」というものがあります。最近では、高齢者の認知症にも使われるようにもなった漢方薬で、古来より子どもの心身症に使う「抑肝散」は、昔から母子同服が望ましいと指示があります。心理学も発達していない時代に、漢方治療では母子関係の重要さに着目していたのです。

 

一番身近いいるお母さんなどの存在は、子どもに大きな影響を与えます。子どもの病気の原因がお母さんとの関係にあることも少なくありません。そのため、漢方療法では、診察時には子どもだけでなく、お母さんの様子も観察します。

 

子どもに質問しているのにお母さんが先取りして返事をする(過干渉)、子どもがいちいちお母さんの顔色を見ながら返事をする(過剰適応)、というような場合、お母さんの干渉が強すぎて子どもにストレスを与えていると考えられます。特にお母さんが精神的に不安定である場合は、子どもだけでなくお母さんにも気持ちを静める漢方薬を処方するようにします。これを「母子同服」といいます。

 

この場合も、医師による見立てによって処方された漢方薬を内服していただくのが原則であって、お母さんが自己判断で「母子同服」を行うことはとても危険ですので、厳に戒めてください。

三和生薬株式会社のHP「よくあるご質問」をご紹介しております。

 

Q

漢方薬をオブラートに包んで服用しても良いですか?

 

A

漢方薬は、本来その香りや味も重要な薬効の一つです。しかし、どうしても苦手な人がいるのも事実です。止むを得ない場合はオブラートに包んで服用しても問題ありません。胃の中で早く溶けるように少し多めの白湯(さゆ)を一緒に飲むのを忘れずに!

 

 

<杉並国際クリニックからのメッセージ>

漢方薬がどうしても苦手な人には、治療の必要性があっても、敢えて内服を勧めません。その理由は、不快な有害反応が若干発生しやすくなるからです。

 

しかし、何とか漢方薬を服用できそうな方には、治療の必要性があれば、積極的にお勧めしています。今まで内服の経験の無い方ばかりでなく、これまで漢方薬を我慢して内服していた方であっても、お薬に慣れて内服が苦でなくなり、あるいは習慣になり、また効果が出始めると、親しみを感じて美味しく感じられるという方もいらっしゃいます。

 

漢方薬の飲み方については、クラシエ薬品のウェッブサイトが役に立つと思いますので、紹介します。

 

クラシエ薬品が運営する医療用医薬品ウェブサイト

 

漢方治療に関しては一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へ

のHPを検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

そのため、以下のQ&Aを採り上げ、解説を加えてきました。

 

慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&A

 

富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&A

 

現在は、三和生薬株式会社のHP「よくあるご質問」をご紹介しております。

 

Q

中国の漢方薬と日本の漢方薬は同じですか?

 

A

違います。原点は中国の古医書に基づきますが、江戸時代にオランダから西洋医学が伝来し「蘭方(らんぽう)」と呼ばれたため、日本の医学は漢に由来する医学ということで「漢方」と呼ぶようになり、この時期から日本独自に発達したものです。

 

中国の漢方薬は「中薬(ちゅうやく)」と言い中医学という考えに基づいています。

 

「中薬(ちゅうやく)」の中には日本と同じ名前の処方もありますが内容や配合比率、量などは同じとは限りません。

 

また、日本で製造販売される漢方薬は厳しい安全基準が定められていますが、外国製の場合、日本で認められていない農薬や添加物などが使われていることがあります。

 

 

<杉並国際クリニックからのメッセージ> 

質問者は「中国の漢方薬」、「日本の漢方薬」という表現を用いています。質問者は医学、とりわけ漢方医学の専門家ではないと想定されますので、回答者は、まず用語の意味について解説するところから説明をはじめることが大切ではないかと思います。

 

そのそも漢方薬とは、日本の医薬品です。そして意外に思われるかもしれませんが漢方医学は、日本で発達した日本医学です。ですから、ことさらに「中国の漢方薬」というのは不適切な表現であり、ふつうは「中医薬」ということになります。専門家が、あえて「中国の漢方薬」と表現する場合には、特別な背景や事情があると考えてよいでしょう。

 

漢方医学は「気血水」「虚実」などの理論や、「葛根湯」などの方剤(複数の生薬の組み合わせ)を中国医学と共有し、テキストとして中国の古典医学書が用いられてきました。しかし両者には多くの違いがあり、漢方医学の特徴としては具体的・実用主義的な点が挙げられます。

 

現在の漢方の主流の一つである古方派では、中国医学の根本理論である陰陽五行論を観念的であると批判し排除しました。そのため、古方派漢方には病因病理の理論がなく、主に「証」の概念に応じて『傷寒論』など古典の記載に則って処方をします。証を立てるための診断法としては、腹診を重んじることが特徴です。脈診を重視する中医学とは対照的です。

 

また、日本で使われる生薬の種類は中国より少なく、一日分の薬用量は中国に比べて約3分の1です。

 

漢方医学の処方は、『傷寒雑病論』(『傷寒論』及び『金匱要略』と呼ばれる2つのテキストとして残る)を基本とした古い時代のものに、日本独自の経験に基づいて改変を加えたものです。「温病」(うんびょう)など、明から清にかけて中国で確立した理論は、温病論に関心のある専門家を除いて、ほとんど漢方医学には受け継がれていません。

 

杉並国際クリニックが使用する漢方製剤は、保険適応となっている漢方エキス製剤のみであり、一日分の薬用量も中国に比べて概ね3分の1以下です。ただし、古方派漢方医学のように腹診を尊重し、経験の蓄積に基づく実証的な立場を維持しつつ、中国医学の根本理論である陰陽五行論を軽視せず、むしろ尊重し、さらには西洋医学との組み合わせにより統合的な診断・治療を実践しています。

漢方治療に関しては一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へのHPを検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

 

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

 

そのため、以下のQ&Aを採り上げ、解説を加えてきました。

 

慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&A

 

富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&A

 

 

三和生薬株式会社のHP「よくあるご質問」をご紹介しております。

 

Q

漢方エキス剤と煎じ薬の違いは?

 

A

よくたとえられますが、インスタントコーヒーとドリップコーヒーの違いと思ってください。エキス製剤は煎じた汁の水分を飛ばして粉末にしてから細粒や錠剤にします。

 

両者は全く同じとは言えませんが、エキス製剤は携帯も便利で煎じる手間もいらず、手軽に服用出来るので今では広く用いられています。

 

 

<杉並国際クリニックからのメッセージ>

高円寺南診療所では、エキス製剤を使用してきました。解説での表現を借りるなら、インスタント漢方薬、ということになりそうです。<製剤名の最後に「湯(トウ)」>が付いていれば、原則的にはインスタント・コーヒーのようにお湯を注いで、薬剤エキス顆粒をよく溶かしてから、ゆっくり内服していただきます。

 

ただし、これにも例外があって、たとえば、吐き気を催しているような場合には、冷水とともに内服していただくのが良いでしょう。

 

 

杉並国際クリニックでも、引き続き、エキス製剤を処方していきます。

 

エキス製剤のメリットは、たとえば、1日2回ないし3回服用していただくときに、かならずしも同じ漢方薬でなくても処方し易いということです。

 

同じ人でも、概日リズム(サーカディアン・リズム)があるため、朝のコンディションと夜のコンディションでは異なります。そのため、朝には朝用、夜には夜用の漢方を処方することによって、メリハリのある1日をサポートすることが、エキス製剤では容易に可能となります。

 

せんじ薬は、同じ薬をまとめて調剤せざるを得ないので、杉並国際クリニックでも引き続き実践する時間薬理学的な発想に基づく処方を行うことには不向きだと思います。

漢方治療に関しては一般社団法人 日本東洋医学会 一般の方へ

のHPを検索してみました。

 

ここには<漢方ストーリー>という読み物がりますので、お読みになってください。

ただし、具体的なQ&Aは掲載されていません。

 

そのため、以下のQ&Aを採り上げ、解説を加えてきました。

 

慶應義塾大学医学部漢方医学センターの漢方Q&A

 

富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科-Q&A

 

 

三和生薬株式会社のHP「よくあるご質問」をご紹介しております

 

最後に<杉並国際クリニックからのメッセージ>を加えてきました。

 

 

A

授乳中ですが漢方薬なら飲んでも乳児に影響はないですか?

 

前回の、この質問に対する追加の情報です。

 

ツムラのホームページのQ&Aが若干の言及しています。

 

Q:
授乳中ですが漢方薬は飲めますか?

 

A: 

薬の種類、服用期間、お母さん及び赤ちゃんの状態などを総合的に考慮する必要があります。例えば、便秘に効果のある漢方薬をお母さんが飲んでいると、その授乳を受けた赤ちゃんが下痢するということがあります。その他の漢方薬については、いまのところ問題となる報告はされておりませんが、念のため、受診する時、あるいは薬局薬店でお薬を買う時に、授乳中であることをお申し出ください。

 

 

<杉並国際クリニックからのメッセージ>

「便秘に効果のある漢方薬」とは、一般的には大黄を含む漢方薬を指すものと考えてよいでしょう。しかし、実際には、大黄だけではないようです。

 

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構のホームページには、より具体的なQ&Aがあります。

 

Q3

授乳中です。赤ちゃんに影響の少ない市販の便秘薬はありますか?

 

A3

赤ちゃんへの影響はないと考えられているくすりもあります。薬局で便秘薬を買う時には、薬剤師に授乳中であることを伝えて相談してください。

 

解説

便秘薬は、大まかに、

(1)腸の粘膜を刺激して腸の動きを活発にするものと、

(2)便に水を含ませ便を軟らかくするものに分類されます。

 

(1)に分類される便秘薬のうちピコスルファートナトリウムやビサコジルは母乳中へはほとんど移行しないので乳児への影響はないとされています。しかし、例えば、センノシド、センナ、ダイオウ、カサンスラノールなどは母乳中に移行して乳児に下痢を起こすことがあるとされています。これらを服用する場合は、授乳しないでください。

 

(2)に分類される酸化マグネシウム、グリセリンなどは、水分を腸管内に移行させて便のかさをふやし、軟らかさを保ちます。通常は体内にほとんど吸収されないので乳児への影響はほとんどないと考えられます。

 

まず問題ないとされるくすりでも、赤ちゃんに軟便や下痢など普段と違った様子がないかよく観察しながら服用(使用)してください。

 

便秘薬の使用に加えて適度な運動と十分な水分摂取や、サツマイモ、セロリ等の繊維の多い野菜を摂るなどの食生活の工夫も併せて行うと効果的です。くすりを服用しても便秘が長期にわたる場合は医療機関を受診してください。その際は、授乳中であることを医師に必ず伝えましょう。