日本腎臓病学会のHPには、有益情報が満載されています。

 

そこで今回から、テーマは腎臓内科の慢性腎臓病(CKD)です。

 

「エビデンスに基づくCKD 診療ガイドライン2018」を紹介します。

 

最後に、杉並国際クリニックからのコメントを加えました。

 

 

慢性腎臓病(CKD)とは、何らかの腎障害が3ヶ月以上持続する場合と定義されています。症状が出現することはほとんどないため、永らく見落とされてきた新たな国民病であり、多くの皆様に関わってくる病気です。蛋白尿や腎機能異常(eGFRの測定)により診断されます。

 

慢性腎臓病は、腎臓という単一臓器の疾患ではなく、生活習慣病としての側面をもつ多臓器疾患、すなわち全身病へと発展するリスクのある疾患であることを理解してください。

 

 

第2章    生活習慣

 

Q 1 

CKD患者に禁煙は推奨されるか?

 

A1

 CKD進行やCVD発症および死亡リスクを抑制するためにCKD患者に禁煙は推奨されます。

 

Q 2 

CKD患者の適度な飲酒量はどの程度か?

 

A2

CKD患者を対象とした観察研究が少なく,適度な飲酒量についての推奨は困難です。

 

 

Q 3 

CKD患者の睡眠時無呼吸症候群に対する治療は推奨されるか?

 

A3 

CKD患者の睡眠時無呼吸症候群に対して治療を行うよう提案します。

 

Q 4 

CKD患者にワクチン接種(肺炎球菌ワクチン・インフルエンザワクチン)は推奨されるか?

 

A4

CKD患者における肺炎球菌ワクチンおよびインフルエンザワクチン接種の感染予防効果は明らかではないが,ワクチン接種後の抗体価の上昇が認められており,接種するよう提案します。

 

 

杉並国際クリニックからのコメント

禁煙は、患者指導の基礎の基礎であり、教養ある社会人として、東京のような人口密度の高い大都市で生活するのであれば、なおさら最低限度のマナーの一つであると考えます。そして、ワクチン接種(肺炎球菌ワクチン・インフルエンザワクチン)は必ず接種してください。

 

喘息や慢性気管支炎あるいは狭心症や心筋梗塞の既往があるにもかかわらず、禁煙する意思のないかたも少なくありません。中には肺癌で手術を受けて片肺になって酸素療法をしているのにタバコを吸い続ける強者までいらっしゃいます。

 

喫煙者は喫煙継続のためには実にしたたかな言い訳をして、ときには禁煙指導者を敵視することさえあります。そうした喫煙者の口からしばしばこぼれ出てくる言葉が「医師はサービス業ではないのか?」とか、「患者中心の医療の時代だろ?」などの表現です。こうした言葉を頻繁に使っている患者さんの中には、言葉の意味を弁えていない人が少なくありません。  

 

まさか<無料で物や労務の提供をする業務をする人である>とまで思い込んでいるひとは居なくなりましたが、<お客様相手の商売人で、お金さえ払えばわがままをきいてくれて当然の仕事をする人>と考えている方は、残念ながら未だに後を絶ちません。このような方たちは、無責任で無教養なカタカナ日本語のニュアンスで感覚的に受け止めている人たちであって、彼らの理解のレベルといえば、ひどいものです。試みに、サービス業に関する彼らの認識のレベルを分類してみます。

 

レベルⅠ:商売で、値引きしたり、おまけをつけたりすること。

 

レベルⅡ:商売で、客をもてなすこと。

 

少なくとも、そうした彼らには、以下のレベルでの理解を期待することは経験上極めて困難です。言語である英語のServiceには以上のような意味はありません。

 

「医師はサービス業ではないのか?」とか、「患者中心の医療の時代だろ?」と発言する人は、せめてレベルⅢもしくはレベルⅣの意味を前提として発言していただきたいものです。

 

 

レベルⅢ:人のために力を尽くすこと。

 

レベルⅣ:質的財貨を生産する過程以外で機能する労働。用役。役務。

 

これに対して杉並国際クリニックが目指す医療は、次のレベルⅤの意味を前提とするものです。

 

 

レベルⅤ:プロフェッションとして人のために尽くすこと。プロフェッションとは,西欧で,宗教家・医師・法律家の3つを指し,「人のために尽くすよう天地神明に誓うことが求められる専門職」という意味の言葉です。

少し脱線してしまいましたが、この記事をお読みになっている皆様には必要のないコメントであったかもしれません。

内科Ⅱ(循環器・腎臓・老年医学)

 

日本腎臓病学会のHPには、有益情報が満載されています。

 

そこで今回から、テーマは腎臓内科の慢性腎臓病(CKD)です。

 

「エビデンスに基づくCKD 診療ガイドライン2018」を紹介します。

最後に、杉並国際クリニックからのコメントを加えました。

 

 

慢性腎臓病(CKD)とは、何らかの腎障害が3ヶ月以上持続する場合と定義されています。症状が出現することはほとんどないため、永らく見落とされてきた新たな国民病であり、多くの皆様に関わってくる病気です。蛋白尿や腎機能異常(eGFRの測定)により診断されます。

 

少し専門的で難しい部分もあるので、全てを理解する必要はありませんが、CQ2とCQ4は知っておくと良いと思います。私のコメントを読んでください。

 

 

第1章    CKDの診断と意義

 

CQ 1-1 

CKDはどのように診断されるのですか?

 

A

推奨 CKDの定義は以下の通りであり,①,②のいずれか,または両方が3カ月以上持続することで診断します。

 

 

① 尿異常,画像診断,血液,病理で腎障害の存在が明らか,特に0.15 g/gCr以上の蛋白尿(30 mg/ gCr以上のアルブミン尿)の存在が重要.

 

②糸球体濾過率(GFR)<60 mL/分/1.73 ㎥ 

 

なおGFRは日常診療では血清Cr値,性別,年齢から日本人のGFR推算式を用いて算出します。  

 

eGFRcreat(mL/分/1.73 m2)= 194×血清Cr(mg/dL) -1.094×年齢(歳) -0.287  

女性の場合には×0.739

 

注:酵素法で測定されたCr値(少数点以下2桁表記)を用いる.18歳以上に適用します。

 

 

CQ 1-2 

CKDの重症度はどのように評価するのですか?

 

A

推奨  CKDの重症度は,原疾患(Cause),腎機能(GFR),蛋白尿・アルブミン尿(Albuminuria)に基づく CGA分類で評価します A 1 .

 

CQ 2 

尿蛋白1+以上の健診受診者は医療機関への受診が推奨されるか?

 

A

推奨  健診受診時に尿蛋白1+以上の受診者は-や±の受診者と比べてESKDに至るリスクのみならず, 心血管死や総死亡のリスクも高いことが示されています。医療機関での診療を受けることにより,これらのリスクを軽減できる可能性があるため受診が推奨されます。 

 

 

CQ 3 

65歳以上の健診受診者でeGFR 45未満の場合,医療機関への受診が推奨されますか?

 

A

推奨  65歳以上であってもeGFRが45より低値では,総死亡およびESKDのリスクが上昇することから,eGFR 45未満の場合には腎臓専門医・専門医療機関への受診が推奨されます。 B 1 .

 

 

CQ 4 

特定健康診査(メタボ健診)においてアルブミン尿・蛋白尿検査は推奨されるますか?

 

A

推奨  メタボ健診においてアルブミン尿・蛋白尿陽性者は全死亡, CVD発症,腎機能低下の高リスク群であるため,アルブミン尿・蛋白尿検査を行うよう推奨します .

 

 

 

杉並国際クリニックからのコメント

高円寺南診療所開設の初期から、初診時には尿検査を行ってきました。採尿用の紙コップに尿を採っていただければ、簡単に蛋白尿を調べることができます。

杉並区の健診などにも基本的な検査項目に含まれています。この検査は、半定量法といって、アナログ数値ではなく、

「ー ± + ⧺・・・」

で評価します。

 

なお測定対象は尿蛋白であり、尿アルブミンではありません。アルブミンは蛋白の主要な成分の一つです。

 

CQ-2の回答では<健診受診時に尿蛋白1+以上の受診者は-や±の受診者と比べてESKDに至るリスクのみならず, 心血管死や総死亡のリスクも高いことが示されています。>と説明しているとおり、健診受診時に尿蛋白1+以上であれば、再検査することをお勧めします。

そして、その際には、より厳密な方法で、尿中のタンパク濃度のみならずアルブミン濃度の数値データを得ることが大切です。

 

またCQ-4は、特定健康診査(メタボ健診)におけるアルブミン尿・蛋白尿検査の必要性についてですが、回答では<アルブミン尿・蛋白尿陽性者は全死亡, CVD発症,腎機能低下の高リスク群>であることを説明しています。国民的な広がりを持つのがCKDであり、しかも、初期には症状に乏しいために、見落とされがちなので、特定健康診査(メタボ健診)においてアルブミン尿・蛋白尿検査を実施することは、受診者にとってCKDの早期診断のために価値のあるものだと思います。

内科2

 

糖尿病はもはや国民病です。糖尿病専門医だけに任せておけばよい病気ではありません。薬物療法の発展は目覚ましいのですが、食事療法、運動療法、生活習慣編世用のための行動療法を駆使して治療に当たるのでなければ、コントロールに至ることは難しいです。

 

糖尿病は動脈硬化性疾患とならんで臨床栄養学の中では中心的な病態です。私は、糖尿病専門医ではありませんが、たいていの糖尿病専門医よりは、糖尿病について深くかかわり、実践してきたという自負があります。

 

私は、昭和学院短期大学のヘルスケア栄養学科で、臨床栄養学を担当していたことがありますが、「臨床栄養学」の教科書を2冊出版して、改訂を重ねています。どうぞご参考になさってください。

 

 

Q1-7 

糖尿病の病型分類(成因)と病態(病期)の関連はどのようなのですか?

 

【要点】

成因(発症基準)と病態(病期)は明確に区別しなければなりません。各疾患について、両方を併記する必要があります。

 

糖尿病は、その成因によらず、糖尿病が発病するまでの過程で、種々の病態を経て進展するものと考えられ、また治療に寄っても病態が変化する可能性があります。

 

糖尿病はインスリン作用不足の程度によって3段階を区別することは有用です。

① インスリン治療が不要なもの

②血糖コントロールのためにインスリン注射が必要なもの

③ケトーシス予防や生命維持のためにインスリン投与が必要なもの

 

インスリン依存状態とはインスリンを投与しないと、ケトーシスを来し、生命に危険が及ぶような状態をいいます。

 

ケトーシス予防や生命維持のためのインスリン投与は不要だが、血糖コントロールのためにインスリン注射が必要なものはインスリン非依存状態にあります。したがって、インスリン治療中の患者はインスリン依存状態にあるとは限りません。

 

 

【 杉並国際クリニックの実地臨床からの視点 】

糖尿病を理解するために、まず、糖尿病は一種類ではないということ、同じタイプの糖尿病であっても、病期といって病状の進み具合が異なれば、それに応じた対応が必要であることを弁えてください。

 

そこで、まず糖尿病を成因によって分類してみます。従来、糖尿病は基本的に1型、2型という用語で大きく分類されてきました。しかし、近年明らかになってきた遺伝子異常による糖尿病は「遺伝因子として遺伝子異常が同定された糖尿病」として、これらとは別の括りになります。ただし、一人の糖尿病患者さんの成因は必ずしも一つである場合ばかりではなく、現時点ではいずれにも分類できない「分類不能」の糖尿病もあります。

 

①1型糖尿病:主に自己免疫を基礎にした膵β細胞の破壊性病変のためにインスリンが欠乏することによって発症する糖尿病

 

ウイルス感染など何らかの誘因・環境因子が加わってHLAなどの遺伝因子に作用して起こります。他の自己免疫を合併することが多いです。

 

多くの症例では、発病初期に膵島細胞抗原に対する自己抗体(膵島関連抗体)が証明されます。

 

ただし、なかには「特発性」といって自己抗体が証明されないままインスリン依存状態に至る例があります。

 

その場合、清涼飲料水ケトーシスなどによって、一次的にインスリン依存状態に陥るもの、遺伝子異常など他の原因が特定されるものは特発性には含めません。

 

なお発症・進行の様式によって、劇症、急性、緩徐進行性に細分類されます。

 

 

② 2型糖尿病:インスリン分泌低下やインスリン抵抗性をきたす複数の遺伝因子に、過食(特に高脂肪食)・運動不足などの生活習慣、およびその結果としての肥満が環境因子として加わりインスリン作用不足を生じて発症する糖尿病、インスリン非依存状態である糖尿病の大部分がこれに属します。

 

2型糖尿病も遺伝子との関連がありますが、大部分の症例では多因子遺伝が想定されています。単一の遺伝子によるものとは異なり、肥満が環境因子として加わることによって発病し易くなります。その理由の一つは、肥満になるとインスリン感受性が低下するからです。インスリン分泌では、特に糖負荷後の早期の分泌反応が低下します。

 

結果的にインスリン分泌低下とインスリン感受性低下の両者が発病にかかわっており、この両因子の関与の割合は症例によって異なります。

 

膵β細胞機能は、ある程度保たれており、生存のためにインスリン注射が必要になることはまれです。しかし、感染などが合併するとケトアシドーシスという病態を来すことがあります。この病態を招くメカニズムを説明します。

 

まず、糖尿病などでインスリンが不足すると、血液中のブドウ糖を代謝できなくなり、高血糖状態になります。 すると、体はその代わりに脂肪を分解してエネルギーをつくり出します。 このときに副産物としてつくり出されるケトン体が血液中に急に増える(高ケトン血症)ことで、血液が酸性になり(ケトアシドーシス)、体に異常が発生するというしくみです。

 

これを糖尿病ケトアシドーシスといいます。糖尿病ケトアシドーシスは、若い人で発症しやすいといわれています。 高血糖の症状と、悪心・嘔吐・腹痛などの消化器の症状、またグルコースが尿の中に大量に排泄されることで起こる浸透圧利尿により、体液や電解質が失われることで脱水状態になります。 脱水やアシドーシスになると、低血圧や頻脈がみられることがあります。

日本循環器病学会のHPには、有益情報が満載されていますので、それを紹介します。

 

最後に、杉並国際クリニックからのコメントを加えました。

 

 

心疾患など、慢性疾患を有する人たちは以前には病状の悪化を恐れるあまり、医師でさえも運動を禁止する傾向にありました。

 

それが、最近では運動によって患者の生活の質・人生の質(QOL)が改善することが明らかにされてきました。

 

現在では、むしろ許容範囲内であれば運動・スポーツへ参加することを勧めています。

 

心疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン(2008年改訂版)では、学校、職域、スポーツにおける心疾患の重症度に応じた運動許容条件を示しています。

 

 

Q4

心疾患における運動強度は、どのように決定するのですか?

ちなみに私は高血圧で降圧薬を服用しています。    

 

A

高血圧患者はリスクの層別化と、高リスク例に対する適切な運動許容条件が必須となります。身体活動のリスクに影響する因子として、年齢、冠動脈疾患の存在、血行動態と心筋酸素消費量に直接関連する運動強度などが挙げられます。

 

リスクの層別化には、高血圧の重症度、標準的臓器障害及び他の冠危険因子の有無を確認します。

 

リスクの層別化は、特に冠動脈疾患の有無の確認が最重要です。そのため、運動負荷試験(自転車エルゴメータなど)は可能な限り実施します。

 

 

高血圧患者の運動実施に際しては、以下のような配慮が必要です。

 

①β-遮断薬や利尿薬は、高温・多湿環境下における体温調節機能を阻害する可能性があるので、熱中症予防対策は重要です。

 

②α-遮断薬やカルシウム拮抗薬、血管拡張薬は、運動後低血圧を誘発することがあるのでクールダウンを必ず行うように指導します。

 

 

高血圧の重症度別運動強度

血圧120~139/80~89mmHgでは、生活習慣是正を行い、運動への参加は可とします。また血圧の高値が続く場合には、心エコー検査で左室肥大の有無を確認します。左室肥大が認められた場合には薬物療法を開始し、血圧の正常化が確認されるまでは参加する運動を制限します。

 

血圧140~159/90~99mmHgで、臓器障害を伴わない場合には、競技スポーツの参加は制限しません。ただし、約3か月ごとに血圧を確認します。

 

血圧160/100mmHg以上では、臓器障害を認めなくても、高度静的スポーツへの参加は、生活習慣修正及び薬物療法により血圧がコントロールされるまで禁止します。

 

他の心血管疾患を合併する場合には、疾患の種類と重症度により参加の可否を決定します。冠動脈疾患の合併例のような高リスク患者では、虚血性心電図変化や狭心症発作を誘発する心拍数よりも10bpm以上低くなる運動強度とします。

 

 

杉並国際クリニックからのコメント

ガイドラインでは、スポーツあるいは運動の強度をMETs表示で示しています。

 

成人の心筋症については、大規模な臨床試験はほとんどありません。そして、運動中の心事故・突然死の機序や危険因子については不明な点が多いです。この疾患は左心室の収縮機能は正常に保たれ、死因の過半数は突然死(特に40歳以下)が占めることが問題です。突然死はスポーツ、労作中やその直後に多く発生すると報告されています。

そこで、この疾患ではリスク評価で分類し、以下の危険因子がなければ軽度リスクと評価します。

軽度リスクの場合

軽度および中等度の作業・運動は許容されますが、強い運動や競技スポーツは禁忌です

 

中等度リスクの場合

軽い運動は許容されます。また中等度の運動は自覚的強度(Borg)13以下で危険な不整脈がなければ許容されます。

 

高度リスクの場合

自覚的強度(Borg)13以下で危険な不整脈や心不全が無ければ軽い運動は条件付き許容とします。

 

肥大型心筋症における突然死の危険因子とリスク分類

中等度リスク

50歳未満の早発性突然死の家族歴、原因不明な失神、

高度な左室壁肥厚(≧30mm)、運動中の血圧上昇反応不良、

非持続性心室頻拍

 

高度リスク

心停止(心室細動)の病歴、自然発症の持続性心室頻拍

 

 

 

 

内科2

 

日本循環器病学会のHPには、有益情報が満載されていますので、それを紹介します。

 

最後に、杉並国際クリニックからのコメントを加えました。

 

 

心疾患など、慢性疾患を有する人たちは以前には病状の悪化を恐れるあまり、医師でさえも運動を禁止する傾向にありました。

 

それが、最近では運動によって患者の生活の質・人生の質(QOL)が改善することが明らかにされてきました。

 

現在では、むしろ許容範囲内であれば運動・スポーツへ参加することを勧めています。

 

心疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン(2008年改訂版)では、学校、職域、スポーツにおける心疾患の重症度に応じた運動許容条件を示しています。

 

ただし、心疾患患者の運動許容条件については、無作為化比較試験のような高いエビデンスがありません。

 

Q3.

心疾患における運動強度は、どのように表示するのですか?

 

A 

ガイドラインでは、スポーツあるいは運動の強度をMETs表示で示しています。これは一般的にもよく使われている表示方法です。高血圧症や心疾患を有する方には、運動許容条件判断の上で有用な分類方法として第36回べセスダ会議より提示されている方法があります。これは、動的運動あるいは静的運動が各々どの程度関与しているかによって分類しています。

 

疾患別運動許容条件

 

職業スポーツ選手など強い運動が必要な場合を除いて、基本的には最大運動能の40~60%または嫌気性代謝閾値(AT)レベルを上限とします。

 

その上で、疾患ごとの特異的制限事項を勘案して許可条件を決定します。

 

たとえば、心房細動の合併例では安静時の心拍コントロール状況ばかりでなく、運動に対する心拍応答を考慮して血行動態の面からも検討されます。

 

 

杉並国際クリニックからのコメント

 

心疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン(2008年改訂版)では、学校、職域、スポーツにおける心疾患の重症度に応じた運動許容条件を示していますが、心疾患患者の運動許容条件については高いエビデンスがありません。

 

しかし、心疾患患者の水氣道®稽古における運動許容条件を『疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン(2008年改訂版)』から学ぶことはとても意義があるといえるでしょう。

 

水氣道®では、心疾患患者の重症度の判定やそのための検査についてのエビデンスを利用して、参加者のフィットネス検査(体組成・体力検査)を実施し、運動療法としての有効性を検証するとともに、その前提として安全性の高いプログラムを構築してきました。

 

内科2

 

日本循環器病学会のHPには、有益情報が満載されていますので、それを紹介します。

 

最後に、杉並国際クリニックからのコメントを加えました。

 

 

心疾患など、慢性疾患を有する人たちは以前には病状の悪化を恐れるあまり、医師でさえも運動を禁止する傾向にありました。

 

それが、最近では運動によって患者の生活の質・人生の質(QOL)が改善することが明らかにされてきました。

現在では、むしろ許容範囲内であれば運動・スポーツへ参加することを勧めています。

 

心疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン(2008年改訂版)では、学校、職域、スポーツにおける心疾患の重症度に応じた運動許容条件を示しています。

 

ただし、心疾患患者の運動許容条件については、無作為化比較試験のような高いエビデンスがありません。

 

そこで、水氣道®では、心疾患患者の重症度の判定やそのための検査についてのエビデンスを利用して、参加者のフィットネス検査(体組成・体力検査)を実施し、運動療法としての有効性を検証するとともに、その前提として安全性の高いプログラムを構築してきました。

 

心疾患患者の水氣道®稽古における運動許容条件を『疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン(2008年改訂版)』から学ぶことはとても意義があるといえるでしょう。

 

 

ガイドラインから学ぶ心疾患患者の水氣道®稽古における運動許容条件

 

Q2

心疾患における運動許容条件は、どのように決めるのですか?

 

A.

心疾患における運動許容条件は、心疾患の重症度と実施する運動の強度との関連から、心臓性突然死や心疾患の病態が増悪するリスクの程度を判断するものです。

 

『疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン(2008年改訂版)』では、心疾患の重症度は軽度リスク、中等度リスク、高度リスクの3段階に分けています。そしてニューヨーク心臓協会(NYHA)の心機能分類の1度から3度までの心機能を持つ心疾患について 判断します。

  

運動の強度には、絶対的な強度と相対的な強度があります。絶対的な強度は、各種運動実施時に測定した酸素摂取量のデータを集約した表を用いて予測するものです。その場合は、METs単位(安静座位の酸素摂取量1METs=3.5ml/㎏/分の何倍の酸素摂取量かの単位)で表現されます。ガイドラインではMETsを用いて3段階(軽い、中等度、強い)に分類しています。

  

運動許容条件は、運動強度と、それを実施するために望ましい運動耐容能と心疾患重症度の関係から決定します。運動許容条件として適合するには、各種の運動を自覚的運動強度13以下(ややきつい~楽な強度)で行えることを基準としています。これは、最高酸素摂取量の40~60%強度に相当します。心疾患患者は、あるMETs数の強度の運動を「ややきついか楽な」強度で行うためには、そのMETs以上の運動耐容能が必要となります。

  

スポーツにおける運動許容条件について、成人がスポーツに参加する健康管理は、わが国は米国同様に、法的には自己責任と考えられています。しかし、スポーツ参加に際してメディカルチェックを受けた者の運動許容に関しては、医師の診断ないしは勧告が必要となっています。とくに、スポーツ参加を希望する心疾患患者の重症度評価には、運動負荷試験が必須です。

  

わが国では、日本臨床スポーツ医学会から、一般人を対象としたスポーツ参加のためのメディカルチェック基本項目が示されています。その中の運動負荷試験の適応としては、リスクファクターの有無にかかわりなく男性で40歳以上、女性で50歳以上の者が対象になります。また、年齢に関わらず安静心電図に異常が認められれば対象になります。また、心エコー法の適応疾患は特定されていませんが、メディカルチェック基本検査において異常が認められた者を精密検査としての追加検査として行うことになっています。

内科2

 

 

日本循環器病学会のHPには、有益情報が満載されていますので、

それを紹介します。

 

最後に、杉並国際クリニックからのコメントを加えました。

 

 

心疾患など、慢性疾患を有する人たちは以前には病状の悪化を恐れるあまり、医師でさえも運動を禁止する傾向にありました。

 

それが、最近では運動によって患者の生活の質・人生の質(QOL)が改善することが明らかにされてきました。

 

現在では、むしろ許容範囲内であれば運動・スポーツへ参加することを勧めています。

 

心疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン(2008年改訂版)では、学校、職域、スポーツにおける心疾患の重症度に応じた運動許容条件を示しています。

 

ただし、心疾患患者の運動許容条件については、無作為化比較試験のような高いエビデンスがありません。

 

そこで、水氣道®では、心疾患患者の重症度の判定やそのための検査についてのエビデンスを利用して、参加者のフィットネス検査(体組成・体力検査)を実施し、運動療法としての有効性を検証するとともに、その前提として安全性の高いプログラムを構築してきました。

 

心疾患患者の水氣道®稽古における運動許容条件を『疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン(2008年改訂版)』から学ぶことはとても意義があるといえるでしょう。

 

 

ガイドラインから学ぶ心疾患患者の水氣道®稽古における運動許容条件

 

Q1.

心疾患における運動許容条件は、なぜ必要なのですか?

 

A.

スポーツにおける突然死を可能な限り予防するためです。

 

心疾患による事故、特に心臓性突然死の実態を把握すれば、その予防対策としての運動許容条件が浮き彫りになってくることでしょう。運動許容条件は、運動量だけでなく、競技におけるストレス、脱水の有無、運動に対する動機、意欲、態度などスポーツをする側の条件や天候、気候、湿度、高度などの環境条件にも影響を受けます。そこで、最終的には、それらを加味した総合的な判断が必要となります。

 

スポーツは、競争を含む身体運動であることから、顕性のみならず潜在性疾患により事故を発症する危険が常に付きまといます。また、他者にも危害を与える可能性のある特殊なスポーツ種目もあります。

 

ただし、スポーツの危険性は、スポーツ種目や運動強度とは必ずしも関係しません。そのため、スポーツ活動を行うものすべてがメディカルチェックの対象であり、スポーツ参加の許容を判定することになります。

 

 

①スポーツにおける突然死の実態

スポーツに関連する突然死は、スポーツの種目・強度に関係なく発生しています。

 

②スポーツ中の突然死の原因疾患

スポーツにおける突然死の基礎疾患としては、半数以上が心血管系の疾患です。それには、急性心不全や急性心機能不全や他にも心血管系疾患が含まれています。日本も米国も肥大型心筋症の頻度が高く、次いで冠動脈疾患が多いです。ただし、40歳以上の対象では、虚血性心疾患の頻度が高いです。

 

③運動許容条件を設定すべき心疾患

水氣道においては、中高年の事故原因として多い冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)の方には運動許容条件を設定しています。

 

 

杉並国際クリニックからのコメント

水氣道®は、一般的な競技スポーツではありません。なぜならば、水氣道は、競技能力を高めることを目的としていないからです。最終的には、参加者の皆様の生活の質・人生の質(QOL)の改善することを目標にしています。

 

水氣道の稽古の運動許容条件も、他のスポーツと同様に、運動量だけでなく、競技におけるストレス、脱水の有無、運動に対する動機、意欲、態度などスポーツをする側の条件や天候、気候、湿度、高度などの環境条件をも加味して総合的に考慮します。

 

水氣道の稽古に臨んでは、必ず水分を摂取し、脱水状態で行わないことは、繰り返し注意している通りです。また、水氣道の稽古では、他のスポーツ以上に、動機、意欲、態度などスポーツをする側の条件を重視しています。

 

しかし、水氣道は現状では知名度が低く、活動会員数も70名余程度のマイナー・スポーツであるため、少しでも無理なく慣れ親しみ楽しみながら継続していただきたいと考えています。

 

入門初期には体験生・特別体験生という立場で、徐々に稽古に対する動機、意欲、態度などが育まれるよう、対番制度など固有の稽古システムを構築してきたのもそのためです。

 

また、水氣道は屋内のエクササイズであるため、年間を通して気温や湿度、高度、空気の清浄度などの環境条件が好適に維持されていることも安全性に関してはメリットがあります。

 

ただし、稽古場との往来の間には、天候、気候などの影響を受けることは言うまでもありませんが、季節変動や天候、気候などの影響によって心身のコンディションが崩れることがない健康水準を達成することも水氣道の目標の一つになります。

 

スポーツの危険性は、スポーツ種目や運動強度とは必ずしも関係しないため、水氣道も例外ではありません。そのため、水氣道を行うものすべてがメディカルチェックの対象であり、水氣道参加の許容を判定することになります。

 

水氣道参加者の中にも、心血管系の病気の治療中の方は少なくありません。高血圧はもちろんのこと、狭心症や心筋梗塞を経験した方、不整脈に悩まされている方、肥大型心筋症まで症例のバラエティは豊富です。

 

しかし、有効性と共に、季節ごとの定期的なフィットネス検査(体組成・体力検査)を実施するなど安全性に配慮したプログラム構築してきたため、幸いなことに、稽古中の救急搬送を一例も経験することなく、創設以来20周年目を迎えようとしています。

 

内科2

 

日本循環器病学会のHPには、有益情報が満載されていますので、それを紹介します。

 

最後に、杉並国際クリニックからのコメントを加えました。

 

 

『心不全の定義』記者発表について

 

この度、日本循環器学会と日本心不全学会で、2017年10月31日(火)に厚生労働省記者会で、『心不全の定義』を発表致しました。

 

≪作成の経緯≫

我が国の循環器疾患の死亡数は、癌に次いで第2位となっており、心不全による5年生存率は50%と予後についても決して良くありません。

 

ただ、その事実と心不全の怖さ(例えば、完治しない等)については、国民にあまり知られていないのが現状です。そのため、心不全について、国民によりわかりやすく理解して貰うため、新たに「心不全の定義」を本会と日本心不全学会で連携し、作成致しました。

 

 

『心不全の定義』について

2017 年 10 月 31 日発表

一般社団法人 日本循環器学会

一般社団法人 日本心不全学会

 

<心不全の定義>

『心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。』 

 

<心不全の作成の経緯>

2016 年 12 月 16 日に、「脳卒中と循環器病克服 5 カ年計画」を策定しました。

 

我が国の循環器疾患の死亡数は、癌に次いで第 2位となっており、心不全による5年生存率は50%と予後についても決して良くありません。

 

ただ、その事実と心不全の怖さ(例えば、完治しない等)については、国民にあまり知られていないのが現状です。そのため、心不全について、国民によりわかりやすく理解して貰うため、新たに「心不全の定義」を本会と日本心不全学会で連携し、作成致しました。 

 

 

<Q&A>

Q1

「心不全は・・・・病気です」とあります。“心不全”は、病名ではないと聞いたことがありますが、これはどういうことですか? 

 

医学の専門用語としては、「病気」ではありませんが、 心臓が悪いことを総合的に表現する言葉として、ここでは「病気」と表現しました。

 

 

Q2

“心臓が悪いため”とありますが、これはどういうことですか?

 

心臓は、いろいろな原因で正常な機能(血液を全身に送り出すポンプ機能)を発揮できなくなることがありますが、それらを総称して、“心臓が悪いため”に、と表現しています。

 

悪くなる原因としては、

 

① 血圧が高くなる病気(高血圧) 

 

② 心臓の筋肉自体の病気 (心筋症) 

 

③ 心臓を養っている血管の病気 (心筋梗塞) (十分に心臓を養えていないために起こる)

 

④ 心臓の中には血液の流れを正常に保つ弁があるが、その弁が狭くなったり、きっちり閉まらなくなったりする病気(弁膜症) 

 

⑤ 脈が乱れる病気 (不整脈) 

 

これらの病気のために、心臓の血液を送り出す機能が悪くなっていることを意味します。またそれぞれの病気には、それぞれ適した治療法があります。 

 

 

Q3

“息切れやむくみ”の他に症状はないのですか?

 

心不全の初期によく見られる症状が、運動時の息切れや、両足、特に下腿の前面や足首、足の甲を指で抑えると、くぼみができるようなむくみです。むくみは両方の足に出現することが特徴です。その他には、「疲れやすい」という症状もあります。息切れもむくみも、心不全だけで生ずる症状ではありませんが、「疲れやすい」という症状は、心臓が悪くなくてもよく感じる症状ですので、今回の定義には含めませんでした。

 

Q4

“だんだん悪くなる”とは、どういうことですか? 

 

心不全の臨床経過のイメージを下図に表していますが、心不全を発症しても、適切な治療によって、一旦、症状は改善します。しかし残念ながら、心不全そのものが完全に治ることはなく、症状がぶり返すことがあります。また、過労、塩分や水分の摂りすぎ、風邪、ストレスや、薬の飲み忘れなどにより心不全の症状が悪化、あるいは再発することもあります。そして、安静、治療の適切化によって、心不全の症状は再度改善します。しかし、このような、悪化と改善を繰り返しながら進行して行くことを、“だんだん悪くなる”と表現しました。      

 

 

Q5

“生命を縮める病気”とは、具体的にどれくらい生命が縮まるのですか? 

 

どれくらい生命を縮めるかは、個人差があります。1年以内に生命を落とす人から、何十年と普通の生活を送る人まで様々です。

 

循環器の専門医なら経験上、大まかに予測することはできますが、がんのように、「余命何年です」と説明しにくい状況にあります。それは、がんのように、早期がん、末期がんといったステージングが、十分に定められていないからです。学会では、現在、心不全のステージングを客観的に説明できるようなデータ解析を進めています。

 

現段階ではありますが、心不全で入院したことのある人は平均で5年間に約半数の方が亡くなっています。これは肺がんよりは良好ですが、大腸がんとほぼ同等、前立腺がんや乳がんよりは不良です。 

 

 

Q6

心不全は一旦発病すると、治ることはないのですか? 

 

Q4でも説明しましたように、心不全の原因となっている心臓の異常が、完全に治ることは少ないです。しかし、現在、心不全の治療法はずいぶん進歩しています。心不全の薬は、症状を改善したり、入院の回数を減らしたり、生命そのものを延伸することが明らかになっています。従って、これらの薬をきちんと内服していただくことは重要です。

 

その他には、外科手術、ペースメーカー、心臓の収縮を整える機械の装着、究極的には心臓移植が治療法となります。

 

 

Q7

心不全は予防できるのですか? 

 

予防することは可能です。心不全の予防には、心臓が悪くならないようにする予防と、一旦、心不全を発症した人の再発予防の 2 つがあります。

 

心臓が悪くならないようにする予防には、心臓の働きを悪くさせる要因を除くことが必要です。

 

つまり、高血圧、糖尿病、脂質異常症(コレステロール等が高い病気)、肥満を未然に防ぐことです。そのためには、禁煙、減塩、節酒、適度な運動が重要です。そして、心臓が悪くなりかけていることに早く気付き、医療機関を受診し、上記の生活習慣の改善に加えて、適切な薬物治療をすることにより心不全の発症や悪化を防ぐことができます。

 

心不全の再発予防としては、上記の事項に加えて、過労、水分の過剰摂取を避けること、また、冬には風邪を契機に心不全の悪化がよく見られますので、風邪予防も重要です。また、高齢者の心不全では、軽度の労作が大きな負担になって、再発することもよくありますので、患者さん自身のヘルスケア、ご家族、あるいは医療・介護関係者、地域でのケアが心不全の予防では特に重要です。

 

 

Q8

急性心不全、慢性心不全という言葉を聞いたことがありますが、どう違うのですか? 

 

急性心不全は、それまでは悪くなかった心臓、あるいは悪いと全く気づいていなかった心臓が急に悪くなった場合を言います。

 

激しい息苦しさで発症することが多く、適切に治療しないと生命を落とすことがあります。急性期を乗り切ると、その後は慢性心不全となります。 

 

 

 

杉並国際クリニックからのコメント

Q1.Q2.心不全はめずらしい病気ではありません。しかし、外来診療で「心不全」を指摘すると、たいていの方が心理的なショックを受けてしまします。

 

心不全すなわち急死と受け止める方が多いようです。それでも「心不全」という言葉の意味をきちんと理解して、必要に応じて抵抗なく用いることができるようになれば、予防や治療やリハビリテーションのためにも有意義だと思います。

 

Q3.「息切れ」や「むくみ」など、心不全の初期症状を知っておくことは、病気の早期発見や、治療成績を評価する上で大切です。

 

Q4.Q7.ここでのポイントは、

Q4.<過労、塩分や水分の摂りすぎ、風邪、ストレスや、薬の飲み忘れなどにより心不全の症状が悪化、あるいは再発する>こと、

Q7.<高血圧、糖尿病、脂質異常症(コレステロール等が高い病気)、肥満を未然に防ぐことです。そのためには、禁煙、減塩、節酒、適度な運動が重要です。>

 

これらはすべて予防策を講じることができる因子だからです。

 

風邪とありますが、万病の元といわれるとおり、インフルエンザや肺炎ではさらに心不全のリスクを高めます。ワクチンを適切に摂取しておくことがとても大切です。また、水氣道は、心不全の予防のみならず、治療、増悪防止のすべてに有効な運動療法です。

日本循環器病学会のHPで特筆すべきことは、この学会では、禁煙推進委員会がHPにコーナーを設けていて、広く会員その他一般の方に禁煙の必要性を訴えていることです。

 

高血圧症や心臓病などで循環器科を受診する必要のある方はもちろんのこと、すべての患者さんに禁煙を前提とする医療の推進を訴えていくか否かは個々の医師の良心の在り方に関わってくる重要事項だと思います。

 

 

喫煙は喫煙者自身と周囲の非喫煙者にさまざまな喫煙関連疾患を引き起こすが、ニコチン依存と心理的依存を生じて強固な習慣性を持つにいたることが多い。

 

2006年度からはニコチン依存症が治療の対象となる疾病とされ、「ニコチン依存症管理料」が新設されると同時に、保険診療が開始された。

 

現在、ニコチン依存に対してはニコチン製剤やニコチンを含まない内服薬(バレニクリン)による薬物療法が、心理的依存に対しては行動療法が利用されその治療効果を上げている。

 

こうした個人を対象とした禁煙支援に加えて医療機関における敷地内禁煙など環境的な因子に対する取り組みの強化は、喫煙者の禁煙動機や非喫煙者の受動喫煙防止に有効であり、循環器専門医師として積極的に取り組むべき課題である。

 

 日本における成人喫煙率は年々減少し、平成22年には19.5%と初めて20%を割った。男性は32.2%、女性では8.4%と、前年の平成21年(男性38.2%、女性で10.9%)に比べ大幅な減少が認められている。

 

しかし、最も高い年代は、男性は30歳~40歳代でまだ42%、女性は30歳代で14.2%であった。若い女性および未成年の喫煙の増加が問題であったが、未成年者の喫煙率はようやく減少の傾向となっている。

 

ニコチン依存症は確立された疾患として捉えられるべきものであり、喫煙はニコチン依存をもとに心理的依存を生じた結果、強固な習慣となり禁煙が困難となる。

 

喫煙による超過死亡は,2010年には全世界で540万人と推計されている。日本国内では少なくとも19.6万人と推計され、これは死亡者全体の16.3%にものぼる数字である。

 

 

 喫煙者では非喫煙者に比べて平均寿命が短く壮年期死亡が多いことは従来から指摘されてきたが、喫煙者の半数が喫煙に起因する死因で死亡することや、喫煙者の40%は69歳までに死亡することから、壮年期の死亡の1/3から1/2は喫煙が関連しているといわれ、喫煙が多くの早死の原因となっている。

 

中でも循環器疾患の大きなリスクファクターであることは疫学的研究からも明らかであり、日本で1980年から実施された大規模循環器疾患追跡調査(14年間)のNIPPON DATA80においても観察当初年齢が30~60歳の喫煙者の死亡の相対危険度は2倍以上となっている。

 

また受動喫煙の有害性も広く知られるようになってきた。しかしながら、喫煙と喫煙関連疾患の関連についての知識を問う調査では肺がんと妊娠以外のリスクの増加を知っているものの割合は低い。

 

こうしたことから、禁煙希望者のみならず禁煙を希望しない喫煙者や非喫煙者に対しても、正しい知識と喫煙習慣からの離脱のための広範囲の支援を提供するとともに、喫煙しにくい環境整備による禁煙への動機付けは今後ますます重要となる。

 

 

さて、この学会のHPで気になる点を発見しました。

 

国際名誉会員の中に日本人医師が一人も見られないということです。

 

アジア圏では、韓国5名を筆頭に、中国、台湾、パキスタンが各1名ということでした。率直に申し上げて、その理由がとても気になるところです。

 

日本の循環器病学の国際的権威の凋落を直ちに意味するものではない、とは言い切れないのではないかと思われます。

 

今年から、毎週火曜日は、内科Ⅱとして循環器・腎臓・老年医学をテーマとして、皆様と一緒に勉強させていただくことにしました。

 

初回は循環器関連として日本循環器病学会ホームページを検索してみました。

 

循環器病ガイドラインがシリーズで公表されていて、全部で60件です。

 

一見して循環器専門医でさえ完全に把握するのは困難であることが想定される内容です。

 

 

以下、引用文を紹介いたします。

 

日本循環器学会学術委員会合同研究班では、我が国の循環器疾患の特徴や医療の実情に即した独自のガイドライン作成を目的として、1998年度から「循環器病の診断と治療に関するガイドライン」の作成を開始しました。

 

2009年度までに46のガイドラインが策定され、順次Circulation JournalのSupplementとして誌上及び会員限定のホームページ上で公表しています。

 

それぞれのガイドラインには,テーマとなった循環器疾患の診断,管理,予防に関して,現段階において我が国で一般に認められ,標準化すべき内容が網羅されており,実地診療に大いに役立つものと期待しています。

 

学会の社会貢献の一環として、これらのガイドラインを多くの医学・医療従事者に公開することは大変意義のあることと考え、この度、学会の一般向けホームページで公開することとなりました。

 

ガイドラインの目的は標準的な診療情報の提供であり,個々の症例における臨床的診断の決定・責任は医師と患者にあることを改めてご認識いただいた上で、「循環器病の診断・治療ガイドライン」を実地診療に活用いただき、大いに役立てていただくことを期待しています。

 

なお、各ガイドラインについてリンクを貼る際には、

 

「○年○月○日、日本循環器学会HP閲覧、最新情報はhttp://www.j-circ.or.jp/guideline/をご確認下さい」の文言を記載して下さい。

 

 

日本循環器病学会が「社会貢献の一環として、これらのガイドラインを多くの医学・医療従事者に公開することは大変意義のあることと考え、学会の一般向けホームページで公開」することによって、「実地診療に活用いただき、大いに役立てていただくことを期待しています。」とありますので、高円寺南診療所なりに、患者の皆様のためにも、今後、大いに活用させていただこうと思います。