ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

 

蕁麻疹②

Q2 

蕁麻疹にはどのようなタイプがありますか

 

A

蕁麻疹は、大きく4つのグループに分けられます。明らかな原因がなく自発的に症状が現れる特発性の蕁麻疹、特定の刺激により症状が出る刺激誘発型の蕁麻疹、目や口などの皮膚、粘膜が腫れ上がる血管性浮腫、そして蕁麻疹関連疾患です(表)。刺激誘発型の蕁麻疹の中には、特定の食べ物や薬などで症状が現れるアレルギー性の蕁麻疹、アレルギーではない薬剤による蕁麻疹、特定の物理的な刺激により現れる物理性蕁麻、発汗刺激により起こすコリン性蕁麻疹などがあります。

 

物理性蕁麻疹では、皮膚が擦れた時に現れる機械性蕁麻疹、冷たいものに触れて起こる寒冷蕁麻疹、日光に曝されて起こる日光蕁麻疹などが主な病型です。なお、これらは一つだけが現れる他に、患者さんによっては複数の蕁麻疹の病型を併せ持っていることも少なくありません。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセージ

蕁麻疹の特徴は個々の皮疹の経過にあります。つまり、痒みを伴う紅斑が24時間以内に出没することが確認できればほぼ蕁麻疹と考えて良いということです。しかし,その対処のしかたは蕁麻疹の種類により大きく異なり,緊急性の判断と正しい病型診断が重要です。

 

また,蕁麻疹の発症機序,膨疹出現の直接刺激,およびその他の臨床的特徴は多岐に亘り,かつそれらが必ずしも1対1に対応しないのが問臨床上での困難な点です。

 

「蕁麻疹診療ガイドライン2018日本皮膚科学会ガイドライン」の分類(表2)は,主として臨床的な特徴に基づくもので,症例によっては二つ以上の蕁麻疹の病型が認められることがあり,また,必ずしもこれらの分類に当てはまりにくいものもあります。

 

それゆえ,診察に際しては個々の症例における蕁麻疹の全体像を捉え,各病型の特徴を踏まえてゴールに至るための道筋を見いだすことが大切です。

 

 

表2 蕁麻疹の主たる病型

Ⅰ.特発性の蕁麻疹 spontaneous urticaria

1. 急性蕁麻疹 acute spontaneous urticaria(発症後6週間以内)  

2. 慢性蕁麻疹 chronic spontaneous urticaria(発症後 6週間以上)

 

Ⅱ.刺激誘発型の蕁麻疹(特定刺激ないし負荷により皮疹を誘発することができる蕁麻疹)inducible urticaria※

1.アレルギー性の蕁麻疹 allergic urticaria  

2.食物依存性運動誘発アナフィラキシー FDEIA  

3.非アレルギー性の蕁麻疹 non-allergic urticaria  

4. アスピリン蕁麻疹(不耐症による蕁麻疹)

aspirin-induced urticaria(urticaria due to intolerance)  

5. 物理性蕁麻疹physical urticaria

(機械性蕁麻疹mechanical urticaria,寒冷蕁麻疹cold urticaria,

日光蕁麻疹solar urticaria,温熱蕁麻疹heat urticaria,

遅延性圧蕁麻疹delayed pressure urticaria,

水蕁麻疹aquagenic urticaria)  

 

6.コリン性蕁麻疹cholinergic urticaria  

7.接触蕁麻疹contact urticaria

 

 

Ⅲ.血管性浮腫 angioedema  

1.特発性の血管性浮腫 idiopathic angioedema  

2. 刺激誘発型の血管性浮腫 inducible angioedema

(振動血管性浮腫 vibratory angioedemaを含む)  

3. ブラジキニン起因性の血管性浮腫

bradykinin mediated angioedema  

4.遺伝性血管性浮腫 hereditary angioedema(HAE)

 

 

Ⅳ.蕁麻疹関連疾患 urticaria associated diseases  

1.蕁麻疹様血管炎urticarial vasculitis  

2.色素性蕁麻疹 urticaria pigmentosa  

3.Schnitzler症候群およびクリオピリン関連周期熱症候群

※国際ガイドラインでは,6週間以上続く蕁麻疹は刺激誘発型の蕁麻疹を含めてchronic urticariaに分類されます。

 

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

蕁麻疹②

Q2 

蕁麻疹にはどのようなタイプがありますか

 

A

蕁麻疹は、大きく4つのグループに分けられます。明らかな原因がなく自発的に症状が現れる特発性の蕁麻疹、特定の刺激により症状が出る刺激誘発型の蕁麻疹、目や口などの皮膚、粘膜が腫れ上がる血管性浮腫、そして蕁麻疹関連疾患です(表)。刺激誘発型の蕁麻疹の中には、特定の食べ物や薬などで症状が現れるアレルギー性の蕁麻疹、アレルギーではない薬剤による蕁麻疹、特定の物理的な刺激により現れる物理性蕁麻、発汗刺激により起こすコリン性蕁麻疹などがあります。物理性蕁麻疹では、皮膚が擦れた時に現れる機械性蕁麻疹、冷たいものに触れて起こる寒冷蕁麻疹、日光に曝されて起こる日光蕁麻疹などが主な病型です。なお、これらは一つだけが現れる他に、患者さんによっては複数の蕁麻疹の病型を併せ持っていることも少なくありません。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセージ

蕁麻疹の特徴は個々の皮疹の経過にあります。つまり、痒みを伴う紅斑が24時間以内に出没することが確認できればほぼ蕁麻疹と考えて良いということです。しかし,その対処のしかたは蕁麻疹の種類により大きく異なり,緊急性の判断と正しい病型診断が重要です。

 

また,蕁麻疹の発症機序,膨疹出現の直接刺激,およびその他の臨床的特徴は多岐に亘り,かつそれらが必ずしも1対1に対応しないのが問臨床上での困難な点です。

 

「蕁麻疹診療ガイドライン2018日本皮膚科学会ガイドライン」の分類(表2)は,主として臨床的な特徴に基づくもので,症例によっては二つ以上の蕁麻疹の病型が認められることがあり,また,必ずしもこれらの分類に当てはまりにくいものもあります。

 

それゆえ,診察に際しては個々の症例における蕁麻疹の全体像を捉え,各病型の特徴を踏まえてゴールに至るための道筋を見いだすことが大切です。

 

なお、今回のガイドラインの改訂により、急性蕁麻疹と慢性蕁麻疹の境界を発症後1カ月から6週間に変更し,血管性浮腫の病型が改定されました。

 

 

表2 蕁麻疹の主たる病型

Ⅰ.特発性の蕁麻疹 spontaneous urticaria

1. 急性蕁麻疹 acute spontaneous urticaria(発症後6週間以内)  

2. 慢性蕁麻疹 chronic spontaneous urticaria(発症後 6週間以上)

 

Ⅱ.刺激誘発型の蕁麻疹(特定刺激ないし負荷により皮疹を誘発することができる蕁麻疹)inducible urticaria※

1.アレルギー性の蕁麻疹 allergic urticaria  

2.食物依存性運動誘発アナフィラキシー FDEIA  

3.非アレルギー性の蕁麻疹 non-allergic urticaria  

4. アスピリン蕁麻疹(不耐症による蕁麻疹)

aspirin-induced urticaria(urticaria due to intolerance)  

5. 物理性蕁麻疹physical urticaria

(機械性蕁麻疹mechanical urticaria,寒冷蕁麻疹cold urticaria,

日光蕁麻疹solar urticaria,温熱蕁麻疹heat urticaria,

遅延性圧蕁麻疹delayed pressure urticaria,

水蕁麻疹aquagenic urticaria)  

6.コリン性蕁麻疹cholinergic urticaria  

7.接触蕁麻疹contact urticaria

 

Ⅲ.血管性浮腫 angioedema  

1.特発性の血管性浮腫 idiopathic angioedema  

2. 刺激誘発型の血管性浮腫 inducible angioedema

(振動血管性浮腫 vibratory angioedemaを含む)  

3. ブラジキニン起因性の血管性浮腫

bradykinin mediated angioedema  

4.遺伝性血管性浮腫 hereditary angioedema(HAE)

 

Ⅳ.蕁麻疹関連疾患 urticaria associated diseases  

1.蕁麻疹様血管炎urticarial vasculitis  

2.色素性蕁麻疹 urticaria pigmentosa  

3.Schnitzler症候群およびクリオピリン関連周期熱症候群

 

※国際ガイドラインでは,6週間以上続く蕁麻疹は刺激誘発型の蕁麻疹を含めてchronic urticariaに分類されます。

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

 

蕁麻疹①

Q1 

蕁麻疹の原因にはどのようなものがありますか

 

A

蕁麻疹は、一部の例外を除き、ほとんどのものが皮膚の中にあるマスト細胞と呼ばれる細胞が活性化されることにより症状が起こります。マスト細胞を活性化する刺激としては、アレルギーの原因となる物質、薬剤、皮膚をこすることや温度の変化、皮膚を日光にさらしたり、汗をかいた時などがあります。

 

しかし、蕁麻疹の中で最も多く発生する特発性の蕁麻疹は、明らかな刺激なく症状を繰り返すことが特徴です。このタイプの蕁麻疹の要因としては、疲れ、ストレス、細菌やウイルスの感染、マスト細胞を活性化する自己抗体の存在などが知られています。しかし、これらがどのようにして特定の人に、またある時間にのみマスト細胞を活性化するのかということは、まだ良くわかっていません。そのため、蕁麻疹の原因とは一つではなく、いくつかの要素が組み合わさって一定以上のレベルにまで達した時に症状が現れると考えられます。

 

血管性浮腫と呼ばれる、まぶたやくちびるなどが突然膨れあがって2,3日かけて消える病型では、長く飲んでいる高血圧の治療薬の一種や遺伝子の異常が原因となっていることもあります。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセージ

蕁麻疹は、視診上では膨疹とされます。紅斑を伴う一過性、限局性の浮腫が病的に出没する疾患です。多くは強い痒みを伴うので、睡眠障害をもたらしたり、集中力を損ない日中の生産的活動を妨げたりなどQOLを大きく損なう原因にもなりえます。蕁麻疹について最も信頼できる情報ソースは、「蕁麻疹診療ガイドライン2018日本皮膚科学会ガイドライン」です。

 

蕁麻疹は、一般に皮膚マスト細胞が何らかの機序により脱顆粒し,皮膚組織内に放出されたヒスタミンを始めとする化学伝達物質が皮膚微小血管と神経に作用することによって発症します。その結果、血管拡張(紅斑),血漿成分の漏出(膨疹),および痒みを生じます。

 

蕁麻疹におけるマスト細胞活性化の機序としてはI型アレルギーが広く知られているが,実際には原因として特定の抗原を同定できることは少ないです。

 

一方,蕁麻疹にはI型アレルギー以外に機械的擦過を始めとする種々の物理的刺激や薬剤,運動,体温上昇などに対する過敏性によるもの(刺激誘発型の蕁麻疹),明らかな誘因なく自発的に膨疹が出現するもの(特発性の蕁麻疹)などがあり,症例によりこれらの機序のいずれか,または複数の因子が複合的に関与して病態を形成すると考えられます(表1)。

 

特に 慢性蕁麻疹では,しばしばIgEまたは高親和性IgE受容体に対する自己抗体やヘリコバクター・ピロリ菌感染などが関与し得ることが知られているが,それだけでは病態の全体像を説明できないことが多いです。

 

また, 直接的誘因は個体に曝露されると速やかに膨疹を生じることが多いのに対し,背景因子は個体側の感受性を亢進する面が強く,因子出現と膨疹出現の間には時間的隔たりがあることが多いです。また,両者における各因子は必ずしも一対一に対応しません。

 

そのため,診療においてはすべての原因をひとつの因子に求めるのではなく,蕁麻疹の病型,病歴,社会 的背景や蕁麻疹以外の身体症状などにも留意し,表1 を参考に何らかの因子の関与が疑われる場合には適宜それらを明らかにするための検査を行い,対策を講ずる姿勢が大切です。

 

 

表1 蕁麻疹の病態に関与する因子

1.直接的誘因(主として外因性,一過性)

1)外来抗原

2)物理的刺激

3)発汗刺激

4)食物*: 食物抗原,食品中のヒスタミン,仮性アレルゲン(タケノコ,もち,香辛料など),食品添 加物(防腐剤,人工色素),サリチル酸*

5)薬剤 : 抗原,造影剤,NSAIDs*,防腐剤,コハク酸エステル、バンコマイシン(レッドマン症候群),など

6)運動

 

2.背景因子(主として内因性,持続性)

1)感作(特異的IgE)

2)感染

3)疲労・ストレス

4)食物  抗原以外の上記成分

5)薬剤 :アスピリン*,その他のNSAIDs*(食物依存性運動誘発アナフィラキシー),アンジオテンシン変換酵素(ACE) 阻害薬*(血管性浮腫),など

6)IgEまたは高親和性IgE受容体に対する自己抗体

7)基礎疾患 :

膠原病および類縁疾患(SLE,シェーグレン症候群など)造血系疾患,遺伝的欠損など(血清C1-INH活性が低下)

血清病,その他の内臓病変など  

日内変動(特発性の蕁麻疹は夕方~夜にかけて悪化しやすい)

 

*:膨疹出現の直接的誘因のほか,背景因子として作用することもある.

 

アレルギー

 

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

薬物アレルギー③

 

Q5 

薬物アレルギ-を診断するためには、どんな検査がありますか?

 

A

原因薬物を特定する検査として、血液検査、皮膚テスト、再投与試験があります。このなかで、最も確実な診断方法は再投与試験ですが、再投与により症状が再びあらわれ、重い症状が誘発される恐れがありますので、その必要性と安全性を十分考慮して行います。そのため、再投与試験の前に、より安全な検査を行うことが一般的です。

 

例えば、アナフィラキシーを発症した患者さんでは、即時型アレルギーをみる皮膚テスト(プリックテスト、スクラッチテスト、皮内テスト)を、遅延型アレルギーではパッチテストといったように、症状に合わせて検査を選びます。また、遅延型アレルギーの血液検査に、リンパ球刺激試験(DLST)がありますが、検査の信頼性は低く、それだけで診断できないことがあります。

 

再投与試験以外の検査は、薬剤によって陽性率が異なり、陰性であっても原因薬剤を否定できない点に注意が必要です。したがって、専門医のもとで、総合的に判断されることが重要です。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセ―ジ

回答では、種々の専門的な検査方法を紹介していますが、検査法については、すべてのアレルギー反応に適用できる確実な方法はないことに留意してください。結局のところ、複数の薬剤から絞り込む際には、過去の報告が重要であり、適切な検査は、あくまでも参考にして原因薬を確定させることになります。

 

薬物アレルギーの診断に至るためには、まず、症状が薬物で引き起こされている可能性を疑うことが重要です。たとえば、注射薬を投与している最中か直後にアナフィラキシーを発症する場合の判断は容易です。

 

しかし、時間が経過してから発症する場合には患者さんの協力が不可欠です。患者さんとの真の信頼関係が築かれていないと、アレルギー専門医であってもこの可能性を疑うことすらできないことがあるからです。

 

臨床の現場で一番困るのは、患者さんが遠慮して症状の申告をためらい、自己判断で経過観察をすることです。しばしば、「様子をみていました」とおっしゃるのですが、「様子をみてみましょう」とか「様子をみてください」という言葉は医師から発せられるべき言葉であって、決して患者さんから発せられてはならない言葉です。

 

経過観察は、専門家の視点から行われるべきで、素人の患者さんが行うべきものではありません。後になって「自己責任で」とまでおっしゃる方までもいらっしゃるのですが、その後のサポートをするのは医師なのですから、ご一考願いたいところです。

 

さて、患者さんが症状を的確に伝えてくださったと仮定しましょう。

 

難しいのは、他の医療機関でも薬を処方されている場合です。薬物の相互作用という問題もあります。

 

その場合の薬物アレルギーの診断のためには、症状発現までの時間経過、発症以降の症状の変化、とりわけ、薬物と症状との間に妥当な時間的関係があるかを確認する問診が特に重要です。

 

以下の3点は、FDA方式の原因薬検索のアルゴリズムにも含まれている重要なポイントです。それを紹介しておきましょう。

 

①薬物投与と症状発現との時間的関係 

いつ頃に、どのような症状に対して何という薬物(複数であれば、そのすべて)を何日間使ったときに、どのような時間経過で、どのような症状が出現したのか?

 

②薬物投与中止後の症状改善

薬物はいつ中止したのか?

症状は、どのような経過で治ったのか?

 

③ 薬物再投与が行われた場合の症状再発

その後、同じ薬剤を使ったことがある場合には、同じ症状が誘発されたのか?

その時間経過はどうであったか?

アレルギー

 

 

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

 

Q4 

重症薬疹とは?

 

A

重症薬疹とは、生命に関わる重篤な薬疹をさし、その代表としてスティーブンス-ジョンソン症候群(SJS)、中毒性表皮壊死症(TEN)、薬剤性過敏症症候群(DIHS)があります。いずれも高熱や肝障害などの多臓器障害を伴うことが多く、SJSやTENでは、眼や口唇・口腔粘膜の炎症と皮膚の紅斑、水疱が特徴的です。SJSは、粘膜症状、特に眼瞼結膜の充血、めやに、唇や口腔粘膜のただれ、出血が目立ちます。

 

TENは、SJSより皮膚症状が著しく、体の広い範囲に紅斑や水疱がみられ、皮膚の表面(表皮)が壊死をおこしているために、赤くなった皮膚を擦るだけで剥けてしまいます。SJSやTENでは後遺症として失明などの視力障害などの眼の障害や呼吸器障害がみられることがあります。

 

重症薬疹では、軽症の場合と異なり、原因薬物を中止しても悪化してしまう傾向があり、緊急入院が必要です。(実際の症例については、厚生労働省 重篤副作用疾患対応マニュアル 参照)

 

 

杉並国際クリニックからのメッセ―ジ

厚生労働省 重篤副作用疾患対応マニュアル を参照してみると、重症薬疹は重大な副作用(有害反応)の症状リストでは、感覚器の中に分類されています。たしかに皮膚は、表在感覚(温冷覚、痛覚、触覚、圧覚)などの受容体をもつ感覚器なのです。

 

それでは、感覚器に生じる重大な副作用をリストしてみます。

 

角膜混濁、急性汎発性発疹性膿胞症、スティ-ブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)、中毒性表皮壊死症(中毒性表皮壊死融解症)、手足症候群、網膜・視覚障害、緑内障

 

これらの中で、重症薬疹に相当するのは、急性汎発性発疹性膿胞症、スティ-ブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)、中毒性表皮壊死症(中毒性表皮壊死融解症)ということになります。

 

急性汎発性発疹性膿胞症の症状は、皮膚の広い範囲で発赤、発赤した皮膚上に白い小膿胞、などの皮疹の他に、高熱(38℃以上)、全身倦怠感、食欲不振などの症状が持続・急激に悪化します。

 

スティ-ブンス・ジョンソン症候群(SJS:皮膚粘膜眼症候群)の症状は、皮膚の広い範囲で発赤、唇や陰部のただれ、などの皮疹や粘膜疹の他に、眼の充血、目やに、眼瞼(まぶた)の腫れ、などの眼症状、喉の痛み、排尿・排便時の痛み、高熱(38℃以上)などの症状が持続・急激に悪化します。

 

中毒性表皮壊死症(TEN:中毒性表皮壊死融解症)の症状は、皮膚の広い範囲で発赤、眼の充血、唇のただれ、喉の痛み、高熱(38℃以上)などの症状が持続・急激に悪化します。

 

なお、薬剤性過敏症症候群(DIHS)は、重大な副作用(有害反応)の症状のリストでは全身症状に分類されています。DIHSの症状は、皮膚の広い範囲で発赤、喉の痛み、高熱(38℃以上)、食欲不振、全身倦怠感などの症状の他に、リンパ節の腫れなどの症状が持続・急激に悪化します。

 

以上、4種の重症薬疹の症状を比較してみると、皮膚の広い範囲で発赤、高熱(38℃以上)などの症状が持続・急激に悪化するというのが共通していることがわかります。

 

そのうえで、急性汎発性発疹性膿胞症であれば、赤した皮膚上に白い小膿胞といった特徴的な皮疹、 スティ-ブンス・ジョンソン症候群(SJS)であれば、皮疹の他に粘膜症状,唇や陰部のただれ、喉の痛み、排尿・排便時の痛み、などの粘膜症状、眼の充血、目やに、眼瞼(まぶた)の腫れ、などの眼症状の出現、薬剤性過敏症症候群(DIHS)であれば、リンパ節の腫れが特徴的な症状です。

 

ただし、中毒性表皮壊死症(TEN)の症状はスティ-ブンス・ジョンソン症候群(SJS)の症状と重なる部分が多いです。したがって、両者を臨床的に鑑別するためには目やに、眼瞼(まぶた)の腫れの他に、排尿・排便時の痛み、などの症状の有無を確認し、それらがみられればSJSを疑うことになるでしょう。

アレルギー

 

 

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

 

薬物アレルギー②

 

 

Q3

薬物アレルギーを起こしやすい薬はありますか?

 

 

A

抗菌薬や消炎鎮痛薬、感冒薬、抗痙攣薬、痛風治療薬は、薬物アレルギーを起こしやすく、また重症型になる恐れもあるため注意が必要です。

 

抗菌薬では、ペニシリンやセフェム系などの抗菌薬が即時型、遅延型のアレルギー反応ともに多く起こしやすいのですが、テトラサイクリン系の抗菌薬やサルファ剤、抗結核薬などもアレルギーを引き起こします。

 

それらに次いで、高血圧や糖尿病の治療薬や、画像検査に用いられる造影剤、局所麻酔薬、抗腫瘍薬、関節リウマチ治療薬によるものも少なくありません。

 

また、薬剤には食物成分が含まれることがあり、卵や牛乳アレルギーがある人は注意が必要です。消炎鎮痛薬には卵由来の塩化リゾチームが、下痢止めには牛乳由来のタンニン酸アルブミンが含まれている場合があります。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセ―ジ

 

薬剤アレルギーは他の疾患と比べて扱いづらいところがあり,医原性であり、かつ正確な診断と有症率調査が難しいという特徴を持っています。

 

薬剤アレルギーは,今まで国内にも国際的にも確立されたガイドラインがありません。臨床現場で当該薬剤を投与される患者数を,短期投与から長期投与までを正確に全数把握するのも困難であり,投与患者総数に対して薬剤アレルギーを発症した患者の比率の算出が極めて難しいです。眼前で起きてほしくない不運,あるいは予知・予測とはほど遠い偶発的事象と捉えられがちです。

 

とりわけ、薬剤アレルギーの診断基準が確立していないことがで問題が生じ、医学的論争の原因になっています。

 

症状,機序が多様であるだけでなく,アレルギー機序で生じたのではない反応(例:X線造影剤によるアナフィラキシー)や,機序不明の反応も薬剤アレルギーに含めることも多く,検査についても万能なものがありません。さらには,医師により薬剤アレルギーの解釈が異なっており,IgE依存性のI型反応だけを薬剤アレルギーと称する医師・研究者も少なくありません。 

 

2015年にJ Allergy Clin Immunol誌に掲載された米国の報告(平成25年3月19日に開催された,薬剤アレルギーに関するワークショップの概要) 1)によると,drug allergy(薬剤アレルギー)という用語自体が検討対象となっており,代案としてdrug hypersensitivity(薬剤過敏症)も検討されました。そして、後者については機序が免疫機序に限らない(例えば, 代謝酵素欠損による副作用も含むことになる)という懸念が示されています。

 

 

薬剤アレルギーのうちでも,内科医にとって重症度や緊急度の観点から特に注意を要するのは,即時型反応(アナフィラキシーや蕁麻疹)と重症薬疹です。そこでアナフィラキシーについて説明します。

 

アナフィラキシーとは、「アレルゲン等の侵入に寄り、複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危険を与え得る過敏反応」をいいます。とくに、「アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合」を、アナフィラキシーショックといいます。

 

アナフィラキシーの多くは 

①免疫グロブリンIgEが関与する免疫学的機序により発生し、食物,刺咬昆虫(蜂、蛾)の毒、薬剤が誘因となります。とりわけ、薬剤は②IgEが関与しない免疫学的機序、および③マスト細胞を直接活性化する非免疫学的機序によっても、アナフィラキシーの誘因となりえます。また、造影剤は、IgEが関与する機序と関与しない機序の両者により、アナフィラキシーの誘因となりえます。

 

① 免疫グロブリンIgEが関与する免疫学的機序:βラクタム系抗菌薬、ニューキノロン系抗菌薬、非ステロイド系消炎鎮痛薬、造影剤、生物学的製剤など

 

②IgEが関与しない免疫学的機序:非ステロイド系消炎鎮痛薬、造影剤、デキストラン、生物学的製剤など

 

③ マスト細胞を直接活性化する非免疫学的機序:オピオイドなど

 

以上を俯瞰してみると、アナフィラキシーを起こしやすい薬剤を用いなくてはならないのは、整形外科医、リウマチ専門医、ペインクリニック専門医、感染症専門医などであることが浮き彫りになってきます。薬剤アレルギーで大きなリスクを念頭に、常に警戒していなければならない専門領域ということになります。

アレルギー

 

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

 

Q2

どのような時に薬物アレルギーを疑いますか?

 

A

通常の投与量にも関わらず、薬剤投与後に異常な症状が現れたときに、薬物アレルギーを疑います。皮膚症状は出現頻度が高く、内臓の異常に比べ気づきやすいため、薬物アレルギーを疑う良いきっかけになります。ただし、薬は大抵、感冒など具合が悪いときに投与されるので、その異常症状が病気のせいなのか、薬剤のせいなのか迷います。

 

そこで、薬物アレルギーか否かを判断するために参考になるのが、薬剤投与開始から異常症状が出るまでの期間です。薬物アレルギーが発症するまでには、薬剤が体内に入り、薬剤に反応する抗体や細胞が体内でつくられるための準備期間(医学的には「感作期間」という)が必要です。したがって、初めて使用した薬剤では、投与開始から発症までに5日~2週間(ときに1ヶ月以上)経過していることが一般的です。一方、以前にも使用したことのある薬剤ならば、投与後1日~2日以内に発症してもおかしくありません。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセ―ジ

臨床の現場で薬物アレルギーを疑うのは、圧倒的に湿疹が出現した場合です。急に出現した湿疹が薬物アレルギーであると確定できれば、薬疹とします。

 

原因となる薬物の条件としては「2 週間以上前に少なくとも 1 度は摂取したことがあり、かつ、直前もしくは1-2日前にも摂取した薬」です。結局のところ、一番多いパターンは「2 週間前に開始して続けていた薬」ということは容易に理解できます。その理由を説明します。

 

 

1)薬剤投与開始から異常症状が出るまでの期間が感作期間です。

 

薬疹を生じるために必要な免疫学的過程を「感作」といいますが、免疫反応が生じるまでには準備期間が必要です全く初めて摂取する薬であれば、摂取後すぐに薬疹が生じることは通常ありません。

 

それは、体がその薬に対してアレルギーを獲得するまでの準備期間である感作期間が必要だからです。その期間は通常 2 週間は必要です。この間、症状は何も現れることなく静かに準備は進行します。

 

つまり、薬剤アレルギーの原因薬は、「その直前に初めて摂取した薬」ではなく、2週間以上前に少なくとも 1 度は摂取したことがある薬、を最も疑うべきだということになります。 

 

 

2) いわゆるアレルギー症状というのは最後の「惹起」という段階を指しています。「即時型アレルギー」や「遅延型アレルギー」はこの段階の反応を指しています。

 

ある薬に対するアレルギーの準備が整った(「感作」が成立した)段階で、再びその薬が摂取されると、薬疹を中心とするいわゆるアレルギー症状を生じます。

 

このアレルギー症状には、大別して2種類があります。ひとつは、IgEという抗体が主役の「即時型アレルギー」で摂取後 15 分後に、もうひとつは、T細胞が主役の「遅延型アレルギー」で摂取後 48時間後をピークとして症状を生じます。従って、薬疹が生じる「直前」もしくは「1-2日前に」摂取した薬物を原因として疑うことは正しいといえます。 

 

 

3) ただし、「交差感作」の場合もあります。薬物には生化学的に近縁の薬剤があるために生じる問題も知っておく必要があります。

 

初めての薬でも、アレルギーを獲得している(感作が成立している)薬と構造が類似ているために、免疫細胞が見間違えて、すぐに惹起の反応が生じてしまうことがあります。これが「交差感作」です。ある薬でアレルギー症状を起こすことがわかっている場合、それと同系列あるいは近縁の薬も摂取しないようにするのはこのためです。関係性が近い程、この現象が起こりやすくなります。

アレルギー

 

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

 

薬物アレルギー①

Q 

薬物アレルギーの症状にはどのようなものがありますか?

 

A 

薬物アレルギーでは様々な症状が現れますが、最もよくみられるのが皮膚症状です。

 

皮膚症状は8割以上の患者さんに現れ、「薬疹」とよばれます。薬疹は、蕁麻疹や湿疹、ニキビのような赤い斑点ができる軽症のものから、薬を飲むたびに同じ場所が赤くなり、治るとシミになることを繰り返す固定薬疹、水疱やびらん(ただれ)が体中に広がる重症薬疹まで多彩です。

 

他にも呼吸器障害(喘息発作や間質性肺炎、好酸球性肺炎)が現れたり、検査によって肝障害、腎障害、血液障害(貧血、好酸球増多、白血球数異常、血小板減少)が見つかることもあります。

 

薬物アレルギーのなかでも生命を脅かす重篤なのが、アナフィラキシーと重症薬疹です。

 

アナフィラキシーは、全身に起こる即時型アレルギー反応で、薬剤が投与されてすぐに、体のかゆみや赤み、蕁麻疹、鼻水、喘息発作、腹痛、下痢、嘔吐などが分単位で現れ、血圧が下がり、呼吸困難に陥り意識を失うこともあります。重症薬疹については他項をご参照ください。

 

 

〈杉並国際クリニックからのメッセ―ジ〉

 

薬物アレルギー(薬剤アレルギー)は、薬物を適切に使用していても起こり得る異常反応のうちで、薬物あるいはその代謝産物が抗原として免疫反応を引き起こして発症するものです。ただし、薬理作用とは無関係です。

 

薬物アレルギーの病変は、圧倒的に皮膚にみられることが多く、それは薬疹(アレルギー性薬疹)とよびます。薬物アレルギーのうち圧倒的に多いのが薬疹である最大の理由は、皮膚病変がもっとも気づきやすいからです。

 

薬物アレルギーの病変は皮膚だけでなく、肝、肺、腎などにもみられます。これらの臓器では気づかれないまま原因不明の炎症性疾患として扱われている場合がほとんどであると推測されています。

 

薬疹は、皮膚科医でなくとも遭遇しますが、見落とされがちな内臓病変については、一般の内科医でも難しいと思われます。

 

それにもかかわらず薬物アレルギーについてのガイドラインは世界的にも完備されていません。アレルギー症状の発症後に診察した医師により個別の診療が行われているため、正確な情報の収集・解析システムが確立されていません。

 

そのため、診断において特に重要なのは、特殊な精密検査よりも薬剤使用状況と症状を正確に把握するための問診と患者-医師間の対話です。多忙な医療機関ほど問診や対話がおざなりになりがちなので、薬物アレルギーの見落としも、それだけ多く発生している可能性があると思われます。