アレルギーの検査

 

アレルギー反応の概要をつかむための検査には、IgE抗体検査、皮膚テスト、血中好酸球数などがあります。

 

 

IgE抗体検査

IgE抗体は、即時型アレルギー反応を引き起こす抗体です。一般的な、血液検査でアレルゲンに特異的なIgE抗体を測定することができます。

 

血液中に存在するIgE抗体の総量を示すのが血清IgE抗体値、非特異的IgE抗体値とよばれるものです。そのIgE抗体がどのようなアレルゲンに対して反応するのかを測定するのが特異的IgE抗体測定です。

 

現在200種類以上のアレルゲンに対する特異IgE抗体を測定することができます。測定値は、クラスという段階的に量をわかりやすく示す方法でクラス0~6まで7段階で示す方法がとられています。値が高い方がその特異IgE抗体の量が多いことを示していますが、ここで気をつけなければいけないことは、この値が高いからと言って必ずしも臨床症状と相関しないということです。

特に、食物アレルゲンでは、特異IgE抗体がある程度高くてもそのアレルゲンを摂取しても症状がでないことがしばしば経験されます。

 

アレルゲンによる感作の状況を診ている検査で診断の参考にしていると考え頂くのがよいようです。

 

健康保険の範囲内で測定できるアレルゲン数は、測定方法によっても異なります。主治医とよく相談して相談するアレルゲンを選びましょう。

 

 

皮膚テスト

皮膚の直下にいるアレルギーに関連する細胞に皮膚表面から直接アレルゲンを接触させることで反応を見る検査です。

 

IgE抗体が結合しているマスト細胞に、皮膚表面からアレルゲンを接触させ局所での反応がプリックテスト、スクラッチテスト、皮内テストです。このテストは、即時型アレルギー反応によってマスト細胞から放出されたヒスタミンによって周囲の血管が拡張することで皮膚の赤み、血漿成分の漏出で皮膚の盛り上がり(膨疹)がおこります。

 

このテストは、間接的に特異的IgE抗体の存在を示しているものなので、血液の特異IgE抗体の検査と同様にアレルゲンによる感作の状況を見ている検査なのですぐには診断をしません。診断の参考にしていると思ってください。

 

具体的な方法は、アレルゲンのエキスを1滴前腕部などにたらして、専用のプリック針、スクラッチ針を使用して、皮膚の表面に傷をつけます。皮内テストの場合は、1mLのシリンジを用いて、皮膚のごく表面に水疱をつくるようにエキスを注射します。15分後に判定しますが、赤く腫れていれば陽性です。

 

遅発型アレルギー反応を見る検査がパッチテストです。皮膚表面に、アレルゲンエキスのついたシールを貼りつけて48時間まで観察します。48時間後に貼ったシール部分が腫れていれば陽性です。この反応は、Ⅳ型アレルギー反応を見る検査です。

 

 

<補足説明>

アレルギー専門医として毎日診療しているのですが、皮膚テストなどを実施しなければならない機会はほとんどありません。それどころか、大学病院の皮膚科で実施したパッチテストによる皮膚の湿疹がいつまでも治らず、痒みで眠れなくなったという方の相談にのったこともあります。

 

アレルギー専門医としては、確定診断をするために厳密な検査を実施しなければならないこともありますが、検査のために、患者さんを苦しめる結果を招かないよう、細心の注意を要することは言うまでもありません。

 

私自身、プリックテストを自分で実験したことがあります。アレルゲン試液でないコントロール用の塩酸ヒスタミン液によって膨疹が出現し、しばらくの間、痒みが持続した経験があります。それ以来、皮膚テストに対しては消極的になりました。

 

ましてやこうした検査はアナフィラキシー・ショックという致死的な副反応の可能性もあり、たった1件であってもこのような事故は起こしてはならないと考え、慎重な姿勢で臨んでいます。

IgE抗体

 

IgE抗体は、即時型アレルギー反応をおこす大切な役者です。アレルゲンによる感作がおこると、そのアレルゲンにだけ結合することができる特異IgE抗体が形質細胞で産生されます。

 

アレルゲンが卵白であれば卵白特異IgE抗体、ダニであればダニ特異IgE抗体が産生されます。産生されたIgE抗体は、血液中を流れて、私たちの皮膚や粘膜のすぐ下にいるマスト細胞や、血液中を流れる白血球の一種である好塩基球の表面にくっつき、アレルゲンと出会うのを待っています。

 

アレルギーの血液検査で測定しているのが、このIgE抗体の量であり、現在200種類以上のアレルゲンに対する特異IgE抗体を測定することができます。測定値は、クラスという段階的に量をわかりやすく示す方法でクラス0~6まで7段階で示す方法がとられています。

 

値が高い方がその特異IgEの量が多いことを示していますが、ここで気をつけなければいけないことは、この値が高いからと言って必ずしも臨床症状と相関しないということです。特に、食物アレルゲンでは、特異IgE抗体がある程度高くてもそのアレルゲンを摂取しても症状がでないことがしばしば経験されます。

 

診断の参考にしていると考え頂くのがよいようです。

 

マスト細胞や好塩基球の表面にくっついている二つのIgE抗体にアレルゲンが結合し、2つのIgE抗体につながりができるとそのシグナルが細胞内にはいりマスト細胞や好塩基球が活性化してヒスタミンやロイコトリエンを放出する仕組みがあります。この物質によって即時型アレルギー反応による症状がおこります。

 

 

<補足説明>

 この解説のポイントは、アレルギーの血液検査で測定することが多いIgE抗体についての扱い方です。

 

現在200種類以上のアレルゲンに対する特異IgE抗体を測定することができますが、当クリニックでは、代表的なアレルゲンの検索のみ検査して診断の参考にしています。

しかし、この値が高いからと言って必ずしも臨床症状と相関しないことは良く知られています。

 

ただし、特異IgE抗体ではなく、総IgE抗体(非特異的IgE抗体)量はしばしば検査しています。慢性のアレルギー疾患の患者さんは、複数のアレルギーを合併しているいことが多いため、個別的なアレルゲンに対する特異的IgE抗体量を測定するより、いろいろなアレルゲンに対する個体全体の反応の結果、すなわち、治療がうまくいっているかどうかの経過観察の血清免疫学的な目安として総IgE抗体量の測定はなお有用であると考えております。

<アレルギーを知ろう>

 

アレルギー反応

私たちの体には、自分の体の成分と違う物、例えば、細菌、ウイルス、食物、ダニ、花粉などが体の中に入ってくるとこれを異物として認識して攻撃し排除する仕組みがあります。これを「免疫」と呼んでいます。アレルギー反応も広くは免疫反応の一部ですが、異物に対して反応する際に自分の体を傷つけてしまう場合をアレルギー反応と呼んでいます。

 

アレルギー反応を演ずる役者は、たくさんいます。主な役者は、抗原提示細胞、リンパ球、好酸球、マスト細胞などの細胞と、IgE抗体、ヒスタミン、ロイコトリエン、インターロイキンなどのタンパク質や化学物質です。これらの役者たちが、連携してさまざまな種類のアレルギー反応を演じています。

 

 

アレルギー反応をもう少し詳しくみてみましょう。

 

私たちの皮膚や粘膜には、外からやたらに体の中に物質が入ってこないようにするバリア機能と呼んでいる仕組みがあります。

このバリア機能が何らかの原因で破綻するとそこから、体のなかにウイルス、細菌、アレルギーの原因となる、ダニ、ほこり、花粉、食物などが入り込みます。

侵入してきた物質は、抗原と呼ばれ、アレルギーの原因になるものは特にアレルゲンと呼んでいます。

抗原やアレルゲンが侵入すると、皮膚や粘膜の直下にいる抗原提示細胞がそれらを見つけて異物として認識します。

 

抗原提示細胞からの情報はリンパ球に伝えられます。

抗原の種類や状況、免疫のバランスによってこの後の反応が変わってきます。細菌やウイルスに対しては、形質細胞がIgG抗体やIgM抗体を産生し、侵入してきた細菌やウイルスを攻撃し排除します(免疫反応)。

アレルゲンに対しては、形質細胞がIgE抗体を産生したり、リンパ球が直接反応するようになります。

 

 

産生されたIgE抗体は、血液中を流れて皮膚や粘膜にいるマスト細胞の表面にくっついて待機しています。

この状態を「感作(かんさ)」と呼んでいます。

感作されただけではアレルギー反応はおこりません。感作された状態で、再びアレルゲンが侵入してマスト細胞上のIgE抗体と反応するとマスト細胞から、ヒスタミン、ロイコトリエンが放出され様々なアレルギー症状をおこします(即時型アレルギー反応)。

 

また、リンパ球が反応した場合は、再度のアレルゲンの侵入によって、様々な活性化物質や、細胞間伝達物質などが放出されます(遅発型アレルギー反応)。

 

 

この他にもいくつかのアレルギー反応の経路があることがわかっています。

 

即時型アレルギー反応の代表的な疾患が、花粉症、気管支喘息、食物やハチ毒でのアナフィラキシーです。遅発型アレルギー反応の代表的な疾患には、接触性皮膚炎があります。

 

 

<補足説明>

アレルギー反応は特殊な免疫反応です。免疫とは、私たちの体には、自分の体の成分と違う物、例えば、細菌、ウイルス、食物、ダニ、花粉などが体の中に入ってくるとこれを異物として認識して攻撃し排除する仕組みです。そして異物に対して反応する際に自分の体を傷つけてしまう場合を特にアレルギー反応と呼んでいます。

 

私たちの皮膚や粘膜には、外からやたらに体の中に物質が入ってこないようにするバリア機能と呼んでいる仕組みがあります。そのうえで、免疫という身体の働きがあり、それ自体は本来有益なものなのです。しかし、アレルギー反応は、アナフィラキシー反応のように、かえって生命を脅かしてしまうものまであるので問題となります。

 

私たちを取り巻く環境の中には、アレルギー反応を引き起こす異物がたくさんあり経年的に増加していることが推定されます。そのうえに、私たちの身体のバリア機能は、いろいろな原因によって弱まっている可能性があります。これらの問題点が解決されない限り、アレルギーを減らすことは難しくなりますが、実際に、アレルギーは国民病といわれるまでに増えてきています。

 

環境改善とバリア機能の強化という二つの側面を踏まえた養生法や鍛錬法を実践することは、実に理に適っているはずです。水氣道®は、アレルギー反応を引き起こす細菌、ウイルス、食物、ダニ、花粉などの異物の少ない水中での有酸素運動であり、温度や湿度も維持された環境にあり、水着着用により、皮膚や粘膜などのバリアに対する傷害も少ないためアレルギー体質の患者さんにとっては理想的な鍛錬法の一つであるということができるでしょう。

 

アトピー性皮膚炎の患者さんに対して、入浴やプールでの運動を制限する皮膚科の先生もいらっしゃいますが、短期的な見立てにすぎないと思われます。

長期的な展望に立てば、アトピー性皮膚炎の患者さんも気管支ぜんそくの患者さんと同様に、水氣道の鍛錬によって改善が得られています。また、花粉症に至っては、運動不足も好ましくない反面、花粉散布量の多い屋外の運動は続けにくいものがありますが、屋内の温水プールを活用すれば、安心して運動不足を解消できることでしょう。

 

今回は、診療中に受けたご質問

Q-実際と

 

それに対してご説明させていただいた回答

A-実際

を掲載することにしました。

 

 

Q-実際   

Aさん。30歳代後半、女性。私は子供の頃からのアトピー体質で、たびたび蕁麻疹の発作も出るのでずっと皮膚科にお世話になっていました。最近、花粉症もひどくなってきたので耳鼻科にも通い始めました。

 

その上、「マル高」なのにどうしても子供が欲しくて遠方の不妊症外来に車を運転して通院しています。それまで使用している私の抗アレルギー剤は妊婦や授乳婦に禁忌であることを、産科の先生から指摘されたので、皮膚科と耳鼻科の相談したところ、アレルギー専門医の先生で処方してもらうようにいわれました。

 

現在は、お陰様でアトピーも落ち着き、蕁麻疹も出なくなり、花粉症も良くなってきたのですが、お薬をやめないと妊娠してはいけないでしょうか。

 

 

 A-実際 

妊娠を諦める必要はありません。皮膚科の先生が処方されていたフェキシフェナジン(アレグラ®)は、自動車運転の注意記載のない安全性の高い抗アレルギー薬です。授乳婦への使用が推奨されています。

 

また、耳鼻科の先生が処方されていたセチリジン(ジルテック®)は、妊婦と授乳婦の両方に推奨されています。皮膚科の先生も耳鼻科の先生もAさんのために、比較的安全な薬を選んでくださっていたのではないでしょうか。

 

妊婦と授乳婦の両方に推奨されている抗アレルギー薬は、セチリジン(ジルテック®)の他には、レボセチリジン(ザイザル®)、ロラタジン(クラリチン®)に限られます。この3者の中で、自動車運転の注意記載のないのは、ロラタジン(クラリチン®)のみです。

 

それから、Aさんは初診時の尿検査で高度な蛋白尿が認められ、また、病歴にネフローゼ症候群の既往がありました。Aさんの腎障害の程度は、高度ではありませんが、セチリジン(ジルテック®)、レボセチリジン(ザイザル®)は、高度の腎障害には禁忌とされていますので、避けておいた方が良いでしょう。

 

 このように情報を整理していくと、Aさんに最も適した抗アレルギー薬はロラタジン(クラリチン®)ということになるでしょう。この薬であれば、安心して自動車を運転して通院できますし、腎障害を悪化させることなく、妊娠の準備ができます。出産の後、授乳することも心配せずにすむということになります。

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

 

蕁麻疹④

Q4 

蕁麻疹の薬物療法について教えてください

 

A

蕁麻疹の治療の基本は原因・悪化因子の除去・回避と、抗ヒスタミン薬を中心とした薬物療法です。

 

発症初期の特発性の蕁麻疹では2,3日間抗ヒスタミン薬を内服し、症状が現れなければ徐々に薬の量を減らします。発症後の時間経過が長いものでは、症状が出なくなってから後に、もう少し長く内服を続けます。具体的には、発症後1~2ヶ月間経過したものでは1ヶ月間、2ヶ月以上経過したものでは2ヶ月間を目安として、症状が現れないように抗ヒスタミン薬を飲み続けます。

 

一方、一種類の抗ヒスタミン薬では症状が治まらない場合は他の薬に変更、追加、またはそれまで飲んでいた薬の量を増やすなどのことが行われます。急性期には、副腎皮質ステロイドの内服または注射が併用されることもありますが、副作用を避けるため、原則として何週間も続けては使われません。まれに、痛み止めや高血圧の治療薬が蕁麻疹、血管性浮腫の原因になっていることがあるので、注意が必要です。

 

蕁麻疹には、一般的につけ薬の効果は期待できないので使いません。また、遺伝性の血管性浮腫の発作にはC1インヒビターの点滴または静脈注射、アナフィラキシーを起こしている場合はアドレナリンの筋肉注射が必要です。妊娠中、特に妊娠2ヶ月に相当する時期までは、安全性の視点から飲み薬は使わないことが望まれます。しかし、いくつかの抗ヒスタミン薬は妊婦が飲んだ経験が蓄積しており、必要に応じて使われることもあります。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセージ

 

薬物療法の中心は抗ヒスタミン薬の内服です。

 

急性期には、副腎皮質ステロイドの内服または注射が併用されることもあります。しかし、副作用を避けるため、原則として何週間も続けては使われません。

 

遺伝性の血管性浮腫の発作にはC1インヒビターの点滴または静脈注射、アナフィラキシーを起こしている場合はアドレナリンの筋肉注射が必要です。

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

 

蕁麻疹③

 

Q3   

蕁麻疹にはどのような検査がありますか

 

A

蕁麻疹の検査は、詳しい問診(患者さんのお話しを聞く診察のこと)に基づいて行われます。皮膚症状が、いつも特定の食べ物を食べた後や行動、場所に限って現れる場合は刺激誘発型の蕁麻疹が考えられます。

 

その中には、アレルギーが関係しているものも含まれます。アレルギーが関係している場合は、血液検査が一般的ですが、疑われる物質で皮膚を刺激して調べることもあります。食べ物、薬剤、運動などの関連が疑われる場合は負荷試験、つまり、疑われる刺激を患者さんに加えて実際に症状を起こす試験が行われることもあります。

 

蕁麻疹以外に発熱、体がだるい、疲労感がある、関節が痛む、胃が痛む、などの症状がある場合は、それぞれの症状に基づく血液検査や、胃の検査などが行われることもあります。しかし、蕁麻疹では最も頻度の高い、自発的に症状出現を繰り返す特発性の蕁麻疹の場合は、今のところ原因や重症度を調べるための検査はありません。ただし、特発性の蕁麻疹でも、一カ所の皮膚症状が1日以上消えない場合は皮膚の一部を採って顕微鏡で調べる皮膚生検が行われることもあります。

 

また、繰り返しまぶたやくちびる、あるいは喉が腫れて息苦しくなる血管性浮腫という病型の場合は、遺伝性か否かを見分けるための血液検査が行われることがあります。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセージ

蕁麻疹では特発性蕁麻疹(最も頻度の高い、自発的に症状出現を繰り返す病型)の場合は、今のところ原因や重症度を調べるための検査はありません。

 

アレルギーが関係している場合は、血液検査が一般的ですが、疑われる物質で皮膚を刺激して調べることもあります。食べ物、薬剤、運動などの関連が疑われる場合は負荷試験、つまり、疑われる刺激を患者さんに加えて実際に症状を起こす試験が行われることもあります。

 

血管性浮腫という病型の場合は、遺伝性か否かを見分けるための血液検査が行われることがあります。

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

 

蕁麻疹②

Q2 

蕁麻疹にはどのようなタイプがありますか

 

A

蕁麻疹は、大きく4つのグループに分けられます。明らかな原因がなく自発的に症状が現れる特発性の蕁麻疹、特定の刺激により症状が出る刺激誘発型の蕁麻疹、目や口などの皮膚、粘膜が腫れ上がる血管性浮腫、そして蕁麻疹関連疾患です(表)。刺激誘発型の蕁麻疹の中には、特定の食べ物や薬などで症状が現れるアレルギー性の蕁麻疹、アレルギーではない薬剤による蕁麻疹、特定の物理的な刺激により現れる物理性蕁麻、発汗刺激により起こすコリン性蕁麻疹などがあります。

 

物理性蕁麻疹では、皮膚が擦れた時に現れる機械性蕁麻疹、冷たいものに触れて起こる寒冷蕁麻疹、日光に曝されて起こる日光蕁麻疹などが主な病型です。なお、これらは一つだけが現れる他に、患者さんによっては複数の蕁麻疹の病型を併せ持っていることも少なくありません。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセージ

蕁麻疹の特徴は個々の皮疹の経過にあります。つまり、痒みを伴う紅斑が24時間以内に出没することが確認できればほぼ蕁麻疹と考えて良いということです。しかし,その対処のしかたは蕁麻疹の種類により大きく異なり,緊急性の判断と正しい病型診断が重要です。

 

また,蕁麻疹の発症機序,膨疹出現の直接刺激,およびその他の臨床的特徴は多岐に亘り,かつそれらが必ずしも1対1に対応しないのが問臨床上での困難な点です。

 

「蕁麻疹診療ガイドライン2018日本皮膚科学会ガイドライン」の分類(表2)は,主として臨床的な特徴に基づくもので,症例によっては二つ以上の蕁麻疹の病型が認められることがあり,また,必ずしもこれらの分類に当てはまりにくいものもあります。

 

それゆえ,診察に際しては個々の症例における蕁麻疹の全体像を捉え,各病型の特徴を踏まえてゴールに至るための道筋を見いだすことが大切です。

 

 

表2 蕁麻疹の主たる病型

Ⅰ.特発性の蕁麻疹 spontaneous urticaria

1. 急性蕁麻疹 acute spontaneous urticaria(発症後6週間以内)  

2. 慢性蕁麻疹 chronic spontaneous urticaria(発症後 6週間以上)

 

Ⅱ.刺激誘発型の蕁麻疹(特定刺激ないし負荷により皮疹を誘発することができる蕁麻疹)inducible urticaria※

1.アレルギー性の蕁麻疹 allergic urticaria  

2.食物依存性運動誘発アナフィラキシー FDEIA  

3.非アレルギー性の蕁麻疹 non-allergic urticaria  

4. アスピリン蕁麻疹(不耐症による蕁麻疹)

aspirin-induced urticaria(urticaria due to intolerance)  

5. 物理性蕁麻疹physical urticaria

(機械性蕁麻疹mechanical urticaria,寒冷蕁麻疹cold urticaria,

日光蕁麻疹solar urticaria,温熱蕁麻疹heat urticaria,

遅延性圧蕁麻疹delayed pressure urticaria,

水蕁麻疹aquagenic urticaria)  

 

6.コリン性蕁麻疹cholinergic urticaria  

7.接触蕁麻疹contact urticaria

 

 

Ⅲ.血管性浮腫 angioedema  

1.特発性の血管性浮腫 idiopathic angioedema  

2. 刺激誘発型の血管性浮腫 inducible angioedema

(振動血管性浮腫 vibratory angioedemaを含む)  

3. ブラジキニン起因性の血管性浮腫

bradykinin mediated angioedema  

4.遺伝性血管性浮腫 hereditary angioedema(HAE)

 

 

Ⅳ.蕁麻疹関連疾患 urticaria associated diseases  

1.蕁麻疹様血管炎urticarial vasculitis  

2.色素性蕁麻疹 urticaria pigmentosa  

3.Schnitzler症候群およびクリオピリン関連周期熱症候群

※国際ガイドラインでは,6週間以上続く蕁麻疹は刺激誘発型の蕁麻疹を含めてchronic urticariaに分類されます。

 

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

蕁麻疹②

Q2 

蕁麻疹にはどのようなタイプがありますか

 

A

蕁麻疹は、大きく4つのグループに分けられます。明らかな原因がなく自発的に症状が現れる特発性の蕁麻疹、特定の刺激により症状が出る刺激誘発型の蕁麻疹、目や口などの皮膚、粘膜が腫れ上がる血管性浮腫、そして蕁麻疹関連疾患です(表)。刺激誘発型の蕁麻疹の中には、特定の食べ物や薬などで症状が現れるアレルギー性の蕁麻疹、アレルギーではない薬剤による蕁麻疹、特定の物理的な刺激により現れる物理性蕁麻、発汗刺激により起こすコリン性蕁麻疹などがあります。物理性蕁麻疹では、皮膚が擦れた時に現れる機械性蕁麻疹、冷たいものに触れて起こる寒冷蕁麻疹、日光に曝されて起こる日光蕁麻疹などが主な病型です。なお、これらは一つだけが現れる他に、患者さんによっては複数の蕁麻疹の病型を併せ持っていることも少なくありません。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセージ

蕁麻疹の特徴は個々の皮疹の経過にあります。つまり、痒みを伴う紅斑が24時間以内に出没することが確認できればほぼ蕁麻疹と考えて良いということです。しかし,その対処のしかたは蕁麻疹の種類により大きく異なり,緊急性の判断と正しい病型診断が重要です。

 

また,蕁麻疹の発症機序,膨疹出現の直接刺激,およびその他の臨床的特徴は多岐に亘り,かつそれらが必ずしも1対1に対応しないのが問臨床上での困難な点です。

 

「蕁麻疹診療ガイドライン2018日本皮膚科学会ガイドライン」の分類(表2)は,主として臨床的な特徴に基づくもので,症例によっては二つ以上の蕁麻疹の病型が認められることがあり,また,必ずしもこれらの分類に当てはまりにくいものもあります。

 

それゆえ,診察に際しては個々の症例における蕁麻疹の全体像を捉え,各病型の特徴を踏まえてゴールに至るための道筋を見いだすことが大切です。

 

なお、今回のガイドラインの改訂により、急性蕁麻疹と慢性蕁麻疹の境界を発症後1カ月から6週間に変更し,血管性浮腫の病型が改定されました。

 

 

表2 蕁麻疹の主たる病型

Ⅰ.特発性の蕁麻疹 spontaneous urticaria

1. 急性蕁麻疹 acute spontaneous urticaria(発症後6週間以内)  

2. 慢性蕁麻疹 chronic spontaneous urticaria(発症後 6週間以上)

 

Ⅱ.刺激誘発型の蕁麻疹(特定刺激ないし負荷により皮疹を誘発することができる蕁麻疹)inducible urticaria※

1.アレルギー性の蕁麻疹 allergic urticaria  

2.食物依存性運動誘発アナフィラキシー FDEIA  

3.非アレルギー性の蕁麻疹 non-allergic urticaria  

4. アスピリン蕁麻疹(不耐症による蕁麻疹)

aspirin-induced urticaria(urticaria due to intolerance)  

5. 物理性蕁麻疹physical urticaria

(機械性蕁麻疹mechanical urticaria,寒冷蕁麻疹cold urticaria,

日光蕁麻疹solar urticaria,温熱蕁麻疹heat urticaria,

遅延性圧蕁麻疹delayed pressure urticaria,

水蕁麻疹aquagenic urticaria)  

6.コリン性蕁麻疹cholinergic urticaria  

7.接触蕁麻疹contact urticaria

 

Ⅲ.血管性浮腫 angioedema  

1.特発性の血管性浮腫 idiopathic angioedema  

2. 刺激誘発型の血管性浮腫 inducible angioedema

(振動血管性浮腫 vibratory angioedemaを含む)  

3. ブラジキニン起因性の血管性浮腫

bradykinin mediated angioedema  

4.遺伝性血管性浮腫 hereditary angioedema(HAE)

 

Ⅳ.蕁麻疹関連疾患 urticaria associated diseases  

1.蕁麻疹様血管炎urticarial vasculitis  

2.色素性蕁麻疹 urticaria pigmentosa  

3.Schnitzler症候群およびクリオピリン関連周期熱症候群

 

※国際ガイドラインでは,6週間以上続く蕁麻疹は刺激誘発型の蕁麻疹を含めてchronic urticariaに分類されます。

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会のホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

 

蕁麻疹①

Q1 

蕁麻疹の原因にはどのようなものがありますか

 

A

蕁麻疹は、一部の例外を除き、ほとんどのものが皮膚の中にあるマスト細胞と呼ばれる細胞が活性化されることにより症状が起こります。マスト細胞を活性化する刺激としては、アレルギーの原因となる物質、薬剤、皮膚をこすることや温度の変化、皮膚を日光にさらしたり、汗をかいた時などがあります。

 

しかし、蕁麻疹の中で最も多く発生する特発性の蕁麻疹は、明らかな刺激なく症状を繰り返すことが特徴です。このタイプの蕁麻疹の要因としては、疲れ、ストレス、細菌やウイルスの感染、マスト細胞を活性化する自己抗体の存在などが知られています。しかし、これらがどのようにして特定の人に、またある時間にのみマスト細胞を活性化するのかということは、まだ良くわかっていません。そのため、蕁麻疹の原因とは一つではなく、いくつかの要素が組み合わさって一定以上のレベルにまで達した時に症状が現れると考えられます。

 

血管性浮腫と呼ばれる、まぶたやくちびるなどが突然膨れあがって2,3日かけて消える病型では、長く飲んでいる高血圧の治療薬の一種や遺伝子の異常が原因となっていることもあります。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセージ

蕁麻疹は、視診上では膨疹とされます。紅斑を伴う一過性、限局性の浮腫が病的に出没する疾患です。多くは強い痒みを伴うので、睡眠障害をもたらしたり、集中力を損ない日中の生産的活動を妨げたりなどQOLを大きく損なう原因にもなりえます。蕁麻疹について最も信頼できる情報ソースは、「蕁麻疹診療ガイドライン2018日本皮膚科学会ガイドライン」です。

 

蕁麻疹は、一般に皮膚マスト細胞が何らかの機序により脱顆粒し,皮膚組織内に放出されたヒスタミンを始めとする化学伝達物質が皮膚微小血管と神経に作用することによって発症します。その結果、血管拡張(紅斑),血漿成分の漏出(膨疹),および痒みを生じます。

 

蕁麻疹におけるマスト細胞活性化の機序としてはI型アレルギーが広く知られているが,実際には原因として特定の抗原を同定できることは少ないです。

 

一方,蕁麻疹にはI型アレルギー以外に機械的擦過を始めとする種々の物理的刺激や薬剤,運動,体温上昇などに対する過敏性によるもの(刺激誘発型の蕁麻疹),明らかな誘因なく自発的に膨疹が出現するもの(特発性の蕁麻疹)などがあり,症例によりこれらの機序のいずれか,または複数の因子が複合的に関与して病態を形成すると考えられます(表1)。

 

特に 慢性蕁麻疹では,しばしばIgEまたは高親和性IgE受容体に対する自己抗体やヘリコバクター・ピロリ菌感染などが関与し得ることが知られているが,それだけでは病態の全体像を説明できないことが多いです。

 

また, 直接的誘因は個体に曝露されると速やかに膨疹を生じることが多いのに対し,背景因子は個体側の感受性を亢進する面が強く,因子出現と膨疹出現の間には時間的隔たりがあることが多いです。また,両者における各因子は必ずしも一対一に対応しません。

 

そのため,診療においてはすべての原因をひとつの因子に求めるのではなく,蕁麻疹の病型,病歴,社会 的背景や蕁麻疹以外の身体症状などにも留意し,表1 を参考に何らかの因子の関与が疑われる場合には適宜それらを明らかにするための検査を行い,対策を講ずる姿勢が大切です。

 

 

表1 蕁麻疹の病態に関与する因子

1.直接的誘因(主として外因性,一過性)

1)外来抗原

2)物理的刺激

3)発汗刺激

4)食物*: 食物抗原,食品中のヒスタミン,仮性アレルゲン(タケノコ,もち,香辛料など),食品添 加物(防腐剤,人工色素),サリチル酸*

5)薬剤 : 抗原,造影剤,NSAIDs*,防腐剤,コハク酸エステル、バンコマイシン(レッドマン症候群),など

6)運動

 

2.背景因子(主として内因性,持続性)

1)感作(特異的IgE)

2)感染

3)疲労・ストレス

4)食物  抗原以外の上記成分

5)薬剤 :アスピリン*,その他のNSAIDs*(食物依存性運動誘発アナフィラキシー),アンジオテンシン変換酵素(ACE) 阻害薬*(血管性浮腫),など

6)IgEまたは高親和性IgE受容体に対する自己抗体

7)基礎疾患 :

膠原病および類縁疾患(SLE,シェーグレン症候群など)造血系疾患,遺伝的欠損など(血清C1-INH活性が低下)

血清病,その他の内臓病変など  

日内変動(特発性の蕁麻疹は夕方~夜にかけて悪化しやすい)

 

*:膨疹出現の直接的誘因のほか,背景因子として作用することもある.

 

アレルギー

 

ここで掲載する内容は、一般社団法人日本アレルギー学会の

ホームページ<一般の皆さま>から引用したものです。

 

 

最後に杉並国際クリニックからのメッセージを加えています。

 

薬物アレルギー③

 

Q5 

薬物アレルギ-を診断するためには、どんな検査がありますか?

 

A

原因薬物を特定する検査として、血液検査、皮膚テスト、再投与試験があります。このなかで、最も確実な診断方法は再投与試験ですが、再投与により症状が再びあらわれ、重い症状が誘発される恐れがありますので、その必要性と安全性を十分考慮して行います。そのため、再投与試験の前に、より安全な検査を行うことが一般的です。

 

例えば、アナフィラキシーを発症した患者さんでは、即時型アレルギーをみる皮膚テスト(プリックテスト、スクラッチテスト、皮内テスト)を、遅延型アレルギーではパッチテストといったように、症状に合わせて検査を選びます。また、遅延型アレルギーの血液検査に、リンパ球刺激試験(DLST)がありますが、検査の信頼性は低く、それだけで診断できないことがあります。

 

再投与試験以外の検査は、薬剤によって陽性率が異なり、陰性であっても原因薬剤を否定できない点に注意が必要です。したがって、専門医のもとで、総合的に判断されることが重要です。

 

 

杉並国際クリニックからのメッセ―ジ

回答では、種々の専門的な検査方法を紹介していますが、検査法については、すべてのアレルギー反応に適用できる確実な方法はないことに留意してください。結局のところ、複数の薬剤から絞り込む際には、過去の報告が重要であり、適切な検査は、あくまでも参考にして原因薬を確定させることになります。

 

薬物アレルギーの診断に至るためには、まず、症状が薬物で引き起こされている可能性を疑うことが重要です。たとえば、注射薬を投与している最中か直後にアナフィラキシーを発症する場合の判断は容易です。

 

しかし、時間が経過してから発症する場合には患者さんの協力が不可欠です。患者さんとの真の信頼関係が築かれていないと、アレルギー専門医であってもこの可能性を疑うことすらできないことがあるからです。

 

臨床の現場で一番困るのは、患者さんが遠慮して症状の申告をためらい、自己判断で経過観察をすることです。しばしば、「様子をみていました」とおっしゃるのですが、「様子をみてみましょう」とか「様子をみてください」という言葉は医師から発せられるべき言葉であって、決して患者さんから発せられてはならない言葉です。

 

経過観察は、専門家の視点から行われるべきで、素人の患者さんが行うべきものではありません。後になって「自己責任で」とまでおっしゃる方までもいらっしゃるのですが、その後のサポートをするのは医師なのですから、ご一考願いたいところです。

 

さて、患者さんが症状を的確に伝えてくださったと仮定しましょう。

 

難しいのは、他の医療機関でも薬を処方されている場合です。薬物の相互作用という問題もあります。

 

その場合の薬物アレルギーの診断のためには、症状発現までの時間経過、発症以降の症状の変化、とりわけ、薬物と症状との間に妥当な時間的関係があるかを確認する問診が特に重要です。

 

以下の3点は、FDA方式の原因薬検索のアルゴリズムにも含まれている重要なポイントです。それを紹介しておきましょう。

 

①薬物投与と症状発現との時間的関係 

いつ頃に、どのような症状に対して何という薬物(複数であれば、そのすべて)を何日間使ったときに、どのような時間経過で、どのような症状が出現したのか?

 

②薬物投与中止後の症状改善

薬物はいつ中止したのか?

症状は、どのような経過で治ったのか?

 

③ 薬物再投与が行われた場合の症状再発

その後、同じ薬剤を使ったことがある場合には、同じ症状が誘発されたのか?

その時間経過はどうであったか?