<はじめに>

 

 

前回は耳鳴りに効果のあるツボを紹介しました。

 

 

「完骨」は「耳のすぐ後ろにある出っ張った骨(乳様突起といいます)のすぐ下にあり、

 

 

「風池」は後頭部中央のへこみと、耳のうしろにある骨の"でっぱり"をむすんだラインの中間にあるというお話でした。

 

 

今回は「目に効果のあるツボ」を紹介しましょう。

 

 

 

<目に効果のあるツボ>

2019-11-19 11-53

 

 

 

今回は「攅竹(さんちく)」「晴明(せいめい)」「天柱(てんちゅう)」を紹介していきます。

 

 

「攅竹」は眉頭のくぼんだ部分にあります。

 

 

「晴明」は目頭の内側やや上方のくぼんだ部分にあります。

 

 

「天柱」は首の後ろ側、中央のくぼみの両脇にある太い筋肉の上、左右両方外側のくぼみにあります。

 

 

特に「晴明」は目の疲れが取れるので試してみてください。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

5) 家族性高コレステロール血症(FH)

脂質異常症の中でも病因により甲状腺機能低下症やステロイド治療などに合併した続発性(二次性)脂質異常症では、原疾患の治療が優先されるべきです。

 

これに対して原発性脂質異常症の主たるものは家族性高脂血症(FH)です。

 

家族性高脂血症(FH)は、冠動脈疾患発症のリスクが極めて高いため、早期発見による厳格な管理が基本となります。

 

 

家族性高脂血症(FH)の診断は、15歳以上であることを前提として、


① 高LDLコレステロール血症(未治療時のLDL-C180㎎/dL以上)

 

② 腱黄色腫(手背、肘、膝など)やアキレス腱肥厚あるいは皮膚結節性黄色腫

 

③ FHあるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(2親等以内の血族)

 

以上の3項目のうち2項目以上が当てはまれば診断できます。

          

 

家族性高脂血症(FH)は脂質異常自体が高度であることに加え、若年期から発症することから、厳格な脂質管理が必要です。

 

生活習慣が原因ではないですが、生活習慣が良好でない場合はリスクをさらに高めますので、その是正を並行します。しかし、生活習慣の是正だけでは管理することができないため、薬物療法を用います。

          

 

治療指針としては、原則として、

 

① LDL-コレステロールの管理が最も重要であること、

 

② non-HDL-コレステロールの管理を二次目標とすること、

 

③ 脂質以外の動脈硬化危険因子も考慮すること、

 

が挙げられます。

          

 

 

経過観察時の脂質検査項目としては、原則として脂質値に加えて副作用のチェックのため肝・腎機能、CKなどの検査を行います。

          

 

原発性脂質異常症は生涯にわたる薬物療法が必要となることが多いです。

 

脂質異常症への治療は、短期間で終了することはなく、生涯にわたり継続することが重要です。

          

 

わが国では、欧米に比べて心筋梗塞発症率・死亡率が低く、治療に対する効果も比較的良好です。

 

その背景には、日本の食習慣が維持されていることによって動脈硬化性疾患の危険因子が欧米に比べて良好な状態で管理されてきていることが指摘されています。

          

 

治療においては、①できるだけ生活習慣の変容を促すこと、②薬物療法においては効果と安全性を考慮して、できるだけ薬剤数および投与量を減らすことがポイントです。

 

生活習慣の変容のためには、行動変容が前提ですが、その前提として認知の変容が求められます。

 

杉並国際クリニックでは、複数の生活記録表フォーマットを準備して、各人の目的にマッチしたチェック・シートにより、行動療法ないし認知行動療法を行なっています。

 

認知行動と運動療法をリンクさせたのが水氣道®であるということもできます。

 

水氣道®の実践継続によって、薬剤数および投与量を減らすことができた事例数は枚挙に及びません。

 

 

< 脳心血管病予防のための脂質管理・完 >

4) 生活習慣改善

わが国において、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病が増加している最大の要因として、食生活、運動不足などの生活習慣の悪化が第一に挙げられています。

 

これを受けて、脂質異常症においても一次予防、二次予防を問わず管理の基本は、食事を含む生活習慣改善です。とりわけ、脂質異常症の改善には、適正なカロリーの摂取、肥満の是正、飽和脂肪酸、コレステロール制限が必要です。

 

高トリグリセライド血症(高TG血症)がある場合には、上記に加え、アルコール、ショ糖、果糖の制限も必要です。

 

また、運動習慣の確立も重要です。運動習慣はTG低下、HDLコレステロール増加などの血清脂質値の改善や、血圧降下、インスリン抵抗性改善などのリスクファクターの改善とともに動脈硬化性疾患の予防に効果的です。

 

運動は安全で長期にわたって継続しうることが重要です。

 

この観点から、全天候型といって、天候や気象などの影響を受けにくい屋内で、かつ、一般の陸上あるいは床上の運動より、高齢者や虚弱者にとっても長期に継続しやすい水中での恒常的な保護的環境(室温、水温ともに30℃程度)という諸条件を満足する運動として、室内温水プールを主として活用する水中運動である水氣道®が誕生しました。

 

脂質異常症の治療のためには、中強度の有酸素運動を1日30分以上行うように指導することとなっていますが、実際に、一人で単独でこれを正しく理解して実践できる人は限られています。

 

そこで、様々な工夫を凝らして生涯学習型で心身共に成長することができるシステムの構築と維持・発展が必要なのだと思います。

 

血清脂質の管理目標値は、あくまでも目安であるとはいえ、臓器障害を有する糖尿病やコントロール不良の糖尿病、二次予防が必要な患者など高リスク群では、確実な管理目標値達成を目指すべきです。

 

これらの患者さんにとって、安全で、確実な陸上での運動を単独で実施することが困難なことがあります。

 

水氣道®であれば、ベテランから初心者までがそろった集団運動であり、プール施設には監視員等の人的資源に囲まれているので安全・安心な環境で、無理なく楽しく効果的な運動を続けていくことができます。

 

こうした非薬物療法開始後は2~3カ月ごとに、治療の効果を確認することが必要です。杉並国際クリニックでは、フィットネス・チェックと医学検査を、概ね3か月ごとに実施しています。

 

脂質異常症の治療は、食事、運動の他に禁煙も必須です。こうした、生活習慣改善と、その改善された習慣の維持が鍵になります。

 

<明日に続く>


3) 脂質異常症の管理目標値

 

「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」では、脂質管理目標値設定には、冠動脈疾患の絶対リスクによる層別化を用いています。

 

これは、LDLコレステロールの管理目標を軸としたフローチャートにしたがって、鑑別を進めていきます。

 

まず、二次予防(冠動脈疾患再発防止)と一次予防(冠動脈疾患発症予防)の鑑別を行ないます。これは、冠動脈疾患をすでに発症したことがあるかのみで判断します。

 

冠動脈疾患を経験していない一次予防群でも、糖尿病、慢性腎臓病、非心源性脳梗塞または末梢動脈疾患のいずれかを有している場合は「高リスク」とします。

 

また、これらのいずれにも該当しない場合には、「吹田スコアによる冠動脈疾患発症予測モデル」によって、絶対リスクとよばれる今後10年間における冠動脈疾患発症確率を求めます。

 

それに必要な入力データは、年齢、性別、血清HDLコレステロール、LDLコレステロール、血圧、および耐糖能異常、喫煙、早発性冠動脈疾患の家族歴の有無に関する情報です。

 

今回の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」では、10年間の冠動脈疾患発症率によって、低リスク(2%未満)、中リスク(2%以上9%未満)、高リスク(9%以上)に区分しました。ただし、このスコアは35歳以上75歳未満までの患者に対して適応できます。

 

このリスク区分にしたがい、区分ごとに設定された脂質管理目標が示されます。これらの管理目標値は、長期的にみた到達努力目標です。そこでは、目標値到達に向けて、LDLコレステロールでは、少なくとも20~30%の低下を当面の目標とします。

 

<明日に続く>

2) 脂質異常症の管理目標値決定のためのリスク・カテゴリー

 

脂質異常症とは、血液中の脂質濃度が異常値を示す疾患であり、わが国における脂質異常症の頻度は、男性約23%、女性約18%といわれています。その診断・治療の目的は動脈硬化性疾患および急性膵炎の予防です。


とりわけ、脂質異常症の治療の最大の目的は、将来起こりうる動脈硬化性疾患の予防にあります。

 

脂質異常症は、冠動脈疾患などの動脈硬化性疾患を起こす主要リスクの一つです。

 

わが国でも総コレステロール(TC)、LDLコレステロールが高値の場合に、冠動脈疾患の発症率、死亡率を増加させることが示されています。

 

同様に、低HDLコレステロール血症、高トリグリセライド(TG)血症も冠動脈疾患や非心源性脳梗塞を増加させることが示されています。

また高度の高TG血症は急性膵炎を起こす可能性があり、その診断・治療は重要です。


日本動脈硬化学会では、脂質異常症を中心とする治療指針を改定し、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」を発表しました。


改訂のポイントは、
① 吹田研究に基づく10年間の冠動脈疾患の発症をエンドポイントとして行い、絶対リスクの算出を行なったこと、

 

② 高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群をリスクとして考慮すべき状態として取り上げたこと

 

③ 家族性高コレステロール血症(FH)の診断・治療に関する記載を充実させたこと、

 

④ FHや急性冠症候群など、二次予防までの高リスク病態において、LDLコレステロール100㎎/dL未満より、さらに厳格な脂質管理目標を提言したこと、

        

<明日に続く>

11月18日 脳心血管病予防のための脂質管理(管理目標を中心に)

 

1) 令和時代の医療モデルとしての脂質異常症の医学

医療は時代とともに進み、時代も医療とともに歩んできたように思われます。

 

たとえば、昭和の高度経済成長後から高齢化社会、平成の30年間は高齢社会・超高齢化社会、そして超高齢社会を本格的に迎えつつあるのが令和の時代ということになりましょうか。


それで各時代の医療の在り方は成功してきたかというと、医学の進歩ほどではない、後手に回っているというのが私の見解です。

 

そうした中で、令和時代の医療の方向性のモデルになるとして、私が注目しているものの一つが脂質異常症対策です。

 

 

昭和の医療は、《働けていれば健康である》という国民の健康観に基づく医療でした。体調不良で働けなくなると病院に行くが、働けるようになれば「治った」と自己判断して治療を中断してしまう方がたくさんいた時代です。


そんな患者さんたちに「先生、お陰様で治りました。先生は患者離れもよい。やっぱり先生は名医です。」などと感謝されて喜んでいるような迷医がたくさん張り切っていた時代だったそうです。

 

しかし、定年を迎えて年金暮らしになると、そうした患者さんは、それまでの不健康のツケが一気に噴き出し、通院が日課のような高齢者をたくさん生み出して待合室が老人クラブのよになっていました。

 

それでも治療が間に合わず、脳卒中で亡くなるか、麻痺で苦しむ方が少なくなく、「寝たきり、ボケ」という言葉が急速に広がりました。

 

 

平成の医療は、《症状がなければ健康である》という国民の健康観に基づく医療でした。この時代の患者の特徴は、情報化社会を反映してか自分勝手に素人診断まで行って、その根拠の乏しい診断名をもとに、自分の好みの治療を施してくれる医師や医療機関をはしごするようなドクターショッピングがはびこりました。


症状がある間は通院するが、短期間で症状が消失してしまうと「治った」と自己判断して治療を中断してしまう方がたくさんいた時代です。そんな患者さんたちは、挨拶もなく、勝手に治療を中断してしまいます。そして、20年ぶりで来院して親類のように「私の主治医は、先生です。先生ほど立派で良い先生はどこにもいませんでした。」などとおだてられることがありましが、決してうれしくはありませんでした。

 

良い先生の意味が、(都合の)良いコンビニ先生の意味に聞こえてくるからです。

 

そうして、そんな患者さんの態度には成長どころか、後退が感じられるからでした。

 


そして、この時代は「寝たきり、ボケ」という言葉は、底辺を拡大しつつ介護保険制度の普及と共に「要介護、認知症」という言葉に置き換わったまま、抜本的な解決策を講じることに関しては、国も国民も無策のままでした。

 


また、ストレス社会を反映して、平成8年に「心療内科」という標榜科目が認可されると、本質的に内科の領域であるにもかかわらず、ほとんどの精神科医が無節操にも「心療内科」の標榜を独占してしまうという事態となり、「心療内科」は軽症精神病を扱う診療科との誤解を国民に与えてしまう結果を招くことによって、令和の時代に大きな活躍が期待できたはずの、本来の「心療内科」の発展を決定的に損ねてしまいました。

 

さて、令和の医療は、どのような健康観に基づいてすすめられていくべきでしょうか。国民全般の健康観を変えていくことがいかに難しいか、というのは自分が直接診療させていただいている患者さんでさえ難しいことで容易に実感できます。水氣道®を始めて20年を迎えようとしていますが、やはり、先進的な取り組みであったとの自信を深めています。その裏付けは、会員の皆様の健康増進の成果からも明らかです。

 


水氣道に長く励んでいる皆様に共通している健康観は、《少なくとも今後10年間の自分の健康に責任をもってこそ健康である》というものに近いのではないかと観察しています。実際の医療に比べて学問としての医学の進歩は目覚ましいです。医学は、すでに10年先のリスク評価をすることが当たり前になってきています。その代表が、脂質異常症の医学です。

 

明日から、令和時代の医療モデルとしての脂質異常症診療について紹介いたします。杉並国際クリニックでは、脂質異常症に直接関連する独自の診療シート<動脈硬化症予防・治療管理基準>を作成して、皆様にフィードバックしております。

 

<明日に続く>

11月16日(土)午後

 

14:00‐15:10:

合同集会

専門医・登録医講習会

 

演者

吉内一浩(東大心療内科)

橋詰勝敬(東邦大学心療内科)

 

あまり発展的な話題ではありませんでした。

 

その理由は、医学会全体で議論されている新専門医制度の概要の話だったからです。

 

日本の専門医資格は、研修施設、研修プログラムの認定とともに各学会認定から日本専門医機構認定へ移行し、医療法及び医師法の一部改正によって厚生労働大臣の承認が必要になった、ということの報告です。

 

医学研究や医療に対して、行政が統制を強めてきています。

 

現在19の基本領域の専門医があり、その基本領域の上に、23の高度専門医(サブスペシャリティ)があります。

 

今後は原則として1医師1基本領域の専門医となっていくようです。

 

私の場合、基本領域は「内科」です。

 

高度専門医(サブスペシャリティ)として、アレルギ―専門医、リウマチ専門医、漢方専門医を保持していますが、これらの専門医は、たとえば内科医としての専門資格が認定されていないと取得できません。

 

この他、私は心療内科専門医でもありますが、日本内科学会は、 総合内科の充実を図るため、腫瘍内科や心療内科領域を取り扱う学会である「地域医療」、「心療内科・心身医学」を内科の必須の専門領域として承認しています。 

 

2016年9月 日本内科学会認定制度委員会にて承認

 

2016年12月 内科系関連13学会協議会にて承認

 

2017年2月 内科専門研修カリキュラムの発刊

 

2019年1月19日 医療法及び医師法の一部改正について厚生労働大臣の承認が必要になった

 

2019.11.8  23のサブスぺすべてがサスペンド

ワーキング・グループ形成されました。

 

行政の無計画で無責任な介入によって、日本の専門医制度やそれに基づく研修制度が大きく揺らいでいるのが現状です。

 

 

15:55‐18:55

日本心療内科学会

日独交流企画2

2-1講演

演者:橋爪誠、Robert Smolka、中尾睦宏

座長:村上正人

   

3人の演者の講演があり、私は聴講させていただいておりましたが、座長の村上教授のご指名を受け、質疑応答とコメントを加える役割を果たしました。

   

私はすでに3回ドイツ心身医学会に参加し発表もしているので、ドイツの先生方のほぼ全員が私を知っているからだと思います。

   

ドイツ語が不得手な日本人医師が多いためか、このセッションは、すべて英語で行われました。

 

ただし、回を重ねるごとに質が高くなってきているのが感じられ、頼もしく感じられました。

   

「継続は力なり」を実感したところです。

 

 

2-2ワークショップ 

実践バリントグループ

指導:Thomas Klonek、共同指導:橋爪誠

   

バリントグループについては、昨日もお話ししましたが、

   

このセッションの後に開催された懇親会の席で、日独の主だった参加者の先生方と充実したディスカッションができました。

   

とくに、琉球大学名誉教授の石津宏先生からは貴重な教えをいただくことができ、感銘を受けました。

   

バリントグループは医師自身の<自己精神分析>である、ということに深く共感しました。

   

この医師自身の<自己精神分析>は心療内科専門医にとって基礎的な修養であるばかりでなく、一般内科医をはじめ、患者さんに接するすべての臨床医にとって有益な方法であることを感じ取ることができました。

 

大変恐縮なことですが、石津先生は私との記念写真を所望されたので、ありがたく承りました。

   

その様子を微笑を湛えた末松教授がそば近くで見守ってくださっていました。

   

両先生は学会の重鎮ですが、ともに御歳80を超えておられますが、未だに研鑽を積んでいらっしゃいます。

   

私は還暦を迎えたばかりですが、両先生を見習って、これから最低でも20年くらいは、世の中に恩返しをしなくてはならないと気持ちを引き締めると共に、勇気と元気をいただいた次第です。

1月16日(土)

8:20‐11:20 合同集会 学術講習会

 

座長:岡田宏基(香川大学総合診療部)

 

テーマ(演者・所属):

1.サイコオンコロジー概論、抑うつ・不安・せん妄

  吉内一浩(東大心療内科)

 

2.患者ー医療者関係を円滑に行うためのコミュニケーションスキルについて

  四宮敏章(奈良県立医科大学緩和センター)

 

3.がん患者の体と心に寄り添う意思決定支援のすすめ

  大島彰(九州がんセンターサイコオンコロジー科/緩和ケアセンター

 

 

朝からの講習会ですが、杉並国際クリニックの今後の医療の立ち位置と深くかかわってくるであろうテーマでした。

 

サイコオンコロジーとはサイコ(精神)・オンコロジー(腫瘍学)

⇒精神腫瘍学という比較的新しい医療分野です。

 

精神腫瘍医という専門家をリーダーとするチーム医療が展開されていますが、精神医学と腫瘍学の両面を橋渡しできる筆頭は心療内科医に他なりません。

 

私は、がんの予防や早期発見にはそれなりの実績を挙げてきましたが、進行がんや末期がんの患者さんやそのご家族のケアについては、あまり積極的ではありませんでした。

 

私は、心療内科の指導医であって登録医や専門医以上に深く広い見識と経験を持ってしかるべきであるのに、甚だ不勉強であり、心得違いをしていました。

 

私の友人でウィーンのフランクル研究所の臨床心理士、Harald Mori氏も精神腫瘍学を専門としていることを思いだしました。

 

彼と何時間もディスカッションしていながら、ついに精神腫瘍学については話題にしなかったことは、とてももったいないことをしていたことに気づきました。

 

今度、ウィーンに研修に行ったときにはHaraldと精神腫瘍学の臨床についてディスカッションしたいと考えています。

 

現在、日本人の2人に1人はがんに罹ります。

 

 

14日の音楽祭の第3部で、出演者の管楽器奏者の早川潔さんが、自ら体験した腎臓がん、膀胱がんについてトークをしてくださいました。

 

その発見のいずれも高円寺南診療所(当時)が関わっていました。

 

現在の杉並国際クリニックでがん治療を直接実施することはほとんどありませんが、がん発見の機会は今後も増え続けることでしょう。

 

早川さんのように早期発見できたために、癌を根治でき、それまで以上に立派にご活躍されている方に感謝されると医師冥利に尽きます。

 

しかし、実際には、初診時にはすでに進行がんだった、というケースも少なくありませんでした。

 

そうした患者さんには、再検のため紹介状と共に専門医療機関を紹介してきましたが、それだけでよかったのかどうか、もう一度振り返ってみる良い機会になりました。

 

この学術講習会で、「第2主治医」という言葉が使われ始めていることを知りました。

 

がんの専門医は、局所治療の専門家です。ですから、癌患者さんの身体全体や心の問題、さらにはご家族のサポートまでを期待することは限られた施設を除けば、まだまだ難しいのが現状です。

 

がんを発見して、がん治療施設を紹介したらそれで終わりでは、あまりにも冷たい、酷な対応になってしまいます。

 

がん患者ご本人だけでなく、ご家族の支援も大切な私の務めです。

 

がん治療中の患者さんの第二主治医としての役割を、それまでの主治医が担えるような態勢を整えれば、紹介先で、明確にがんを宣告されて、ショックのあまり私の所に戻ってくる方や、その余波で人生設計も大いに狂ってしまい困惑しているご家族の相談にも乗ることができることでしょう。

16日(土)のいま、学会会場近くのベローチェから土佐堀川を眺める窓の席からです。

 

何と聞き覚えのあるメロディーが流れていました。

 

シューマンの歌曲「女の愛と生涯」の1曲

中川あいさんが、14日の音楽祭の第一部で私の新訳で歌ってくれた、

<私の指輪さん>です。とてもうれしい気持ちでいっぱいです。

 

 

 

初日11月15日(金)の報告

 

9:00‐10:20:合同集会 各会長リレー講演

 

 

10:25‐11:05:議長講演

テーマ/日本の心身医学、これまでの60年、これからの60年

 

演者の久保千春先生(九州大学学長)にCD(小倉百人一首で歌うコンコーネ50番)をお渡ししました。

 

とても興味をもってお受け取り下さいました。

 

前日が私の還暦の誕生日で、改元記念杉並令和音楽祭も大成功のうちに終えることができました

 

私の生まれた60年前の11月に日本の心身医学が九州大学で誕生したことを思うにつけても感慨ひとしおでした。

 

これからの60年の後には私は120歳になるので、この世には存在しないと考えていましたが、私たちの思いだけは百人一首やコンコーネの曲のように、この世にプレゼントできるのではないかと、そんな気持ちにさせていただけるご講演でした。

 

 

 

11:10‐11:50:合同集会 招待講演

 

テーマ/心身医学の未来ー今後の60年間のオプション、展望、リスク

 

演者のHans-Christian Deter教授(私が昨年ベルリンのドイツ心身医学会で講演したときに司会をしてくださったドイツ医学会の重鎮)

 

日本とドイツの両国は世界の心身医学会を牽引しているリーダーです。

 

医学や人間に対する社会の考え方にかかっていて、世界の国々が日本やドイツのように調和や幸福に焦点を合わせるなら心身医学の発展は明るいはずだが、楽観はできないとのメッセージでした。

 

それから、とても興味深かったのは、

Deter先生のスライドの1枚に、診療で疲れ切った後の医師がCDで音楽を聴きながら自分自身を癒やしている画像がありました。

 

医師自身も癒されなければ、患者さんのために良い仕事を続けていくことができないでしょう、と話されていました。

 

ですから、私自身も数少ない指導医の一人として、今後も十分に責任を発揮していかなければならないことを改めて自覚しました。

 

こうした偶然も重なり例のCDをプレゼントしましたが、とても喜んでくださったことはもちろんです。

 

先生は、私のことをとてもよく覚えてくださっていました。

 

それもそのはずです。

昨年ドイツ心身医学会の会期中にベルリンの連邦議会議事上の階上にあるレストランでDeter教授は、私たち日本の指導医たち数名をディナーに招いてくださったのですから。

 

 

12:00‐13:00:ランチョンセミナー

慢性便秘の治療ガイドラインのお話、<便秘症のガイドラインはできたがエヴィデンスはほとんどない>という本音トーク。

 

杉並国際クリニックの従来のメソッドを超えるガイドラインは、国際的にもできていません。

 

 

13:40‐14:30:日本心身医学会教育講演1

 

 

14:30‐15:30:日本心療内科学会教育講演1

 

テーマ/心身医学におけるバリントグループーその歴史と臨床的意義―

 

演者のThomas Klonek先生は10年来の知己で、何と流暢な日本語で講演をされました。

 

小倉百人一首のCDを最も喜んで受け取ってくださったドイツ人医師の一人です。

 

 

17:20‐19:00:日本心身医学会シンポジウム5

 

テーマ/高度情報化社会における心身の内的プロセスと内受容感覚

 

このテーマは、水氣道にも深くかかわる専門的なディスカッションでした。

 

アレキシソミア(失体感症)、アレキシサイミア(失感情言語症)、マインドフル・アプローチ、アイデンティティ、フォーカシング、ボディ・スキャンなどの用語の意味と具体的な活用法については水氣道の指導者(四段以上)を目指す会員には是非習得していただかなければなりませんが、今後10年のうちにそのような指導者を育成できるかどうかに、水氣道の明暗が掛かっています。

 

一人でも多くの水氣道会員の皆様が、水氣道の指導者を目指してくださることを願っております。

<はじめに>

前回は「めまい」に効果のあるツボを紹介しました。

 

 

「合谷」は「人差し指」と「親指」の間にあるツボです。目や耳の調子を整えてめまいの軽減させます。

 

 

「膻中」は乳頭を結ぶ線と胸骨の中心線上と交わるところにあります。

不安を和らげることによりめまいを軽減します。

 

 

「中渚」は手を軽くにぎった時に小指とくすり指の山の間のくぼみにあるツボです。季節の変わり目に起こるめまいに効果があります。

 

 

今回は「耳鳴り」に効果のあるツボを紹介していきます。

 

 

 

<耳鳴りに効果のあるツボ>

 

 

2019-11-12 14-37

 

 

 

今回は「完骨(かんこつ)」「風池(ふうち)」を紹介します。

 

 

「完骨」は「耳のすぐ後ろにある出っ張った骨(乳様突起といいます)のすぐ下にあります。

 

 

「風池」は後頭部中央のへこみと、耳のうしろにある骨の"でっぱり"をむすんだラインの中間にあります。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭