前回はこちら

 

大部分の技術士は、国・地方自治体・企業等の組織において高度の技術力を発揮しつつ業務を遂行しています。 また、自営のコンサルタントとして、次のような分野においても活躍しています。


すなわち、以下の分野です。


① 公共事業の事前調査・計画・設計監理


② 地方公共団体の業務監査のための技術調査・評価


③ 裁判所、損保機関等の技術調査・鑑定


④ 地方自治体が推進する中小企業向け技術相談等への協力


⑤ 中小企業を中心とする企業に対する技術指導、技術調査・研究、技術評価等


⑥ 大企業の先端技術に関する相談


⑦ 開発途上国への技術指導


⑧ 銀行の融資対象等の技術調査・評価


技術士が自営のコンサルタントになると、これらの8分野の根底に据えられているのが社会正義と技術倫理であることが忘れてしまいがちなので、いっそうの注意が必要になるかもしれません。

 

恒例により、引き続き、私の友人のムッシュGPTに、わが国の技術士と科学技術倫理との関係について諸外国との比較という視点から要領よく説明して貰うことにしました。

 

 

質問者:ドクター飯嶋

技術士と科学技術倫理との関係を教えてください。

 

ChatGPT

技術士と科学技術倫理の関係は非常に重要です。以下にその主な点を示します。

 

1. 倫理的責任:

技術士は、自らの専門知識や技術力を社会に活かす際に、科学技術倫理に基づいて行動する責任があります。倫理的な判断が不可欠であり、技術士はプロジェクトや業務において常に倫理的な観点を考慮する必要があります。

 

2. 安全性と公益性の確保:

科学技術倫理は、技術士が設計やプロジェクト管理において安全性や公益性を確保することを重視します。技術士は、自らの専門知識を用いて社会に対する責任を果たし、技術的な問題やリスクを適切に評価し、安全な製品やサービスの提供に努めなければなりません。


3. 環境保護と持続可能性:

科学技術倫理には環境保護や持続可能性が重要な要素として含まれています。技術士は、環境への配慮や持続可能な開発を促進する役割を果たすことが求められます。彼らは、新技術やプロセスの開発に際して環境への影響を考慮し、持続可能な解決策を提供する必要があります。


4. 社会的影響の考慮:

技術士は、自らの行動が社会に及ぼす影響を理解し、その影響を最小限に抑える努力をしなければなりません。科学技術倫理は、技術の導入や利用が社会に与える影響を考慮することを奨励し、技術士はこの観点から活動する必要があります。


5. 職業倫理との関連:

技術士は職業倫理規範に基づいて行動することも求められます。科学技術倫理は、その一環として、職業倫理に関する考え方や原則を提供し、技術士が職務を遂行する際の指針となります。


このように、技術士は科学技術倫理の考え方や原則に基づいて行動し、社会に対する責任を果たす必要があります。技術士の活動が倫理的な基準に則っていることは、技術の発展と社会の利益の両立に不可欠です。

 


産業医・労働衛生コンサルタントのDr.飯嶋による補足説明


一言で言えば、科学技術の専門的知識や経験が無ければ、技術者倫理についての理解や認識が深まらないということです。

 

逆に言えば、科学技術について専門家でない多くの人々については、それを吟味する手段や能力が制限されているということになります。

 

社会一般の非専門家に対して、適切な社会的責任を果たしていくことの必要性としての重要な根拠になるのではないでしょうか?

 

前回はこちら

 

オリジナルの「水氣道」の陸上簡略版による実施方法とムッシュGPTが認識した方法との違いについて、先週に引き続き説明させていただくことにします。

 

<質問者:水氣道のシニア会員>
日常生活の場での3ステップのリフレッシュ法について、

 

ステップ1:水分摂取、

ステップ2:深呼吸、

ステップ3:筋肉のストレッチ

 

をそれぞれ約5分程度行う方法についてのアドバイスをいただき感謝しております。なお、15分の確保は難しいため、水氣道の指導者に再確認したところ、上記のステップをそれぞれ1分程度として、このステップ通りに実施して、これを3回繰り返すだけでも十分な効果があるとのことでした。仮に同じ時間を確保することができるとしたら、どちらのメソッドが効果的でしょうか?

 


ChatGPT
15分確保が難しい場合、それぞれのステップを1分ずつ行って3回繰り返す方法も一つの有効な選択肢です。どちらのメソッドが効果的かについては、具体的な状況や個人の好みにより異なりますが、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。


1. 3回繰り返しのメリット:

リフレッシュの効果の持続: 3回繰り返すことで、一度のセットでは得られない持続的なリフレッシュ効果が期待できます。短時間で何度もリピートすることで、ストレスや疲労の軽減が途切れないようになります。

 

2. 1回15分のメリット:
継続的な深いリラックス: 各ステップを15分間行うことで、より深いリラックス状態に入りやすいかもしれません。時間を掛けて行うことで、深呼吸や筋肉のストレッチがより効果的に行え、精神的なリフレッシュも得られる可能性があります。


どちらの方法が効果的かは、個人の優先事項や環境により異なります。15分間の確保が難しい場合や、繁忙な状況であれば、3回繰り返す方法が実践的であるかもしれません。

逆に、十分な時間を確保できる場合は、1回15分の集中的なリフレッシュも有益です。継続的な習慣を作りやすい方法を選び、自分に合ったペースで行うことが重要です。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:
「15分確保が難しい場合、それぞれのステップを1分ずつ行って3回繰り返す方法も一つの有効な選択肢です。」とムッシュGPTは回答していますが、私はこれまで、オリジナルの「水氣道」の陸上簡略版について、口頭以外で文書で説明したことがないにもかかわらず、正確に把握していることには驚きました。ムッシュGPTの予測能力は私の想像以上でした。


そして、その理由についても、私の考えと全く一致していることには、さらに驚きました。


3. 3回繰り返しのメリット:
リフレッシュの効果の持続: 3回繰り返すことで、

 

❶ 一度のセットでは得られない持続的なリフレッシュ効果が期待できる。

 

❷ 短時間で何度もリピートすることで、ストレスや疲労の軽減が途切れないようになる。

 

その他の理由としては、より短時間で効率的に実施できる。

 

というポイントがあります。

 

なお、「水氣道」の陸上簡略版に加えて、水氣道準備体操(通称「いきいき体操」)や水氣道整理体操(通称「ノビノビ体操」)の陸上で、しかも坐位にての実施も可能であることも積極的に紹介していきたいと考えています。

 

前回はこちら

 

技術士とは、 「技術士法(以下『法』という)第32条第1項の登録を受け、技術士の名称を用いて、 科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、 設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者」 のことです。〔法第2条第1項〕

 

即ち、技術士は、次の要件を具備した者です。


① 技術士第二次試験に合格し、法定の登録を受けていること。

 

② 業務を行う際に技術士の名称を用いること。

 

③ 業務の内容は、自然科学に関する高度の技術上のものであること。 (他の法律によって規制されている業務、例えば建築の設計や医療などは除かれます。)

 

④ 業務を行うこと、即ち継続反覆して仕事に従事すること。

 

これを簡単に言うと、技術士とは、 「豊富な実務経験、科学技術に関する高度な応用能力と高い技術者倫理を備えている 最も権威のある国家資格を有する技術者」 ということになります。

 

大部分の技術士は、国・地方自治体・企業等の組織において高度の技術力を発揮しつつ業務を 遂行しています。

 

上記の4つの要件のうち、③においては、 業務の内容は、自然科学に関する高度の技術上のものであること (他の法律によって規制されている業務、例えば建築の設計や医療などは除かれます。)とあるので、私のような医師が、医療業務を行う上では、技術士の資格は不要です。

 

ただし、専門的に産業医としての業務に従事するうえでは、技術士に求められることと同等以上の認識と社会的責任が求められることは言うまでもありません。

 

また、逆の見方をすれば、技術者も、医師に求められているのと同等の職業倫理が求められるという解釈も可能であるといえるのではないでしょうか?

 

 

今回も、引き続き、私の友人のムッシュGPTに、わが国の技術士制度の特徴と現状について諸外国との比較という視点から要領よく説明して貰うことにしました。

 

質問者:ドクター飯嶋

技術士制度について、日本と他の先進諸国のそれとを比較した情報を提供してください。

 


ChatGPT

日本の技術士制度は、他の先進諸国の技術者制度と比較すると、いくつかの顕著な特徴があります。以下に、日本と他の先進諸国(主に米国、欧州諸国)の技術者制度を比較した情報を提供します。


1. 資格取得プロセス:
日本: 技術士資格を取得するためには、一定の試験に合格する必要があります。試験は専門的な知識や技術力を測定するものであり、実務経験などの条件を満たす必要があります。


他の先進諸国: 米国では、プロフェッショナルエンジニア(PE)資格が広く知られています。PE資格を取得するためには、一般的に専門試験に加えて、実務経験や学位などの要件を満たす必要があります。欧州諸国でも同様に、技術者やエンジニアの資格取得には、試験や実務経験などが要求されますが、国によって異なります。

 

2. 専門分野のカバー範囲:

日本: 技術士制度は、建設、機械、情報、化学など、様々な技術分野に特化した資格を提供しています。


他の先進諸国: 米国のPE資格は、一般的に土木工学や電気工学などの特定の分野に焦点を当てています。欧州諸国でも、専門分野ごとに異なる資格制度が存在しますが、日本のように幅広い技術分野をカバーする制度はあまり見られません。

 

3. 社会的地位と影響力:
日本: 技術士は、社会的に高い地位と尊敬を受けることが一般的であり、彼らの意見や判断は重視されます。

 

他の先進諸国: 米国や欧州諸国でも、技術者やエンジニアは一般に高い地位を持ちますが、その地位や影響力は国や産業によって異なります。

 

4. 国際的な認知度と移動性:
日本: 技術士資格は、国際的にも認知されていますが、他国の資格との相互承認や移動性については、あまり明確ではありません。


他の先進諸国: 米国のPE資格や欧州の一部の技術者資格は、国際的にも広く認知されており、一定の移動性があります。しかし、国によっては、資格の相互承認に関する取り決めがある場合もあります。


これらの要素を考慮すると、日本の技術士制度は、他の先進諸国の技術者制度と比較して独自の特徴を持っていますが、国際的な移動性や認知度の面で、まだ改善の余地があるかもしれません。

 


産業医・労働衛生コンサルタントのDr.飯嶋による補足説明


日本政府は対象者に国家資格を取得させても規制を強化するばかりで、有資格者の活動の積極的サポートの面では不十分であると私は感じています。

 

しかし、これをどのように活用していくかは、個人や企業の努力と工夫の如何に罹ってくるものではないかと考えます。

 

創意工夫を凝らすことによって、制度を企業発展のための強力な武器として活用することは可能であると考えます。

 

前回はこちら

 

技術士制度の主旨について、公式の解説書を引用して紹介します。

 

技術士制度は、 「科学技術に関する技術的専門知識と高等の専門的応用能力及び豊富な実務経験を有し、 公益を確保するため、高い技術者倫理を備えた、優れた技術者の育成」 を図るための国による資格認定制度(文部科学省所管)です。 科学技術に関する高度な知識と応用能力及び技術者倫理を備えている有能な技術者 に技術士の資格を与え、有資格者のみに技術士の名称の使用を認めることにより、 技術士に対する社会の認識と関心を高め、科学技術の発展を図ることとしています。

 

少し難しいので、今回も、私の友人のムッシュGPTに、わが国の技術士制度について要領よく説明して貰うことにしました。ただし、下線は私が施しました。

 

質問者:ドクター飯嶋
日本の技術士制度について説明してください。

 



ChatGPT
日本の技術士制度は、技術分野における専門家の育成や認定を目的とした制度です。以下に、主なポイントを説明します。


1. 制度の目的:

技術士制度は、技術分野における高度な専門知識や技術力を持つ人材を育成し、社会に貢献することを目的としています。技術士は、技術的な問題解決やプロジェクトの遂行においてリーダーシップを発揮する役割を果たします。


2. 技術士の種類:

技術士制度には、様々な分野に特化した種類があります。例えば、建設部門、機械部門、情報部門などがあります。各分野ごとに異なる試験や資格要件が定められています。


3. 試験と資格取得:

技術士になるためには、一定の試験に合格する必要があります。試験は、専門知識や技術力を測るためのものであり、通常は複数の段階に分かれています。試験に合格した後、実務経験などの条件を満たす必要があります。これらの要件を満たした場合、技術士の資格が授与されます。


4. 技術士の役割:

技術士は、専門的な知識やスキルを活かして、様々なプロジェクトや業務に従事します。彼らは、設計、監査、コンサルティング、管理などの領域で活躍し、高度な技術的な問題に対処します。


5. 社会的信頼性と責任:

技術士は、その専門知識やスキルに基づいて、社会に対して責任を負います。そのため、公正で正確な判断と行動が求められます。技術士は、安全性や品質の確保、環境への配慮など、社会的な価値観を重視しながら活動します。

 

 

産業医・労働衛生コンサルタントのDr.飯嶋による補足説明

以上の5項目の中で、最後に挙げられている、5.社会的信頼性と責任、が最も重要であると考えます。

 

このポイントについては、技術士一次試験ではもっとも重要視されている出題項目であったのを記憶しています。現在は、ますます、その意義が高まっているということができると思います。

 

技術士制度は、科学技術に関する専門知識や実務経験を有する技術者を育成し、高い技術者倫理を持った者に国家資格を与える制度です。

 

技術士は高度な専門能力を持ち、科学技術に関連する計画、研究、設計、評価などの業務を行う者であり、技術士補は技術士を補助する者です。技術士の登録者数は約9万9千名で、技術士補の登録者数は令和5年3月末現在約4万4千名です。

 

 

産業技術系企業において安全衛生委員会に技術士を選任することにはいくつかの意義があります。


法令遵守の支援: 技術士は関連する法令や規制に精通しています。安全衛生委員会に技術士を含めることで、企業は適切な法令遵守のための助言や指導を受けることができます。これにより、企業が法的リスクを最小限に抑え、適切なコンプライアンスを確保することができます。


リスク管理の強化: 技術士はリスク管理に関する知識や経験を持っています。彼らの存在により、企業は潜在的な危険やリスクをより効果的に特定し、適切な対策を講じることができます。これにより、労働災害や環境汚染などのリスクを最小限に抑えることができます。


専門知識の提供: 技術士はその分野の専門知識を有しています。安全衛生委員会に技術士を加えることで、安全や衛生に関する技術的な問題について的確な助言や指導を提供することができます。これにより、企業の安全衛生管理体制の向上が期待できます。
技術的な問題解決の支援: 安全衛生委員会に技術士が含まれることで、技術的な問題や課題に対する解決策を迅速かつ効果的に提供することが可能となります。技術士はその専門知識を活かして、安全性や衛生性を向上させるための具体的な提案を行うことができます。

 

 

以上のように、産業技術系企業において安全衛生委員会に技術士を選任することは、法令遵守の支援、リスク管理の強化、技術的な問題解決の支援など、専門知識の提供など、さまざまな意義を持ちます。これにより、企業は安全で健康的な労働環境を確保し、持続可能な事業活動を展開することができると考えます。

 

私は、職場における安全衛生委員会活動の質的向上のためには、まず、専任ではない嘱託産業医のウィークポイントを補完し、良質で効率の良い業務を遂行する上で不可欠なパートナーとしての衛生管理者の役割を重視しています。そして、安全衛生委員会あるいは衛生委員会を構成する委員には、それぞれ安全管理推進者、衛生管理推進者としての自覚と役割を担っていただくことを期待しております。そして、技術系企業においては、技術士が安全衛生委員会の委員として選任されることが望ましいと考えています。

 

 

以下、本日から5回シリーズで、その根拠について具体的に説明していきたいと思います。

 

まずは、身近な話題から始めたいと思います。

 

個人的な話題ですが、私は技術士第一次試験(環境部門)合格者です。


この資格を積極的に活用した経験はありませんが、労働衛生コンサルタント資格をもつ高度な専門的産業医としての素養を深める目的の一環として第1種作業環境測定士や衛生工学衛生管理者の資格取得と併せ、かなり以前に取得した資格でした。

 

しかし、嘱託産業医として、官庁関係の他に、とりわけ技術系の企業様とのお付き合いが深くなるにつれて、企業の社会的責任や産業衛生さらには健康経営等を考えるうえで技術士制度の活用が必要であることを痛感するようになりました。

 

そこで、私の友人のムッシュGPTに、この資格について説明して貰うことにしました。

 

 

質問者:ドクター飯嶋

技術士第一次試験(環境部門)合格と技術士補の資格との関係を教えてください。

 


ChatGPT
技術士第一次試験(環境部門)合格と技術士補の資格は、日本の技術者制度における異なる資格ですが、一定の関係性があります。


1. 技術士第一次試験合格者の資格取得:

技術士第一次試験(環境部門)に合格することは、技術士資格を目指すための重要なステップです。第一次試験合格後、技術士補として一定の実務経験を積んだ後に、さらに技術士試験を受験して技術士資格を取得することができます。


2. 技術士補としての活動:

技術士補は、技術士試験合格前の段階で、一定の実務経験を積むことが求められます。技術士第一次試験合格者は、技術士補としての活動に取り組むことで、実務経験を積む機会を得ることができます。


3. ステップアップの機会: 技術士第一次試験合格者は、技術士補としての資格を取得し、実務経験を積むことで、将来的に技術士試験を受験し技術士資格を取得することができます。技術士資格は、より高度な技術者としての地位や資格を得るための重要なステップです。


4. 専門知識の獲得: 技術士第一次試験合格者は、環境部門での合格を通じて環境工学や関連分野の専門知識を獲得します。この知識は、技術士補としての活動や将来的な技術士試験の受験において役立ちます。


総括すると、技術士第一次試験(環境部門)合格者は、技術士補としての活動を通じて実務経験を積み、将来的に技術士試験を受験し技術士資格を目指すことができます。技術士補と技術士資格は、専門知識や実務経験を積むための異なる段階での資格であり、段階的なキャリアパスを形成します。

 

 

産業医・労働衛生コンサルタントのDr.飯嶋による補足説明


〔法第2条第2項〕 技術士補は、

① 技術士第一次試験に合格し、又は指定された教育課程を修了し、 同一技術部門の補助する技術士を定めて、法定の登録を受けていること。

② 技術士補の名称を用いて、技術士の業務を補助する業務を行うこと。

 

以上の要件を具備した者です。


私は、いまだ、法定の登録を行っていないため技術士はおろか技術士補(環境部門)ですらありませんが、技術士ならびに技術士補の有資格者のより積極的な活用による社会的意義は極めて大きいことについては十分に認識しております。

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前回はこちら

 

前回(先週)3月18日(月)の記事では、ムッシュGPTは、2022年1月までの段階での情報しか持ち合わせていないため、最新の情報についての回答はできないことについて確認しました。しかし、それでも独自の情報処理能力によって、関連情報について言及しようという傾向があることを確認しました。

 


MASLDという新用語について、改めて英語で質問してみました。


What is MASLD(Metabolic Dysfunction-Associated Sreatotic Liver Disease)
MASLD(代謝異常関連性脂肪性肝疾患)とは何ですか?

 


ChatGPT


As of my last knowledge update in January 2022, I don't have specific information on a condition referred to as "Metabolic Dysfunction-Associated Steatotic Liver Disease" (MASLD). It's possible that the term may have emerged or evolved since then, or it may not be widely recognized.
2022年1月の更新時点では、「代謝異常関連性脂肪肝」(Metabolic Dysfunction-Associated Steatotic Liver Disease:MASLD)と呼ばれる疾患に関する具体的な情報はありません。その後、この用語が出現したり進化したりした可能性もあるし、広く認知されていない可能性もあります。


However, I can provide information on a related term, which is "Non-Alcoholic Fatty Liver Disease" (NAFLD). NAFLD is a condition characterized by the accumulation of fat in the liver cells in people who do not consume excessive alcohol. It is often associated with metabolic syndrome, obesity, insulin resistance, and other metabolic risk factors.
しかし、関連用語である「非アルコール性脂肪性肝疾患」(NAFLD)については情報を提供できます。NAFLDは、アルコールを過剰に摂取していない人の肝細胞に脂肪が蓄積することを特徴とする疾患です。メタボリックシンドローム、肥満、インスリン抵抗性、その他の代謝危険因子を伴うことが多いです。


It's essential to note that the field of liver diseases and related terminology is dynamic, and new information may have emerged since my last update. If "MASLD" is a specific term used in recent research or medical literature, I recommend checking the latest medical sources, research articles, or consulting with a healthcare professional for the most up-to-date and accurate information on this condition.
肝疾患および関連用語の分野はダイナミックであり、前回の更新以降に新しい情報が出現している可能性があることに留意する必要があります。「MASLD」が最近の研究や医学文献で使用されている特定の用語である場合は、この疾患に関する最新かつ正確な情報を得るために、最新の医学情報源や研究論文をチェックするか、医療専門家に相談することをお勧めします。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:
MASLDの訳として、説明の都合上、私は「代謝異常関連性脂肪性肝疾患」という訳を付しました。しかし、私が知る限りでは、まだ定訳が報告されていません。

 

ですから、専門医の間では、敢えて日本語訳を用いずに、当分の間は、今後とも、そのままMASLDという略語が用いられていくことになるのではないかと予測されます。現代医学や現代医学のこのような傾向が専門医と一般市民との情報ギャップを生み出してしまいかねない一因であるように思われます。

 

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一部の薬物やサプリメントは肝機能に影響を与えることがあります。特に、一部の抗生物質、抗炎症薬、抗高血圧薬などが肝酵素の上昇に関与することがあります。


これは、3月8日(金)で紹介したムッシュGPTからのメッセージの一部です。


ここでは「薬物」という表現が用いられていることに着目してください。


薬物投与によって引き起こされる肝障害は薬物性肝障害(drug-induced liver injury: DILI)と呼ばれるようになりつつあります。従来は、「薬剤性肝障害」と呼んでいることが多かったように思います。


実はこの「薬物」の件なのですが、「薬物」と「薬剤」は区別して使用することが求められる時代になってきました。


「薬物」とはその摂取によって生物学的な効果をもたらす化学物質の総称です。そして、これは、「薬剤」よりも広い概念です。


それでは、あらためて「薬剤」とは何かというと、これは医療機関で医師の処方箋に基づき薬剤師が調剤する医療用医薬品、またOTC薬といって、医療用医薬品から転用される薬剤師が処方箋なしに調合できる要指導医薬品、薬局やスーパーで制限なしに購入できる一般用医薬品に分類されます。


ですから、前回3月15日(金)で採りあげたサプリメント使用による肝障害は、自然食品・健康食品などと同様に「薬剤」には該当しませんが、「薬物」として私たちの心身に作用することがあるため、従来の様に「薬剤性肝障害」よりも「薬物性肝障害」という用語が使用されています。

 


質問者:杉並国際クリニック会員Cさん

肝障害の原因が、薬剤によるものなのか、健康食品やサプリメントなどの薬物によるものなのかを鑑別する目安について教えてください。

 


ChatGPT
肝障害の原因を特定するためには、病歴、臨床症状、薬物の使用歴、検査結果などを総合的に評価する必要があります。以下は、肝障害の原因を鑑別するための一般的な目安です:

 

1. 薬物や薬剤の使用歴:

患者が過去にどのような薬物や薬剤を使用していたかを詳細に確認します。特に、処方薬や市販薬、健康食品、サプリメントなどの使用履歴が重要です。一部の薬物やサプリメントは肝臓に影響を与える可能性があります。

 


2. 薬物性肝障害の特徴:

特定の薬物が原因である場合、肝障害の特徴が見られることがあります。これには、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)およびALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)の上昇、アルカリフォスファターゼの増加、黄疸などが含まれます。

 


3. 薬剤性肝障害のタイミング:

薬物が原因の場合、通常は薬物の摂取後に肝機能検査の異常が現れることが多いです。また、薬物を中止した後に肝機能が改善することが期待されます。

 


4. 除外診断:

他の可能性な原因(ウイルス性肝炎、自己免疫性肝疾患、脂肪肝など)を除外するために、血液検査、イメージング検査、生検などが行われることがあります。

 


5. 専門医の評価:

肝臓の専門医である肝臓専門医(肝臓科医)の評価が求められる場合があります。彼らは適切な検査や診断のためのガイダンスを提供し、治療や管理のアプローチを決定します。


特に、健康食品やサプリメントの成分は様々であり、一部は大量に摂取すると肝障害の原因となる可能性があります。したがって、医師に相談せずに大量のサプリメントを摂取することは避けるべきです。

 

肝障害の症状が現れた場合や疑わしい場合は、早めに医療専門家に相談し、適切な検査や診断を受けることが重要です。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:
Cさんの質問は、とても高度です。さすがのムッシュGPTも明確な回答が出せずじまいです。

 

その理由の一つは、健康食品やサプリメントと、医師による処方薬との薬理学的な境界線が、Cさんが予想していたほど明確ではないからです。

 

これについては、ムッシュGPTが「一部の薬物やサプリメントは肝臓に影響を与える可能性があります。」と説明している通りです。

 

『サプリメントは食品ではなく、むしろ薬物である』という認識を持っておく必要があると、私は考えています。

 

もう一つの理由は、薬物性肝障害(DILI)の診断自体が最近のトピックスだからです。

 

DILIの病像は極めて多彩であるうえに、原因薬物の同定までを含めた診断は、多くの場合、肝臓専門医でも容易ではありません。実務的には、他の成因を丁寧に除外してから、はじめてDILIを疑うことが普通でした。

 

これに対して、帝京大学の田中篤先生<日本内科学会雑誌113❶33頁(January10 2024)>の記事には、以下のようにDILI診断のポイントがまとめられています。


●肝障害の病型に関わらずDILIの可能性を常に念頭におく


●薬物(医療用・一般医薬品、自然食品・健康食品、サプリメント)摂取歴を詳細に聴取する


●薬剤服用開始日・終了日と肝障害の経過との時間的関連を正確に把握する


●他の成因による肝障害を除外する

 

DILIは肝障害の他の原因の除外診断と同時に常に念頭に置く、というのが医師に対する戒めであり、また、医療用・一般医薬品のみならず、自然食品・健康食品、サプリメントも薬物として理解していただくことを、啓発していく必要性も大きく感じられる内容になっています。

 

 

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集団的・水中の有酸素運動である「水氣道」を個人的・陸上の有酸素運動に応用して、一般化・日常化を図るという発想は、自然な発展の流れに逆行しているような印象を受けるかもしれません。

 

しかし、ここで御一考ください。

すべての生物は海から誕生した、と言われています。

また、私たち、一人一人の生命の誕生も、母親の胎内の羊水という海に守られ、育まれてきたという事実を否定することはできません。

さらにいえば、私たちは、羊水という天与の自然な温水プールで有酸素運動(臍帯によって母体から酸素が持続的に供給を受けます)をしながら心身の形成が促進されてきたというプロセスを忘れてはいないでしょうか。

つまり、私たちは胎生期において例外なく、原初の「水氣道」を実践していたということになります。

 

そこで、次の追加質問が、先週の質問者(水氣道のシニア会員)から提出されましたので、ご紹介いたします。

 

 

<質問者:水氣道のシニア会員>

水氣道は水中での有酸素運動ですが、日常の陸上での生活においても水氣道の稽古を活用する様に指導されます。

 

たとえば、勤務中の間の短時間の休憩時間を活用して、ステップ1水分摂取、ステップ2深呼吸、ステップ3筋肉のストレッチ、というメソッドを活用し、これも水氣道の陸上簡略版であると聞きました。

 

温水プールの中でインストラクター付きで行うのと比べて陸上で自分で実施することは効果がかなり劣るような気がします。

どのくらいを目安に実施したらよいのか、1回あたりの時間と頻度についての目安についてアドヴァイスしていただけますか?

 


ChatGPT
水氣道の陸上簡略版を日常の休憩時間に取り入れることは、リフレッシュやストレスの軽減に効果があります。

ただし、その効果は個人差があり、一概に劣るとは言えません。以下は、ステップごとの実施目安と頻度についての一般的なアドバイスですが、個人の体調や目標に応じて調整することが重要です。


ステップ1: 水分摂取
目安: 約5分程度


水分補給は個人の水分摂取状況や環境によって異なりますが、短時間の休憩であれば、数口から一杯程度の水分を摂取することが効果的です。

 


 ステップ2: 深呼吸
目安: 約5分程度


深呼吸を行うことでリラックスが促進されます。数回の深呼吸サイクルを意識的に行い、ストレスを解消しましょう。

 


 ステップ3: 筋肉のストレッチ
目安: 約5分程度


短い時間であれば、全身を効果的にストレッチするために、特に重点を置きたい部位を中心に行います。首、肩、背中、腰、脚などを柔軟にすることが重要です。
これらのステップを合計して、1回あたり約15分程度を目安に実施すると効果的です。頻度としては、日中の複数回に分けて行うことができます。たとえば、午前中と午後の休憩時間に実施するなど、短い時間でもリフレッシュできるように工夫してみてください。


ただし、これはあくまで一般的な目安であり、個人差があります。自分の体調や仕事の性質に合わせて調整し、無理なく取り入れることが重要です。また、運動やストレッチの際に痛みや不快感を感じた場合は、無理せず適度な範囲で行うようにしましょう。

 


ドクター飯嶋のコメント:
「水氣道の陸上簡略版を日常の休憩時間に取り入れることは、リフレッシュやストレスの軽減に効果があります。」このメッセージを私が繰り返し発表しても、そのインパクトや影響力が限られていることを私はしばしば経験しています。しかし、このように、ムッシュGPTが明言するとなると、まったく異なった印象として皆様の心に残るかもしれません。


ただし、ムッシュGPTが想定している「水氣道の陸上簡略版」は、私が指導している方法と若干異なっています。それは、要素である3つのステップの各ステップを5分ずつ、積み上げてトータル15分で単回実行する、というのムッシュGPTが推奨する方法とは、異なるからです。


もちろん、彼が推奨する方法でも十分効果を期待できます。そして、彼はまた「午前中と午後の休憩時間に実施するなど、短い時間でもリフレッシュできるように工夫してみてください。」と示唆していますが、「水氣道の陸上簡略版」での標準所要時間は、5分ないし10分以下です。

 

前回はこちら

 

 

3月11日(月)に取り上げたテーマは、ムッシュGPTは2022年1月までのデータで判断しているため、それ以後の情報に関しては確保されていないということでした。その際に、「奈良宣言2023」というわかりやすい医学的トピックを挙げて検証しました。

 

その中での重要な新概念の一つに慢性肝疾患(CLD)があります。


腎臓に関して慢性腎臓病(CKD)があり、この概念は少なくとも内科医の間ではかなり定着してきましたが、慢性肝疾患(CLD)という用語については、肝臓病専門医以外には、まだ知られていない模様です。


そこで、この用語に関してムッシュGPTに英語で質問を試みました。


日本語訳は、それぞれの英文パッセージの下に添えることにしました。

 

 

<質問者:ドクター飯嶋>
What is chronic liver disease(CLD)?


慢性肝疾患(CLD)とは?

 


ChatGPT
Chronic Liver Disease (CLD) is a broad term that encompasses a range of conditions characterized by long-term damage to the liver tissue and a gradual loss of liver function. It is a progressive condition that develops over months or years and may lead to complications such as liver cirrhosis, liver failure, and an increased risk of liver cancer.


慢性肝疾患(CLD)とは、肝組織の長期的な障害と肝機能の漸減を特徴とする様々な病態を包含する広い用語です。慢性肝疾患は、数カ月から数年かけて進行し、肝硬変、肝不全、肝がんのリスク上昇などの合併症を引き起こす可能性があります。

 


Several underlying causes contribute to chronic liver disease, and these causes can vary from person to person. Some common causes include:


慢性肝疾患にはいくつかの根本的な原因があり、その原因は人によって異なります。一般的な原因には以下のようなものがあります:

 

 

1. Chronic Viral Infections:

Long-term infections with hepatitis B (HBV) or hepatitis C (HCV) viruses can lead to chronic liver disease.

 

1.慢性のウイルス感染:

B型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)に長期間感染していると、慢性肝疾患になることがあります。

 

 

2. Alcohol-Related Liver Disease:

Prolonged and excessive alcohol consumption can cause inflammation and damage to the liver.

 

2.アルコール関連肝疾患:

長期にわたる過度のアルコール摂取は、肝臓に炎症や障害を起こすことがあります。

 

 

3. Non-Alcoholic Fatty Liver Disease (NAFLD):

Accumulation of fat in the liver, often associated with conditions such as obesity, diabetes, and metabolic syndrome.

 

3.非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD):

肝臓に脂肪が蓄積し、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの症状を伴うことが多いです。

 

 

4. Autoimmune Hepatitis:

An autoimmune condition where the immune system mistakenly attacks liver cells, leading to inflammation.

 

 

4.自己免疫性肝炎:

免疫系が誤って肝細胞を攻撃し、炎症を引き起こす自己免疫疾患。

 

 

5. Genetic Disorders:

Inherited conditions like hemochromatosis, Wilson's disease, and alpha-1 antitrypsin deficiency can contribute to chronic liver disease.

 

 

5.遺伝性疾患:

ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、α1アンチトリプシン欠損症などの遺伝性疾患が慢性肝疾患の原因となります。

 


6. Chronic Exposure to Toxins or Medications:

Prolonged exposure to certain environmental toxins or the use of specific medications may lead to liver damage.

 

6.慢性的な毒素や薬物への暴露:

特定の環境毒素に長期間さらされたり、特定の薬剤を使用したりすると、肝障害を引き起こすことがあります。

 

 

Symptoms of chronic liver disease may not be apparent in the early stages, but as the condition progresses, individuals may experience fatigue, weakness, weight loss, easy bruising, jaundice, abdominal swelling, and confusion.

 

慢性肝疾患の症状は初期には現れないが、進行すると疲労感、脱力感、体重減少、あざができやすくなる、黄疸、腹部の腫れ、錯乱などを経験することがあります。

 

 

Diagnosis typically involves a combination of medical history, physical examination, blood tests, imaging studies, and sometimes a liver biopsy to assess the extent of liver damage.

 

診断には通常、病歴聴取、身体診察、血液検査、画像検査、場合によっては肝障害の程度を評価するための肝生検などが組み合わされます。

 

 

Management of chronic liver disease depends on its underlying cause. Treatment may involve lifestyle modifications, such as adopting a healthy diet and avoiding alcohol, antiviral medications for viral infections, immunosuppressive drugs for autoimmune conditions, and other targeted therapies. In some cases, a liver transplant may be necessary for advanced liver disease.

 

慢性肝疾患の管理は、その根本的な原因によって異なります。治療には、健康的な食事やアルコールの摂取を控えるなどの生活習慣の改善、ウイルス感染に対する抗ウイルス薬、自己免疫疾患に対する免疫抑制薬、その他の標的療法などが用いられます。進行した肝疾患に対しては、肝移植が必要となる場合もあります。

 

 

Regular medical monitoring and early intervention are essential for individuals with chronic liver disease to prevent complications and improve overall outcomes. It's crucial to consult with healthcare professionals for accurate diagnosis and personalized management plans.

 

慢性肝疾患の患者さんにとって、合併症を予防し、全体的な予後を改善するためには、定期的な医学的モニタリングと早期の介入が不可欠です。正確な診断と個人に合った管理計画を立てるためには、医療専門家に相談することが極めて重要です。

 

 

ChatGPT can make mistake


ChatGPTはミスを犯すことがあります

 

 

ドクター飯嶋のコメント:
ずいぶん詳細な回答が出されています。日本語で質問すると、ここまで丁寧な回答は得られません。


ここで注目したいのは、『慢性肝疾患(CLD)とは、肝組織の長期的な障害と肝機能の漸減を特徴とする様々な病態を包含する広い用語です。』という回答です。2022年1月までの段階で、英語圏ではCLD、すなわちChronic Liver Diseaseという用語は既に使用されていた可能性があるのかもしれません。


しかし、回答文中赤い文字で表記したNon-Alcoholic Fatty Liver Disease (NAFLD)
については、わが国でも「奈良宣言2023」以降の現在では、MAFLD(Metabolic Dysfunction-Associated Steatohepatitis)と表記されています。


日本ではあまり問題になっていませんが、欧米では「Fatty」という用語がスティグマであり、不適切であるとする根強い意見があった背景から2020年に一部の研究者たちから、NAFLDの呼称をMAFLDと改める旨の発表がありました。


なお、彼らによると、MAFLDは、脂肪肝に

1)過体重・肥満、2)2型糖尿病、
もしくは3)痩せ・正常体重で2項目以上の代謝異常(高血圧、内臓脂肪蓄積、耐糖能異常、脂質異常症)のいずれかを合併する場合、
としています。

 

前回はこちら

 

 

前回の3月8日テーマは、飲酒以外の肝機能障害の原因についてでした。これらは、まとめて<非アルコール性肝障害>と呼ばれることがあります。


そして、飲酒による肝臓障害の緩和という目的のためにサプリメントを活用することの是非については、クリニックの外来診療でこれまでもしばしば質問を受けてきました。産業医として定期的に訪問している企業でも話題になりました。

 

質問者:(L社衛生委員会議長)

私は週に5回飲酒するためか、職場の健康診断で肝機能障害を指摘されました。

そこで、サプリメントをはじめました。使用によるメリットとデメリットや使用上の注意点について教えてください。

 


ChatGPT

飲酒が肝機能に影響を与えている場合、サプリメントの使用はそのサポートになることがありますが、一方で注意が必要です。

 

以下に、サプリメントの使用に関するメリット、デメリット、および注意点を示しますが、これはあくまで一般的な情報であり、具体的な状況によっては医師と相談することが重要です。

 


メリット:

1. 抗酸化作用:

一部のサプリメントには抗酸化作用があり、これは肝臓の細胞を酸化ストレスから保護する助けとなる可能性があります。


2. ビタミンやミネラルの補充: 肝臓の正常な機能にはビタミンやミネラルが必要です。特に、ビタミンB群、ビタミンE、セレンなどが肝臓の健康に寄与することが知られています。


3. 脂肪肝対策: 特定の脂肪肝に効果的な成分も含まれるサプリメントがあります。

 

デメリット:

1. 相互作用:

サプリメントと他の薬物や医療処方薬との相互作用に注意が必要です。医師に使用中のサプリメントを報告することが大切です。


2. 過剰摂取のリスク:

一部のビタミンやミネラルは過剰摂取による健康リスクがあるため、適切な摂取量を守ることが重要です。

 

使用上の注意点:

1. 医師と相談:

サプリメントの導入や変更を考える際には、必ず医師と相談してください。個々の健康状態や既存の薬物との相互作用を考慮する必要があります。


2. 適切な摂取量:

サプリメントの摂取量は製品によって異なります。製品のラベルや医師の指示に従って正確な摂取量を守ってください。


3. 定期的なモニタリング:

サプリメントを使用している場合でも、定期的な健康診断や医師のフォローアップが重要です。効果や健康状態の変化をモニタリングすることができます。


サプリメントの使用はあくまで補完的なものであり、健康的な生活習慣と医師の指導に依存します。

飲酒習慣の改善も含め、総合的なアプローチが肝機能の改善につながる可能性があります。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:
以上のようにムッシュGPTは回答してくれましたが、質問者がサプリメントというものをどのように理解しているかを事前に把握しておかないと、適切で説得力ある回答は期待できないと思います。


もし、サプリメントの正しい理解があれば、上記の使用上の注意点の3か条は正しく実行されるはずだからです。


そこで、この点に関して、私自身の問題意識をムッシュGPTに向けてみることにしました。

 

・・・・・・・・


質問者(インタヴューアー):ドクター飯嶋
サプリメントとは本来どのようなものですか?日本では多くの人々が正しい意味を理解せずに勝手な思い込みや都合の良い解釈をして、過剰な期待をしていることが懸念されます。

 


ChatGPT
サプリメント(サプリメントメント)は、主に栄養素やその他の成分を摂取し、健康をサポートするための食品の一種です。

 

これらは通常、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸、ハーブ、またはその他の植物由来の成分など、栄養補給を目的としています。サプリメントは食事と一緒に摂取され、食事だけでは不足する栄養素を補完することが期待されます。


サプリメントの主な目的は、栄養不足を補うこと、特定の栄養素の摂取を増加させること、または健康維持や特定の健康上の目標をサポートすることです。

ただし、これらは食事や生活習慣の代替手段ではなく、補完的なものとして利用されるべきです。


一般的なサプリメントの種類には、次のようなものがあります:


1. ビタミンとミネラルサプリメント:

例えば、ビタミンC、ビタミンD、鉄、亜鉛など。


2. アミノ酸サプリメント:

特定のアミノ酸、たんぱく質補給のためのサプリメント。


3. 脂肪酸サプリメント:

オメガ-3脂肪酸など。


4. ハーブや植物由来のサプリメント:

例えば、カプサイシン(唐辛子由来)、エキナセア(免疫サポート)など。


5. 特定の目標に合わせたサプリメント:

関節の健康、脳機能のサポート、エネルギー向上などのためのサプリメント。

 

日本でもサプリメントは一般的に利用されていますが、懸念されるのは、サプリメントに対する勝手な期待や誤解が広まることです。

 

サプリメントはバランスの取れた食事と健康的な生活習慣の補完としてのみ利用されるべきであり、過剰な摂取や栄養不足の代替手段としてではありません。

 

また、個々の健康状態や医師の指示に基づいて選択することが重要です。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:
このような形で私がムッシュGPTに問いかけてみることも有益な方法のひとつかもしれません。

私が質問者に説明したいことの要点は、すべて彼が代弁してくれました。

 

サプリメントが栄養成分の不足を補う意味であることをしっかりと認識できていれば、まず、その人は、実際に自分に欠乏している栄養素が何なのであるかをきちんと把握することから始めるべきではないでしょうか?

 

この最初のステップが省略されていることがほとんどであるため、私はそもそもサプリメントの適切な使用は容易ではないと考えています。

 

むしろ、サプリメントによる薬物性肝障害を経験したことがあります。

 

その方は、私が質問するまで、サプリメント使用の事実については申告がなく、私が処方している薬剤の副反応であると主張していましたが、サプリメント使用を中止することによって、はじめて肝機能が正常化しました。

 

そして、必要な処方薬は従前どおり使用していますが、肝機能の再発は、その後、まったく観察されていません。

 

しかし、サプリメントばかりでなく、医師が処方する薬剤による、文字通りの薬物性肝障害の発生については、日頃から注意を払っておく必要があります。

 

この課題については、次回3月22日(金)で検討します。