遷延する症状で苦しむ方のために

 

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認定内科医、認定痛風医

アレルギー専門医、リウマチ専門医、漢方専門医

 

飯嶋正広

 

見落とされがちな微量栄養欠乏症

<25OHビタミンD>No2

 

「ビタミンD」はどんな働きをしてくれるの?

 

「ビタミンD」には、免疫機能を調節する働きがあります。体内にウイルスが侵入してきた際に不要な免疫反応に抵抗し、必要な免疫機能を促す役割を果たしています。

このため、インフルエンザ、風邪や肺炎などの感染症への効果も期待されています。

 

また免疫機能の調節だけでなく、骨を丈夫にする働きもあります。骨の石灰化を促進して骨密度を増加させるため、骨折の予防や抑制へとつながります。

 

ビタミンは通常、体内での生成ができないので食品などから摂取する必要がありますが、「ビタミンD」は日光に当たることによって、体内で生成することができるという特徴があります。

 

ビタミンDは、食事からの摂取に加え、日光(紫外線)への暴露により皮膚で産生される脂溶性のステロイドホルモン前駆体です。これが、肝臓で水酸化され安定な25OHビタミンDに変換されます。

 

25OHビタミンDは生体内におけるビタミンDの主要な貯蔵形態であることから、全身のビタミンD状態を表す代謝物質として広く認められています。

 

そして25OHビタミンDが、腎臓で1α位の水酸化を受けて1,25(OH)₂Dとなったものを活性型ビタミンDと呼びます。