遷延する症状で苦しむ方のために

 

前回はこちら

 


認定内科医、認定痛風医

アレルギー専門医、リウマチ専門医、漢方専門医

 

飯嶋正広

 

なぜ病気が長引くのか…発作性の症状対策

<痛風発作編その1>

 

発作時のみが治療開始のタイミングではない!

 


長引くコロナ禍での生活が続く中で、痛風発作のためか、当クリニックのオフィシャルサイトにアクセスされる方が急増しています。

 

痛風の発作はとても辛いものなので、なるべく早めのアポイントができるように努めています。しかし、当日の予約ですぐに対応することは困難です。早くても翌日か、翌々日、週末の場合は、週明けになってしまうこともあります。

 

当クリニックが、完全予約制に移行するまでの開院三十年間は、当日のフリーアクセスが可能でした。しかし、フリーアクセスの場合のデメリットが、私共のキャパシティーを超えて次第に増えていきました。

 

以下に列記します。

1) 待ち時間が長くなり、対応困難な苦情が増えがちとなったこと。

 

2) 診療終了時間帯に受診が殺到しがちとなり、診療の質を維持することが  
困難になりつつあったこと。これは1)の原因にもなり、悪循環となりま
した。

 

3) 診療終了時間が遅い時間にずれ込み、患者さんの帰宅時間が遅くなるため、生活習慣病に悪影響(遅い夕食、遅い就寝時間、睡眠時間の減少など)が懸念されるようになってきたこと。


4) その他に、痛風発作、喘息発作、心臓発作、胆石発作、過換気発作、てんかん発作、めまい発作、意識消失発作、てんかん発作など、慢性疾患であるにもかかわらず、発作のときだけ駆け込んでくる方が増えてきたこと。


5) 長時間待機態勢のため、医師としての自己研鑽のための落ち着いた時間を確保することが困難になってきたこと。

 

次回は、上記のうち、4)について痛風発作の初診問い合わせの実例から説明したいと思います。