『嘱託産業医』の相談箱

 

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臨床産業医オフィス


<高円寺南労働衛生コンサルタント事務所>

 

産業医・労働衛生コンサルタント・第一種作業環境測定士・衛生工学衛生管理者

 

飯嶋正広

 

 

企業の禁煙推進戦略 No.1

 

職場における禁煙推進に熱心な産業医は採用を拒まれたり、交代を要求されたりすることが現実に発生しています。そのため、禁煙活動に消極的な、当たり障りのない産業医を選ぶ企業も少なくありません。

 

しかし、望まない受動喫煙の防止を目的とする改正健康増進法が平成30(2018)年7月に成立したことはきちんと認識しておかなければなりません。この改正により、学校・病院等には平成31(2019)年7月1日から原則敷地内禁煙(屋内全面禁煙)が、飲食店・職場等には平成32(2020)年4月1日から原則屋内禁煙が義務づけられます。また東京都受動喫煙防止条例もこれに歩調を合わせて発効しています。

 

2020年4月1日から、原則屋内禁煙です。健康増進法及び東京都受動喫煙防止条例に規定する基準を満たした喫煙室を設置できない場合は、禁煙にしてください。

 

健康増進法・東京都受動喫煙防止条例に違反した場合、保健所等による指導・助言等のほか、過料の対象となる場合があります。過料は保健所等による指導・助言等に応じない場合などに科されるものです。しかし、職員が即座に支払いを求めることはありません。

 

2020年4月からは健康増進法もスタートしました。

「タバコの害」や「受動喫煙」にはものすごく大きな注目が集まっています。禁煙問題への関与を避ける医師は、産業医か臨床医かを問わず適性に欠けているといえるでしょう。

 

わが国では海外と比較すると、日本のタバコに関するリテラシーは“まだ低い”
というのが現状です。

 

喫煙者の数はここ数年で減少傾向にありましたが、現在では横ばいの状態が続いています。タバコが吸える場所もどんどん減っていますが、職場での対応は遅れ気味です。
「健康日本21(第二次)」で示されたように、喫煙は日本人の死因の第1位です。
企業の方は社員の健康管理として「タバコの健康被害」や「受動喫煙」に関する情報をもっと知るべきでしょう。