武蔵野音大別科生の手記

 

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聖楽院主宰 テノール 

飯嶋正広

 

武蔵野音大別科レッスン事始め

 

 

今回は音大での初回(4月12日)レッスンの内容についてご報告いたします。

 

 


初回レッスン
12時40分からのレッスンには十分余裕をもって出発したのですが、確認事項に気をとられていたため、うっかり、目的の羽沢の停留所を乗り越してしまいました。初夏のような陽気でした。たった一区間なのにたどり着くのに手間どり汗だくになりました。それでもレッスンの前に、事務局で学生証を受け取り、土曜日の学科の履修科目の追加の手続きを済ませることができたのは幸いでした。

 

慣れないせいか武蔵野音大は外観よりも内部が複雑な印象です。ようやくレッスン室にたどり着くと、岸本先生は、いつもの通り、すでにお見えでした。

 

レッスン前に簡単な御挨拶と段取りのお話をすることができるため、これから私も早めに到着することを心がけることにしました。

 

レッスン時間になると、伴奏者が入室されました。王さんというお名前はうかがっておりましたが、王昭然というお名前であることを知りました。

 

彼は博士課程在学中の方で、今年から副科を声楽に変更する許可を得て、岸本先生のレッスンを受けるとのことを伺いました。彼のお話の中で、チェレプリンという作曲家の名前をはじめて知りました。専門家である岸本先生は馴染みのある作曲家とのことで興味深く彼の話を聴いておられました。

そのアレクサンドル・チェレプニン(1899〜1977)の歌曲集には、”Seven Songs on Chinese Poems” op71 があり、ユーチューブにも挙げられているそうです。

 

当日の夜、王さんからいただいたメールには、ユーチューブのリンクを貼ってくれました。「楽譜が欲しければ、レッスンのとき持っていきます。」と書いてあったので、お願いすることにしました。この歌曲集は複数の言語(中国語、英語、ドイツ語、そして多分ロシア語も)がついている歌曲集とのことで、とても興味深いです。

 

”Seven Songs on Chinese Poems” op71

 

 

レッスンは、岸本先生の発声練習のあと、さっそく王さんに伴奏をはじめていただきました。

 

1曲目は、歌曲「нет,толькотот,ктознал...(憧れを知る者のみが...)」

 

2曲目は、「レンスキーのアリア」

 

そのあと、来週、本格的にはじめる歌曲「отчего?...(何故?)」の歌詞の発音チェックをしていただきました。

 

何とか合格させていただけたので、さっそく、次週は、上記の2曲に加えてこの曲の歌唱レッスンがはじまります。

 

そのあと、第4曲目の候補は、средь шумного бала...(騒がしい舞踏会の中で...)となりそうなので、来週までに、ロシア語の歌詞読みの発音チェックを受けられるように準備することにしました。歌曲としては、そのほかに、岸本先生が編集された「ロシア民謡集⁻モスクワ郊外の夕べ」(全音楽譜出版社、2003)を私が以前から所持していたため、先生にお願いして、収録19曲のうちから、「ともしび(огонёк)」と「モスクワ郊外の夕べ(Подмосковные вечера)」の2曲を練習曲として選んでいただきました。

 

「ともしび」(огонёк)の音源

 

(35) 【和訳付き】ともしび(ロシア民謡)"Огонёк"- カタカナ読み付き - YouTube

 

 

(35) Огонёк - Дмитрий Хворостовский (2016) (Subtitles) - YouTube

 

 

 

「モスクワ郊外の夕べ(Подмосковные вечера)」の音源

 

(35) Владимир Трошин Подмосковные вечера 1956 - YouTube

 

 

それから、オペラ・アリアの第2弾としては、ニコライ・リムスキー=コルサコフが1895年から1896年にかけて作曲し、1897年に上演された7場から構成されるロシア語のオペラ『サトコ』(Садко)から、「インドの歌」に挑戦するところまで、初回のレッスンで決まりました。


一般のテノール用の楽譜はフランス語版なのですが、オリジナルのロシア語でも歌うことができるようになれば素晴らしいです。実は、私もはじめてロシア語での演奏を聴きました。ロシア語で検索すると素晴らしい音源にアクセスすることができました。

 


(35) Н.А. Римский-Корсаков - Песня индийского гостя из оперы «Садко» - YouTube

 

 

 

Н.А. Римский-Корсаков - Песня индийского гостя из оперы «Садко»
Исполняет Симфонический оркестр Колледжа имени Гнесиных
Солист — Лауреат Всероссийского конкурса Давид Посулихин (тенор)

 

N.A.リムスキー=コルサコフ:オペラ『サトコ』より「インドの客人の歌

 

演奏:グネーシンカレッジ・シンフォニーオーケストラ
ソリスト - 全ロシア・コンクール優勝者 ダヴィド・ポスリーキン(テノール)