『聖楽院』便り

 

前回はこちら

 

聖楽院主宰 テノール 

飯嶋正広

 

岸本先生からのメールが届きました。翌日に、楽譜を数曲郵送してくださるとのことでした。その翌日には、確かに楽譜が届きました。

 

3曲分の楽譜です。すべてチャイコフスキーの歌曲です。

 

限られた1年間での集中的個人レッスンであるため、「チャイコフスキーの声楽作品」を焦点を当てて研鑽することになるでしょう。

 

 

#1  отчего?...(何故?)
 

最高音はAなので、高声用(ソプラノ・テノール)向けの曲ですが、無理のない曲であるようです。歌詞の反復が多いためビギナーにとっても馴染み易いように感じられます。その分、表現には工夫が求められることになるでしょう。

 

Tchaikovsky: Отчего? (Why?), Op. 6, no. 5: Galina Vishnevskaya, Mstislav

Rostropovitch - Bing video

 

Otchego (Why?) Отчего by Tchaikovsky - YouTube

 

 

Vocalist: Miranda Albarez Pianist: Chanson Youn No. 5, Op. 6 Otchego? (Why?) by Tchaikovsky Отчего Чайковский Отчего побледнела весной

 

 

 

#2  серенада дон-жуана(ドン・ファンのセレナード) 

 

最高音はFisですが、楽譜はト音記号ではなくへ音記号です。つまり低声(バス)用の楽譜です。このままの楽譜ではテノールは歌えません。しかも長めの曲です。一オクターブ高くすれば歌いやすくなりますが、どのようなレッスンになるのか、これから楽しみです。

 


Tchaikovsky - "Don Juan's Serenade" from 6songs(op.38), ロマンス「ドン・ファンのセレナーデ」 - Bing video

 

DON JUAN'S SERENADE - Tchaikovsky - Gregory Martynenko - Серенада Дон Жуана Giovanni - YouTube

 

 

 

#3  средь шумного бала...(騒がしい舞踏会の中で...)

 

Leonid Sobinov - Средь шумного бала (at the ball) - 1910 - YouTube

 

Дмитрий Хворостовский - Средь шумного бала - YouTube

 

 

最高音はEです。この楽曲は中声(メゾソプラノ・バリトン)用のようです。

 

テノールとしては無理なく歌える音高ですが、深みのある発声で歌えるかどうかが課題かも知れません。高音域だけでなく、中・低音域もしっかりとした声の響きを活かせるように歌うための材料となりそうです。