水氣道実践の五原理・・・集団性の原理(結論)その1
(教学不岐・環境創造の原則)
所属集団から切り離された「孤」からの復活
水氣道の着想は外国からのものではなく、日本的霊性によって生まれました。これは偶然ではなく必然であったように思われます。なぜならば、日本文化の特徴は自然により近づこうという意志、「自然回帰」が強く働いているからです。
自然と感じる「もの」や「こと」の中には、自然発生的な家族や共同体という集団があります。
日本人は古代から自然の中に住み、自然の流れに逆らわない生き方をしてきました。
それは人間より自然の猛威の方がはるかに強大で抗うことが不可能であることを謙虚に受け止めなければ生き残ることが難しかったからだと思います。
そして、地縁・血縁という共通の環境基盤によって生成した自然発生的な大家族が、作為的ではない歴史的伝統的な「縁」によって共同体として連合し、その知恵と力を結集し、幾多の試練や危機を乗り越えてきた運命共同体として、この世での適者となって生存を図ってきました。
そのため、日本人の祖先たちは、永遠性ということより、有限性、刹那的であること、朽ちてゆくこと、「空」の理論に従い、流れに委ねることが大切であると悟りました。
そして、集団から離れた個人として、全体の大きな流れに抗うとすることを企てることは、孤立を余儀なくされたり、究極の危機的状況から脱出したり、克服したりしなければならないときに限られていました。
私たちの祖先は、自然に密着した暮らしの中で、現実の世界を冷静に、しっかりと受け止めてきました。
自然に回帰する思想、無理なく生ききる思想、それが自然とともに生きるという考え方に帰結していきます。ただし、集団の中で社会的な存在としてありながらも、自己実現をはかり、充実した「個」の人生、それ以外に「真理」への道はありません。
この考え方は現代を生きる上でも、極めて重要であり、水氣道の本質に繋がるものなのです。ただし、日本的霊性における「個」とは、所属集団から切り離された「孤」ではないのです。
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