故郷(茨城)探訪

 

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一般社団法人 日本温泉物理医学会


認定温泉専門医(登録番号第150号)/温泉療法医(登録番号686号)

 

飯嶋 正広

 

 

「知られざる茨城の名湯・秘境」シリーズ

 

第二弾:常磐うぐいす谷温泉 竹の葉(北茨城市)その5

 

<常磐うぐいす谷温泉竹の葉と実際の体感は一致するだろうか?>

 

常磐うぐいす谷温泉竹の葉を温泉医学的にまとめてみますと、<冷鉱泉、弱アルカリ性泉、低張泉>ということになります。


「低張泉」は、理論上では、サラサラしたやさしい湯という傾向があり、温泉の水分が体に吸収されやすいということになります。「低張泉」である「常磐うぐいす谷温泉竹の葉」の湯は、すべすべしたやさしい湯でした。

低張泉の温泉で長湯すると皮膚がふやけることがあります。それは、「低張泉」では、皮膚の表面からいくらか水が浸透して、皮膚のごく表面の角質層を含む表皮部分だけ伸びる一方、深層の真皮の部分は、変化がないので、一時的にしわが生じるからです。しかし、「常磐うぐいす谷温泉竹の葉」では、大浴場、露天風呂、内風呂での部分浴など、ゆっくり入浴したにもかかわらず皮膚のふやけは観察されませんでした。

 

温泉水1kg中の溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg未満で、湧出時の泉温が25℃以上の温泉は、「単純温泉」という「療養泉」に分類されることは既に述べました。常磐うぐいす谷温泉竹の葉は、冷鉱泉であるため、「単純泉(単純温泉)」には該当しませんが、泉温を温めれば、療養泉の一つに分類される単純温泉に準じる性質になります。単純温泉は、肌触りが柔らかく、癖がなく肌への刺激が少ないのが特徴ですが、実際に入浴してみても、これらの特徴を味わうことができました。

 

肌に関する重要な因子としては、温泉水のpHがあります。「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「硫黄泉」は三大美人泉質とされますが、その他の泉質で美肌効果があるものに「アルカリ性」の温泉があります。つまり、「pH値7.5以上」の温泉がそれにあたります。アルカリ性温泉の中でも「弱アルカリ性単純温泉」がお勧めです。

 

その他、温泉を深く味わいたい方のために、温泉水に対して知覚的試験というものがあることをご紹介したいと思います。これは、飲料水や酒類の官能試験にも似ているのですが、温泉の味わい方には、入浴だけでなく飲泉があります。ですから、温泉療法にも入浴療法だけでなく、飲泉療法があるのです。

 

「常磐うぐいす谷温泉竹の葉」は入浴専用で、飲泉できません。しかし、飲泉はできなくとも、入浴者は意識せずとも他の五官を通して温泉を味わっていることになります。

 

 


<温泉の知覚的試験>

 

温泉水の色、清濁、味、臭いについて、現地で試験者がおこなった試験結果が、微弱、弱、強といった度合いとともに記載されています。道具や試薬を使わず人間の目、舌、鼻という知覚で試された結果で、その温泉の特徴を簡潔に表しています。

以下は一例です。

なお、「常磐うぐいす谷温泉竹の葉」に当てはまるものは太字にしました。


 色 
無色、黄色、黄褐色、淡黄色、など


 清濁 
透明、蛋白石濁、微混濁、など


 味 
無味、酸味、炭酸味、収斂味、から味、弱塩味、苦味、など


 臭い 
無臭、泥炭臭、腐臭、硫化水素臭、亜硫酸臭、石油臭、よう素臭、鉱物油臭、木材臭、など


 その他
ガス発生、ガス発泡なし、沈析物の有無、など

 

 


<「常磐うぐいす谷温泉竹の葉」のまとめ>
冷鉱泉、弱アルカリ性泉、低張泉、
無色透明、微硫化水素臭、弱塩味、ガス発泡なし