新春のご挨拶

 

令和4年元旦

 

皆様、あけましておめでとうございます。

 

本年も共に健やかに穏やかな日々を過ごして参りたいと存じます。

 

さて、昔から、「一年の計は元旦にあり」と言われてきましたが、改めてこの警句を考察してみることにしました。

 

【注釈】一年の計画は年の初めである元旦に立てるべきであり、物事を始めるにあたっては、最初にきちんとした計画を立てるのが大切だということ。

 

【出典】月令広義・春令「四計」の項に、

「一日之計在晨、一年之計在春、一生之計在勤、一家之計在身

(一日の計は晨(あした)にあり、一年の計は春にあり、一生の計は勤にあり、一家の計は身にあり)とあることに基づく。

 

【考察】「一年之計在春」が原点であるとすれば、「春」をどのように捉えるかで解釈に広がりが出てきそうです。もし、「春」を新春の初日と解釈すれば、文字通り、「一日の計は元旦にあり」に一致することになります。これに対して、1月から3月までを「春」とするならば、「一年の計画は最初の3カ月までに計画しておきなさい」という緩やかな解釈で良いことになります。

 

かく云う私自身は、上記とは異なった2つの解釈というか指針を持っています。

 

最初の一つは、よそ様向け(患者様向け)の指針です。

 

これは、職業上、多くの場合、年明け最初の検査の結果は芳しいものではないことから経験的に学んだことです。

 

それは「暦上の一年のスタート時の不調は、その年度のスタート時に仕切り直しをしてみましょう。」というものです。日本は有難いことに、年度初めの4月があります。1年のうちに計画したり、計画を見直したりするチャンスが2回もあるのは素晴らしいことだと思います。

 

もう一つは、私自身に向けた指針です。

 

これは、これまでの私生活上、やはり経験的に学んできたことから身に着けた習慣です。

 

それは、「一年の計画は、前年の自分の誕生日(1114日)を迎えてから大みそかまでの間に準備しておくべし」という自分自身に対する戒めです。そもそも一年間の計画を元旦という特定の一日のうちに打ち立てることのできるような才能を私自身は持ち合わせていないということを熟知しているからです。たとえば、初日の出を拝んでから元旦のあいさつ文をしたためることができるような能力をもっている人は特別な存在だと思います。凡人にとっては到底及びがつきません。

 

杉並国際クリニックにとっての令和4年元旦の計は、時代が令和に突入する前から準備してきたものです。この間に、診療システムは、フリーアクセス制⇒部分的予約制⇒完全予約制⇒会員制と計画的に改革を進めることに成功しました。新型コロナ感染症の警戒態勢下にあっても安全・安心の医療を安定的に供給すると同時に、より質の高い外来診療に向けての着実な歩みも遂げることができました。そして、完全予約制を基盤とする会員制クリニックとして確立したことにより、日本の経済を支え、医療・介護・福祉の財源の提供源として社会貢献している企業の顧問医・産業医としても、従来以上にフレキシブルに活動できるようになったことは私のささやかな誇りの一つにもなっております。

 

医療と社会との接点を開拓することによって、医療機関の外来診療だけでは気づき得なかった多くの貴重な知識と知恵を授かることができました。いくつもの新たな視点が生まれ、それらが拡がっていくことによって日本という祖国や世界の状況がより身近に感じ取れるようになりました。

 

杉並国際クリニックは、その名称どおり、英語やフランス語などの国際語を併用して、広く外国人診療にも門戸を広げていますが、当クリニックの会員としてふさわしい方ばかりに恵まれていることも、大いに感謝すべきであると認識しています。

 

当クリニックの曜日替りのブログは、会員の皆様に限らず、その他多くの皆様にお読みいただけているまでに支持を広げています。今年も、少しずつ工夫を加え改良を試みながら、皆様のために、少しでも有益なメッセージを発信し続けていきたいと願っております。

 

皆様、それでは、今年は、さらに良い一年となりますよう、お互いに暖かな真心を通わせて参りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

なお、来週の土曜日は、昨年に引き続き、アルベール・カミュ『ペスト』(仏文原書)の訳読に挑戦!アルベール・カミュ作 『ペスト』を読むNo12から再開する予定です。