故郷(茨城)探訪:茨城に人気がない理由(その3)

 

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他県に比べ観光地のPR戦略が不適!?

 


茨城県の観光目的を見ると、その目玉として主役を演じることになる自然や温泉の認知度が極端に低いことが分かります。相対的に評価が高いのは、行事・祭事・イベントとスポーツ・レクリエーションのようです。

 

旅行する機会に恵まれているのはシニア層です。そのシニア層にとって偕楽園の梅まつり(2月中旬から3月)には心惹かれることがあることでしょう。しかし、中年以下の若年層にファンが多いロックフェスティバル(8月)、竜神大吊橋のバンジージャンプ、大洗海岸のサーフィンに、シニア層は余り興味をもたないことでしょう。

 

それでも水戸市限定ではありますが黄門まつり(8月第一週の土・日)、水戸黄門漫遊マラソン(10月)などイベントやスポーツが盛りだくさんです。

 

しかし、これらはスポットのイベントであるため、日帰りや一泊のみの観光客が大半なのではないでしょうか。

 

それでは観光地としての定常的な魅力度の向上には繋がりません。このような特定のイベントやスポーツを推し過ぎると、もともと関心のない人には、かえって自分とは無縁だと思わせ、足を遠ざけてしまう要因となりうるという指摘があるそうですが、もっともな指摘だと思います。

 

日本の観光PRは、自然と温泉を全面に押し出すイメージ戦略をもって上策とされています。今後もこうした傾向ばかりが続き、しかも茨城県がこうしたPRポイント無関心であり続けるに限り、魅力度の低さを克服できそうにはないものと思われます。