『聖楽院』便り

10月15日(金)

 

銀座・王子ホールでのリサイタル

 

日本を代表するオペラ歌手の一人であるテノール上原正敏さん。一昨年前、杉並国際クリニックがオフィス・アミーチからリリースした2組のCDの第2弾:「芸術歌曲集⁻小倉百人一首No2.トスティ50番(高声)で歌う」では、その才能を遺憾なく発揮してくれました。

 

日本の代表的な和歌を、邦楽ではなく、イタリア歌曲のメロディーで歌う、などという試み自体が、保守的なクラシック界では異端とされ、また忌避されるであろうことを、私は予め覚悟していました。上原さんから「合うはずがない」と一笑に付されることも覚悟でした。ところが、彼は何と「合わないはずがない」とまで言ってのけてくれたのです。そのときの彼の頼もしさが印象的でした。しかも、その時は、私がどの和歌とどの曲をマッチングさせているのかを御存じない段階でのことだったのです。

 

その上原さんは、緊急事態宣言解除以前から、積極的かつ創造的な音楽活動を展開していました。音楽のパートナーであるピアニストの北村晶子さんと共に「大人のための芸術歌謡集(ポプラシック:Poplassic)を今年の3月25日にオフィス・アミーチからリリースしています。ポップスとクラシック音楽のマリアージュです。このような自由な発想のもとに、新たな音楽づくりを開拓し、しかも成功を収めてしまうあたり、上原さんの器量や度量の大きさというものが顕著に表れているといえるでしょう。

 

上原さんは、信州諏訪のご出身。そこで、私は是非とも彼に歌っていただきたい曲を準備しているところです。その曲の歌詞は、万葉集の巻14に収められている東歌(あずまうた)中の信濃国の和歌です。作曲は私自身が担当しています。私自身が伴奏ピアニストのK.Mさんの助けを借りながら試演して、一連の吟味を済ませた後、上原さんに提案したい企画なのです。

 

そうしたテノールの上原さんから、コンサートのお知らせが届きました。11月9日(火)銀座王子ホールにて19:00開演(18:30開場)、タイトルは、Interpretare(インテルプレターレ)と銘打ち、エンターテイメント・クラシック(特別編)と紹介されているチラシが入っていました。

 

出演は他にソプラノ天羽明惠、ピアニスト大須賀絵里、しかも女優の壇ふみ、

とかなりの豪華版です。

 

 

火曜日の夜は、白鷺プールで水氣道に参加していますが、偶々、この日は、プールの施設の側の調整日であるため、ためらうことなく銀座王子ホールへ直行できそうです。

 

 

チラシの表と裏を添付しておきます。

 

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