こころの健康(身心医学)複雑性PTSDに関する様々なご質問に答えて(No1)



複雑性PTSDとは、感情などの調整困難を伴う心的外傷後ストレス障害(PTSD)です。

 

組織的暴力、家庭内殴打や児童虐待など長期反復的なトラウマ体験の後にしばしば見られるとされます。

 

 

Q1.ふつうのPTSDとは違うのですか?

 

A1.共通点はありますが、区別されています。

 

 

戦争や事故、レイプなどによるものは単純性PTSDとされ、慢性的な安全の感覚、信用、自尊心などの損失、再被害傾向などは起こりません。

 

しかし、複合的な心的外傷後ストレス障害 (C-PTSD)=複雑性PTSD は、暴行、性的虐待、家庭内暴力、拷問及び戦争のような長期の対人関係の外傷に起因する臨床上で認識された病気です。

 

C-PTSDは感情的なこと、そして対人関係の機能の多くの領域における慢性的な困難だという特色があります。

 

その症状としては感情調整の障害、解離症状、身体愁訴、無力感、恥、絶望、希望のなさ、永久に傷を受けたという感じ、自己破壊的および衝動的行動、これまで持ち続けてきた信念の喪失、敵意、社会的引きこもり、常に脅迫され続けているという感じ、他者との関係の障害、その人の以前の人格状態からの変化などが含まれます。