新型コロナ感染症の罹患者に対するワクチン接種について

Q4.

私は不覚にも、先生が準備して勧めてくださった<漢方レシピ>による養生を実践せず、新型コロナを発症させ、家族にも移してしまい、大変な思いをしました。幸い、その際には先生に連日栄養増強剤を注射していただき事なきを得ました。その後は、家族共々、<漢方レシピ>を実践し、お陰様で元気に過ごしています。それでもワクチンを接種すべきでしょうか。

 

 

A4. 申し訳ございません。残念ながら、私にも確かな答えはありません。
  <ただし、私が昨年の5月下旬ころから注目していた大阪大学の荒瀬尚教授(微生物病研究所 免疫化学分野)の研究成果が有力な手掛かりになる可能性があります。現在熟読考査中ですので、日曜日(9月5日)に改めてご紹介しますので、是非、ご確認ください。>

新型コロナウイルスのワクチンに関して、どうしてもお知らせしておきたい最近の研究!

 

確かな答えのためには正しい判断、正しい判断をするには、正しい情報が必要だからです。その肝心な正しい情報を取得することは容易ではありません。そもそも、正しい情報とは何なのでしょうか?

 

主要各国の政府やWHO、米国疾患予防管理センター(CDC)、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)などは信頼に足るデータをはじめ科学的証拠(エビデンス)に基づいて方針を決定することになっています。またNature, Lancet, New England Journal of Medicineなどの超一流とされてきた医学雑誌でさえ、新型コロナ関連の論文に関しては、鵜呑みにはできないのが現実です。

 

しかも、実際には世界中の研究者やその他の人々が注目するWHO(事務局長:テドロス・アダノム氏)、CDC(所長:ロシェル・ワレンスキー氏)、NIAID(所長:アンソニー・ファウチ氏)の声明や意見勧告の内容は、この一年間で二転三転しています。エビデンスを論ずる以前に、確かな事実(ファクト)の確認(チェック)作業が必要なのですが、それすら覚束ない段階で断定的な意見を述べる権威者や権力者が世界中にはびこっています。

 

昨年から同じことを懸念し続けている私と比較して、これらの方々の意見が大きく変わるのは、彼らが特別に優秀だからでしょうか。「君子豹変す」という警句がありますが、私はとうてい彼らのような君子にはなれそうもありません。

 

新型コロナウイルスの由来の解明を妨害し故意に遅らせている勢力が現存している限り、検査法や治療法にゴールドスタンダートは見出しにくいことを推測することは難しくありません。

 

このような残念な国際状況ではありますが、私自身は一貫として『既感染者の方は、必ずしもワクチンを接種する必要はないのではないか』と考えてきました。その理由は、一般的に、感染し発症した人の免疫力は、未感染でワクチンを接種した人より強力であると考えることができるからです。しかし、再感染例も報告されていて、なかなか一筋縄ではいきません。 

 

ただし、医師として、より責任をもってお答えするうえでは、あなたの血液中の抗体価を測定してから判断することをお勧めしたいと思います。もし抗体価が低ければワクチンの接種を検討する選択肢が有力になる可能性があります。もっとも、抗体価が高いからといって再感染が免れるかどうかは確実ではありません。抗体は量だけでなく質が問題になってくるからです。現在は、デルタ変異株が主流になっていますが、あなたの初回感染によって獲得した抗体がデルタ株に対応しているかどうかは定かではないからです。

 

あらゆるワクチンは主治医と相談し、十分に納得して覚悟を決めてから接種すべきであり、納得できず不安な状況で急いで接種することは望ましくないと考えます。

 

なお9月6日(月)は、「アレルギー患者のワクチン接種の可否について」を掲載予定です。