<はじめに>

 

前回は「太白」のツボを紹介しました。

 

 

足の親指の内側で、骨が出ているところのすぐ後ろにあり、

 

 

消化吸収や呼吸の働きを助け、冷えやむくみを予防するというお話でした。

 

 

今回は「晴明(せいめい)」のツボを紹介しましょう。

 

 

 

<晴明>

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目頭と鼻の骨との間にあるくぼみにあります。

 

 

目の周りの血流がよくなり、眼精疲労や充血、ドライアイが解消されます。

 

 

目を酷使する現在に必須のツボと言えます。

 

 

親指と人差指で挟むように刺激すると良いでしょう。

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 

前回はこちら

 

コロナワクチン接種の実施のために、日本アレルギー学会が作成


<アナフィラキシーの新しい診断基準と具体的対処法>
 

アレルギー反応が現れた例への対応については、注射部位以外の皮膚・粘膜症状(蕁麻疹、皮膚の発赤・紅潮、口唇・舌・口蓋垂の腫脹や刺激感、眼の痒み・眼瞼腫脹、くしゃみ・鼻汁・鼻の痒み・鼻閉などの鼻炎症状、アレルギー性鼻炎患者は明らかな症状の増強)が出現した場合には「ヒスタミン H1 受容体拮抗薬を内服させて症状が改善するまで観察する」ことを求めています。

 

症状が改善しない場合には最寄りの医療機関受診を指示し、症状が増強してアナフィラキシーが疑われる場合は診断を受け、適切に対応するよう明記しています。

 

一方、ワクチン接種後30分以内あるいはアレルギー反応の観察中に、

 

① アレルギーを疑わせる皮膚・粘膜症状

 

② 気道・呼吸器症状(喉頭閉塞感、呼吸困難、喘鳴、強い咳嗽、低酸素血症)

 

③ 強い消化器症状(腹部疝痛、嘔吐、下痢)

 

④ 循環器症状(血圧低下、意識障害)

 

以上のうち2つ以上の症状が発現した場合にアナフィラキシーの国際基準(定義)『ブライトン分類』に基づくアナフィラキシーと診断するものとしました。

 

 さらに診断後の具体的な対応法も示しています。

 

① 発症時は急に座ったり立ち上がったりする動作を禁止する

 

② 原則として仰臥位で下肢を挙上させるが、嘔吐や呼吸促(窮)拍の場合には、本人が楽な姿勢にする

 

③ アナフィラキシーの第一選択治療はアドレナリン(商品名ボスミン)の筋肉注射であり、「アナフィラキシーが疑われた」時点で可能な限り速やかに大腿部中央の前外側等にボスミンまたはエピペンを筋肉に注射する(誤って血管内投与はしないよう気を付ける)

 

などを行うよう求めました。

 

同時に、酸素吸入と生理食塩水の急速点滴投与、呼吸困難が強い場合は短時間作用性β2刺激薬の吸入も実施し、初期対応で症状が安定しても、二相性反応の発生に備えて入院することを推奨しています。

 

私見:

アナフィラキシー反応を来した接種者が全員救命できたとしても、決して油断してはいけません。今後も引き続き警戒すべきリスクであることには変わりありません。現時点においては、アナフィラキシーに対して高度な警戒感が保持されている模様ですが、今後も安全性の確保が維持されるという保証はどこにもありません。
現時点での私の答えは、「新型コロナワクチンの接種者は、即日入院可能な環境や条件を準備しておくべき」ということです。その理由は、アナフィラキシーの二相性反応の発生を完全に予測できる医師は存在しないと考えるからです。アレルギー学会の指針では、そこまでの提言はしていませんが、その推奨を突き詰めていくならば、本質的には、私の答えに接近するものであると考えることができると思います。

 

 

以下は、当クリニックの患者さんで某大学のI教授から「北ドイツ放送の報道です」というタイトルでのメールが、先ほど届きました。その記事の内容は、以前から彼と私が話題にしていたテーマの一つです。

 

一読してから、直ちに以下のように返信しました。

 

・・・・・・・・・

 

I 

 

情報提供ありがとうございます。

 

オーストリアの2名の看護師がワクチン接種後に血栓症を引き起こし、1人が亡くなったことは広く報道されました。

 

救うことができる可能性がある命さえも救わないばかりか、そのような被害者をWHOのテドロス氏ばかりでなく欧州の医薬品局のスポークス・ウーマンまでその因果関係について露骨に否定したことに、深い懸念を覚えていたところです。

 

血栓症を引き起こす前に予防が可能であるにもかかわらず、彼の国々(日本も例外ではありませんが)では、その治療薬は使用できません。

 

単に運が悪かっただけ、例外的、特異体質、などと精査せずに相関関係なし、という結論を宣言する世界的傾向は、少数者の人権を無視してよいという価値観を助長しているように思えてなりません。

 

「地竜」は人類を救うかも?

 

というタイトルで、私の持論をブログで展開していましたが、

 

今のところ、完全に無視されているせいか、反論すらあがってきていません。

 

「地竜」の原料である、ミミズには抗血栓作用をもつ酵素であるルンブルキナーゼを含有しています。

 

この薬は、民間薬扱い(つまり、安全性は極めて高い)ため、昨年から当クリニック受診中の患者の皆様には、発熱時には早期に内服することによって、重大な有害作用の発生に備えることをお勧めしてきた次第です。

 

症例数は限定的ですが、複数のCovid-19に罹患(PCR陽性)者の発熱や激しい頭痛に対して、「地竜」を勧めましたが、幸い、いずれも著効して感謝されています。

 

ワクチンの接種率の向上こそが正義、という政策的判断が絶対化することによる弊害については、もう少し慎重に検討する必要がある、と私は考えております。

 

ありがとうございました。

 

飯嶋正広

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

以下は、北ドイツ放送の記事と私の翻訳です。なお下線は私が施しました。

 

AstraZeneca: Greifswalder Forscher finden Thrombose-Ursache

アストラゼネカ:グライフスヴァルトの研究者が、血栓症の原因を発見

 

 

Stand: 19.03.2021 13:05 Uhr

2021年3月19日 13時5分

 

 

 

Wie NDR 1 Radio MV berichtet, haben Forscher der Unimedizin Greifswald die Ursache für Hirnthrombosen nach AstraZeneca-Impfung gefunden. Demnach löst das Vakzin bei einigen Menschen einen Abwehrmechanismus aus.

 

NDR 1 Radio MVが報じたように、Unimedizin Greifswaldの研究者は、アストラゼネカ社のワクチン接種後の脳血栓症の原因を発見した。これによると、このワクチンは一部の人の防衛メカニズムを誘発する。

 

 

 

Die Forscher hatten sich eigenen Angaben zufolge direkt nach dem Impfstopp an das Paul-Ehrlich-Institut gewandt, das für die Zulassung und Überwachung von Impfstoffen in Deutschland verantwortlich ist. Den Ärzten wurden daraufhin Blutproben von sechs Thrombosepatienten zur Verfügung gestellt.

 

研究者によると、ワクチン接種を中止した直後に、ドイツでワクチンの承認・監視を担当しているポール・エーリック研究所に連絡したそうである。そして、6人の血栓症患者の血液サンプルを医師に提供した。

 

 

 

Corona-Ticker: 19 Landkreise im Norden über Inzidenz von 100

 

コロナ・ティッカー:北部の19の郡で発生率が100%を超える

(緊急ブレーキには「緊急ブレーキ-誤用は罰せられる」と書かれている。

 

 

Liegt die Inzidenz drei Tage über 100 sollen die Länder die sogenannte Notbremse umsetzen. Mehr Corona-News im Live-Ticker.

 

発生率が100を超える日が3日続いた場合、各州はいわゆる緊急ブレーキをかけるべきである。その他のコロナのニュースはライブティッカーで。

 

 

Blutplättchen gerinnen im Gehirn

 

脳内で血小板が固まる

 

 

 

Bei der Untersuchung der Proben stellten die Forscher fest, dass der Impfstoff die Blutplättchen, also die Thrombozyten, aktiviert. Das passiert normalerweise im Körper nur bei einer Wundheilung, wenn das Blut gerinnt und die Wunde verschließt. Durch die Impfung werde bei einigen Patienten ein Mechanismus aktiviert, der zur Bildung von Blutgerinnseln im Gehirn führe. Da der Mechanismus so klar identifiziert worden sei, habe auch eine gezielte Behandlungsmöglichkeit entwickelt werden können. Betroffenen könne nun ein Wirkstoff verabreicht werden, der gegen die Thrombose hilft.

 

そのサンプルを調べたところ、ワクチンが血小板(血栓を引き起こす細胞)を活性化させることが判明した。これは通常、体内では創傷治癒時にのみ起こり、血液が固まって傷口を閉じる。このワクチン接種により、一部の患者では脳内に血栓ができるメカニズムが活性化される。メカニズムが明確になったことで、ターゲットを絞った治療法の開発が可能になった。血栓症に効果のある活性物質を患者に投与することができるようになった。

 

 

 

Mehrere Beteiligte

複数の関係者

 

 

 

Die Unimedizin betonte, der Erfolg sei nur möglich gewesen durch die Zusammenarbeit mit dem Paul-Ehrlich-Institut und Ärzten aus Österreich - dort war eine Krankenschwester nach einer AstraZeneca-Impfung an einer Thrombose im Gehirn verstorben. Vorsorglich könne das Mittel gegen die Thrombosen allerdings nicht verabreicht werden. Eine Behandlung mit dem Wirkstoff sei nur nach der Bildung eines Blutgerinnsels möglich.

 

同大学医療センターは、ポール・エーリック研究所とオーストリアの医師との協力があったからこそ、今回の成功が実現したと強調している。オーストリアでは、アストラゼネカ社のワクチン接種後に脳内血栓症で死亡した看護師がいた。しかし、血栓症の予防策として投与することはできなかったこの薬による治療は、血栓ができてからでないと行えない。

 

 

 

Schon EHEC-Behandlung entdeckt

 

すでに発見されているEHECの治療法

 

 

 

Die aktuelle Entdeckung ist nicht der erste Forschungserfolg der Greifswalder Unimediziner. Schon im Jahr 2011 hatten sie eine Behandlungsmöglichkeit gefunden, die vor allem in Norddeutschland aufgetretene EHEC-Epidemie zu stoppen.

 

今回の発見は、グライフスヴァルト大学の医師たちの最初の研究成果ではない。2011年には、ドイツ北部を中心に発生したEHECの流行を食い止める治療法がすでに見つかっていたのである。

 

註:EHECとは腸管出血性大腸菌の略称。

 

腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic Escherichia coli ; EHEC)感染症の原因菌は、ベロ毒素(Verotoxin=VT, またはShiga toxin =Stx と呼ばれている)を産生する大腸菌。EHEC感染症においては、無症状から致死的なものまで様々な臨床症状が知られている。特に、腸管出血性大腸菌感染に引き続いて発症することがある溶血性尿毒症症候群(HUS)は、死亡あるいは腎機能や神経学的障害などの後遺症を残す可能性のある重篤な疾患。HUSの発生予防につなげるためにも、HUSの実態把握と発生の危険因子を特定することが重要。

 

コメント:

EHEC感染症は細菌感染症であり、ウイルス感染症であるCovid-19とどのように関連するかは、申し訳ございませんが、私はまだ理解しておりません。

 

宿題ということでご理解ください。

 

前回はこちら

 


コロナワクチン接種の実施のために、日本アレルギー学会が作成

 

<抗アレルギー薬の予防的投与は避けるべき!?>
 

ワクチン接種を行う場合に準備が必要な医薬品や医療備品もリストとして記載しています。

 

① 血圧計、静脈路確保用品、輸液セット

 

② アドレナリン注射薬0.1%(2本以上)

 

③ 生理食塩水20mL(5本以上)/500mL(2本以上)

 

④ ヒスタミンH1受容体拮抗薬(5錠以上)

 

⑤ 副腎皮質ステロイド薬注射薬(2本以上)

を挙げました。

 

これらに加え、ハイリスク症例に接種する際には標準的な救急カートの他に、

 

① パルスオキシメーター

 

② 酸素ボンベ、経鼻カニューレ、使い捨てフェイスマスク

 

③ 挿管セット

 

④ ヒスタミンH1受容体拮抗薬注射薬(2本以上)

 

⑤ 吸入短時間作用性β2刺激薬とスペーサー(2セット以上)

 

⑥ グルカゴン(β遮断薬を投与中で、アドレナリンが無効の場合に使用)
を備えることが望ましいとしました。

 

 

このうち、代表的な抗アレルギー薬であるヒスタミン H1 受容体拮抗薬の使用の注意点にも触れています。

 

それはヒスタミン H1 受容体拮抗薬の予防的な投与は「かえってアナフィラキシーの初期症状を不明瞭にしてしまう危険性があるため好ましくない」というものです。ただし、「他の疾患に対して投与中のヒスタミン H1 受容体拮抗薬を中止する必要はない」としています。

 

コントロール不良の喘息患者がアナフィラキシーを来した場合には重症化するリスクがあるとして「それに対応できる医療機関での接種が望ましい」と付記しました。
 

私見:

『ヒスタミン H1 受容体拮抗薬を治療薬として継続することは推奨する一方で、アナフィラキシーの予防として使用することは好ましくない』、とする指針は、かえって混乱を招くのではないかと懸念しております。

 

まずアナフィラキシーの初期症状を不明瞭にしてしまう危険性とアナフィラキシー発症を予防するメリットとの比較衡量を検討することが大切ではないかと思います。危険性を減らし、有効性を高めるための手立てがあるのであれば、「ヒスタミン H1 受容体拮抗薬を予防的に投与した上で、十分な経過観察を怠らないようにする」というのが正解ではないかと思います。そして、その場合は、どのように経過観察をしていくべきかを議論すべきではないかと考えます。

 

このような方向性にならないのは、新型コロナウイルスのワクチン接種の安全性を高めるためには、実施医療機関においての労力負担が過大になるからに他なりません。

実際にはそれは難しいので推奨できないという背景があるのであるならば、そもそも安全なワクチンの接種自体が困難であるという事実を秘匿しないことが医療従事者として、あるいは専門の学会として誠実な姿勢ではないかと思われます。

<はじめに>

 

 

前回は「血海」のツボを紹介しました。

 

 

血海は膝の内側お皿から、指3本分上にあり、月経不順や月経痛に効果的なツボであるというお話でした。

 

 

今回は「太白(たいはく)」のツボを紹介しましょう。

 

 

 

<太白>

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足の親指の内側で、骨が出ているところのすぐ後ろにあります。

 

 

消化吸収や呼吸の働きを助ける。冷えやむくみを予防します。

 

 

さすったり、指圧して刺激してみてください。

 

 

 

 

杉並国際クリニック 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

 

前回はこちら


コロナワクチン接種の実施のために、日本アレルギー学会が作成

 

<高リスク者をどのように鑑別し、どのように対処すべきか?>
 

指針では、ワクチン接種によりまれに発生し得るアナフィラキシーのリスクを極力減らすための対策を提言しています。

 

具体的には、アレルギー歴や現在の治療内容・重症度などに関する問診を行った上で、接種を避けるべき「接種不適当者」と、慎重な観察や対応を要する「接種要注意者」に該当するかを判断するよう求めました。
 

 

コミナティの接種不適当者としては、

 

② 明らかな発熱を呈している

 

②重篤な急性疾患にかかっていることが明らか

 

③ 同ワクチンの成分に対し重度の過敏症の既往歴がある

 

④ ①~③に挙げた以外に予防接種を行うことが不適当な状態にある
等を挙げ、③以外への対応は「一時的な接種延期でよい」としました。

 

1回目のワクチン接種で重度の過敏症(全身性の皮膚・粘膜症状、喘鳴、呼吸困難、頻脈、血圧低下など)を呈した例やワクチンの成分であるPEGまたPEGと交差反応性があるポリソルベートを含む薬剤に対して重度の過敏症を来した既往がある例に対しては「コミナティの接種を避けるべき」と明記しました。
 

一方、抗凝固療法を受けている人、血小板減少症または凝固障害を有する人、過去に免疫不全の診断がなされている人、心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害といった基礎疾患がある人などについては、接種要注意者としました。
また、

 

①予防接種の接種後2日以内に発熱が見られた、および全身性発疹などのアレルギーを疑う症状を呈したことがある

 

②コミナティの成分に対してアレルギーを呈する恐れがある-人も要注意者とされた。

 

① と②に該当する人は、アナフィラキシーなど重度の過敏症に対応できる体制のもとで接種し、接種後の観察時間も30分以上が望ましいとしました。
 

接種後の待機時間については、過去にワクチンや他の医薬品による即時型アレルギー反応/アナフィラキシー歴がある場合や、コントロール不良と思われる気管支喘息患者に関しては「少なくとも30分程度の観察が望ましい」とし、それ以外の人は「少なくとも15分間」としました。

 

過去にワクチンあるいは他の医薬品による即時型アレルギー反応/アナフィラキシー歴があり、かつβ遮断薬を投与中の人には医療機関での接種を推奨しています。
 

 

私見:

これだけの注意を払ってはじめて、より安全なワクチン接種を実施することができるということになります。たとえば、厳密な問診だけでも、どれだけの時間と労力を要することでしょうか。

 

アナフィラキシー反応は、2相性の反応を示すことがあり、第2相の出現に配慮するならば、接種後30分では短すぎます。最低でも1時間は確保しておかなければなりません。

 

そして日本人では新型コロナワクチン接種後にアナフィラキシーが起こる頻度が高いのか、については、実のところまだ結論は出ていません。結論を導くためには、少なくとも以下の仮説を検証すべきでしょう。

 

・アナフィラキシーとして報告があがっている件数のうち、半分程度は真のアナフィラキシーではない可能性がある

 

・医療従事者ではアナフィラキシーの頻度が高い可能性がある

 

繰り返しになりますが、『過去にアレルギーを指摘されている人や、過去にアナフィラキシーを起こしたことがある人』は特にリスクが高いことが知られており、接種に当たってはかかりつけ医などに相談することが推奨されます。

 

しかし、かかりつけ医はどのように相談に応じたらよいのでしょうか。かかりつけ医のすべてがアレルギー専門医や救急蘇生の専門医ではありません。とりわけ自らが接種に応じる場合は、それなりの条件や整備された環境が必要となりますから、それが十二分に確保されていない限り、歯切れの良いアドバイスは期待できないのが実情ではないでしょうか。

 

たしかにアナフィラキシーと報告された方々が全員回復しているということは大切なことで注目されています。したがって、アナフィラキシーは適切に対応することで対処可能な病態であると考えられています。しかし、この好ましい結果がいつまで持続するのかについては、懸念が残ります。

 

その理由は、初期にワクチンを接種した医療環境と同等以上の条件を確保しつつ、ワクチン接種の機会を拡大していくことは、それほど容易ではないと考えるからです。

 

 

「PCR検査は、過大評価されているのではないか、その限界をもっと明らかにしておかなければ、かえって感染の蔓延をもたらしてしまいかねない」というのは、どうやら私一人の主観的な懸念ではなかったようです。

 

フランスの保健当局は16日、新型コロナウイルスの新たな変異株が仏国内で確認されたと記者会見で発表した。PCR検査をすり抜ける(つまり、PCR検査で検出できない)特徴があり、仏当局が調査を始めました。
 

当局の発表や仏メディアによると、確認されたのは仏西部コート・ダルモア地方病院。2月22日に院内感染が発生し、79人が感染した模様です。このうちの死亡した8人の患者から新たな変異株が発見されました。遺伝子配列を解析して分かったということです。
 

8人のうち7人は生前、新型コロナ特有の症状がみられたにもかかわらず、当初のPCR検査では陰性でした。しかし、これは偽陰性でした。改めて抗体検査などを実施したところ、新型コロナに感染していることが確認されたということです。
 

仏当局は現在のところ、これまでの新型コロナに比べて、感染力や重症化の度合いが高いとは言えないと説明しています。また世界保健機関(WHO)の基準にのっとり、とりあえず、この変異株を英国型などより懸念が低い「調査中の変異株」と位置づけたうえで、全国レベルでの調査に乗り出しました。

 

ただし、調査中の変異株であるということは、これまでの新型コロナに比べて、感染力や重症化の度合いが高い可能性もあることから、そうした結果が判明すれば、その時点で懸念の度合いが、より大ききなることを示唆しています。
 

仏メディアは発生した地方の名前から「ブルターニュ変異株」と呼んでいる。

 

それから、フランスで国際的に権威のあるルイ・パスツール研究所の公式サイトの見解も見逃せないところです。
 

私はこの記事を読むまでは、世界の代表的な変異株は、英国、南アフリカおよびブラジルを期限とするものであるという認識でした。しかし、フランスでの公式的な認識では、英国、南アフリカ、そして日本なのです。わざわざ、括弧書きで、「ブラジルからの旅行者から検出されたために通称ブラジル株と呼んでいる」と記述しています。この変異株の最初の発生が日本であったという指摘には驚かされました。

 

フランスでは発生した地名であるブルターニュを冠していて潔いのですが、この姿勢には学ぶべきものがあると思います。ブラジル株ではなく、日本株と称することこそが国際的な評価に繋がると同時に、日本国民にたいして正しい認識に基づく賢明な態度を醸成することにも繋がるのではないかと思います。
 

 

 

以下は、フランスのL‘Obsの電子版の記事です。

 

 

Un variant breton identifié, qui échappe au test PCR

PCRテストを免れた英国変異種が発見される

 

 

Les autorités sanitaires ont mis en garde contre un variant du coronavirus à l’origine d’un cluster dans les Côtes-d’Armor. Le virus n’avait pas été détecté par des tests PCR. Des investigations sont en cours.

(フランス)保健当局は、コート・ダルモア地方で発生したクラスターの原因となったコロナウイルスの変異種について警告した。PCR検査ではウイルスは検出されなかった。調査は進行中である。

 

 

Par L'Obs avec AFP
Publié le 16 mars 2021 à 08h13 Mis à jour le 16 mars 2021 à 09h50

L'Obs とAFPとの共同
公開日: 2021年3月16日 08:13 更新日: 2021年3月16日 09:50

 

 

Un nouveau variant du coronavirus Sars-CoV-2 a été détecté en Bretagne, a annoncé lundi 15 mars la Direction générale de la Santé (DGS), précisant que des investigations sont en cours pour en évaluer la transmissibilité et la sévérité.

ブルターニュ地方でコロナウイルスSars-CoV-2の新種が検出されたことを、保健総局(DGS)が3月15日(月)に発表し、その感染力と重症度を評価するために調査を行っていることを明らかにした。

 

 

En attendant, ce variant a été classé dans la catégorie « à suivre » par les autorités, celle qui regroupe la plupart des milliers de variants qui apparaissent naturellement dans le monde, et dont seule une petite proportion posera finalement des problèmes particuliers de santé publique, par exemple s’ils s’avèrent plus transmissibles.

 

一方、この変異種は当局によって「監視すべき」カテゴリーに分類されている。このカテゴリーには、世界中で自然に発生する何千もの変異種のほとんどが含まれているが、その中で最終的に公衆衛生上の特別な問題を引き起こすのは、感染性が高いと判明した場合など、ごく一部に過ぎない。

 

 

Brésilien, anglais ou sud-africain : ce que l’on sait et ce que l’on ignore sur les variants du coronavirus

ブラジル型、英国型、南アフリカ型:コロナウイルスの変異種についてわかっていること、わかっていないこと

 

 

Les autorités sanitaires ont tout d’abord détecté en Bretagne plusieurs cas de malades présentant les symptômes du Covid-19, « rattachés à un cluster » mais dont les tests PCR étaient négatifs. Il s’agit d’un cluster au centre hospitalier de Lannion (Côtes-d’Armor). Le 13 mars, 79 cas y ont été identifiés, dont 8 cas porteurs du variant, confirmé par séquençage.

(フランス)衛生局がブルターニュで最初に発見したのは、Covid-19の症状を呈する患者が数例、「クラスターに属する」とされたが、PCR検査は陰性だった。ラニオン(コート・ダモール)の病院でのクラスターである。3月13日、同地で79名の患者が確認され、そのうち8名がこの変異種を保有していることがシークエンス検査により確認された。

 

 

Des analyses réalisées par l’Institut Pasteur ont mis « en évidence un nouveau variant [...] porteur de neuf mutations dans la région codant pour la protéine S mais également dans d’autres régions virales », a précisé la DGS dans un message aux professionnels de santé.

パスツール研究所による分析の結果、「プロテインS(飯嶋註)をコードする領域やウイルス(遺伝子)のその他の領域に9つの変異を持つ、新たな変異体」が発見されたと、DGSは医療関係者に向けたメッセージで発表している。

 

プロテインS(飯嶋註):

プロテインSとは分子量8万4,000のビタミンK依存性蛋白で肝臓で産生されます。この蛋白は、凝固阻害作用を示すプロテインCの補酵素です。すなわち、活性型プロテインCは、プロテインSを補酵素として凝固第Ⅷa, V a因子の失活化を行います。ですからプロテインS領域が変異すれば、プロテインS欠損症と同様に、線溶系の機能が低下し、血栓症を発来することが想定されます。また血中プロテインSの測定は素因診断やプロテインC欠損症との鑑別診断に有効であり、主として下肢静脈血栓など遺伝性血栓症の診断に行われる重要な検査項目です。
このことから、私は、フランスのブルターニュ株感染によって、Covid-19の重症例、死亡例に特徴的な血栓症を引き起こすリスクが高い可能性があると推測しつつ、今後の経過を見守りたいと考えています。なお、新型コロナ感染症蔓延防止の決め手と考えられているワクチンについてですが、オーストリアで報告されたアストラゼネカ社のワクチン接種者の塞栓症についても、私は因果関係があると疑って精査すべきであると考えています。

 

 

« Une évaluation est en cours afin d’apprécier l’impact possible de ces modifications génétiques sur un défaut de reconnaissance par les tests virologiques conduisant à un sous-diagnostic », poursuit-elle.

また、「これらの遺伝子改変が、ウイルス学的検査で疾患を認識できず、過小診断につながる可能性に影響するかどうかを評価するために、評価が行われている」と続けている。

 

 

Pas de transmissibilité accrue observée à ce stade

現段階では感染率の増加は見られない

 

 

« Les premières analyses de ce nouveau variant ne permettent de conclure ni à une gravité ni à une transmissibilité accrues par rapport au virus historique », indique un autre communiqué de la DGS lundi soir, ajoutant que « des investigations approfondies sont en cours afin de mieux connaître ce variant ».

「この新しいウイルスの最初の分析結果では、従来のウイルスに比べて感染力が弱いとも、感染力が強いとも言えない。このウイルスをよりよく知るために、詳細な調査を行っている」と、月曜日の夜にDGSが発表した別のコミュニケには書かれている。

 

 

L’apparition de variants du virus est un processus naturel puisque celui-ci acquiert des mutations au fil du temps, pour assurer sa survie.

ウイルスは生き延びるために時間をかけて変異を獲得していくので、ウイルスの変異種の出現は自然なプロセスである。

 

 

Naissance, mutation, disparition... Comment vit un virus ?
A ce stade, trois variants dans le monde sont considérés comme particulièrement préoccupants, ceux qui ont d’abord été détectés en Angleterre, en Afrique du Sud et au Japon (mais sur des voyageurs venant du Brésil, d’où son nom commun de « variant brésilien »).

発生、突然変異、消滅...。ウイルスはどうやって生きているのか?
現段階では、英国、南アフリカ、日本(ただし、ブラジルからの旅行者に検出されたため、「ブラジル変異種」という通称がついている)で最初に検出された3つの変異種が特に問題視されている。

 

 

Parallèlement, il existe une deuxième catégorie de variants, surveillés par la communauté scientifique internationale à cause de leurs caractéristiques génétiques potentiellement problématiques mais qui ne circulent encore qu’à moindre échelle.

その一方で、遺伝的特性に問題がある可能性があるために国際的な科学団体で監視されているものの、まだ小規模にしか流通していない第2のカテゴリーの変異種も存在する。

 

前回はこちら

 


コロナワクチン接種の実施のために、日本アレルギー学会が作成

 

<アナフィラキシーはなぜ圧倒的に女性と医療従事者に多いのか?>
 

指針では、国内外で臨床導入されているコミナティ、モデルナ製、アストラゼネカ製のSARS-CoV-2ワクチンのアナフィラキシー発症機序についても言及しています。
通常、ワクチンによるアナフィラキシーの発症を引き起こす原因として考えられるのが、免疫原である主成分またはアジュバントや保存剤などの添加物に対するIgEを介してのマスト細胞の活性化です。

 

しかし、SARS-CoV-2ワクチンにはアジュバントや保存剤は添加されておらず、「ファイザー製とモデルナ製のmRNAワクチンは、有効成分であるmRNAが封入されている脂質ナノ分子を形成する脂質二重膜の水溶性を保持するために使用されているポリエチレングリコール(PEG)が原因」と考察しています。

 

また、これまでに報告されたアナフィラキシー発現例は、コミナティの94%、モデルナ製ワクチンの全例が女性でした。このことから、「化粧品による経皮感作の可能性は否定できない。だが、未だPEG特異的IgE抗体の測定系は確立していないため、アナフィラキシー誘発機序や感作の実態解明などは今後の課題」と指摘しました。
 
 

私見:

ファイザー社の新型コロナワクチンはmRNAワクチンです。このワクチンにはPEG(ポリエチレングリコール)という成分が含まれており、このPEGがmRNAワクチンのアナフィラキシーの原因の一つと考えられています。しかし、もしそれが原因だとしても、新型コロナのmRNAワクチンに対してアナフィラキシーを起こすのは、これまでのところ圧倒的に女性が多いことが明確に説明できません。それでもその理由としてPEGが界面活性剤、乳化剤、保湿剤などとして化粧品に含まれることが関連しているのではないかという可能性が挙げられています。
 

同様に原因はまだ不明ですが、医療従事者はそれ以外の方と比べてアナフィラキシーの頻度が高い可能性があります。

 

Mass General BrighamというNPO法人の医療従事者を対象に新型コロナワクチン接種を行った際のアナフィラキシー件数についての米国の報告があります。これによりますと、64 900人の医療従事者が新型コロナワクチンを接種しており、このうち40%の人がファイザー社のワクチンを接種していました。このうち、2%の人が何らかのアレルギー症状が出現し、また0.027%の人にアナフィラキシーがみられたとのことです。

 

医療従事者は、さまざまな局面でPEGに接する機会があります。PEGは下剤や整腸剤の有効成分であるほか、錠剤の表面コーティング、潤滑剤、超音波ジェル、軟膏、座薬、デポ剤、骨セメント、臓器保存剤などの安定剤としても使用されています。このような職業上の環境によって、医療従事者ではよりPEGに感作されている人の割合が高くなっている可能性はあるかもしれません。
 

世界中で女性の医療従事者のアナフィラキシー症例が報告されている背景の解明のためには、上記のような化粧品、医薬品などと複数の因子との因果関係をたどっていく必要があると思われます。

 

前回はこちら

 


コロナワクチン接種の実施のために、日本アレルギー学会が作成

 

 

<指針の内容・構成>
 

SARS-CoV-2ワクチンによるアナフィラキシーの症状と対処自体は他の原因によるものと変わらず、適切な対処により回復することが報告されています。

 

同学会の指針はこのワクチンを国内の医療現場で適切に使用してもらうことを目的として作成されたものです。

 

内容は以下の5項目による構成になっています。

 

① はじめに

 

② 副反応の種類と頻度

 

③ 副反応の機序

④ ワクチン接種の対象

 

⑤ アレルギー反応/アナフィラキシー対策
 

国内で使用されているSARS-CoV-2ワクチンであるファイザー社のコミナティ接種によるアナフィラキシーは、接種開始から3月11日までに37例報告され、接種100万回当たり204例(37件/18万1,184回接種)にのぼりました。これは、同期間の接種10万人当たりでみますと20.4人に相当するものです。およそ5000人に1人が新型コロナワクチン接種後にアナフィラキシーを起こした計算になります。

 

これまでの海外の報告では、

・4.7件/100万回接種(アメリカ)

・18.6件/100万回接種(イギリス)

となっており、日本の比率をそのまま当てはめると204件/100万回接種となり、アメリカやイギリスと比べて10〜40倍以上アナフィラキシーが多いことになります。なぜ日本ではこんなにアナフィラキシーの報告が多いのでしょうか?

 

それには海外とは単純な比較が難しい状況にあることが指摘されています。まずアナフィラキシーの定義の違いがあります。

 

そこで、実際に3月12日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会において、アナフィラキシーの国際基準(定義)『ブライトン分類』に基づき、同月9日までに報告されたアナフィラキシー発現例17例について評価したところ、7例がアナフィラキシーと判断され41.2%になりました。

 

参考のため、アナフィラキシーの国際基準(定義)『ブライトン分類』とは、どのようなものかを簡単に言えば、

 

ワクチン接種後に、

 

・皮膚症状(蕁麻疹などの発疹)

 

・循環器症状(血圧低下、意識障害、頻脈など)

 

・呼吸器症状(気道閉塞、頻呼吸など)

 

・消化器症状(下痢、嘔吐など)

 

の症状が2つ以上の臓器にまたがってみられた場合にアナフィラキシーと定義するということです。

 

これに対して、従来の日本のアナフィラキシーの報告はどうかといいますと、こうした定義を満たしているかどうかについては問われていません。予防接種法及び医薬品医療機器等法に基づき「新型コロナワクチン接種に関連したアナフィラキシー」と判断された事例について医療機関が「副反応疑い報告」として報告しています。

 

私見:

日本でのアナフィラキシー発生率が異常に高い理由について、3月12日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会において、アナフィラキシー発現例17例について評価したところ、7例がアナフィラキシーと判断され41.2%になりました。

 

しかし、それで改めて計算しても204×0.412=84ですから、英米と同じ基準によって検討しても、わが国ではアメリカやイギリスと比べて4.5~17.8倍程度アナフィラキシーが多いことになります。その理由については十分に検討されていません。

 

コロナワクチン接種の実施のために、日本アレルギー学会が作成

 

<日本アレルギー学会の問題意識>

 

2021年2月17日から日本でもまずは医療従事者を対象に新型コロナウイルスワクチンの接種が始まりました。

しかし、3月16日時点で、杉並国際クリニックには一切の通知が届いていない状況でした。

 

そこで、杉並保健所にて確認したところ、窓口は東京都の福祉保健局であるとの情報を得ました。そこで、「新型コロナウイルスワクチン接種に係る医療従事者等の登録サイトについて」を通して、東京都の担当者に問い合わせてみると、予め対象医療機関宛てに『登録するためのアンケート』をすでに発送したことになっていたとの返答でした。当クリニックは「内部の手違いによって漏れていたようです」とのことでした。

 

新型コロナワクチンについては副反応ばかりでなく、このように、その実施手続きについても不明な点が多いです。

 

とりわけ重度の過敏症であるアナフィラキシーをきたす頻度が従来のワクチンよりも高いことが欧米において報告されていることも問題になっています。その原因は何でしょうか?

 

こうした社会問題に対して専門的な立場からの見解を求められる日本アレルギ―学会から指針が発表されました。

 

日本アレルギー学会は「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン接種にともなう重度の過敏症(アナフィラキシー等)の管理・診断・治療」の指針を改訂しました。その内容は3月12日に公開されています。

 

日本アレルギー学会のオフィシャルサイトでは、アレルギー学会会員に向けて公開されています。

 

また、一般の方にも

一般社団法人 日本アレルギー学会 (jsaweb.jp)

で御確認いただけます。

 

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「新型コロナウイルスワクチン接種にともなう重度の過敏症 (アナフィラキシー等)の管理・診断・治療」について

 

更新日時:2021年3月1日

日本アレルギー学会会員各位

令和3年3月1日

一般社団法人日本アレルギー学会

理事長 出原 賢治

 

 

「新型コロナウイルスワクチン接種にともなう重度の過敏症

(アナフィラキシー等)の管理・診断・治療」の作成とHPへのアップロード

 

新型コロナウイルス感染症に対する有効な予防手段として、ワクチンに大きな期待が寄せられています。すでに特例承認され、一部の医療関係者を対象として接種が始まっておりますが、これらのワクチンの副反応については不明な点も多く、また、重度の過敏症であるアナフィラキシーをきたす頻度が従来のワクチンよりも高いことが欧米において報告されております。しかし、アナフィラキシーの症状と対処自体は他の原因によるものと変わらず、現時点ですべての新型コロナウイルスワクチンによるアナフィラキシーは適切な対処により回復しております。また、ワクチン接種に際しては常にその益と害のバランスを考えることが必要であり、副反応に対する過度な懸念や対応は社会に大きな損失と負担をもたらす危険性が存在します。

 

そこで日本アレルギー学会では、新型コロナウイルスワクチン接種にともなう副反応のうち、特に重度の過敏反応(アナフィラキシー等)を起こし得る危険因子、管理、診断および治療について現時点の情報を整理し、適切にワクチン接種を行うための指針である「新型コロナウイルスワクチン接種にともなう重度の過敏症(アナフィラキシー等)の管理・診断・治療」を作成し、学会HPにアップロード致しました。どうぞ会員の皆様には、この情報を有効にご活用いただきたく存じます。

 

なお、最新の副反応に関する情報については、厚生労働省、医薬品医療機器総合機構(PMDA)、ワクチンメーカー等からの通知を確認いただきますようお願いいたします。

 

新型コロナウイルスワクチン接種にともなう
重度の過敏症(アナフィラキシー等)の管理・診断・治療

 

2021年3月12日改訂版掲載

 

同学会では「SARS-CoV-2ワクチンによるアナフィラキシーは他の原因によるものと変わらず適切な対処により回復する」としました。

 

その上で、「ワクチン接種に際しては常にその益と害のバランスを考える必要があり、副反応に対する過度な懸念や対応は社会に大きな損失と負担をもたらす」との懸念を表明しました。

 

このようにSARS-CoV-2ワクチンの副反応のうち特に重度の過敏反応(アナフィラキシー等)を起こしうる危険因子を踏まえて、接種を避けるべき人やアナフィラキシー発現後の管理、診断、治療法、準備すべき医薬品や医療備品などについて示しました。
 

 

私見:

私は日本アレルギー学会の専門医の一員です。この提言は、常に複数のアレルギー専門医が活動している医療現場においては、概ね妥当する公式見解であろうと思われます。しかし、一開業医の視点からすると、専門医が一人以下の大多数の小規模の医療機関においては、むしろSARS-CoV-2ワクチンの接種を高い水準で確保することは容易ではないことが明かにされたものといえるのではないかという印象を受けました。