イタリア語旅行、「イタリアが中国のコロナワクチンに期待するという記事」の背景

 

興味深いニュースがはいってきました。

 

予定では、マリオ・ドラギとは何者か?No3
でしたが、急遽、以下の臨時ニュースに変更致します。

 

外国のニュースは日本語に翻訳されて報道されますが、私は自分が翻訳を試みることによって、原文の意味を正しく理解し、かつ、分かりやすくつたえることが如何に難しいかを痛感しています。それと同時に、プロであるはずの翻訳者の明らかな誤りに気付くことが増えてきました。

 

以下の記事は、日本語で書かれていますが、実は中国発信の記事です。日本も中国製のワクチンを購入せよ、という暗示なのでしょうか。

 

「実験データから、中国のコロナワクチンの有効性は非常に高く、安全性にも疑いの余地がない」、とか、あたかもイタリアの免疫学者であるビオラ教授の別の文脈での発言であると思われる「ワクチンの選択については、科学的かつ開放的な態度を取るべきである」、という記述には大いに疑問の余地が残ります。そもそも中国のワクチンの臨床データは、どのようにすれば確認できるのでしょうか。

 

そこで、ビオラ教授のメッセージをイタリアの原語のジャーナルで確認してみることにしました。ビオラ教授は、若干楽観的な見解を示しているようにも感じられますが、今後とも必要になってくる方向性をしっかり示しています。

 

 

中国のコロナワクチンに期待 イタリア免疫学者

 

2021年2月11日 22:15 

発信地:中国 [ 中国 中国・台湾 ]

 

【2月11日 CGTN Japanese】世界の多くの国が大規模に中国産のコロナワクチンを接種するにつれて、その有効性と安全性はますます多くの西洋医学専門家の認可を得ています。イタリアのパドヴァ大学生物医学科教授で免疫学者のアントネラ・ビオラ氏は、「中国のコロナワクチンは非常に期待されており、イタリアの感染症との闘いに役割を果たせるに違いない」と述べました。
 

ビオラ氏によりますと、中国のワクチンは現在ヨーロッパで使用されているワクチンとは異なる技術路線を採用しており、実験データから、中国のコロナワクチンの有効性は非常に高く、安全性にも疑いの余地がないということです。
 

このほど、ヨーロッパの一部の国が導入を承認し、中国のコロナワクチンを大量に接種しています。イタリア医薬品局のマグリーニ事務局長もEUに対し、中国のコロナワクチンの承認を検討するよう求めています。
 

現在、欧米諸国でワクチンを政治化させる傾向があることについて、免疫学者であるビオラ氏は、「感染症と闘う中で各国が別々に戦えば、ウイルスが広がり続けるだけだ」と指摘しています。また、「既存のワクチンでウイルスの変異を識別できない事態が発生すれば、すべての努力が無駄になる。ワクチンの選択については、科学的かつ開放的な態度を取るべきである」と指摘しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News

 

 

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VACCINI anti CORONAVIRUS: l'IMMUNOLOGA Antonella VIOLA ha fatto chiarezza su TIPOLOGIE e VARIANTI del COVID

コロナウイルスに対するワクチン:免疫学者アントネッラ・ビオラ氏がCOVIDの種類と変異株について明言する

 

 

Articolo del 8/02/2021
ore 13:40
di Team iLMeteo.it Meteorologi e Tecnici

8/02/2021年2月8日の記事
午後1時40分
気象学者と技術者によるチーム<イル・メテオ・イタリア>

 

 

Antonella VIOLA, immunologa e Professoressa Ordinaria di Patologia Generale

アントネッラ・ビオラ、免疫学者、一般病理学正教授

 

 

Antonella VIOLA, immunologa e Professoressa Ordinaria di Patologia Generale presso il Dipartimento di Scienze Biomediche dell’Università di Padova, ha fatto chiarezza, sul Corriere della Sera, sulla situazione VACCINI e VARIANTI.“Il virus muta di continuo: ogni volta che si replica possono verificarsi errori che portano alla comparsa di mutazioni nell’RNA” dice l’immunologa, sottolineando che “le varianti competono tra di loro per acquisire un vantaggio”

免疫学者で生物医学科学、パドヴァ大学生物医科学学部の一般病理学正教授アントネッラ・ビオラ氏は、コリエレ・デラ・セラ紙上で、ワクチンと変異株の現状を明確にしている。「ウイルスは常に変化している:複製をするたびに、RNAの変異の出現につながるエラーが起こり得ます 」とこの免疫学者は言い、「変異株は、優位性を得るため互いに競争する 」ことを指摘している。

 

 

Ricordiamo che le mutazioni individuate dagli scienziati in questi mesi sono state migliaia, spesso non significative. Ma a destare particolare attenzione nell’ultimo periodo c’è stata la scoperta di tre varianti: inglese, sudafricana e brasiliana, già diffuse in Italia.“Il virus può puntare a replicarsi con maggiore velocità e quindi a diventare più contagioso, come accade nella variante inglese che può avere maggiore facilità di ingresso nelle nostre cellule. Esistono poi mutazioni che aiutano il virus a ‘nascondersi’ meglio di fronte al sistema immunitario. Esse rappresentano un problema perché aprono la strada alla possibilità di reinfezione: in presenza di una variante non riconosciuta dagli anticorpi sviluppati, un soggetto può contrarre nuovamente il virus”.

ここ数ヶ月の間に、科学者たちは数千を数える重要な意味を持たない突然変異をしばしば同定してきました。しかし、最近になって3つの変異株、すなわち英国株、南アフリカ株、ブラジル株の発見は、特に注目を集めていて、イタリアですでに蔓延している。「ウイルスは、英国変異株で起きているように、より迅速に自己複製し、より感染力を増し、より簡単に人体の細胞に侵入することができます。また、免疫システムからウイルス自身をより良く「隠す」のに都合の良い突然変異もあります。これらの変異は、再感染の可能性に道を開くので、問題となります。開発された抗体に認識されない変異体が存在すると、人は再びウイルスに感染する可能性があります。」

 

 

“In questo momento, continua VIOLA, abbiamo la variante inglese, che non pare costituire un problema dal punto di vista immunologico: sia gli anticorpi delle persone che si sono ammalate che quelli prodotti dal vaccino sembrano in grado di riconoscerla. La variante sudafricana, come quella brasiliana, presentano invece una mutazione che altera l’interazione degli anticorpi col virus, ostacolando la sua neutralizzazione. Questo, come affermato in precedenza, implica la possibilità di reinfezione e la probabile mancata efficacia degli anticorpi monoclonali"

「現時点では、私たちには英国変異株が入ってきていますが、免疫学的な観点からは問題ないようです。病気に罹った人々の抗体とワクチンによって生成されたものの両方がそれを認識することができるようです。一方、南アフリカ株はブラジル株と同様に、抗体とウイルスの相互作用を変化させる変異を持っており、ウイルスの中和を妨げています。これは、上記のように、再感染の可能性を示唆し、モノクローナル抗体の効果がない可能性が高いことを示唆しています。」とビオラ教授は話を続ける。

 

 

Per quanto riguarda il VACCINO invece, non ci sono dati certi al momento. "Non è detto che, in caso di esposizione a questo tipo di variante, le persone immunizzate siano del tutto prive di uno scudo: nonostante gli anticorpi neutralizzanti funzionino di meno, il resto della risposta immunitaria rimane in piedi e garantisce protezione. Non bisogna seminare il panico tra le persone. È invece necessario comprendere meglio la situazione, effettuando più sequenziamenti possibili".

一方、ワクチンについては、今のところしっかりとしたデータはない。「このタイプの変異株に暴露した場合には、免疫を持っている人々が完全に防護されるという保証はありません。とはいっても中和抗体の機能は低下しますが、免疫応答の残りの部分はそのまま残っており、保護作用を提供しています。パニック状態になる必要はありません。その代わり、できるだけ多くの遺伝子配列の追跡を行うことで状況をよりよく理解する必要があります。」